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ピンクの豹 The Pink Panther (1963)

後にシリーズ化されることになる、大ヒット傑作コメディの第1弾。
怪盗としての顔を持つ紳士がダイヤ”ピンク・パンサー”を狙う事件を担当するパリ市警ジャック・クルーゾー警部が巻き起こす騒動を描く、監督、脚本ブレイク・エドワーズ、主演デヴィッド・ニーヴンピーター・セラーズロバート・ワグナーキャプシーヌクラウディア・カルディナーレ他共演のロマンチック・コメディ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ロマンチック・コメディ


スタッフ キャスト ■
監督:ブレイク・エドワーズ

製作:マーティン・ジュロー
脚本
ブレイク・エドワーズ

モーリス・リッチリン
撮影:フィリップ・H・ラスロップ
編集:ラルフ・E・ウィンターズ
音楽:ヘンリー・マンシーニ

出演
チャールズ・リットン卿:デヴィッド・ニーヴン

ジャック・クルーゾー警部:ピーター・セラーズ
ジョージ・リットン:ロバート・ワグナー
シモーヌ・クルーゾー:キャプシーヌ
ダーラ王女:クラウディア・カルディナーレ
アンジェラ・ダニング夫人:ブレンダ・デ・バンジー
タッカー:コリン・ゴードン
ギリシャのいとこ:フラン・ジェフリーズ

イギリス/アメリカ 映画
配給
ユナイテッド・アーティスツ

The Mirisch Company
1963年製作 114分
公開
北米:1964年3月20日
日本:1964年2月8日
北米興行収入 $10,878,110


アカデミー賞 ■
第37回アカデミー賞

・ノミネート
作曲賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
ヨーロッパ各地で”ファントム”の犯行による宝石が奪われる事件が頻発する。

パリ市警のジャック・クルーゾー警部(ピーター・セラーズ)は、ファントムの一味と思われる黒髪の女性が鍵を握ると見て、彼女の捜査に全力をあげる。

イタリアコルティナ・ダンペッツォ
父王から譲り受けたダイヤモンド”ピンク・パンサー”を所有する、休暇を楽しむ中東某国王女ダーラ(クラウディア・カルディナーレ)を、チャールズ・リットン卿(デヴィッド・ニーヴン)が監視していた。

そこに、クルーゾーとその妻シモーヌ(キャプシーヌ)も現れるが、彼女こそがファントムの一味の女性で、リットンとも通じ愛し合う仲だった。

ゲレンデで偶然に会ったふりをして、リットンはダーラに夕食を誘われ、快くそれを受け入れる。

クルーゾーは、ダーラが所有するピンク・パンサーを狙い、ファントムが必ず現れるはずだと考えていた。
...全てを見る(結末あり)

ダーラとの夕食のために、彼女の部屋に向かったリットンは、それが、2人きりでなかったことを知らされる。

ホテルには、リットンの甥ジョージ(ロバート・ワグナー)も現れ、シモーヌは、彼がリットンの甥だと知り驚いてしまう。

食事中のリットンに、窓から合図をしたシモーヌは部屋に戻り、ベッドに入る準備をしていたクルーゾーを何とか追い払い、隣部屋のリットンの元に向かう。

しかし、リットンのベッドにいたのはジョージで、シモーヌは部屋に戻り、クルーゾーを待つ。

客の帰ったダーラは、リットンを再び部屋に招こうとするが、逆に彼の部屋に招待される。

二人はシャンパンを飲みながら話し込み、ダーラは酔い潰れてしまう。

リットンは、仕方なく自分のベッドに彼女を寝かせようとするが、そこにいたジョージに驚いてしまう。

翌朝、リットンに会ったシモーヌは、ジョージのことを窓越に知らせたことなどを伝え、彼と愛を確かめ合う。

コルティナを旅立つダーラを、駅に見送りに行ったリットンは、彼女を罠にはめ、出発を延ばすことに成功する。

ホテルに戻ったリットンとシモーヌは、国と所有権で揉めている、”ピンク・パンサー”のことをダーラから聞き出す。

リットンに惹かれているダーラから、”ピンク・パンサー”のある場所を聞き出すのは容易だとシモーヌは考える。

シモーヌにスキーを習い、ダンスも踊り、彼女に惹かれてしまったジョージは、クルーゾーを騙して遠方に追いやる。

クルーゾーが出て行った後で、シモーヌは部屋にリットンを呼び寄せていたが、彼女と密会しようとしたジョージ現れて慌ててしまう。

さらに、誘き出されたような気がしたクルーゾーも部屋に戻り、シモーヌは右往左往しながらも、何とかその場を切り抜ける。

その頃、ダーラはコルティナを旅立ち、それがクルーゾーにも知らされる。

部屋に戻ったジョージは、叔父リットンのバッグから、怪盗ファントムの七つ道具と、トレードマークの白い手袋を見つけ、彼がファントムだということに気づく。

ベッドに入り、シモーヌと楽しもうとしていたクルーゾーにも、リットンがファントムだと確信できる情報が入る。

その後クルーゾーは、”ピンク・パンサー”の盗難保険会社のタッカー(コリン・ゴードン)と、ローマ滞在中のダーラを訪ねる。

ダーラに、リットンがファントムだったことを話したクルーゾーは、彼女に警戒するよう伝えて、夜のパーティーで、必ずやファントムを逮捕すると豪語する。

その夜、ダーラの屋敷では、仮装パーティーが開かれ、クルーゾー、タッカー、シモーヌ、ジョージがゴリラに変装し、そして、リットンも密かに屋敷に侵入する。

やがて、会場の照明が突然消え、クルーゾーがロウソクと間違えて花火に火をつけてしまい、会場はパニックになり人々は逃げ出してしてしまう。

リットンとジョージは、”ピンク・パンサー”が盗まれ、金庫にファントムの手袋が残されているのに気づき、屋敷から逃亡する。

結局、リットンとジョージは逮捕され、ジョージは大学を退学し、叔父の仕送りで、ハリウッドでの優雅な生活を楽しんでいたことを牢獄で告白する。

”ピンク・パンサー”を盗んだのが、リットンとジョージだと確信するクルーゾーだったが、彼らを尋問しても真相は分からなかった。

ダーラを訪ねたシモーヌは、コルティナでリットンが近づいたのは計画だったこと真相を話し、リットンとジョージが犯人でないことを証言して欲しいと頼み込む。

所有権争いの裁判前に、”ピンク・パンサー”を盗んでいたダーラは、ある秘策を考える。

やがて、リットンとジョージの裁判が始まり、クルーゾーが証言台に座らされる。

クルーゾーは、シモーヌとダーラの罠にはまり、胸のポケットに隠されていた”ピンク・パンサー”を法廷で取り出してしまい、真犯人に仕立て上げられ卒倒してしまう。

その後、釈放されたリットンとジョージは、シモーヌと共に南米に向かう。

そして、護送されるクルーゾーは、ヒーローとして女性達の注目の的となる。


解説 評価 感想 ■

参考:
・「ピンクの豹」(1963)
・「暗闇でドッキリ」(1964)
・「ピンク・パンサー2」(1975)
・「ピンク・パンサー3」(1976)
・「ピンク・パンサー4」(1978)
・「ピンク・パンサーX」(1982)
・「ピンク・パンサー5 クルーゾーは二度死ぬ」(1983)
・「ピンク・パンサーの息子」(1993)

・「ピンクパンサー」(2006)
・「ピンク・パンサー2」(2009)

*(簡略ストー リー)
怪盗”ファントム”として強盗を続けて、ダイヤ”ピンク・パンサー”を狙うリットン卿は、その所有者の中東某国王女ダーラを監視する。
リットンの愛人でもある共謀者であり、パリ市警ジャック・クルーゾー警部の妻シモーヌも、夫の捜査の付き添いとして、ダーラの滞在先コルティナに現れる。
警戒するクルーゾーの”捜査”をかわしながら、首尾よくダーラに接近したリットンは、現れた甥のジョージと、彼女のローマの屋敷に侵入し”ピンク・パンサー”を盗み出そうとする。
しかし、”ピンク・パンサー”は既に何者かに盗まれた後で、二人はあえなく警察に逮捕されてしまうのだが・・・。
__________

本作の準主役であるクルーゾー警部が評判となり、”ピンク・パンサー”は登場しないものの、スピンオフ作品として、わずか3ヵ月後に公開されることになる「暗闇でドッキリ」からが、本格的にクルーゾーが活躍するシリーズと言うのが正しく、第一作の本作は別物のロマンチック・コメディと考えた方がいい。

但し、ピンク・パンサーのキャラクターとヘンリー・マンシーニの、余りにも有名になったテーマ曲は、本作から生まれたものであり、それらのインパクトの大きさは、後の映画界に大きな影響を与えた。

第37回アカデミー賞では、そのテーマ曲が作曲賞にノミネートされた。

美しいヨーロッパの各地を巡る展開、謎めいた紳士と、かなりはずれた警部、そして、それを取り巻く美女など、コメディとしての娯楽の要素満載で描く、ブレイク・エドワーズの演出も冴え渡る。

今見ると、クルーゾー警部にどうしても目がいってしまうが、正にはまり役の強盗貴族役デヴィッド・ニーヴンの、スマートでダンディなキャラクターを生かした、ユーモア溢れる演技は絶妙だ。

ピーター・セラーズが登場すると、普通のコメディが一気にドタバタになるところが実に可笑しい。
その後、主役となるクルーゾーに比べると、まだまだ”間抜け度”が足りない気がするものの、それがまた初々しくていい味を出している。

若々しい美青年ロバート・ワグナー、作品に華を添え、主役を食うほどの活躍を見せる、美しいキャプシーヌクラウディア・カルディナーレ、保険会社の調査員コリン・ゴードン、世話焼きの有閑マダム役ブレンダ・デ・バンジー、見事な歌と踊りを披露してくれるフラン・ジェフリーズなどが共演している。


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