現れた長老は、ガブリエル神父からオーボエを奪いへし折って捨ててしまう。
一人の戦士がそれを拾ってガブリエル神父に渡し、彼を村に連れて行く。
傭兵である奴隷商人ロドリゴ・メンドーサ(ロバート・デ・ニーロ)は、容赦なくグアラニー族を捕える。
先住民狩りをするメンドーサを知っていたガブリエル神父は、姿を見せない彼に、自分が布教区をつくり先住民を改宗させることを伝える。
その言葉を気にすることなく、捕らえた先住民を連れて町に向かったメンドーサは、スペイン総督ドン・カベザ(チャック・ロウ)に彼らを売る。
メンドーサの恋人であるカルロッタ(シェリー・ルンギ)は、兄が到着したことをフェリペ(エイダン・クイン)に伝える。
カルロッタがフェリペを愛していることを知ったメンドーサは、半年前から関係していたと言われる。
自分への愛情はフェリペほどではにと言われたメンドーサは、弟には手を出さないとカルロッタに伝える。
フェリペは、メンドーサと話した件をカルロッタから知らされる。
町の祭りも楽しむ気になれないメンドーサは、フェリペとカルロッタの情事の現場に押し入る。
その場を去ったメンドーサは、追ってきたフェリペと剣を交えて決闘し、彼をナイフで刺し殺す。
取り乱すカルロッタは、フェリペに寄り添い泣き崩れる。
半年後。
町の修道院を訪れたガブリエル神父は、メンドーサが誰とも話さないことを知り彼に会う。
フェリペを殺したことを話すたガブリエル神父は、決闘なので罪には問われないことをメンドーサに伝えるものの、放っておいてほしいと言われる。
世の中から逃げる臆病者であり滑稽だと、率直にメンドーサに伝えたガブリエル神父は、必ず出口はあると言い聞かせる。
償いようがないと言うメンドーサに、自らの選択で重罪を犯したのだから、今度は贖罪を選んでみてはどうかとガブリエル神父は提案する。
その勇気があるかと訊かれたメンドーサは、自分の罪は重すぎると答える。
説得されたメンドーサは、ガブリエル神父と共に、重い荷物を運びながら高地のサンカルロス村に向かう。
その様子を見ていられないフィールディング神父は、荷物のロープを切ってしまうが、メンドーサはそれを再び運び始める。
メンドーサは十分に罪を償ったとガブリエル神父に話すフィールディング神父だったが、本人がそう思っていなければまだ早いと言われる。
民主的な方法ではなく主が決める事だと言うガブリエル神父は、メンドーサの考えに任せる。
戻ったガブリエル神父らを歓迎するグアラニー族だったが、自分達にとっての敵であるメンドーサが現れたために驚く。
ナイフを持った戦士が近づきメンドーサを殺そうとするものの、抵抗しようとしない彼のロープを切って、荷物を川に落とす。
許されたことで涙するメンドーサを抱きしめたガブリエル神父は、戦士らと共に彼を祝福する。
その後、グアラニー族の協力により教会の建設が始り、メンドーサは部族民との親交を深める。
ある日、野ブタを捕えた戦士から止めを刺すようにと言われたメンドーサは、それを断る。
共に暮らすことを許してくれたガブリエル神父に感謝するメンドーサは、グアラニー族に感謝するべきだと言われる。
その方法が分からないと言うメンドーサに聖書を渡したガブリエル神父は、それを読むようにと伝える。
正式にイエズス会に入ることを決めたメンドーサは、ガブリエル神父から修道士として認められる。
アスンシオン。
イエズス会を服従させようとするポルトガルとスペインの命を受けたアルタミラーノ枢機卿は、スペイン総督カベザとポルトガル総督ドン・ホンター(ロナルド・ピックアップ)に迎えられる。
カベザから、イエズス会の力が強過ぎることが問題だと言われたアルタミラーノ枢機卿は、自分もイエズス会にいたことを伝える。
グアラニー族の少年の素晴らしい歌声を聴いた枢機卿は、彼らを動物扱いするカベザにその理由を問う。
仕込めば歌えると答えるカベザは考えを変えず、先住民は危険で野蛮であり節操のない生き物であるため、鞭を使うのが最善の方法で、イエズス会の主張など聞く必要ないと枢機卿に伝える。
発言を求めたガブリエル神父は、布教区であるサンカルロス村の説明をする。
互いに自国の領土を主張するカベザとホンターに対してガブリエル神父は、滝の上はグアラニー族のものであり、彼らは人間で魂もあると伝える。
グアラニー族が子供を殺すと言う意見が出るが、三人目を殺すのは、両親が互いに一人ずつ抱き、入植者の先住民狩りから逃れるためだとガブリエル神父は説明する。
スペイン領には奴隷はいないと反論するカベザは、ポルトガル領では認められているので、それが誤解を招いていると枢機卿に伝える。
ウソだと言って発言したメンドーサだったが、侮辱だと言って謝罪を求め興奮するカベザはその場を去る。
イエズス会は国家を侮っていると伝えたホンターも席を立つ。
枢機卿は、メンドーサが布教区の者か、ガブリエル神父に確認する。
イエズス会の強硬さを印象付けることができたと言うホンターは、枢機卿がうまく処理するはずなので、今は辛抱する時だとカベザに伝える。
メンドーサを呼んだ枢機卿はカベザに謝罪させようとして、彼はウソをついていると言われても聞き入れようとしない。
傭兵であり奴隷商人だったメンドーサの経歴を知った枢機卿は、ガブリエル神父から、謝罪はするだろうと言われる。
スペイン領にも奴隷がいることをガブリエル神父から知らされた枢機卿は、それを隣国から買い、総督は黙認していることを伝える。
それで儲けていることも話したガブリエル神父は、自分の布教区がポルトガル領になれば、グアラニー族は先住民狩りの餌食になることを伝え、今はスペインの法律で彼らを守っていることを枢機卿に知らせる。
それが理由で、グアラニー族が自ら望んで布教区にいると話すガブリエル神父は、真実かを確認しようとする枢機卿に、彼らに聞いてほしいと伝える。
グアラニー族が布教区のために貢献してくれていると言うガブリエル神父は、枢機卿から重要な問題は何だと思うかと問われ、布教だと答える。
それを否定した、南米とヨーロッパでイエズス会が生き残ることだと伝えた枢機卿は、今後は何をすればいいかを問うガブリエル神父に何も答えず下がらせる。
カベザに謝罪する気になれないメンドーサは、ガブリエル神父から、イエズス会とグアラニー族の敵だと分かっていても、謝罪するべきだと言われる。
納得しないメンドーサに、自分達を潰すための口実になると言って説得するガブリエル神父は、謝罪するか脱会するかだと伝える。
悩んだメンドーサは枢機卿の前でカベザに謝罪し、それが受け入れられる。
更にメンドーサは、枢機卿と全ての者にも謝罪する。
本件は解決したと言うホンターは、布教区の管轄権についてを枢機卿に問い、自分の目で確かめてから決定するという考えを聞く。
その後、枢機卿は各布教区を視察し、素晴らしい土地などを見て回る。
農地で労働するグアラニー族の男性の鞭打たれた背中を見せたメンドーサは、スペインの入植者は逃亡奴隷を買っていることを枢機卿に伝える。
それが合法かを問う枢機卿は、カベザから需要と供給の問題だと言われる。
ガブリエル神父から、魂についてはどう思うと訊かれたカベザは、背中の傷に何の意味があると言って気分を害す。
楽器工場など生産施設も視察した枢機卿は、イバヤ神父(モニラック・シソワット)に収入の分配を尋ね、皆で平等に分けるということを知り、その成果に感銘を受ける。
楽園にも近い布教区の存続を考えた枢機卿は、それを商売敵と考えるポルトガル政府の考えを伝えるホンターの意見を聞きつつ、良心に従って決めることを伝える。
5時間もの間、教会で考え込む枢機卿に話しかけたガブリエル神父は、自分の布教区で祈りを捧げれば、主の導きがあると言って説得する。
サンカルロス村の人々に歓迎された枢機卿は、彼らが建てた教会に向かう。
人々の文化や生活に触れた枢機卿は、イエズス会に教会の威信を示すため、布教区から出て行くようにと先住民に伝える。
ここが自分達の家だという先住民に対し、主の御心に従わなければならないと伝えた枢機卿だったが、それに従い布教区をつくったと言われる。
御心は計り知れないと言う枢機卿は、主の考えが理解できるのか、それはポルトガルの意志ではないのかと先住民側から訊かれる。
自分は神の代弁者ではないと答える枢機卿は、その意志を伝える教会の代弁をしていると伝える。
ポルトガルの国王との話し合いのことを訊かれた枢機卿は、聞く耳を持たなかったと答え、族長から、自分も意見を聞く気はないと言われる。
騙されたと言う族長は席を立ち、戦うことを伝えてその場を去る。
枢機卿から、部族を説得するよう指示されたガブリエル神父は、無理だと答える。
責任を問われると言う枢機卿は、明日、全員アスンシオンに戻り、従わない者は破門であり教会から追放するとガブリエル神父に伝える。
ポルトガルに逆らえばイエズス会は追放され、ヨーロッパ各国でも同じことになるとガブリエル神父に伝えた枢機卿は、イエズス会を存続させるために、南米の布教区は犠牲にする考えを話す。
子供達から、ジャングルには悪魔がいるのでここにいたいと言われたガブリエル神父は、一緒にいると答えたことを枢機卿に伝える。
川の底で見つけたサーベルを少年から渡されたメンドーサは、それを手にして戦う決心をする。
それをガブリエル神父に伝えたメンドーサは、血を流せば苦労が水の泡になり、命は神のもので神は愛だと言われる。
その後、ポルトガルとスペインの部隊は布教区に向かい、メンドーサらは戦いに備える。
夜間に部隊に近づき火薬や銃などを奪ったメンドーサは、気づいた兵士を刺殺する。
村に戻ったメンドーサは、奪った火薬や銃などを利用して、部隊に抵抗する準備をする。
火薬などを奪われたことに気づいた部隊は、絶壁を登って高地に向かう。
戦いに備えるメンドーサから祝福を求められたガブリエル神父は、それを断り、正しければ神に祝福されると伝える。
間違っていれば自分の祝福は無意味だと言うガブリエル神父は、力が正義ならば愛の居場所はないと伝え、それが現実なら、そんな世界では生きられないと語る。
それが祝福できない理由だと言うガブリエル神父を抱きしめたメンドーサは、彼から十字架を受け取りその場を去る。
メンドーサは、戦士達と共にジャングルの中で敵を待ち構える。
川でボートに乗り待機するフィールディング神父と戦士達は、背後から部隊に襲い掛かる。
メンドーサらも、犠牲者を出しながら部隊と戦う。
村に着いた部隊の指揮官は、ガブリエル神父が教会でミサを行っていることを確認し、家屋に火を放つ。
退却したフィールディング神父を銃撃した兵士は、ボートを制御できずに滝壺に落下する。
教会も出火し、ガブリエル神父は村人を避難させるが、部隊は大砲を用意して放ち、戦士達に襲い掛かる。
ジャングルで兵士を殺したメンドーサは村に戻り、撃たれた子供を助ける。
銃弾を受けたメンドーサは、目の前で銃を構える兵士の姿を確認する。
一斉射撃による銃弾を受けて倒れたメンドーサは、無抵抗なガブリエル神父に続く村人が、次々と射殺される姿を目撃する。
近づいてくるガブリエル神父も射殺され、それを見届けたメンドーサは息を引き取る。
その後、アルタミラーノ枢機卿は、虐殺が必要だったかをカベザとホンターに問う。
カベザは、目的を成し遂げるためには必要だったと答え、ホンターは、他の方法はなかった、世の動向に合わせて生きるべきだと枢機卿に伝える。
それを否定する枢機卿は、自分達がこんな世界にしたと言って、自分の責任だと考える。
生き残った数人の子供達は、ジャングルに戻る。
神父達は死に自分は生き残ったが、実は死んだのは自分だと考える枢機卿は、神父達は生きていると考える。
”死者の魂は人々の記憶の中で生き続ける”と、枢機卿は法王への報告を締めくくる。
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南米の先住民は、土地と文化を守るために今でも闘い、多くの聖職者がそれを支援している。
”光は暗闇の中で輝き、暗闇はそれに勝てなかった”
ヨハネによる福音書 1章5節
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報告書を書きあげたアルタミラーノ枢機卿、考え込む。