1997年に発表された、ロバート・ファラーの小説”Watch That Man”を基に製作された作品で、1934年のアルフレッド・ヒッチコック作品”The Man Who Knew Too Much”及びそのリメイクである1956年の「知りすぎていた男」のパロディ。 ロンドンを舞台に、冷戦復活を画策する陰謀に巻き込まれながら芝居だと思い続けるアメリカ人男性が巻き起こす騒動を描く、監督ジョン・アミエル、主演ビル・マーレイ、ピーター・ギャラガー、ジョアンヌ・ウォーリー、アルフレッド・モリーナ他共演のコメディ。 |
・コメディ
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジョン・アミエル
製作
アーノン・ミルチャン
マイケル・G・ネイサンソン
マーク・ターロフ
原作:ロバート・ファラー”Watch That Man”
脚本
ロバート・ファラー
ハワード・フランクリン
撮影:ロバート・M・スティーヴンズ
編集:パメラ・パワー
音楽:クリストファー・ヤング
出演
ウォレス・リッチー:ビル・マーレイ
ジェイムズ・リッチー:ピーター・ギャラガー
ローレライ”ローリー”:ジョアンヌ・ウォーリー
ボリス”ザ・ブッチャー”ブラバスキー:アルフレッド・モリーナ
ロジャー・ダゲンハースト卿:リチャード・ウィルソン
セルゲイ・ニコラエヴィッチ:ニコラス・ウッダーソン
ギルバート・エンブルトン:ジョン・スタンディング
ホーキンス:サイモン・チャンドラー
ルドミラ・クロポトキン博士:ジェラルディン・ジェームズ
バーバラ・リッチー:アンナ・チャンセラー
ユーリ:クリフ・パリシ
ディミトリ:ジョン・トムソン
スペンサー:テリー・オニール
アナベル:ジャクリーン・フィリップス
オットー:デクスター・フレッチャー
SM趣味の老女:シーラ・リード
暴漢:エディー・マーサン
コンスエラ:イザベル・ヘルナンデス
アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1997年製作 94分
公開
北米:1997年11月14日
日本:1998年11月21日
製作費 $20,000,000
北米興行収入 $13,717,040
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ロンドン。
イギリスとロシアによる協定が結ばれる夜を前に、ある組織が実行する両国首脳の暗殺計画が進められ、”マトリョーシカ人形”に時限爆弾が仕掛けられて5時間後の爆発がセットされる。
アメリカ人のウォレス・リッチー(ビル・マーレイ)は、空港の入国手続きを行う。
今日は自分の誕生日なので、銀行員の弟ジェイムズ(ピーター・ギャラガー)を驚かすなど、よけいなことを話したウォレスは手続きに手間取る。
その頃ジェイムズは、ドイツ人の銀行家を招く大切な会合を自宅で開くために準備をしていた。
街角の一室では”ライブ劇場”が行われ、演出家のアナベル(ジャクリーン・フィリップス)は、役者のオットー(デクスター・フレッチャー)とデズに演技の指示を与える。 芝居は始り、通りの電話ボックスに電話をしたデズはオットーと揉める。 電話を受けた芝居の参加者ジョニーが部屋に現れるものの、まともなセリフも話せない。 銃を向けるオットーだったが、そこに警官が現れて全員が部屋を出たために、アナベルは第二班に皆が向かったことを伝える。 実際にスリルを味わえる”ライブ劇場”のテレビ宣伝が流れる中、食事の支度をする妻のバーバラ(アンナ・チャンセラー)と共に会合の準備をするジェイムズは、来客に気づき、メイドのコンスエラ(イザベル・ヘルナンデス)に対応を頼む。 現れたコンスエラを義妹と間違えたウォレスは、バーバラからメイドだと言われ、ジェイムズは兄の訪問を知り驚く。 初対面のバーバラを紹介されたウォレスは、自分の誕生日なのでプレゼントをもらいに来たとジェイムズに伝える。 バーバラは夕食を一人分追加しようとするが、ウォレスを堅物との商談に同席させるわけにはいかないと考えたジェイムズは、彼女から、来客も映画の業界人には興味を持つかもしれないと言われる。 ウォレスは、アイオワ州のデモインでビデオ店に勤めていることをバーバラに伝える。 ジェイムズとバーバラは、役者志望だったリッチーを、テレビで宣伝していた、観客が演ずる即興劇”ライブ劇場”に参加させることを考える。 役柄と行き先を指示してくれる電話ボックスにウォレスを連れて行ったジェイムズは、気乗りしないリッチーに、戻ったら最高級葉巻(アンバサダー)を吸うことを提案し、かかってきた電話に出るようにと指示する。 ”スペンサー”と言われたウォレスは、ジェイムズから役名だと言われて、相手から行き場所を知らされる。 女がいると言われたウォレスは、必ず始末しろと指示される。 その直後に電話ボックスに現れた殺し屋のスペンサー(テリー・オニール)は、ライブ劇場のデズからの電話を受けてしまい、向かいの建物に来るようにと言われる。 その場に向かったスペンサーは、騒ぐオットーを射殺してその場を去る。 ジェイムズから携帯電話を借りたウォレスは、目的の場所に行くために路地に向かう。 暴漢(エディー・マーサン)に襲われたウォレスは芝居だと思い、財布を渡して次のシーンを待つ。 家に戻ったジェイムズは、バーバラと共に来客を迎えていた。 ウォレスからの電話を受けたジェイムズは、二人組に財布を奪われたと言われ、今は話せないと伝えて電話を切る。 ある部屋に向かったウォレスは、娼婦のローレライ”ローリー”(ジョアンヌ・ウォーリー)から、関係を持つ国防大臣のギルバート・エンブルトン(ジョン・スタンディング)の回し者かと訊かれる。 銃を隠していたローリーは、それを手にしようとして奪われてしまい、覚悟を決める。 仕方なく撃とうとしたウォレスは、手紙は闇の中で、大臣の脅迫は金になると言われ、ローリーと手を組むことを考える。 エンブルトンが現れたので殺してほしいと言われたウォレスは、彼女に自分は”スペンサー”だと伝える。 何かを探しているエンブルトンに話しかけたウォレスは、例の手紙のことは女から聞いていると伝える。 焦るエンブルトンは、ウォレスがロジャー・ダゲンハースト卿(リチャード・ウィルソン)の回し者であると考え、銃を向けられる。 金ならいくらでも払うと言うエンブルトンは電話をかけようとするが、ウォレスが発砲した弾丸が電話機に当たる。 驚いたエンブルトンは、有り金をウォレスに渡してその場から逃げ去る。 その場を去ろうとするローリーは、ウォレスに見張りを頼み逃げようとする。 裏口からの侵入者の持っていた銃を鍋で叩き落したローリーは、襲われたために”スペンサー”(ウォレス)に助けを求めるものの、相手から俺の名前だと言われ、手紙の在りかを訊かれる。 部屋に押し入ったウォレスは、スペンサーに銃を向けて追い払い、ローリーの車で逃げる。 ダゲンハースト卿のアシスタント、ホーキンス(サイモン・チャンドラー)に電話をしたエンブルトンは、雇った殺し屋に襲われたと伝えて、対処するよう指示する。 協定を阻止して冷戦を復活させ、新たな諜報機関を作ろうと考えるダゲンハースト卿は、現れたホーキンスから、エンブルトンがスペンサーに銃を向けらたとを知らされる。 失敗は許されないと言うダゲンハースト卿は、爆発まで3時間と21分しかないとホーキンスに伝える。 ロシアの諜報員セルゲイ・ニコラエヴィッチ(ニコラス・ウッダーソン)に電話をしたダゲンハースト卿は、スペンサーは始末すると伝える。 セルゲイは、スパイのボリス”ザ・ブッチャー”ブラバスキー(アルフレッド・モリーナ)に殺させることでダゲンハースト卿を納得させる。 その頃、協定が行われる会場に、爆弾が仕掛けられた”マトリョーシカ”が運び込まれる。 セルゲイに会ったボリスは、行動を開始する。 和やかな食事の最中に戻って気たウォレスに驚くジェイムズは、身を隠す必要があると言われる。 ローリーを紹介したウォレスは、国防大臣の情婦だと言ったために、彼女に殴られてしまう。 一流の女優と言うべきだったとローリーに伝えたウォレスはその場を去り、来客から兄の職業を訊かれたジェイムズは戸惑うが、バーバラが映画関係だと答える。 自分は情婦ではなく、エンブルトンが金をくれただけだと言うローリーは涙するが、ウォレスはそれが演技だと思い、自分も泣こうとする。 手紙がある家に向かったウォレスとローリーは、それを探そうとする。 その場を探っていたボリスは、二人に気づき身を隠す。 スペンサーが殺されていたために驚いたローリーは叫び声をあげるものの、ウォレスは演技だと思う。 ローリーは洗面所に向かい、スペンサーが持っていたシガーケースの無線機から聴こえる声に気づいたウォレスは応答する。 驚いたダゲンハースト卿は、相手のアメリカ訛りを不思議に思いながら、ホーキンスに、女を殺したか確認するよう指示する。 女を洗面所に連れて行ったか訊かれたウォレスは、彼女は自分で行ったと答え、ホーキンスは女が自殺したと考える。 都合がいいと考えるダゲンハースト卿は、死体の始末を確認し、自分でできると言うウォレスはローリーに話しかける。 早く始末するようにと伝えたダゲンハースト卿は、11時半には決着をつけないとまずいと言われ、相手が計画のことを知っていると考える。 その理由を訊かれたウォレスは、家に戻りジェイムズと葉巻を吸う約束をしていたため、11時59分に二人の男が”葉巻/アンバサダー”に火を点けるからだと伝える。 それを”大使/アンバサダー”と勘違いしたダゲンハースト卿は、暗殺計画がバレていると考える。 ホーキンスから指示されて現場に向かった配管工に扮した男達は、スペンサー(ウォレス)と女を捜す。 手紙を見つけられないローリーは殺されることを覚悟し、そうするしかないと言うウォレスは発砲する。 外してしまったウォレスは、ローリーと共に窓から逃げようとする。 まだ演技していると思うスペンサーに声をかけたウォレスは、彼が座っていた椅子のバッグに入っていた手紙に気づき、それを持って窓から地上に下りる。 車で走り去ったローリーに手紙を見せたウォレスは、戻ってきた彼女と共にその場から逃げる。 筋書きを変えて自分が善人を演ずると言うウォレスは車を運転し、金を手に入れたらニューヨークでアパートを買い演技の勉強をするというローリーの話を聞く。 勉強しなくても素晴らしい演技だとローリーに伝えたウォレスは、ボリスらの追跡に気づかないまま、見事にそれをかわす。 ボリスからの連絡を受けたセルゲイは、相手がスーパーマンのようなプロだとは聞いていないと言われる。 ダゲンハースト卿に電話をしたセルゲイは、アメリカ人の存在を隠していたことを非難し、互いの信頼関係がなければ冷戦の復活はないと伝える。 アメリカ人など知らないと言うダゲンハースト卿は、暗殺計画に自信がないのか尋ねる。 ロシアの爆弾は完璧で半径5メートル以内の物はすべて破壊すると言うセルゲイは、問題があるとすればイギリス製の時限装置だと伝える。 配管工からの連絡で、アメリカ人がスペンサーを殺し手紙を奪ったたことをホーキンスから知らされたダゲンハースト卿は、まずいことになったと言ってセルゲイに事情を話す。 ウォレスの車を銃撃しようとするボリスは、パトカーに気づき諦める。 パトカーの出現に喜ぶウォレスはカーチェイスを楽しみ、ついていけないボリスは、ウォレスのドライビング・テクニックに感心する。 衝突寸前で車を止めたウォレスは、警官のコクレンから質問されて、運転免許証の提示を求められるものの、最初のシーンで奪われたことを伝える。 無線機に話しかけたウォレスは、それに応答したコクレンが、相手(ダゲンハースト卿)から、諜報員に代われと言われて驚くのを見て得意になる。 警官に謝罪されたウォレスは、11時半まではスペンサーだと言って、役目を計画にしてほしいとダゲンハースト卿に伝える。 指示通りに行動すれば得になるとウォレスに伝えたダゲンハースト卿は、大金を払おうとする。 コクレンと親しく話すウォレスを監視するボリスは、バックがいるのでまずい展開になったと考える。 ダゲンハースト卿からの連絡を受けたウォレスは、手紙と交換に300万ドルを払うと言われ、それをローリーに伝える。 20分後にグランド・プラザで取引することになったウォレスは、ローリーと共に現場に向かい、結末はどうなるのか彼女に尋ねる。 ”ボニーとクライド”のように悲劇に終わるか、”ゲッタウェイ”のようになれないのかを問うウォレスは、ローリーから大丈夫だと言われる。 自分には演技は無理だと言うウォレスは、ローリーからキスされて励まされ、その気になり調印が行われる会場に向かう。 プレゼンを始めていたジェイムズはウォレスからの電話を受け、この場に来て葉巻を吸えないか訊かれる。 無理だと言われたウォレスは、ボリスの部下ユーリ(クリフ・パリシ)とディミトリ(ジョン・トムソン)に鎮静剤を打たれて連れて行かれる。 使者が出たライブ劇場を捜査していた刑事は、ジェイムズからの電話を受けてウォレスのことを訊かれ、殺人の件で質問があると伝える。 警部のコクバーンと代わっても演技か本物か分からないジェイムズは苛立ち、電話を切ってしまう。 逆探知したコクバーンはジェイムズの家の住所を知り、機動部隊の出動を命ずる。 ライブ劇場で問題があり、警察がウォレスを尋問する予定だということをテレビのニュースで知ったジェイムズは驚き、適当な理由をつけて外出する。 ウォレスを拘束して手紙を手に入れたボリスは、連れて来られたローリーなどの対応に戸惑い、現れたセルゲイに仕事ができないと伝える。 そこにダゲンハースト卿とホーキンスも現れて手紙を確認し、セルゲイと共に晩餐会に向かう。 爆発まで24分。 ウォレスを拷問しようとしたボリスは、ユーリから、自白剤を試すことを提案される。 ビデオ店の料金のこと、ジェイムズやドイツ人の話をされたボリスは、雇い主を話さないウォレスに解毒剤を打って拷問しようとする。 何も話そうとしないウォレスを殺してしまいそうになったボリスはユーリに制止され、拷問の専門家であるルドミラ・クロポトキン博士(ジェラルディン・ジェームズ)を呼ぼうとする。 ウォレスを見張るようボリスに命ぜられたユーリとディミトリは、ゲームをして暇をつぶしていた。 鼻薬をさしてほしいと言われたディミトリは、ウォレスにくしゃみされて驚き、転んで頭を打ち気を失う。 床に落ちた鼻薬を拾おうとしたウォレスは、ディミトリの様子を見るユーリを椅子で殴って気絶させてしまう。 拘束を逃れたウォレスはローリーを助け、別れを告げる彼女は窓から逃げる。 ローリーは、SM趣味の老女(シーラ・リード)の部屋を通り廊下に向かう。 ジェイムズの家に機動部隊が突入し、隊長はジェイムズの居場所を知ろうとする。 貯蔵庫のポートワインを調べに行くと言われていたコンスエラは”ポート”と答え、隊長は”ポート/港”と勘違いする。 報告を受けたコクバーンは、全ての港を封鎖して警戒体制をとる。 グランド・プラザに着いたジェイムズは、窓から出たウォレスが高所で助けを求めていることを知る。 意識が戻ったユーリとディミトリは、窓の外にいつウォレスに気づき発砲する。 ウォレスが逃げたことを知ったボリスは、ディミトリから相手は超人だと言われる。 部屋に入り窓の外のウォレスと話したジェイムズは、押し入ってきた配管工に捕らえられる。 通りからウォレスを銃撃するユーリとディミトリだったが、弾は当たらない。 隣の部屋の窓から内部に入ったウォレスは、鞭を持つ老女がルドミラだと思い銃を向ける。 廊下のボリスに気づいたウォレスは、老女を人質に取りエレベーターに乗り、手紙を取り戻すと言ってその場から逃げる。 配管工が捕らえたジェイムズを地下に連れて行くよう指示したボリスは、ウォレスを追う。 ウォレスから意味不な話をされた老女は気絶してしまい、警備員が近寄る。 その隙にウォレスは祝宴会場に向かい、ボリスが彼を追う。 楽屋で芸人に扮したウォレスはボリスに気づかれなかったものの、ショーに出演することになってしまう。 ジェイムズが作戦に出資していると思い込むルドミラは、彼を拷問しようとする。 ロシアのバルト海舞踏団のショーが始まり、それにウォレスが加わっているために、ダゲンハースト卿とホーキンス、セルゲイやエンブルトンは驚く。 更に、ウォレスは爆弾が仕掛けられたマトリョーシカを手にしてしまい、エンブルトンは、踊りながら近寄る彼からローリーの手紙を返せと言われる。 祝宴会場に向かおうとしたローリーは警備に制止されるが、ウォレスの行動を見ていられないエンブルトンが会場を出て現れたために声をかける。 その場から離れようとするダゲンハースト卿とセルゲイは、ホーキンスに現金を持ってこさせる。 現金を手にして去ろうとするダゲンハースト卿とセルゲイだったが、ウォレスからショーの後で話したいと言われ、戻ったエンブルトンとローリーに気づく。 ジェイムズを拷問するルドミラは、現れたホーキンスからウォレスに殺されると言われて制止される。 爆発まで1分を切り、警備に扮したボリスは、ウォレスに鎮静剤を打とうとして小型ボウガンで狙うが、それがマトリョーシカに当たり爆破は残り2秒で解除されてしまう。 ダゲンハースト卿とセルゲイを呼び止めたウォレスは、現金のケースを2個受け取り、マトリョーシカを記念にもらうと言ってその中に入れる。 ホーキンスに連れて来られたジェイムズから拷問されたと言われたウォレスは、それも芝居だと思う。 両国首脳が調印に署名したために、自分達の夢も終わりだと言うダゲンハースト卿とセルゲイは、現金のケースを一つ奪い姿を消す。 ウォレスに近づいたボリスは、今回の件で彼のプロとしての行動を称える。 ダゲンハースト卿とセルゲイは、屋上に用意されたヘリコプターで飛び立つ。 ケースの中身を確認したウォレスは、外国紙幣ばかりであることを確認し、マトリョーシカがなくなっていることに気づき、気に入っていたために落胆する。 そんな欲のないウォレスはに惹かれたローリーは、彼にキスする。 ケースに入っていたマトリョーシカが爆弾入りだとは思わないダゲンハースト卿とセルゲイは、それをいじったために、起爆装置が作動して爆死する。 その後、大金を手にしたウォレスは、ローリーと共に南国の島に向かい、自分達が大事件の現場にいたことを新聞記事で知る。 二人組の男に狙われていることに気づかないウォレスは、毒入りドリンクを運んだウエイターに礼を言う。 鼻がムズムズするので鼻薬をさそうとしたウォレスは、それを落としてしまう。 ウォレスは、鼻薬を拾ううとした際にドリンクのトレイに頭をぶつけ、それが顔面に当たったウエイターは倒れる。 ウエイターを助けようとしたウォレスは、くしゃみをした拍子に、頭突きで彼を気絶させてしまう。 それを見た二人組は、見事だと言いながらウォレスに近寄り、テストしたことを伝える。 飲み物の毒に気づきウエイターを倒したと言われたウォレスは、二人にスカウトされる。 感激するウォレスは要求を訊かれ、部屋には切り花と氷を用意し、仕事は週5件をこなし、エクササイズ・マシンとジューサーミキサーなどが欲しいと言って二人に感謝する。 それが芝居の続きだと思っているウォレスは、ローリーと二人と共に今後の物語を考える。
...全てを見る(結末あり)
晩餐会の会場ではエンブルトンのスピーチが始まる。
*(簡略ストー リー)
ロンドン。
イギリスとロシアによる協定が結ばれることになり、冷戦復活を画策するダゲンハースト卿と国防大臣のエンブルトンらは、ロシアの諜報員セルゲイらと協力して両国首脳の暗殺計画を進める。
ビデオ店で働くアメリカ人のウォレス・リッチーは、銀行家の弟ジェイムズを訪ねて誕生日を祝ってもらおうとする。
自宅で大事な商談があるジェイムズは、素人が参加できる”ライブ劇場”にウォレスを参加させようとする。
電話ボックスで指示を受けたウォレスは、それがダゲンハースト卿から殺し屋への指令司令だと気づかないまま、指定された場所に向かう。
エンブルトンの情婦ローリー殺害を命ぜられたウォレスは、ある手紙を手に入れれば大金が手に入ると彼女から言われる。
芝居が発展していくと考えたウォレスは興奮し、陰謀に巻き込まれていることに気づかないまま、命を狙われながらローリーと行動を共にするのだが・・・。
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脚本も担当したロバート・ファラーの原作を基に、1934年のアルフレッド・ヒッチコック作品”The Man Who Knew Too Much”及び、そのリメイクである1956年の「知りすぎていた男」のパロディ。
音楽と雰囲気は”007”&”ピンクパンサー”を合わせたような作品。
少々おめでたいアメリカ人男性が、国家を揺るがす陰謀に巻き込まれながら引き起こす騒動を描く爆笑コメディ。
単なる巻き込まれ型のサスペンスではなく、主人公はそれに気づかず芝居に参加していると思い込んでいる姿が笑わせてくれる。
更には、事件解決後も、主人公だけが芝居が続いていると信じて終わるラストも可笑しい。
とぼけた雰囲気の主演のビル・マーレイは正にはまり役で、自分だけが興奮して”演技”を続ける役柄を愉快に演じている。
個性豊かな共演陣も注目で、主人公の弟で銀行家のピーター・ギャラガー、主人公に協力する娼婦のジョアンヌ・ウォーリー、主人公を追うロシアのスパイで、最後には敵にエールを贈るアルフレッド・モリーナ、冷戦復活を目的とした暗殺計画の首謀者リチャード・ウィルソン、そのアシスタントのサイモン・チャンドラー、彼らと手を組むロシアの諜報員ニコラス・ウッダーソン、計画に加担する国防大臣のジョン・スタンディング、ジェイムズ(ピーター・ギャラガー)の妻アンナ・チャンセラー、ボリス(アルフレッド・モリーナ)の部下クリフ・パリシとジョン・トムソン、殺し屋のテリー・オニール、”ライブ劇場”の演出家ジャクリーン・フィリップス、それに参加する役者デクスター・フレッチャー、SM趣味の老女シーラ・リード、主人公を襲う暴漢エディー・マーサン、ジェイムズの家のメイド、イザベル・ヘルナンデスなどが共演している。