D・E・ウェストレイクの原作の雰囲気を「ブリット」(1968)などの鬼才ピーター・イエーツが見事に映像化した、ロバート・レッドフォード、ジョージ・シーガル他共演の犯罪アクション・コメディ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ピーター・イエーツ
製作
ハル・ランダース
ボビー・ロバーツ
原作:ドナルド・E・ウェストレイク
脚本:ウィリアム・ゴールドマン
撮影:エド・ブラウン
編集
フランク・P・ケラー
フレッド・W・バーガー
音楽:クインシー・ジョーンズ
出演
ロバート・レッドフォード:ジョン・ドートマンダー
ジョージ・シーガル:アンディ・ケルプ
ロン・リーブマン:スタン・マーチ
ポール・サンド:アラン・グリーンバーグ
ゼロ・モステル:エイブ・グリーンバーグ
モーゼス・ガン:アムーザ博士
トポ・スウォープ:シス
ウィリアム・レッドフィールド:フーヴァー警部
リー・ウォレス:ストラウス医師
アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
1972年製作 100分
公開
北米:1972年1月26日
日本:1972年6月
■ アカデミー賞 ■
第45回アカデミー賞
・ノミネート
編集賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
盗みのプロ、ジョン・ドートマンダー(ロバート・レッドフォード)は、刑期を終えて出所する。
義弟アンディ・ケルプ(ジョージ・シーガル)の出迎えを受けたジョンは、彼から早速、仕事を持ちかけられる。
ブルックリン美術館に向かったジョンとケルプは、”サハラの石”というダイヤモンドを見に行く。
中央バタウイ国の永世国連大使アムーザ博士(モーゼス・ガン)は、自国の所有物と主張する”サハラの石”を盗み出すことをジョンとケルプに依頼する。
報酬一人につき2万5000ドルで経費はなしと、アムーザ博士に言われたジョンはその場を立ち去るが、ケルプが博士と交渉して、何とかジョンを引き止める。
...全てを見る(結末あり)
■ 解説 評価 感想 ■
*(簡略ストー リー)
出所した盗みのプロ、ジョン・ドートマンダーは、義弟で金庫破りのプロ、ケルプから早速、仕事を持ちかけられる。
ジョンとケルプは、中央バタウイ国の永世国連大使アムーザ博士から、自国の所有物と主張する”サハラの石”を、ブルックリン美術館から盗み出すことを依頼される。
報酬一人につき2万5000ドルと経費でそれを受けた2人は、運転のプロのスタンと、爆弾のプロのアランを仲間に引き入れ、博士の出方次第では、ダイヤも奪おうとする計画の準備を始める。
計画は実行され、3人は苦労しながらダイヤを奪うが、アランがそれを飲み込んでしまい逮捕される。
そして、ジョンらは、アムーザ博士に経費の上乗せを要求し、アランを脱獄させようとするのだが・・・。
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犯罪をスポーツのように描く、軽快で無駄のないピーター・イエーツの演出は冴え、個性豊かな出演者の軽妙な演技も見逃せない。
1970年代初頭の作品には思えない、古臭さを全く感じさせない作品。
クインシー・ジョーンズの、粋な音楽も印象に残る。
第45回アカデミー賞では、編集賞にノミネートされた。
主人公達がヘリコプターで警察署を襲撃するシーンで、マンハッタンの上空を飛ぶヘリが、建設中の”ワールドトレードセンター・ツインタワー”に接近する映像は非常に興味深い。
”911”(アメリカ同時多発テロ事件)以後に、テレビ放映された際には、このシーンがカットされたこともある。
お決まりの色男というよりも、偏屈なところが強調され、それがなかなかいい味を出している、30代半ばの若々しいロバート・レッドフォードが実に魅力的だ。
実際は彼よりも年上だが、義弟役であるコミカルな演技を見せてくれるジョージ・シーガル、スピード狂のロン・リーブマン、インテリの爆弾のプロ、ポール・サンド、その父親で弁護士のゼロ・モステル、ダイヤ強奪の依頼人モーゼス・ガン、また、端役だが警察署の警部でウィリアム・レッドフィールド、主人公の主治医でリー・ウォレスらが登場する。