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フロント・ページ The Front Page (1974)

1928年にブロードウェイで上演されたベン・ヘクトチャールズ・マッカーサーによる舞台劇の映画化「犯罪都市」(1931)、「ヒズ・ガール・フライデー」(1940)に続くリメイク。
1920年代のシカゴを舞台に、死刑囚の特ダネをモノにしようとする新聞記者達が巻き起こす騒動をコミカルに描く、監督、脚本ビリー・ワイルダー、主演ジャック・レモンウォルター・マッソースーザン・サランドンヴィンセント・ガーディニア他共演のコメディ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


コメディ


スタッフ キャスト ■
監督:ビリー・ワイルダー

製作総指揮:ジェニングス・ラング
製作:ポール・モナシュ
脚本
ビリー・ワイルダー

I・A・L・ダイアモンド
撮影:ジョーダン・クローネンウェス
編集:ラルフ・E・ウィンタース
音楽:ビリー・メイ

出演
ヒルデブランド”ヒルディ”ジョンソン:ジャック・レモン

ウォルター・バーンズ:ウォルター・マッソー
ペギー・グラント:スーザン・サランドン
”オネスト・ピート”ハートマン保安官:ヴィンセント・ガーディニア
ロイ・ベンシンガー:デヴィッド・ウェイン
クルガー:アレン・ガーフィールド
アール・ウィリアムズ:オースティン・ペンドルトン
モリー・マロイ:キャロル・バーネット
マーフィー:チャールズ・ダーニング
シュワルツ:ハーブ・エデルマン
マックス・J・エッゲルホッファー博士:マーティン・ゲイベル
市長/ハービー/グリーン・ホーネット:ハロルド・グールド
ジャコビ巡査:クリフ・オズモンド
プランケット:ポール・ベネディクト
マッキュー:ディック・オニール
ルディー・ケプラー:ジョン・コークス
ジェニー:ドロ・メランデ

アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
1974年製作 104分
公開
北米:1974年12月17日
日本:1975年5月
製作費 $4,000,000
北米興行収入 $15,000,000


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1929年6月6日、シカゴ
警官殺しの犯人アール・ウィリアムズ(オースティン・ペンドルトン)は、刑事裁判所の中庭で、翌朝に刑が執行されることになっていた。

絞首刑台の作業準備が進められる中、記者クラブでは記者達が待機していた。

その頃、”シカゴ・エグザミナー”編集長ウォルター・バーンズ(ウォルター・マッソー)は、トップ記者ヒルデブランド”ヒルディ”ジョンソン(ジャック・レモン)の所在が分からず苛立っていた。

そこに、めかし込んだヒルディが現れ、結婚するため辞職して、フィラデルフィアの広告代理店で働くと言い出す。

怒りきれないバーンズはヒルディを追い払うが、そのまま手を引く彼ではなかった。

ヒルディの結婚相手、劇場のオルガン奏者ペギー・グラント(スーザン・サランドン)の楽屋に向かったバーンズは、保護監察官に扮し、ヒルディが露出魔の変質者だと言って彼を諦めさせようとする。
...全てを見る(結末あり)

しかし、ペギーにヒルディから電話が入り、バーンズの企みはばれてしまう。

仕方なくバーンズは、記者クラブに新米記者のルディー・ケプラー(ジョン・コークス)を派遣する。

そこに、アールの情婦のように書かれたモリー・マロイ(キャロル・バーネット)が現れ、記者達に散々いちゃもんをつけて出て行く。

その後、ヒルディが記者達に別れを告げるためにその場を訪ね、皆で彼の結婚を祝い祝杯を挙げる。

”オネスト・ピート”ハートマン保安官(ヴィンセント・ガーディニア)も顔を出し、記者達に取材券を配り始めるが、選挙のための処刑だとヒルディに嫌味を言われたため、彼は立ち去る。

オフィスに戻ったハートマン保安官は、アールを呼び、心理学者のマックス・J・エッゲルホッファー博士(マーティン・ゲイベル)に面会させる。

エッゲルホッファー博士は、アールの犯行当時の心理状態をチェックしようとして、ハートマン保安官の銃を借りて、その状況を再現させようとする。

次の瞬間、3発の銃声が響き渡り、記者達はアールの脱獄を知り、社に電話を入れて部屋を飛び出して行く。

ヒルディは、怯えているケプラーに社への電話をさせるが、特ダネを逃しかねない状況になってしなう。

仕方なくヒルディは、バーンズにアールの脱獄を知らせ、取材のためにハートマン保安官の元に向かう。

エッゲルホッファー医師は股間を撃たれ、保安官も危うく銃弾を浴びるところだったことを聞きだした記者達は混乱する。

慌てる記者達を尻目に、ヒルディは、真相を知っているらしい掃除人のジェニー(ドロ・メランデ)から、それを聞きだそうとする。

各地で目撃情報が出る中、マッキュー(ディック・オニール)、クルガー(アレン・ガーフィールド)、マーフィー(チャールズ・ダーニング)、シュワルツ(ハーブ・エデルマン)ら各社の記者は速報を伝える。

記者クラブに戻ったヒルディは記者達を部屋から追い出し、ジェニーから聞いた情報をバーンズに伝える。

尚も取材を続けるよう要求するバーンズだったが、ヒルディはそれを断り、迎えに来るペギーを待つ。

その場に駆けつけた市長(ハロルド・グールド)は、記者達の前で保安官を支持する。

そこに、アールを発見したという連絡がジャコビ巡査(クリフ・オズモンド)から入り、記者達が現場に向かった後、市長は翌日の刑を必ず執行するよう保安官に釘を刺す。

その後、知事の手紙を持参したプランケット(ポール・ベネディクト)が保安官を訪ね、死刑が延期になったことを伝える。

市長はプランケットを追い払い、アールを射殺するよう保安官に指示を出し、それを受けたジャコビは、警察隊を率いて建物に押し入る。

裁判所の前でペギーを待っていたヒルディだったが、彼は記者クラブに結婚指輪を忘れてしまい、それを取りに行く。

指輪を見つけたヒルディの前に、実は裁判所の通気管にぶら下がっていたアールが姿を現す。

アールはヒルディに銃を向けるが、彼に獄中取材されたことを思い出し、安心して気を失いかける。

ヒルディはバーンズにそれを伝えるが、そこにモリーが現れ、彼女はその場にいたアールに驚き、怪我をしている彼に寄り添い治療をする。

タクシーで待ちくたびれたペギーをなだめたヒルディは、記者達が戻ってきたため、アールを、”シカゴ・トリビューン”の記者ロイ・ベンシンガー(デヴィッド・ウェイン)のロールトップ・デスクの中に隠す。

ベンシンガーも戻りデスクを使おうとするが、ヒルディとモリーは何とかそれを阻止する。

記者達は、アールが建物にいる可能性もあることを考え始め、部屋に鍵をかけていたヒルディとモリーを疑う。

モリーが、アールの居場所を知っていると言って記者達の気を引くが、ベンシンガーのデスクの電話が鳴ってしまう。

策の亡くなったモリーは、アールを助けるため窓から飛び降り自殺を図るが、彼女が生きていることが分かった記者達は中庭に向かう。

現れたバーンズは、その隙にヒルディに記事を書かせ、戻ってきたケプラーに、アールの写真を撮り現像させる。

ペギーも戻るが、ヒルディは彼女を待たせて、一心不乱に記事を書き続ける。

我慢の限界に達したペギーは、ヒルディを見限り駅に向かってしまう。

バーンズは、現れたベンシンガーを自社で雇うと言って社に向かわせ、社員には彼を放り出せと連絡を入れる。

ようやくペギーに捨てられたことに気づいたヒルディは、彼女の元に向かおうとするが、ハートマン保安官と記者達が現れて彼を引き止める。

保安官は、ヒルディが銃を持っていることに気づき追求するのだが、興奮してそれが自分の銃だと言ってしまう。

そこにケプラーから電話が入り、それに出た保安官は、アールの写真が現像できなかったことを知り、バーンズにそれを問い質す。

保安官は、アールの居場所を教えるようバーンズに言い寄るが、彼はロールトップ・デスクを叩いてしまう。

中にいたアールが、それを合図と間違えて叩き返したため、彼が中にいるのが知られてしまい警察に連行される。

保安官は、ヒルディとバーンズも逮捕してしまうが、2人は留置場で、酔って捕まったプランケットから、アールの死刑の猶予状を手に入れる。

ヒルディとバーンズは、現れた市長と保安官に猶予状を見せ、即刻、釈放された2人は、ペギーを追い駅に向かう。

警察車両の先導で間に合い、無事ペギーに会えたヒルディに、バーンズは、結婚祝いにと社長から贈られた懐中時計を渡す。

2人に別れを告げたバーンズは、汽車の次の停車駅を確認し、ヒルディに時計を盗まれたと、警察宛てに電報を打つ。


解説 評価 感想 ■

参考:
・「犯罪都市」(1931)
・「ヒズ・ガール・フライデー」(1940)
・「フロント・ページ」(1974)
・「スイッチング・チャンネル」(1988)

*(簡略ストー リー)
死刑囚アールの絞首刑を翌日に控えて、”シカゴ・エグザミナー”の編集長バーンズは、 トップ記者のヒルディの所在が分からずに苛立ってしまう。
そこに現れたヒルディは、結婚してフィラデルフィアの広告代理店で働くため辞職することをバーンズに伝える。
バーンズは、何とかヒルディを引き止めようとするが失敗に終わり、仕方なく新米記者のケプラーを記者クラブに派遣する。
その後、ヒルディは記者クラブに姿を現し、記者達に別れを告げて祝杯を挙げる。
その頃、死刑囚達の心理学上のチェックをしていたエッゲルホッファー博士は、事件を再現しようとして、ハートマン保安官の銃をアールに渡してしまう。
その直後、3発の銃声が裁判所に響き渡り、アールが脱獄したことが分かる。
記者クラブは大混乱となるが、何も出来ずに怯える新米ケプラーを見たヒルディは、仕方なく特ダネを掴む手助けをしようとするのだが・・・。
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非常に人気が高くよく知られた物語だけに、新鮮味という点ではやや物足りない感じはするが、主演のジャック・レモンウォルター・マッソーのマッチングは絶妙で、大いに笑わせてくれる楽しい作品。

黄金コンビ、ビリー・ワイルダーI・A・L・ダイアモンドの脚本も衰えを見せず、冒険活劇を見ているような、とにかう慌しい記者クラブの様子や、1920年代の雰囲気もよく表現されている。

まだ40代だったジャック・レモンは、既に大ベテランの風格と共に、シリアスな役をこなす転機を迎えていた頃で、前年「セイヴ・ザ・タイガー」(1973)では、念願のアカデミー主演賞を受賞している。

気忙しく、一本調子で猪突猛進する編集長を演ずるウォルター・マッソーも、盟友ジャック・レモンを上回る熱演を見せる。

主人公の恋人で、現在でも活躍する演技派、若き日のスーザン・サランドン、脇役では群を抜いた存在の保安官を演ずるヴィンセント・ガーディニア、死刑囚でこちらも若いオースティン・ペンドルトン、その恋人役のキャロル・バーネット、慌しい記者達チャールズ・ダーニングデヴィッド・ウェインハーブ・エデルマンアレン・ガーフィールドジョン・コークスディック・オニール、心理学者マーティン・ゲイベル、市長ハロルド・グールド、巡査クリフ・オズモンドなど、個性派勢揃いの共演者も注目だ。


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