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フレンチ・コネクション The French Connection (1971)

実在のニューヨーク市警・麻薬捜査課刑事のエディー・イーガンソニー・グロッソが密輸された麻薬を押収した事件を基にして描く、監督ウィリアム・フリードキン、主演ジーン・ハックマンロイ・シャイダーフェルナンド・レイ共演による刑事ドラマの傑作。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト ■
監督:ウィリアム・フリードキン

製作総指揮:G・デイヴィッド・シャイン
製作:フィリップ・ダントーニ
原作:ロビン・ムーア
脚本:アーネスト・タイディマン
撮影:オーウェン・ロイズマン
編集:ジェリー・グリーンバーグ
音楽:ドン・エリス

出演
ジミー”ポパイ”ドイル刑事:ジーン・ハックマン
バディ”クラウディ”ラソー刑事:ロイ・シャイダー
アラン・シャルニエ:フェルナンド・レイ
サルバトーレ・ボカ:トニー・ロー・ビアンコ
ピエール・ニコリ:マルセル・ボズッフィ
アンリ・デヴェロウ:フレデリック・ド・パスカル
ビル・マルダリック(FBI):ビル・ヒックマン
クラブ歌手:スリー・ディグリーズ

アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
1971年製作 104分
公開
北米:1971年10月9日
日本:1972年2月12日
制作費 $1,800,000
北米興行収入 $51,700,000


アカデミー賞 ■
第44回アカデミー賞

・受賞
作品・監督
主演男優(ジーン・ハックマン
脚色・撮影賞
・ノミネート
助演男優(ロイ・シャイダー
音響・撮影賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
フランスマルセイユ
麻薬シンジケートの大物で、フランス人実業家のアラン・シャルニエ(フェルナンド・レイ)を張っていた刑事が、彼の右腕の殺し屋ピエール・ニコリ(マルセル・ボズッフィ)に射殺される。

ニューヨークブルックリン
ベッドフォード・スタイベサント地区
ニューヨーク市警麻薬捜査課ジミー”ポパイ”ドイル(ジーン・ハックマン)と相棒のバディ”クラウディ”ラソー(ロイ・シャイダー)両刑事が、チンピラを締め上げて、麻薬の出所を探っていた。

マルセイユ
シャルニエは、ある取引のためアメリカ行きの準備を始める。

ドイルとラソーは、仕事帰りに寄ったあるナイトクラブで、 麻薬組織の者達と同席する、金使いの荒い若い男に目を付け、張り込みを始める。

その男は、クラブの羽振りの良さにはそぐわない、イタリア人街で、小さな飲食店を経営するサル・ボカ(トニー・ロー・ビアンコ)だった。
...全てを見る(結末あり)


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
マルセイユの麻薬シンジケートの黒幕、実業家シャルニエは、アメリカ車”リンカーン・コンチネンタル”に麻薬を隠し密輸しようとする。
地道な捜査を続けていた麻薬捜査課ジミー”ポパイ”ドイル刑事と相棒のラソーは、大量の麻薬取引情報を入手する。
その後、ドイルとラソーは、関係する者達と謎の外国人シャルニエを追う。
入国したシャルニエは、ドイルらの執拗な捜査を逃れながら取引を終える。
しかし、ドイルは執念の捜査で決定的な証拠を掴み、ついにシャルニエ及びシンジケートの取引現場を押さえるのだが・・・。
__________

1969年に発表されたロビン・ムーア同名小説を基に、アーネスト・タイディマンが脚色して製作された作品。

犯罪刑事ドラマとして、ハリウッド映画史上に残る傑作。

1975年には、主人公のドイルが、本作の黒幕”シャルニエ”をマルセイユに追い決着?をつける、続編「フレンチ・コネクション2」も公開された。

第44回アカデミー賞では8部門でノミネートされ、作品、監督、主演男優(ジーン・ハックマン)、脚色、編集賞の5部門で受賞した。
*ノミネート
助演男優(ロイ・シャイダー)、音響、撮影賞

2005年、アメリカ議会図書館が、国立フィルム登録簿に登録した作品でもある。

製作費180万ドルに対し、北米興行収入は約5200万ドルの大ヒットとなった。

長い下積み生活を経て40歳を過ぎたジーン・ハックマンが、実力と共にドル箱スターとして頂点を極めるきっかけとなった作品でも
ある。
参考:
主人公ドイル役は、ピーター・ボイルに決まっていたが、彼のエージェントが作品の失敗を予感して役を降りたという経緯がある。
これを皮肉な結果と見るか・・・。
確かにピーター・ボイルジーン・ハックマンに似た雰囲気を持つが、同様のインパクトを本作で与えられたかは疑問が残る。

次回作「エクソシスト」(1973も大ヒットする弱冠32歳のウィリアム・フリードキンのシャープな玄人受けする演出は、緊迫感溢れるニューヨークのオールロケ、そのオーウェン・ロイズマンによる見事な撮影を最大限に活かしている。

そのロケの最大の見せ場、頭上を走る地下鉄を高架線下で追う伝説のカーチェイスは、「ブリット」(1968)などと共に、映画史上に残る名シーンとなった。
どのように撮影したかと思えるスピード感は、今見ても全く古さを感じさせず迫力満点だ。

淀んだ裏社会の実態をリアルに映し出す映像を、効果的に盛り上げているドン・エリスの音楽も印象に残る。

型破りで悪党も恐れる、問答無用の辣腕刑事を演じたジーン・ハックマンの、その巨体を活かした男臭い演技は秀逸で、愛称”ポパイ”のイメージも彼にピッタリだ。

アカデミー助演賞にノミネートされたロイ・シャイダーも、ドイルの暴走に手を焼きながらも、良き相棒を好演している。

麻薬シンジケートの黒幕シャルニエ役フェルナンド・レイの、組織を影で操る強かぶりは、外見はスマートな紳士だが、なんとも言えない不気味な雰囲気を漂わせる。

麻薬ルートの仲介人トニー・ロー・ビアンコ、シャルニエの右腕兼殺し屋のマルセル・ボズッフィ、シャルニエに協力するフランス人のTVスターのフレデリック・ド・パスカル、主人公に射殺されてしまうFBI捜査官ビル・ヒックマン等が共演している。

ドラマの冒頭、ドイルとラソーが仕事帰りに寄るクラブで登場する、スリー・ディグリーズの歌声も素晴らしい。

作品題名の”フレンチ・コネクション”が、度々台詞で登場する「アメリカン・ギャングスター」(2007)の中で、ドイルのモデルであるエディー・イーガンが押収した麻薬を、汚職警官が持ち出そうとする場面や、輸送機を解体して麻薬を探すシーンがある。
これは、本作でリンカーンを解体する場面を彷彿させ、あたかもそのオマージュのようにも思えた。
ラッセル・クロウ扮するリッチー・ロバーツが、生活や女にだらしのないところもドイルに似ていて、共に実話だというところも共通点だ。

そのリンカーン解体シーンだが、映画だと言えばそれまでだが、あれだけバラバラにした車を組み立て直すのは不可能だと思う。
車を摩り替えたという設定にせよ、非常に印象に残る効果的な演出だったことは確かだ。

当時、子供だった私は、地元の自動車解体工場で、作品の中で、リンカーンに麻薬が隠されていた、”ロッカー・パネル”について尋ねてみた。
すると、「君は”フレンチ・コネクション”を見たね?」と言ってくれた、映画好きの社長さんの言葉がうれしかったことを、今でも懐かしく思い出す。

やはり、外国映画は字幕で俳優の生の声を聞きたいのが本音だが、今は亡き小池朝雄ジーン・ハックマンの吹替えは最高だった。
あるバーにガサ入れをする時の、ドイルの迫力と凄まじさ、その時の小池朝雄のセリフ回しの見事なこと。
小池朝雄の日本語吹替バージョンを見る機会があれば、是非ご覧になることをお勧めします。
因みに刑事コロンボも彼が担当(初代)。


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