1908年1月1日0時1分にサンフランシスコで生まれたアデラインは、1929年6月16日に、”ゴールデン・ゲート・ブリッジ”の建設に携わる若い技師クラレンス・J・プレスコットと出会い、87日後に結婚した。
3年後に女の子を出産してフレミングと名付けたアデラインだったが、1937年2月17日、”ゴールデン・ゲート・ブリッジ”建設中に夫クラレンスは事故死する。
10か月後、両親の別荘にフレミングを迎えに行こうとしたアデラインは、温暖なソノマ郡に雪が降ったために驚く。
その直後、事故を起こしたアデラインの車は川に沈む。
無酸素状態となり呼吸が停止したアデラインは、体温が30.5度まで低下して心臓は止まる。
午後8時55分に稲妻が走り、アデラインの車を直撃する。
アデラインの心臓は電気エネルギーで復活し、無酸素状態が解けて呼吸が回復する。
そしてアデラインは、約100年後に発見される”DNAの電子圧縮論”の通りに、時間による破壊作用を受けない、年を取らない体になった。
アデラインは、変わらぬ容姿の理由を、健康的な食事と運動と遺伝、そして運だと周囲には説明した。
1953年。
フレミングとは姉妹のような容姿のアデラインは、ある日、交通違反で警官に質問され、45歳だということを疑われて、出生証明書を持参して署に来るよう指示される。
サンフランシスコに戻ったアデラインは、医大の事務職に就きながら、自分の身体について1年をかけて詳細に調べ、科学では説明がつかないことが分かる。
そんなアデラインはFBIに連行されてしまい、実験台にされるのを恐れた彼女は逃亡する。
そのためアデラインは、フレミングに別れを告げて旅立つ。
住所も容姿も10年ごとに変えたアデラインは、その運命を誰にも話さないことを誓ったのだった。
ただ1度の例外を除き、アデラインは60年間その誓いを守った。
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視覚障害者であるピアニストで友人のレーガン(リンダ・ボイド)に誘われたアデラインは、ニューイヤーズ・イヴ・パーティーに出席する。
アデラインは、その場にいた青年エリス・ジョーンズ(ミキール・ユイスマン)と目が合い、彼が気になる。
年が明けて誕生日を迎えたアデラインは、帰ることをレーガンに伝えてエレベーターに乗る。
そこにエリスが現れ、”ジェニー”と名前だけ伝えたアデラインは、トラブルを避けるために、誘おうとする彼に別れを告げてタクシーでその場を去る。
翌日、アデラインは、80歳を超えた娘フレミング(エレン・バースティン)と食事をする。
数日後、資料館に貴重な本を寄贈するという人物が現れることを、同僚のコーラ(アンジャリ・ジェイ)とケネス(ヒロ・カナガワ)から知らされる。
それがエリスだったために、アデラインは戸惑う。
資料館の理事だったエリスは、以前からアデラインを見かけていたことを話す。
寄贈式で本を受け取ってほしいと言われたアデラインは、写真を撮られたくないと言ってそれを断る。
それなら寄贈もやめると言うエリスは、デートしてくれればいいと伝え、アデラインは仕方なく承諾する。
ある配管用の掘削現場にアデラインを連れて行ったエリスは、発見した、ゴールドラッシュの時代に乗り捨てられて埋められた船を見せる。
驚いたアデラインは、歴史保存協会の理事であるエリスが、若くして実業家として成功し、その資金で発掘作業をしていることを知る。
引っ越すことをエリスに伝えたアデラインは、ジョークで笑ったらもう一度デートをする提案をされる。
最悪だと言いながらも笑ったアデラインは、デートの約束をしてエリスと別れる。
銀行に向かったアデラインは、新しく付ける名前を口座の署名者に追加しようとする。
その手続きを待つ間アデラインは、1950年代に投資した、電子写真技術を利用した企業”ゼロックス”の社名を提案したことを思い出す。
エリスのアパートに向かったアデラインは、食事した後に話をして、そして二人は愛し合う。
一夜をエリスと過ごしたアデラインは、翌朝、その場を去る。
帰りのタクシーの中で公園のベンチが気になったアデラインは、1960年代のことを思い出す。
かつて、ベンチに座るある男性の元に向かおうとした際、彼が指輪を持っていたために、アデラインはその場を去ったのだった。
帰宅したアデラインは、愛犬リースが弱っていることを知り、病院に連れて行く。
回復する見込みはないと医師から言われたアデラインは、リースに別れを告げて安楽死させる。
帰宅したアデラインは、何匹もの愛犬の想い出が込められたアルバムに、リースの写真を加える。
電話の返事もしなかったエリスがチャイナタウンに現れたため、愛犬を安楽死させたことを伝えたアデラインは、住所を隠しているのには理由があると伝えてる。
エリスに引っ越すと伝えたアデラインは、その場を去る。
嘘をつくのに疲れたとフレミングに伝えたアデラインは、一生、孤独でいる必要はないと言われる。
共に年をとる幸せがない人生は歩めないと言うアデラインは、ニューイヤーズ・イヴに出会いはあったが諦めたとフレミングに話す。
直ぐに相手に謝罪するべきだと言うフレミングに説得されたアデラインは、エリスの元に向かう。
かつて映画館として使っていた倉庫にエリスを連れて行ったアデラインは、彼の両親の結婚40周年パーティーに誘われる。
両親の家に向かう途中、道を歩く妹キッキ(アマンダ・クルー)を車に乗せたエリスは、ジェニー(アデライン)を紹介する。
エリスの父親ウィリアム(ハリソン・フォード)は、息子の相手が財産を狙っているのではないかと考え、それを妻のキャシー(キャシー・ベイカー)に伝える。
実家に着いたエリスは、両親にアデラインを紹介する。
アデラインを見たウィリアムは動揺し、古い友人の”アデライン・ボウマン”にあまりにも似ていたために驚いたことを伝える。
ウィリアムは、アデラインは母だと”ジェニー”から言われる。
ロンドンで親しくしていたと言うウィリアムに、母が1960年代に住んでいたと話すアデラインは、その後パリで父に出会ったと伝える。
その偶然に興奮気味のウィリアムは、アデラインから、6年前に母は亡くなったと言われて、ショックを受けながら彼女を歓迎する。
疲れたので休むとエリスから言われらウィリアムは、ロンドンの郊外でアデラインと出会い、一緒にアメリカに帰国して過ごし、愛し合うようになった時のことを思い出す。
同じことを考えるアデラインも、なかなか眠れなかった。
翌朝、エリスらとテーブルを共にしたウィリアムは、キャシーからアデラインとの出会いを訊かれ、26歳の医大生だったが、大学を辞めようかと考えていた時に彼女と出会い励まされたことを話す。
気分を害したキャシーが席を外したため、ウィリアムは、”ジェニー”があまりにもアデラインに似ていたので記憶が甦っただけだと伝える。
アデラインとのことは一瞬の出来事だと言って、ウィリアムはキャシーとの愛を確かめる。
その夜、家族とゲームをしたアデラインは、ウィリアムが発見した彗星”デラ C 1981”の名を、エリスの大おば”アデル”からとったと言われるが、自分の名だと気づく。
その後、散歩に出たアデラインは、外にいたウィリアムと話し、なぜ彗星に母の名をつけたのかを尋ねる。
200年間で最も地球に近づく彗星は、アデラインと同じニアミスだったとウィリアムは話す。
ウィリアムは、プロポーズするつもりで指輪を用意したのだが、”アデライン”は待ち合わせ場所に来なかったとだけアデラインに話し、おやすみと言って家に戻る。
アデラインは、母も愛していたとウィリアムに伝える。
ベッドに入ったアデラインは、エリスから、自分のいない人生は考えられないと言われ、真実を話すべきか迷う。
翌日、ジェニー(アデライン)の手の傷に気づいたウィリアムは、アデラインにも同じ傷があったことを思い出す。
それが、アデラインが森の枝で切った際に自分が縫った傷だと確信したウィリアムは、倉庫の古い資料を探して、その時に撮った写真を確認して動揺する。
森を散歩するデアラインを追ったウィリアムは、アデライン本人であることが分かったと言って、手の傷を縫ったのは自分だと伝える。
真実を話してほしいと言われたアデラインは、昔は普通に年をとっていたが、ある日を境にそれが止まってしまい、理由は分からないと話す。
打ち明けたかったもののできなかったと言うアデラインは、政府に知られれば利用されるだけだったと伝える。
その話を理解したウィリアムは、アデラインが姿を消した理由を知り、自分と同じように苦しんだ彼女の気持ちを察する。
それを誰にも話していないことを確認したウィリアムは、エリスには打ち明けようとしたアデラインに、息子のためにどこにも行かないでほしいと言って、失われた人生を取り戻すようにと助言する。
その場から走り去ったアデラインは家に戻り、エリスに書置きして、彼の車に乗る。
戻ってきたウィリアムに引き留められるものの、アデラインは車で走り去る。
シャワーを浴びていたエリスは、”許して、理由は言えない”というアデラインのメモに気づく。
アデラインに何を言ったのかエリスから問い詰められたウィリアムは、、何も答えることはできず、”変化”だと伝えることしかなかった。
ウィリアムの車でアデラインを追うつもりのエリスは、父から、愛しているかと訊かれ、彼女なしでは生きられないと答える。
車を止めてフレミングに電話をしたアデラインは、もう逃げないと言って愛を伝える。
車を出そうとしたアデラインはピックアップトラックに衝突され、車外に放り出されるが、相手は彼女を助けようとせずに逃げ去る。
月に隕石が衝突した影響で地球に異変が起き、78年振りにソノマ郡に雪が降る。
仮死状態に陥ったアデラインは、体温が30.5度まで低下して心臓は鼓動を停止する。
街道を走行中に事故に気づいたエリスは、それがアデラインだと知り駆け寄る。
エリスは蘇生するものの、アデラインは107歳で息を引き取る。
到着した救急隊は諦めずに、アデラインの胸に除細動パッドを当てて750ボルトの電流を流す。
息を吹き返したアデラインは病院に運ばれ、身体の損傷はなく無事であることを、エリスは医師から知らされる。
アデラインの元に向かったエリスは、自分のせいで今後が怖くなったために去ったことを理解していると伝える。
理由は別にあると言うアデラインは、自分はジェニーではないと伝えて話を始める。
そこにフレミングが現れ、アデラインは、以前、話した男性だと言ってエリスを紹介する。
ジェニーの祖母だと言ってエリスに挨拶したフレミングは、全てを話したことをアデラインから知らされる。
その頃、結婚40周年のパーティーを始めたウィリアムは、出席者を前にスピーチして、素晴らしい妻キャシーに感謝の言葉を伝える。
1年後、ニューイヤーズ・イヴ。
エリスとパーティーに出かけようとしたアデラインは、髪の毛の白髪に気づいて驚く。
心配するエリスから声をかけられたアデラインは、”大丈夫、完璧よ”と答える。
除細動器の電流が心臓に流れた瞬間、アデラインは自然な老化現象を取り戻したのだった。
”デラ C 1981”は半世紀遅れるものの地球に接近し、ウィリアムの考えは正しかった。
その輝きと壮大さはウィリアムの予想通りだった。