太平洋戦争開戦前夜の上海を舞台に、友人である同僚の死をきっかけに日本軍の不穏な動きを探るアメリカ海軍の諜報員の活動を描く、監督ミカエル・ハフストローム、主演ジョン・キューザック、コン・リー、チョウ・ユンファ、デヴィッド・モース、渡辺謙、フランカ・ポテンテ、ジェフリー・ディーン・モーガン、菊地凛子他共演のサスペンス。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ミカエル・ハフストローム
製作
マイク・メダヴォイ
ジェイク・マイヤーズ
バリー・メンデル
脚本:ホセイン・アミニ
撮影:ブノワ・デローム
編集
ケヴィン・テント
ピーター・ボイル
音楽:クラウス・バデルト
出演
ポール・ソームズ:ジョン・キューザック
アンナ・ランティン:コン・リー
アンソニー・ランティン:チョウ・ユンファ
リチャード・アスター:デヴィッド・モース
タナカ大佐:渡辺謙
レニ・ミューラー:フランカ・ポテンテ
コナー:ジェフリー・ディーン・モーガン
スミコ:菊地凛子
ベン・サンガー:ヒュー・ボネヴィル
ジューソー・キタ:ベネディクト・ウォン
アメリカ/中国 映画
配給 ワインスタイン・カンパニー
2010年製作 104分
公開
日本:2011年8月20日
製作費 $50,000,000
世界 $9,199,470
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1941年、上海。
日本の占領を免れた、英仏米日の租界の地に派遣されたアメリカ海軍情報局の諜報員ポール・ソームズ(ジョン・キューザック)は、日本軍のタナカ大佐(渡辺謙)に捕らえられて、ある女の居場所を吐くよう拷問を受ける。
2ヶ月前、1941年10月。
日中のゲリラ戦が日常的に続く地に、ドイツから到着したソームズは、中立な立場としての日々を送る。
ソームズは、親友である諜報員コナー(ジェフリー・ディーン・モーガン)に協力するために派遣されたのだった。
日本租界。
コナーは、日本人の恋人スミコ(菊地凛子)に、出国することを告げるが、彼は、通りで何者かに殺される。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
1941年10月、上海。
アメリカ海軍情報局の諜報員ポール・ソームズは、友人である同僚コナーに協力するために、日本の占領を免れた、英仏米日の租界の地に到着する。
しかし、コナーは、日本人の恋人スミコから何らかの情報を得て出国しようとした矢先に、何者かに殺されてしまう。
領事館のアスター大佐に呼ばれたソームズは、コナーの死を知らされてショックを受ける。
コナーは、上海の裏社会を牛耳るランティンの捜査をしていたのだが、1ヶ月前に行方が分からなくなったため、ソームズが呼ばれたのだった。
その後ソームズは、コナーの情報源である日本領事館のキタに連絡を取るようアスターに指示される。
ランティンに接触したソームズは、既にカジノで顔を合わせていた彼の妻アンナと、日本人のタナカ(情報部)を紹介される。
キタの情報で、コナーの恋人スミコの存在を知ったソームズは、彼女の行方を捜す。
さらにソームズは、アンナがレジスタンスだと気づいて、知人だったドイツ外交官の妻レニに近づき、日独両国が協力した、軍事的な行動を察知するのだが・・・。
__________
ヨーロッパの戦争が激化する中、混乱の地である上海を舞台に、各国の陰謀渦巻く”フィルム・ノワール”風のドラマは、それなりの雰囲気で展開するサスペンスとして、まずまず楽しめる。
しかし、ドラマは1941年12月に始まり、それを逆上る2ヶ月前の場面に戻る・・・。
諜報員の殺害に絡む事件の真相が、日独の軍事協力と艦隊の行動で、”真珠湾攻撃”が絡む陰謀だったことは途中で明白となり、終盤にかけての盛り上がりは失せてしまい、観終わった後の満足感もない平凡な作品という印象しか残らない。
いつもながら、この時代の日本人が、野蛮人のようにしか思えない描かれ方も頂けない。
5000万ドルの製作費をかけて、当時の上海の雰囲気などが伝わる、セットなどはよく出来ているのだが、アメリカ資本が入っているにも拘らず、北米では公開及びDVD化もされていない。
自分自身も、ジョン・キューザックやデヴィッド・モースの出演がなければ、多分観なかっただろう。
”007”を気取っているのか、白いタキシードを着こなしカジノに登場するジョン・キューザックは、あまりスパイらしくも見えないが、そこが現実味もあり、要所要所で見せる、手際のいい敵の撃退術などが、容姿とギャップがあり、なかなかいい感じで演じてもいる。
現地の上司となるデヴィッド・モースは、他の作品では抜きん出た長身なのだが、J・キューザックが彼と並んでも見劣りしないところなどばかりが気になった。
闇社会のボスの妻でありながら、抵抗に加担する愛国者を熱演するコン・リー、その夫で、無難に演ずるものの、今一凄味に欠けるチョウ・ユンファ、同じく、いつ見てもあまりイメージが変わらない、日本の情報部トップ渡辺謙、ドイツ外交官の妻フランカ・ポテンテ、出番が少ないのが残念な、殺害される諜報員のジェフリー・ディーン・モーガン、殆どセリフもない、陰謀の犠牲になる日本人女性の菊地凛子、新聞社編集長ヒュー・ボネヴィル、日本の外交官で、情報屋のベネディクト・ウォンなどが共演している。