従来の映画製作とは違う”インディペンデント”映画の世界を切り開いたジョン・カサヴェテスの記念すべき初監督作品(脚本、編集兼)。 マンハッタンで暮すアフリカ系のミュージシャンの兄弟と妹の平凡な暮らしを人種問題を絡めリアルに描く、製作シーモア・カッセル、出演レリア・ゴルドーニ、ベン・カルーザス他共演のドラマ。 |
・ドラマ
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジョン・カサヴェテス
製作
モーリス・マッケンドリー
シーモア・カッセル
脚本:ジョン・カサヴェテス
撮影:エリック・コールマー
編集
ジョン・カサヴェテス
モーリス・マッケンドリー
音楽:チャールズ・ミンガス
出演
レリア:レリア・ゴルドーニ
ヒュー:ヒュー・ハード
ベン:ベン・カルーザス
トニー:アンソニー・レイ
デヴィッド:デヴィッド・ポキティロウ
ルパート:ルパート・クローゼ
アメリカ 映画
1959年製作 82分
公開
北米:1959年11月11日
日本:1965年2月5日
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ニューヨーク、マンハッタン。
仲間達と遊び歩き、歌手の兄ヒュー(ヒュー・ハード)を頼ってばかりいる、自称ミュージシャンのベン(ベン・カルーザス)は、今日も兄に小遣いをねだる。
フィラデルフィアに向かうヒューを見送りに来た妹のレリア(レリア・ゴルドーニ)は、タクシーで帰宅するようにと言う兄の忠告を守らず、夜の街を歩いて自宅に向かう。
マネージャーのルパート(ルパート・クローゼ)とクラブに着き、ステージに立ったヒューだったが、彼の歌は受けず、気乗りしないままコーラスガールを紹介する。
翌日、レリアは、ベンや友人デヴィッド(デヴィッド・ポキティロウ)らと、目的も無く語り合っていた。
その後、あるパーティーに出席していたレリアは、自分の書いた小説のをデヴィッドに批評される。
その場でレリアは、デヴィッドに、青年トニー(アンソニー・レイ)を紹介される。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
三流クラブの歌手であるアフリカ系のヒューは、仲間達と遊び歩く、同じミュージシャンの弟ベンと、美しい妹レリアとで仲良く暮らしていた。
ある日レリアは、友人のデヴィッドの紹介で、白人青年トニーと出会う。
肌の白いレリアをアフリカ系とは思わず、トニーは彼女に惹かれてアパートに誘い、そして二人は結ばれてしまう。
その後も交際を続けた二人だったが、レリアは、兄ヒューをトニーに紹介する。
そして、レリアの不安は現実となり、トニーは動揺してしまう。
ヒューは、傷ついた妹を慰め、後日、冷静さを取り戻したトニーは、レリアに謝罪しようとするのだが・・・。
__________
マンハッタンで暮すアフリカ系のミュージシャンの兄弟と彼らが可愛がる妹その兄妹の平凡な暮らしを人種問題を絡めリアルに描く。
弱冠29歳、既に俳優としてのキャリアは積んでいたジョン・カサヴェテスが切り開いた、新たな映画製作への道筋、その金字塔的な存在として貴重な作品。
エンドロールで紹介されるが、即興的な手法で製作された本作は、マンハッタン・ロケの生々しい映像とその臨場感で、人々の生活感や息遣いが伝わってくる、ドキュメンタリー・タッチで描かれている。
ハリウッド、黄金の1950年代の終りと共にそれまでの作品とは一線を画する、革新的な考えを打ち出したジョン・カサヴェテスの功績は、後年、高く評価されることになる。
音楽を担当するチャールズ・ミンガスの楽曲も注目だ。
実名が役名というのも面白い出演者、ミュージシャン兄弟ヒュー・ハードとベン・カルーザス、彼らの妹レリア・ゴルドーニ、彼女と愛し合う白人青年アンソニー・レイ、知人デヴィッド・ポキティロウ、ヒューのマネージャー役のルパート・クローゼなどが共演している。