1988年に発表された、リチャード・N・グッドウィンの回顧録”Remembering America”を基に製作された作品。 1950年代末に実際に起きたテレビの人気クイズ番組”Twenty One”不正スキャンダルを描く、製作、監督ロバート・レッドフォード、主演ジョン・タトゥーロ、ロブ・モロー、レイフ・ファインズ、ポール・スコフィールド他共演のドラマ。 |
・ドラマ
・レイフ・ファインズ / Ralph Fiennes / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:ロバート・レッドフォード
製作総指揮
フレデリック・ゾロ
リチャード・ドレイファス
ジュディス・ジェイムズ
製作
ロバート・レッドフォード
マイケル・ジェイコブス
ジュリアン・クレイニン
マイケル・ノジク
原作:リチャード・N・グッドウィン”Remembering America”
脚本:ポール・アタナシオ
撮影:ミヒャエル・バルハウス
編集:ステュー・リンダー
音楽:マーク・アイシャム
出演
ハービー・ステンペル:ジョン・タトゥーロ
リチャード・N”ディック”グッドウィン:ロブ・モロー
チャールズ・ヴァン・ドーレン:レイフ・ファインズ
マーク・ヴァン・ドーレン:ポール・スコフィールド
ダン・エンライト:デヴィッド・ペイマー
アルバート・フリードマン:ハンク・アザリア
ジャック・バリー:クリストファー・マクドナルド
ドロシー・ヴァン・ドーレン:エリザベス・ウィルソン
サンドラ・グッドウィン:ミラ・ソルヴィノ
トビー・ステンペル:ヨハン・カルロ
デイヴ・ギャロウェイ:バリー・レヴィンソン
マーティン・リッテンホーム:マーティン・スコセッシ
ロバート・E・キントナー:アラン・リッチ
統計係:グリフィン・ダン
エリザベス:イリーナ・ダグラス
アメリカ 映画
配給 ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ
1994年製作 132分
公開
北米:1994年9月14日
日本:1995年3月25日
製作費 $31,000,000
北米興行収入 $24,822,620
■ アカデミー賞 ■
第67回アカデミー賞
・ノミネート
作品・監督
助演男優(ポール・スコフィールド)
脚色賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1958年。
ハーバード大学法科を卒業して合衆国議会立法管理委員会に雇われたリチャード・N”ディック”グッドウィン(ロブ・モロー)は、新車の購入を検討する。
1956年9月に放送が開始されたNBCのクイズ番組”Twenty One/21”は、社会現象と言われるほどの人気となる。
ジャック・バリー(クリストファー・マクドナルド)がホストを務める番組は、29歳の無敵のハービー・ステンペル(ジョン・タトゥーロ)の8週連続勝ち抜きで盛り上がってはいた。
クイズの質問は、放送直前まで銀行で管理されてスタジオに届けられる。
しかし、ユダヤ人であるステンペルの、見た目の悪さなどを気にするスポンサー”ジェリトル”社長マーティン・リッテンホーム(マーティン・スコセッシ)は、その対処について考える。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
1958年。
1956年9月に放送が開始された、NBCの人気クイズ番組”Twenty One/21”は、社会現象にまでなっていた。
ところが、連続で勝ち抜くハービー・ステンペルの容姿の悪さなどを嫌ったスポンサー”ジェリトル”が、彼を番組から降ろすようNBCに圧力をかける。
視聴率も横這いの状態であり、プロデューサーのエンライトとフリードマンは、指示に従いステンペルを切ることを決める。
その後エンライトとフリードマンは、オーディションに来ていた、名門出身である大学講師チャールズ・ヴァン・ドーレンに目をつけ番組出演を勧める。
事前に答えを教えるという、二人の提案は断ったヴァン・ドーレンは、出演を承諾してステンペルに挑戦することになる。
番組は始り、わざと答えを間違えて番組を降りるよう指示されていたステンペルは、それに抵抗しようと考えていた。
しかし、ステンペルは間違った回答を口にしてしまい、聞き覚えのある質問に戸惑いながらも、ヴァン・ドーレンは正解して新チャンピオンとなる。
不正を気にするヴァン・ドーレンだったが、答えは知っていたことで納得し、大金を手にして、彼にとって夢のような日々が始まるのだが・・・。
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実際に起きた大スキャンダル事件を基に、人間の倫理観を鋭く追及しながら、ビジネスに徹するテレビ業界の社会に対する影響力を見せつける形で、その黄金期の終焉を予測させる物語として、ロバート・レッドフォードの繊細かつ力感溢れる演出が光る見応えある作品。
1950年代の雰囲気がよく出ている映像も楽しめるし、多くの登場人物の個性は満遍なく描写されその個性も生かされている。
とは言え、やはり圧力がかかったのか、興行的には成功した作品とは言えず、北米では製作費の3100万ドルを回収することができない約2500万ドルに終わった。
第67回アカデミー賞では、作品、監督、助演男優(ポール・スコフィールド)、脚色賞にノミネートされた。
ファースト・クレジットのジョン・タトゥーロは、特異なキャラクターのハービー・ステンペルを怪演し、事件調査を行う役人で、原作者のリチャード・N”ディック”グッドウィン役のロブ・モローも好演している。
本人とはそれほど似てはいないが、出演者の中で、”芸術品”のような美しささえ感じるチャールズ・ヴァン・ドーレン役のレイフ・ファインズが、主演と言っていい熱演を見せる。
前年「シンドラーのリスト」(1993)で世界的な名声を得たレイフ・ファインズは、とにかく雰囲気のある役者だ。
その父親で、著名な詩人マーク・ヴァン・ドーレン役を味わい深く演ずるポール・スコフィールド、その妻で作家のドロシー・ヴァン・ドーレン役のエリザベス・ウィルソン、番組プロデューサーのダン・エンライト役のデヴィッド・ペイマー、同じくハンク・アザリア、番組のホスト、ジャック・バリー役のクリストファー・マクドナルド、グッドウィンの妻役ミラ・ソルヴィノ、ステンペルの妻役ヨハン・カルロ、NBCの番組パーソナリティー、デイヴ・ギャロウェイ役バリー・レヴィンソン、スポンサーの”ジェリトル”社長役のマーティン・スコセッシ、NBC社長のロバート・E・キントナー役アラン・リッチ、統計係グリフィン・ダン、パーティーの女性でイリーナ・ダグラスなどが共演している。