小男のジョージは、体は大きいが頭の中は子供並のレニーを厄介に思うこともあった。
豆はケチャップ味がいいと言うレニーに、そんなものはないと二度も同じ話をしたジョージは、ウィードで逃げたのも、ウサギに触れるように女のドレスに触ったことがトラブルの原因だと話す。
一人なら自由に様々なことができると苛立つジョージに対し、自分といるのが不満なら一人で山で暮らすとレニーは言い出す。
レニーを見捨てられないジョージは、一緒にいろと言って彼を安心させる。
喜ぶレニーは、ジョージにいつものウサギの話をしてほしいと頼む。
自分達はいつか土地を買い、小さな家を建てて家畜を飼う・・・
レニーは興奮して、ウサギも飼うと言いながらそれを世話する話をしてほしいとジョージを急かせる。
話を付け加えたジョージは、もう十分だと言って終わらせる。
農場のボスには余計なことを話さないことと、トラブルを起こした場合にはこの場に逃げて隠れるよう伝えたジョージは、場所を覚えておくようにレニーに言い聞かせる。
問題を起こしたらウサギの世話はさせないと言って、ジョージはレニーに再度釘を刺す。
そして二人は、夢を語りながら眠る。
翌日、農場に着いたジョージとレニーは、農場主のジャクソン(オスカー・オシェア)から質問される。
話をしないレニーが、頭は弱いが力仕事はできると知ったジャクソンは、二人を農夫頭のスリム(チャールズ・ビックフォード)の元に向かわせる。
ジャクソンから二人の世話を任された左手首がない掃除夫のキャンディ(ローマン・ボーネン)は、いつもボスに愚痴を言われている、背中の曲がった本が好きな黒人クルックス(リー・ウィッパー)を彼らに紹介する。
キャンディは、ジャクソンの話をしながら二人を宿舎に連れて行く。
その後、ジャクソンの息子カーリー(ボブ・スティール)に言いがかりをつけられたジョージは、彼が小柄なので大男のレニーが気に入らないのだとキャンディに言われる。
父ジャクソンにジョージとレニーが気に食わないと伝えたカーリーだったが、人手不足のため我慢するよう言われる。
結婚したばかりの妻メイ(ベティ・フィールド)が男の気を引こうとしてばかりいることも不満なカーリーは、その場にいたウィット(ノア・ビアリーJr.)を殴り倒してしまう。
ウィットがこの場にいなかったと言うメイの言葉を無視するカーリーは、彼女のすること全てが気に入らなかった。
メイがスリムから子犬をもらったと知ったカーリーは、仕事場に向う。
子犬のことでカーリーに因縁をつけられたスリムだったが、まともに話を聞こうともせず相手にしない。
苛立つカーリーはその場を去る。
キャンディは、ジョージとレニーをスリムに紹介する。
ジョージは、子犬の話を聞いていたレニーに頼まれ、一匹ほしいことをスリムに伝える。
それを承知したスリムは、小麦運びができるかを二人に問い、ジョージがレニーの怪力を確かめさせる。
荷馬車に自分と荷物を乗せて背中で持ち上げるレニーに驚いたスリムは、早速、仕事を与える。
キャンディからカーリーの妻メイが悪女だと知らされたジョージは、その理由が今に分かると言われる。
メイに声をかけら喜ぶレニーに、ジョージは彼女を相手にしないよう指示して警戒する。
ジョージにメイと関わるなと言われたレニーは、この農場が嫌いなので出て行きたいと伝える。
稼がなければならないと言うジョージは、カーリーが戻って来たためトラブルを恐れ、メイについては余計なことを言わずに彼を追い払う。
揉め事が起きそうな雰囲気を心配するジョージは、カーリーには近づくなと言ってレニーに忠告する。
やられたらやり返し、トラブルを起こしたら野宿した場所に向い隠れることを憶えているかを、ジョージはレニーに確認する。
仕事を終えたレニーは、スリムから子犬をもらい喜ぶ。
労働者のカールソン(グランヴィル・ベイツ)は、キャンディの年老いた愛犬を殺して子犬を与えるべきだとスリムに話す。
意地の悪いことを言うカールソンの話をスリムは聞き流す。
夕食の前に体を洗うジョージは、幼馴染のレニーとのことをスリムに話す。
悪気のない子供のようなレニーの世話をするジョージだったが、トラブルを起こすことが問題だとスリムに語り、ウィードでのことも話そうとする。
レニーが赤いドレスの女に触れようとしたことを話そうとしたジョージだったが、レニーが現れたために後で話すとスリムに伝える。
ジャクソンとカーリーの品のない食事の仕方を見てうんざりするメイは、約束した映画にも行かないとカーリーに言われてストレスがたまる。
宿舎に戻ったキャンディは老犬を始末するべきだとカールソンに言われ、スリムから子犬をもらうことを提案される。
子犬を提供すると言うスリムも、生かしていても老犬が可愛そうだと語る。
キャンディを気の毒に思うウィットは話題を変えようとするが、カールソンは自分が始末すると言って銃を取り出す。
せめて翌日まで待ってくれとカールソンに頼むキャンディだったが、スリムから犬のためだと言われて納得する。
キャンディは自分の前で立ち止まる愛犬を見送り、ベッドに横たわって涙し、やがて銃声が聞こえる。
納屋にいたスリムの元に向かったメイは、母親から逃げるために結婚したもののカーリーを嫌っていることを伝える。
話を聞こうとしないスリムは、他の男に近づいたり話をするなと言って、自業自得だとメイに伝えてその場を去ろうとする。
自分の気持ちを分かってもらえず誰にも話せないメイは悩んで涙し、スリムはその様子を見て気の毒に思う。
メイを捜しに宿舎に現れたカーリーは、スリムが納屋にいることを知りその場に向かう。
皆は見ものだと言ってその場に向い、納屋にいたスリムの元にメイが現れたことをレニーから知らされたジョージは、大事になると考える。
メイが納屋から出て来たことを確認したジョージは安心して、レニーにせがまれて土地を手に入れる話を始める。
その話を聞いていたキャンディは、土地を手に入れるには600ドル必要だとジョージに言われ、仲間に入れてくれれば340ドル出すと言われる。
自分達だけの計画だったので検討するとジョージに言われたキャンディは、二人に財産を遺すという遺書を書いてもいいと伝える。
レニーと二人で1か月働けば440ドルになることに気づいたジョージは、計画実現が見えてきたため、キャンディの話を聞き入れる。
興奮するジョージは、1か月後に計画を実行することをレニーとキャンディに伝える。
頭金に100ドルいるというジョージにキャンディは所持金の300ドルを渡し、この件は三人だけの秘密で、いつまでも働く振りをすることを確認する。
そこにスリムが戻り、ついて来たカーリーはメイのことで彼を追及する。
妻の面倒は自分で見ろとスリムに言われたカーリーは、カールソンにも批判されて苛立つ。
レニーにも笑われたカーリーは彼を殴り、やられるだけのレニーにジョージはやり返すよう指示する。
カーリーの手を掴んだレニーは怪力で拳を潰してしまい、ジョージに止めるよう言われて手を離す。
失神したカーリーの手を見たスリムは骨が全て折れていることを確認し、馬車で病院に運ぶよう指示する。
レニーは悪くないと言うスリムは、意識の戻ったカーリーに、機械で手を挟んだことにするよう伝え、話したら全てをばらし笑いものにされると警告して納得させる。
数日後、ジョージらは酒場に向かい、農場に残っていたレニーは納屋の子犬の様子を見に行く。
クルックスに声をかけたレニーは部屋に招き入れられ、宿舎にいるキャンディがウサギの数を数えていることを語り始め、小さな土地で暮らす計画を話してしまう。
クルックスは、話し相手がほしいためにジョージがレニーと一緒に旅をしていることを悟る。
もしジョージが町に行ったまま戻らなかったらどうするかとクルックスに言われたレニーは動揺する。
そうなれば施設行きだとも言われたレニーはクルックスに襲い掛かるが、誰にも相手にされない黒人と同じだという話もされる。
そこに現れたキャンディは土地のことを話し始め、ウサギで儲けるとレニーに伝える。
多くの労働者を見てきたクルックスは、夢など実現させた者はいないと話す。
資金もあることをクルックスに伝えたキャンディは、ウサギの話を続ける。
夢を見ている者達は、結局、女やギャンブルで金を使ってしまうと二人に話すクルックスは、自分も仲間に入りたいと伝える。
バーで金を使いそうになったジョージは思い止まり農場に戻り、レニーとキャンディがクルックスの部屋にいることに気づく。
ジョージは、キャンディが三人の秘密だった土地のことをクルックスに話してしまったことを知る。
そこに現れたメイは、土曜の夜で男達は遊んでいるにも拘らず、自分は労働者と話しているだけだと不満を語る。
自分達はただの労働者ではないと意見するキャンディは、農場主になると言ってメイにも土地の話をしてしまう。
馬鹿げた話を聞く気もないメイは、カーリーの手の怪我の件をクルックスに尋ねるものの、機械に挟まれたと言うジョージの言葉を信じない。
レニーの顔の傷に気づいたメイは、彼がカーリーを傷つけたと考えてからかい始める。
メイを追い払おうとしたジョージは、話を聞こうともしない彼女を殴ろうとするが、そこに現れたジャクソンがそれを制止する。
家に戻ったメイはカーリーを責め、手の怪我の件をジャクソンに話し始めて恥をかかせようとする。
機械に挟まれたと話すカーリーに、ばれると笑い者にされると言いながらメイは彼を嘲笑う。
カーリーに出て行けと言われたメイは、彼を軽蔑しながら笑い続ける。
翌朝ジョージは、スリムがジャクソンに話しに行ってくれたとキャンディに言われる。
人手不足のためクビは免れたとスリムに言われたジョージは、メイが出て行くことを知らされる。
農場を去ろうとしたメイは子犬が気になり納屋に向い、犬が死んでしまい悲しんでいるレニーがいることに気づく。
トラブルを避けるために、メイと話すことを禁じられていたレニーは戸惑う。
それを気にせず話し始めたメイは、女優になりたかったことや母親と離れたかったためにカーリーと結婚したことなどを語る。
ここを出てハリウッドに行くというメイの話を聞き、レニーも遠くに行くことを考える。
メイに言動がおかしいと言われたレニーは、柔らかいものが触りたいだけだと答える。
レニーに自分の柔らかい髪の毛に触れるよう促したメイだったが、セットを乱したと言って騒ぎ始める。
メイを黙らせようとしたレニーは、力を入れ過ぎて彼女を殺害してしまう。
異変に気づいたジョージは納屋に向い、メイの死体を確認しレニーの帽子を見つけて全てを悟る。
その場にいたキャンディは、計画実行が不可能になったことを嘆き、ジョージはレニーに責任はないことを伝える。
レニーを捜すというジョージは、暫くしたらメイを見つけた振りをして皆に知らせるようキャンディに指示してその場を去る。
キャンディは、皆が言っていたようにトラブルを起こしたメイを恨み、夢が果たせなくなったことで絶望しながら人を呼ぶ。
騒ぎになり納屋に皆が集まり、ジョージはカールソンの銃をバッグから取り出し、驚いた振りをして現場に向かう。
カーリーは落ちていた帽子で犯人がレニーだと気づき、カールソンは銃がなくなっていることを知らせる。
ジョージは、捜索隊を出そうとするジャクソンに、レニーを撃たないでほしいと頼む。
カーリーはそれを無視して自分が殺すと言い張り、用意された銃を手にした労働者は捜索に出発する。
レニーを助ける方法がないかを考えるジョージは、カーリーを止めなければ無理だとスリムに言われる。
スリムからレニーを救う道はただ一つだと言われたジョージは、隠し持っていた銃を取り出す。
野宿した場所に向かったジョージは、言われた通りその場で隠れていたレニーを見つける。
レニーの話を聞いたジョージは、自分を叱らないのかと言う彼に優しく語り掛ける。
農場の者達が近づく気配を感じたジョージは、レニーを跪かせて話を始める。
いつもの話を聞いて喜ぶレニーに、川の向こうを見るよう伝えたジョージは彼を銃撃する。
レニーは川に落ちて沈み、銃声を聞いたカーリーらが現れる。
呆然とするジョージは、スリムに呼び止められた保安官に銃を渡して立ち去る。