若くして才能を発揮したブライアン・デ・パルマ(原案、監督))とポール・シュレイダー(原案、脚本)により製作された作品。 妻子を誘拐された男性が16年後に妻と瓜二つの女性と出会いその裏に隠された陰謀に翻弄されていく姿を描く、主演クリフ・ロバートソン、ジュヌヴィエーヴ・ビジョルド、ジョン・リスゴー他共演のサスペンス。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ブライアン・デ・パルマ
製作
ジョージ・リットー
ハリー・N・ブラム
ロバート・S・ブレムソン
原案
ブライアン・デ・パルマ
ポール・シュレイダー
脚本:ポール・シュレイダー
撮影:ヴィルモス・ジグモンド
編集:ポール・ハーシュ
音楽:バーナード・ハーマン
出演
マイケル・コートランド:クリフ・ロバートソン
エリザベス・コートランド/サンドラ・ポルティナーリ:ジュヌヴィエーヴ・ビジョルド
ロバート・ラサール:ジョン・リスゴー
エイミー・コートランド:ワンダ・ブラックマン
アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
1976年製作 98分
公開
北米:1976年8月1日
日本:1978年1月28日
製作費 $1,400,000
■ アカデミー賞 ■
第49回アカデミー賞
・ノミネート
作曲賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1959年、ニューオリンズ。
郊外の邸宅で、地元の不動産業者マイケル・コートランド(クリフ・ロバートソン)とエリザベス(ジュヌヴィエーヴ・ビジョルド)の、結婚10周年パーティーが開かれていた。
ビジネス・パートナーのロバート・ラサール(ジョン・リスゴー)は、地元の名士でもあるコートランドを称える。
パーティーは終り、コートランドとエリザベスは愛を確かめ合うが、彼女と娘エイミー(ワンダ・ブラックマン)が誘拐され、身代金50万ドルを要求されてしまう。
ラサールと相談したコートランドは、仕方なく身代金を支払うことにするが、それを警察に止められる。
バッグに白紙の偽札を入れ発信機を仕掛けたコートランドは、警察の指示に従い、それを犯人の指定場所に運ぶ。
警察は犯人の隠れ家を突き止めて包囲するが、偽札に気づいた犯人らは逃走する。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
満ち足りた生活を送る不動産業者のマイケル・コートランドは、ある日、愛する妻エリザベスと娘エイミーを誘拐されてしまう。
ビジネス・パートナーのラサールと話し合った結果、コートランドは、身代金50万ドルを払うことにするが警察にそれを止められ、白紙の偽札を渡す。
警察は犯人を追い詰めるのだが、エリザベスとエイミーは連れ去られ事故死する。
16年後、コートランドは商談でフィレンツェに向かい、妻エリザベスと出会った教会で彼女と瓜二つの女性サンドラに出会い、その後、二人は親交を深める。
帰国した二人は結婚することになり、その準備を始めるのだが、サンドラに妻を投影し幸せを手に入れようとするコートランドは、事を急ぎ、周囲はそれを不安視し始める・・・。
__________
サスペンス・ホラーの傑作「キャリー」(1976)の公開を3ヵ月後に控えるブライアン・デ・パルマが、同作と共にその才能を開花させるきっかけとなった作品。
アルフレッド・ヒッチコック作品「めまい」(1958)を髣髴させるような内容と、小道具の使い方なども、同じヒッチコック作品を思わせる作風になっている。
さらには、ヒッチコックとのコンビで有名なバーナード・ハーマンの音楽が、正にヒッチコック作品を思わせるものであり、オマージュであることは間違いない。
バーナード・ハーマンは、第49回アカデミー賞で作曲賞にノミネートされた。
序盤などは少々荒っぽい演出が目立つが、小気味よい展開は観る者をドラマに引きつける。
冷静な実業家から、”女性”の出現で異常者に近い妄想に駆られるクリフ・ロバートソンの、深みのある演技は必見だ。
同じく、父親に”見捨てられた”というトラウマを背負う娘と妻を演ずるジュヌヴィエーヴ・ビジョルドの熱演も注目だ。
事件の黒幕であった、撮影当時30歳にしては貫禄がある、若きジョン・リスゴーもキャリア初期の代表作でもある。