ジャクイスを紹介されたシャーロットは挨拶もせず、彼の療養所の話などを聞き、何も語らずに席を外してしまう。
シャーロットを呼び止めたジャクイスは、彼女の部屋を見せてもらう。
ジャクイスは、シャーロットの趣味である象牙の彫刻箱を見て、その出来の良さに驚き関心する。
ゴミ箱のタバコの吸い殻と口紅が付いたティッシュに気づいたジャクイスは、シャーロットが心を閉ざしているような女性でないと考える。
日記を取り出したシャーロットは、アフリカ沿岸に旅した時の話を始める。
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船上で若い無線技士レズリー・トロッターと親しくなったシャーロットは、愛情を感じるものの、母に小言ばかりを言われていた。
その夜、船室を抜け出してレズリーに会っていたシャーロットは、母と船長に見つかってしまう。
シャーロットと婚約したことを話すレズリーだったが、ヴェイル夫人は認めるはずがなかった。
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シャーロットは、今は太っている自分を求めてくれる人はいないと言って、母に支配されていることをジャクイスに話しながら涙する。
ジャクイスは、泣いていても道は開けないと言ってシャーロットを励まし、彼女から助けを求められ、箱を譲ってもらい居間に向かう。
居間に向かったジャクイスは、重症のシャーロットの人生を狂わせていると言って、ヴェイル夫人を非難する。
そこにリサの娘ジューン(ボニータ・グランヴィル)が到着し、階段から降りてきたシャーロットと共に居間に向かう。
自分をからかうようジューンの言葉が気に障ったシャーロットは、取り乱してしまう。
バーモント州。
ジャクイスの療養所に到着したリサはシャーロットを訪ね、彼女の世話をするトラスク(キャサリン・アレクサンダー)を紹介される。
ジャクイスから家に戻ってもいいと言われていたシャーロットだったが、母には会いたくないとリサに伝える。
その後、シャーロットはリサの勧めもあり、長期のクルーズに参加することにした。
美しく変貌して船旅を楽しんでいたシャーロットは、”ポーシャン嬢”と間違われていた。
シャーロットは、パーサーのトンプソン(フランクリン・パングボーン)から、ツアー旅行客である既婚者のジェレマイア”ジェリー”デュランス(ポール・ヘンリード)を紹介される。
シャーロットは、ジェリーと共に下船して一緒に過ごし、様々なことを訊かれて戸惑う。
ジェリーは、娘のクリスティナ”ティナ”(ジャニス・ウィルソン)のための買い物をシャーロットに伝ってもらう。
船に戻ったシャーロットは、ジェリーから妻子の写真を見せてもらい、幸せそうに見えないティナが、自分を醜いアヒルの子と思っていることを知る。
付き合ってくれたお礼だと言うジェリーから香水をプレゼントされたシャーロットは、船室に戻りポーシャン嬢のドレスを借りて、ジェリーが待つレストランに向かう。
ジェリーとドレスとガウンの話になり気分を害したシャーロットは席を立つが、そこに現れた彼の友人フランク・マッキンタイア(ジェームズ・レニー)と妻”デブ”(リー・パトリック)を紹介される。
ダンスに誘われるものの踊れないと言うシャーロットはその場を去り、フランクとデブと別れたジェリーは彼女を追う。
シャーロットを呼び止めたジェリーは、自分にもっと自信を持つべきだと伝える。
シャーロットは、これを見れば分かると言って家族の写真を見せて、別人のような太った女性が自分だとジェリーに伝える。
3か月、療養所にいて完治はしていないと言うシャーロットは、あなたのおかげで楽しい時間を過ごし生き返ったとジェリーに伝えて別れる。
船室でジェリーは、溺愛するティナに、大人になっても見放された人もいることが分かったと手紙を書く。
翌日、シャーロットはデブと過ごし、ジェリーの結婚生活は恵まれず、建築の仕事に追われ、妻は望まなく生まれたティナを夫が溺愛するために娘に嫉妬しているという話を聞く。
ジェリーにその件を話したシャーロットは、神妙な表情の彼に、帰港する初めてのリオデジャネイロを楽しむべきだと伝える。
下船して”シュガーローフ”の観光を楽しんだシャーロットとジェリーは、英語が話せないガイドのジョゼッペの運転で港に向かう。
ジェリーは、わき道に入ったジョゼッペに引き返すよう指示するが、車は土手から落ちてしまう。
シャーロットが船に乗る予定だったために、ジェリーはそれをジョゼッペに伝える。
ジョゼッペは助けを呼びに行き、雨が降って来たために小屋に避難したシャーロットとジェリーは、その場で一夜を過ごす。
その後、シャーロットは空路でブエノスアイレスに向かい、出港したクルーズに合流することになる。
恋に落ちたシャーロットとジェリーは、出発までの5日間を楽しむ。
出発の日、2人は別れを惜しみ、ジェリーは飛び立つシャーロットを見送る。
ニューヨーク。
シャーロットを迎えに来たリサとジューンは、容姿も振る舞いも以前とは別人のようなシャーロットを見て驚く。
ボストンの屋敷に戻ったシャーロットは、心臓疾患で体調を崩している母の看護師ドーラ・ピックフォード(メアリー・ウィックス)に迎られる。
ヴェイル夫人は、戻ったシャーロットの容姿を見て、リサから聞いたほど良くないと言いながら、エリオット・リヴィングストン(ジョン・ローダー)らを招く家族の夕食会の服装について指示を与える。
ドーラを解雇すると言う母から、同じフロアの夫の部屋で自分の世話をすることと、メガネをかけ髪も眉も以前に戻すよう指示されたシャーロットは、口答えせずに部屋を出る。
ジェリーから届いた椿のコサージュを見て気分が晴れたシャーロットは、自分の部屋に向かい、現れた母に、今後は自由にさせてもらうと言って、彼女の指示に従おうとはしない。
ショックを受けたヴェイル夫人は苛立ちながら階下に向かうが、階段から落ちてしまう。
シャーロットは、医師の診断を受けた母は靭帯切断で歩けないと言われ、喧嘩したことを悔やむ。
母の指示で居間で待っている家族の元に向かったシャーロットは、自分を見て驚く皆に挨拶し、リサからエリオットを紹介される。
シャーロットは、母が1人ずつ呼んでいることを家族に伝える。
会うのは学生時代以来だったエリオットはシャーロットに惹かれ、電話することを伝えてその場を去る。
母の様子を見に行ったシャーロットは、高価なドレスを着ていることなどを気にする彼女と話をする。
シャーロットから、亡き父が2人の兄だけに信託財産を遺した理由を訊かれたヴェイル夫人は、あなたが子供だったために自分に任せたと答える。
シャーロットは、母の考える自立と、それを本人の判断を尊重することだと言うジャクイスの意見の相違を指摘する。
それは自分が決めると言うヴェイル夫人は、ドーラを解雇するまで今の部屋にいることを許すので、その間に今後について考えるよう指示する。
財政的にも自立することを考えたシャーロットは、母の遺言を聞き、ヴェイル家の財産を受け継ぐと言われ、ドーラを読んだ彼女から部屋に行くよう指示される。
数か月が経ち、母とは波風立てずに過ごすシャーロットは、その件と、離婚歴があり幼い子供もいるエリオットから求婚されたことなどをジャクイスに手紙で知らせる。
シャーロットは、ジェリーから届いた椿のコサージュをつけて、エリオットと共に出かける。
エリオットと共に音楽会に出席したシャーロットは、その場にジェリーがいたために驚く。
シャーロットとジェリーは、以前、船旅で会ったことがある程度の仲を装う。
ティナのことを訊かれたジェリーは、娘が苦しんでいることをシャーロットに話し、彼女をジャクイスに診せたことを伝える。
ジェリーは、シャーロットに愛を告げる。
音楽会でシャーロットは、隣りに座るジェリーから、10時には家に行けると言われて、それを承諾する。
帰宅してジェリーを待つシャーロットは、彼からの電話で今夜、発つことを知る。
シャーロットがエリックと結婚することを知ったジェリーは、身を引くと言って別れを告げる。
駅に向かったシャーロットはジェリーに会い、エリオットを愛していないことを伝えて話し合う。
妻とティナの病の件もあるジェリーと、エリオットと努力してみると言うシャーロットの意見は一致し、互いを忘れないことを約束して2人は別れる。
その後、シャーロットとエリオットは、互いの価値観を共有することが難しいと判断し、婚約を解消して友好的に別れる。
それを母に伝えたシャーロットは非難されて苛立ち、自分は望まずに生まれたのなら双方にとって不幸だと声を荒げる。
その言葉にショックを受けたヴェイル夫人は、心臓発作を起こして息を引き取り、シャーロットはドーラを呼ぶ。
シャーロットは、自分が喧嘩を仕掛けたことを後悔し、その罪悪感を抱きながらジャクイスの療養所に向かう。
トラスクに迎えられたシャーロットは、その場にティナがいることに気づき、母親に愛されず自分と同じ境遇の彼女の世話をすることを考える。
ティナを連れて出かけたシャーロットはカフェに寄り、父ジェリーと話したいと言う彼女に電話をさせる。
シャーロットは、2人の会話を聞くと辛かったが、心を閉ざしていたティナの笑顔で救われる。
その夜シャーロットは、嫌われている自分は醜いと、ベッドで泣きながら話すティナに、皆が好きになると言って慰める。
ティナから優しくしてくれる理由を訊かれたシャーロットは、自分が求めていた時に優しくしてくれた人がいたからだと答える。
ジェリーの娘ティナを愛おしく思うシャーロットは、その後も彼女と過ごす。
それを規則違反と考えるジャクイスはシャーロットと話し、彼女とティナの父親との関係を知る。
ティナがシャーロットを頼っていることは認めたジャクイスは、彼女の世話を試験的に許可する。
喜んだティナはジェリーに電話をして、ボストンのヴェイルという女性が親切にしてくれていると話してしまう。
ティナとキャンプをしたシャーロットは楽しい時間を過ごし、ジャクイスに手紙を書き、彼女をボストンに連れて行くことを考える。
その後、ジャクイスと共にヴェイル邸を訪れたジェリーは、見違えるように元気になったティナを見て喜び抱きしめる。
シャーロットと話をしたジャクイスは、数か月前には想像もできなかった彼女の変化について話す。
ジェリーと話をしたシャーロットは、ティナを家に連れて行くつもりだと言う彼に、ジャクイスは反対すると伝える。
シャーロットは、与えられているだけで何も返せないことに耐えられないと言われ、ティナを預かっていることで、自分は恩恵を受けているとジェリーに伝える。
ティナは君を愛していると言うジェリーは、エリオットと結婚しなかったのは自分が現れたからで、今回も君の人生を奪ってしまうとシャーロットに伝える。
シャーロットは、結婚ができれば幸せになれると思っているジェリーの考えを否定し、あなた自身であるティナの世話をする喜びが奇跡のようだったと話す。
ティナを自分の娘のように愛せれば、あなたのためにもなると思ったと言うシャーロットは悲しむ。
自分を愛してくれていることを無視できないと言うジェリーは、一緒に暮らすことが最善だとシャーロットに伝える。
抱き寄せられるシャーロットは、それを拒み去ろうとする。
シャーロットは、ジャクイスがティナの世話を許可してくれたのは、あなたとの関係も不安定だと知り、試しに許してくれたからだと言って、乗り越えなければ、ティナと自分を失うとジェリーに伝える。
シャーロットに助けを求められたジェリーは、タバコを吸うことを提案るる。
窓辺にいたジェリーは、いつものように、2本のタバコ口にくわえて火を点け、1本をシャーロットに渡す。
また訪ねてもいいかと訊かれたシャーロットは、あなたを愛する人がいる、あなたの家だとジェリーに伝える。
自分たちの財産であるティナのことを考えながら、幸せになろうと言われたシャーロットは、”月はいらないわ、星があるじゃない・・・”とジェリーに伝える。