1938年に発表された、ジェラルド・カーシュの小説”Night and the City”を基に製作されたフィルム・ノワール。 詐欺師まがいの野心家の青年の凋落を描く、監督ジュールス・ダッシン、主演リチャード・ウィドマーク、ジーン・ティアニー、ヒュー・マーロウ、ハーバート・ロム他共演のドラマ。 |
・ドラマ
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジュールス・ダッシン
製作:サミュエル・G・エンゲル
原作:ジェラルド・カーシュ ”Night and the City”
脚本:ジョー・アイシンガー
撮影:マックス・グリーン
編集
シドニー・ストーン
ニック・ディマッジオ
音楽
フランツ・ワックスマン
ベンジャミン・フランケル
出演
ハリー・ファビアン:リチャード・ウィドマーク
メアリー・ブリストル:ジーン・ティアニー
ヘレン・ノセロス:グーギー・ウィザース
アダム・ダン:ヒュー・マーロウ
フィル・ノセロス:フランシス・L・サリヴァン
クリスト:ハーバート・ロム
グレゴリウス:スタニスラウス・ズビスコ
ストラングラー:マイク・マズルキ
ニコラス:ケン・リッチモンド
モリー:エイダ・リーヴ
フィグラー:ジェームズ・ヘイター
イギリス映画
配給 20世紀FOX
1950年製作 96分
公開
イギリス:1950年4月
北米:1950年6月9日
日本:1954年10月
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ロンドン。
いつかは必ず大物になることを夢見る、詐欺師まがいの男ハリー・ファビアン(リチャード・ウィドマーク)は、 ナイトクラブで働いていた。
そんなハリーは、地道な暮らしを夢見る恋人のメアリー・ブリストル(ジーン・ティアニー)の元に向かう。
借金取りに追われるハリーは、メアリーに金を用立て貰おうとするが、彼女は手持ちが足りずに隣人のアダム・ダン(ヒュー・マーロウ)に金を借りる。
メアリーも働く、フィル・ノセロス(フランシス・L・サリヴァン)が経営するナイトクラブで客引きをするハリーは、 次々と客をフィルの店”シルヴァー・フォックス・クラブ”に向かわせる。
その後、ハリーはプロレス会場で、伝説のレスラーであるグレゴリウス(スタニスラウス・ズビスコ)と、その息子で興行主のクリスト(ハーバート・ロム)を見かける。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
人を裏切ってでも大物になろうとする、野望を抱くハリー・ファビアンは、街のクラブで客引きをしていた。
地道な生活を望む、恋人メアリーの不安を余所に、ハリーは、その日暮らしの毎日を送っていた。
ある日ハリーは、伝説のプロレスラーであるグレゴリウスを丸め込み、興行主となることを思いつく。
クラブのオーナー、フィルと妻ヘレンに侮辱されながらも、ハリーは、それに懸ける事を決心し、金策に走り回るのだが出資者は現れない。
しかし、フィルと縁を切ろうと考えていたヘレンはハリーに金を渡し、他のクラブを買い取り独立しようとする。
その後、興行を始めたハリーは、グレゴリウスの息子で、ロンドンを仕切る興行主クリストに、縄張りを荒らしたことで脅されてしまう・・・。
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野望を胸に、日々、崖っぷちの生活を送る青年の焦りや、腹黒い策士達のせめぎ合いが、緊迫したドラマを盛り上げる。
赤狩りの影響で”ハリウッド・ブラックリスト”としてヨーロッパに逃れていた、ジュールス・ダッシンの、シャープな演出が光る一編。
モノクロ映像が映し出す緊張感、効果的に使われるロンドンのロケを生かす、リアリズム溢れる展開が見所だ。
リチャード・ウィドマークをはじめ、アメリカ人俳優が、違和感なくロンドンの裏社会などに溶け込んでいる。
また、実際にプロレス界で活躍した役者の迫力ある演技や、その興行を巡る一連の騒動というストーリーも実に新鮮だ。
特に、既に70歳を過ぎていた伝説のレスラー、スタニスラウス・ズビスコの、伝統にこだわる、レスリングに対する姿勢、そして、それを息子に伝えながら亡くなる姿は胸を打つ。
1992年に公開された、監督アーウィン・ウィンクラー、主演ロバート・デ・ニーロ、ジェシカ・ラング共演「ナイト・アンド・ザ・シティ 」はリメイク作品。
生きのいい主演リチャード・ウィドマークの鬼気迫る演技は見もので、ペテン師で野心家の青年を熱演している。
脇役に徹して、殆ど存在感がないのが残念なジーン・ティアニー、強かな女を演ずるグーギー・ウィザース、こちらも彼にしては出番が少ない感じのする隣人ヒュー・マーロウ、クラブ・オーナーのフランシス・L・サリヴァン、興行主ハーバート・ロム、その父で伝説のレスラー、スタニスラウス・ズビスコ、同じく巨漢のマイク・マズルキ、若手選手役のケン・リッチモンド、クラブの下働きエイダ・リーヴ、主人公の知人ジェームズ・ヘイターなどが共演している。