髭を剃り終えたボーレガードは男に金を渡し、表の男が発砲した瞬間に三人を倒す。
男の金を取り戻し更に金額を足してその場に置いたボーレガードは、床屋の主人と息子を解放して立ち去る。
ボーレガードが10ドルも置いて行ったことことに驚く主人は、1発で3人を倒したと思った息子から彼より早撃ちがいるのかと聞かれ、誰もいないと答える。
流れ者(テレンス・ヒル)が川で魚を獲る姿を見ていたボーレガードは、気づいた彼に合図されるものの、それを無視してその場を去る。
悪党のレッド(レオ・ゴードン)の元に向かったボーレガードは、襲われて撃たれた彼に仲間である自分の弟がどこにいるかを尋ね、地獄に堕ちろと言われる。
盗んだ金を溶かし金塊にして流していた鉱山主のサリヴァン(ジャン・マルタン)は、ボーレガードを殺そうと考える。
ワイルド・バンチのリーダー(ジェフリー・ルイス)は、鉱石から金を精製しているように見せかけて、クリーンな仕事をしているイメージを作るようサリヴァンに伝え、ボーレガードを買収するよう指示する。
馬を手に入れようとした流れ者は、無法者のオネスト・ジョン(R・G・アームストロング)に言いがかりをつけられるものの、相手にせずにその場を去ろうとする。
流れ者を呼び止めたオネスト・ジョンは、酒場にいるボーレガードにバスケットを届ければ馬をやると言って納得させる。
酒場に向かった流れ者は、自分に気づいたボーレガードよりも食事をすることに気を取られる。
電報で船のことを確認したボーレガードは、予約金500ドルが必要だと知るが、まだ16日あるために返信することを焦らない。
ボーレガードが特別な存在だと言って、今後のことを話す流れ者は、オネスト・ジョンに頼まれたことを思い出してバスケットを渡す。
二人は、中身が爆弾だということで意見が一致し、流れ者は、外の三人の男からだと伝える。
ボーレガードについて詳しい流れ者は、話をしながらバスケットを手にして入り口に向い、爆弾が作動したために外に放り投げて爆発する。
流れ者は、子供時代から尊敬していたことをボーレガードに伝える。
何者だと言われた流れ者は”ノーボディ”と答え、ボーレガードはその場を去る。
馬を手に入れてボーレガードを追おうとしたノーボディは、オネスト・ジョンらに銃を向けられそうになり、驚く早さで銃を抜いて見せる。
驚いたオネスト・ジョンらはノーボディの言いなりになり、彼に馬を渡す。
先住民の村に着いたボーレガードは、その場にいるはずの弟を捜す。
ノーボディがいたため、後をつけるなと忠告したボーレガードは、弟の墓があることを知らされる。
その場を去ろうとするノーボディのハットを撃つボーレガードは、彼を挑発する。
怯まないノーボディが気に入ったボーレガードは、彼に自分のハットを渡す。
150人のワイルド・バンチが疾走する姿を確認したノーボディは、彼らに立ち向かうボーレガードを想像する。
ボーレガードにハットを返したノーボディは、その場を去る。
ある町に着いたノーボディは酒場に向かい、男に因縁をつけられる。
グラスの酒を飲み干し、投げて床に落ちる前に銃で撃ち抜く賭けをしたノーボディは、酔ってふらつきながらもそれに成功する。
二階から現れた男にゲームは終わりだと言われたノーボディは、その男が持っていたグラスを撃ち抜き200ドルを手に入れる。
ウイスキーを飲もうとしたノーボディは男にグラスを撃たれ、早撃ちの勝負を挑まれる。
男に近づいたノーボディは、相手を圧倒して恥をかかせる。
賭け金の高い二階に呼ばれたノーボディは、その場にいたサリヴァンから、2000ドルでボーレガードの殺しを依頼される。
金額を間違っていると言われたサリヴァンは、1000ドル上乗せしてノーボディにそれを承知させる。
その後、通りにいたノーボディは、オネスト・ジョンらが来たことに気づく。
現れたボーレガードのハットを撃ったノーボディは、互いに向かい合い牽制する。
そこにワイルド・バンチの集団が現れたため、電報を打ちに行ったボーレガードは、12日後の船の予約確定の連絡を海運会社に送る。
ワイルド・バンチは、ダイナマイトを受け取りサドルバッグに入れてその場を去り、それをノーボディとボーレガードは確認する。
オネスト・ジョンらは、ボーレガードとノーボディを捕えるよう男に命ぜられる。
酒場の男達も、ノーボディを追ってマジックミラーの見世物小屋に向かう。
現れたボーレガードは、ダイナマイトを仕掛けていたオネスト・ジョンに導火線に点火するよう命じてその場を去り、直後に爆発する。
ノーボディは、二人の男をからかいながら倒す。
サリヴァンに鉱山を売った老人から話を聞いたボーレガードは、間に入ったのが弟とレッドだったという話を聞く。
何も出ないと言われて鉱山を売った老人は、その直後に金が採掘され始めたことをボーレガードに話す。
ノーボディは、襲ってきた男達を次々と倒す。
ボーレガードはノーボディの考えを探り、サリヴァンが悪人であると言われてその場を去る。
老人は、サリヴァンの背後にはワイルド・バンチがいるとノーボディに伝え、ボーレガードにも知らせようとする。
ノーボディは老人を引き留め、対決させることでボーレガードは更に名を上げると伝える。
サリヴァンに会い銃を向けたボーレガードは、ワイルド・バンチがついていると言われるものの気にしない。
殺すか買収しろと言われていたサリヴァンは、気が進まなかったことをボーレガードに伝え、仲間だった弟とレッドの話をする。
弟が儲けを独り占めにしようとしたため、レッドに殺されたことを知ったボーレガードは、分け前は保管してあるとサリヴァンに言われる。
100年は暮らせると言うサリヴァンに近づくボーレガードは、それほど長生きする気はないと答え、彼の財布から500ドルを奪い、砂金の袋を二つ持ってその場を去る。
ノーボディがいることに気づいたボーレガードは、兄弟愛に従って行動すると思ったと言われ、そのつもりがないことを伝える。
背後から人を撃ち自分から1万ドル奪ったような弟の敵討ちなどする気がないと言うボーレガードは、電設の男の運命を語るノーボディに、今後のヨーロッパがそれだと答える。
運命は逃れようとすれば追ってくると言われたボーレガードは、ワイルド・バンチとは争う気はないので忘れろとノーボディに伝える。
その場を去ったボーレガードを見つめながら、必ず対決するとノーボディは考える。
金塊が貨物列車に運び込まれる駅に向かったノーボディは、機関士がトイレに入っている間に列車を盗んでしまう。
線路で列車を待っていたボーレガードは、ワイルド・バンチが迫ってきたため、砂金とライフルだけを手にして馬を逃がす。
その時、列車が近づいて停車し、歩み寄ったボーレガードは、視力が落ちているためにメガネをかける。
ボーレガードは、それを動かしていたのがノーボディだと気づく。
ノーボディがその世紀の対決を見守る中、ワイルド・バンチのサドルバッグのダイナマイトのことを思い出したボーレガードは、それを狙い撃ち爆破させる。
ボーレガードは次々とバッグを撃ち爆破させ、正に伝説を見たノーボディは満足し、列車を動かしてボーレガードを乗せる。
自分を見事に操ったノーボディに感心するボーレガードは、歴史を作ったことで、後の望みは引退だと語る。
唯一の方法は、大勢の人の前で死ぬことだと、ノーボディはボーレガードに伝える。
ニューオリンズ。
ボーレガードとノーボディは、人々が見守る前で対決することになる。
ノーボディは一瞬早く拳銃を抜き、撃たれたボーレガードは、カメラの前で崩れ落ちる。
ワイルド・バンチのリーダーは一人片付いたと言って、残りの一人を追う。
多くの人々に顔が知られてしまったノーボディは、再び”誰でもない男”に戻るには自分も死ぬしかなかった。
偽の対決で生きていたボーレガードは、予定通りヨーロッパ行きの船に乗り、ノーボディと別れたことを寂しく思いながら彼に手紙を書く。
命を狙われるノーボディは、床屋に扮したワイルド・バンチのリーダーに髭を剃らせる。
本物の床屋なら上着を着ているとボーレガードに忠告されていたノーボディは、銃に見せかけた指で男を脅す。