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1940年に発表された、レイモンド・チャンドラーの小説”さらば愛しき女よ”を基に製作された作品。 ある女性を追いながら宝石が絡む陰謀に巻き込まれる私立探偵の行動を描く、監督エドワード・ドミトリク、主演ディック・パウエル、クレア・トレヴァー、アン・シャーリー他共演のフィルム・ノワール。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:エドワード・ドミトリク
製作:エイドリアン・スコット
原作:レイモンド・チャンドラー”さらば愛しき女よ”
脚本:ジョン・パクストン
撮影:ハリー・J・ワイルド
編集:ジョセフ・ノリエガ
音楽:ロイ・ウェッブ
出演
フィリップ・マーロウ:ディック・パウエル
ヘレン・グレイル/ヴェルマ・ヴァレント:クレア・トレヴァー
アン・グレイル:アン・シャーリー
ジュールス・アムサー:オットー・クルーガー
ジョー”ムース”マロイ:マイク・マズルキ
グレイル:マイルズ・マンダー
リンジー・マリオット:ダグラス・ウォルトン
ランドール警部補:ドン・ダグラス
ソンダーボーグ博士:ラルフ・ハロルデ
ジェシー・フロリアン:エスター・ハワード
運転手:ジョン・インドリサノ
フロリアンズの支配人:デューイ・ロビンソン(クレジットなし)
アメリカ 映画
配給 RKO
1944年製作 93分
公開
北米:1944年12月14日
日本:1988年5月8日
製作費 $400,000
■ ストーリー ■
目隠しをされた私立探偵フィリップ・マーロウ(ディック・パウエル)は、ランドール警部補(ドン・ダグラス)から殺人事件について尋問され、話し始める。
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事務所にいたマーロウは、現れた元受刑者である大男ジョー”ムース”マロイ(マイク・マズルキ)に、強引に連れ出される。
ムースは、元恋人ヴェルマ・ヴァレント(クレア・トレヴァー)の行方を追っていた。
マーロウとムースは、ヴェルマが8年前に歌手として働いていたナイトクラブ”フロリアンズ”に向かうが、彼女のことを知っている者はいなかった。
ムースからヴェルマを捜すことを依頼されたマーロウは、フロリアンズの元オーナーの未亡人で、アルコール依存症のジェシー・フロリアン(エスター・ハワード)を探し出す。
マーロウからヴェルマのことを訊かれたジェシーは、ヴェルマの写真を隠す。
その様子を見ていたマーロウは、写真を隠したジェシーを追及する。
マーロウは、”ヴェルマは死んだ”、ムースのことは知らないと言いながら取り乱すジェシーからは何も聞きだせないと考え、ヴェルマの写真を持って立ち去る。
家を出たマーロウは、何事もなく落ち着いた様子のジェシーが、電話をかける姿を確認する。
翌朝、事務所に向かったマーロウは、訪ねて来ていたリンジー・マリオット(ダグラス・ウォルトン)から、友人が強盗に奪われた宝石を買い戻すための護衛として、100ドルで雇われるのだが・・・。
■ 解説 評価 感想 ■
1940年に発表された、レイモンド・チャンドラーの小説”さらば愛しき女よ”を基に製作された作品。
B級映画を手がけ1940年代に入りRKOに移ったエドワード・ドミトリクが監督し、主演はディック・パウエル、クレア・トレヴァー、アン・シャーリーなどが共演した作品。
エドワード・ドミトリクとディック・パウエルは、翌年の「影を追う男」(1945)で再び組むことになる。
ある女性を追いながら宝石が絡む陰謀に巻き込まれる私立探偵の行動を描くフィルム・ノワール。
本作は、同年の「深夜の告白」(1944)と共に、フィルム・ノワールの先駆けとなり、その後の作品に大きな影響を与えた。
1975年にロバート・ミッチャム主演で「さらば愛しき女よ」としてリメイクされた。
エドワード・ドミトリクの社会に対するシニカルな演出と、あらゆる状況にも怯むことのない男だが、やや軽薄な主人公の個性を見事に演じたディック・パウエルの演技が見どころの作品。
ロイ・ウェッブの雰囲気を盛り上げる音楽も印象に残る。
私立探偵フィリップ・マーロウを演ずるディック・パウエルは、依頼人の元恋人を捜しながら、宝石が絡む陰謀に巻き込まれる主人公を好演している。
主人公が捜す女性で陰謀にも関係していたクレア・トレヴァー、その義理の娘で、主人公に関わり惹かれ合うようになる富豪令嬢アン・シャーリー(本作が最後の出演作品)、宝石を手に入れようとする男オットー・クルーガー、主人公に元恋人の捜索を依頼する大男マイク・マズルキ、アン(アン・シャーリー)の父親である富豪マイルズ・マンダー、陰謀に関わっていた主人公を雇う男ダグラス・ウォルトン、捜査を担当する警部補のドン・ダグラス、拘束された主人公に薬物を投与する医師ラルフ・ハロルデ、ナイトクラブの元オーナーの未亡人エスター・ハワード、アムサー(オットー・クルーガー)の手下ジョン・インドリサノ、ナイトクラブの支配人デューイ・ロビンソンなどが共演している。