1962年に発表された、ドナルド・ハミルトンの小説”Murderers’ Row”を基に製作された「サイレンサー」シリーズ第2作。 首都を壊滅させようとする国際犯罪組織の陰謀を阻止しようとするエージェント”マット・ヘルム”の活躍を描く、監督ヘンリー・レヴィン、主演ディーン・マーティン、アン=マーグレット、カール・マルデン他共演のスパイ・アクション・コメディ。 |
・ディーン・マーティン Martin and Lewis / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:ヘンリー・レヴィン
製作:アーヴィング・アレン
原作:ドナルド・ハミルトン”Murderers’ Row”
脚本:ハーバート・ベイカー
撮影:サム・リーヴィット
編集:ウォルター・A・トンプソン
音楽:ラロ・シフリン
出演
マット・ヘルム:ディーン・マーティン
スーザン”スージー”ハミルトン:アン=マーグレット
ジュリアン・ウォール:カール・マルデン
ココ・デュケット:カミラ・スパーヴ
マクドナルド:ジェームズ・グレゴリー
ラヴィー・クラヴェジィット:ビヴァリー・アダムス
ノーマン・ソラリス博士:リチャード・イーストハム
アイアンヘッド:トム・リース
ビリー・オーカット:デューク・ハワード
警備員:テッド・ハートリー
デヴロー警部:マルセル・ヒライヤー
ミス・ジャニュアリー:コリンヌ・コール
ローガス博士:ロバート・テリー
本人:ディーン・ポール・マーティン
本人:デジ・アーナズJr.
本人:ビリー・ヒンチ
アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
1966年製作 105分
公開
北米:1966年12月20日
日本:1967年1月27日
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
国際犯罪組織”ビッグO(オー)”のリーダー、ジュリアン・ウォール(カール・マルデン)は、宇宙最大の爆弾”太陽”を利用して、ワシントンD.C.を10日以内に攻撃することを考えていた。
ウォールは、部下のアイアンヘッド(トム・リース)らに、邪魔な存在である各国の諜報員を抹殺させる。
アメリカの情報組織ICE(Intelligence and Counter Espionage)のエージェントであるマット・ヘルム(ディーン・マーティン)は、休職して写真家として活躍していた。
ミス・ジャニュアリー(コリンヌ・コール)の撮影を終えたヘルムは、秘書のラヴィー・クラヴェジィット(ビヴァリー・アダムス)に、予定とは違うミス・ジュライが来たことを伝える。
上司のマクドナルド(ジェームズ・グレゴリー)からの電話を受けたヘルムは、忙しいと言って電話を切ってしまう。 ベッドにいたミス・ジャニュアリーに迫らえれたヘルムは、彼女がボタンを押したために浴槽にベッドが移動してしまう。 浴槽には正体不明の光線が投射され、ヘルムとミス・ジャニュアリーはそこに滑り落ちる。 2人は死亡してヘルムの葬儀が行われ、マクドナルドとラヴィーは哀しみ、2月~12月のモデルも参列する。 実は生きていたヘルムは、映像を見せるマクドナルドから、自分を狙った装置の話を聞く。 どんなものでも破壊できるヒリオ光線を作ったノーマン・ソラリス博士(リチャード・イーストハム)は、”コート・ダジュール”で休暇を楽しんでいた。 大統領との会見の2日前にソラリスは姿を消してしまい、光線が敵に渡ると一大事になると言うマクドナルドは、地中海から大量に運ばれようとしている、”ヒリオ・マグネシウムX4”という珍しい鉱石が手掛かりだとヘルムに伝える。 マクドナルドは、鉱石の送り先とソラリスの所在を突き止めるようヘルムに指示する。 現地に向かい、協力者である歌手のドミニクに接触するよう指示されたヘルムは、”ジャームズ・A・ピーターズ”を名乗ることになる。 ソラリスを救出し、無理なら殺すようにと言われたヘルムは、内部に裏切り者がいることを知らされ、任務が果たせない場合は自ら命を絶つよう指示される。 コートダジュール、ニース・コート・ダジュール国際空港。 ドミニクの部屋に向かったヘルムは、殺されて冷蔵庫に入れられていた彼女を見つける。 同じホテルに宿泊するウォールは、パートナーのココ・デュケット(カミラ・スパーヴ)と共にヘルムを監視していた。 ドミニクの部屋を出たヘルムは、マクドナルドに見せられた映像に写っていた、スーザン”スージー”ハミルトン(アン=マーグレット)から声をかけられ、タバコの火を貸す。 ヘルムは、女優だと思ったスージーが、レコード店の店員であることを知る。 友人のドミニクのことを訊かれたヘルムは留守だったと答え、スージーと別れる。 その夜、ヘルムはディスコに向かい、その場にいたスージーと話してドミニクが来ていないことを知り、彼女と踊り楽しむ。 その場にいたアイアンヘッドは、ヘルムがいることをウォールに報告して殺そうとする。 そこに警官が現れ、スージーは、ドミニクがサンダーバードに乗るアメリカ人に殺されたことを知らされる。 スージーがヘルムを殴ったために、その場は騒動になる。 襲いかかて来たアイアンヘッドを叩きのめしたヘルムは、警官に逮捕されてしまう。 ココと共に警察に向かったウォールは、ヘルムが犯人だと証言する。 デヴロー警部(マルセル・ヒライヤー)はウォールに感謝し、呼び出したスージーにも面通ししてもらうものの、彼女はヘルムが犯人であることを否定する。 スージーとディスコにいたビリー・オーカット(デューク・ハワード)も、分からないと警部に伝えてその場を去る。 仕方なく諦めたウォールは、ココと共にホテルに戻る。 ウォールは、犯人かは確信が持てなかったと警部に話したココから、ヘルムが刑務所行きになると面倒なことになると言われ、スージーがウソをついた理由を考える。 ヘルムに呼び止められたスージーは、昼間タバコの火を貸してくれたお礼だと伝えて、ビリーと共にその場を去る。 スージーからメモを受け取ったヘルムは、彼女の部屋に向かう。 ヘルムに迫るスージーは、ココに雇われた彼がドミニクを殺したと考え、ソラリスはどこにいるか尋ねる。 知らないと答えたヘルムは、自分がソラリスのことを知っていると思ったので、スージーが警察で助けたことに気づく。 ソラリスとの関係を話そうとしないスージーは、ココが危険人物だとヘルムに伝える。 ヘルムから、恋人のためにウソをついていると言われたスージーは、ソラリスは父親だと伝える。 ココとは無関係だと伝えたヘルムは、彼女を事件の黒幕だと思うスージーから、嫉妬と復讐かもしれないと言われ、ドミニクと親しかった父との間にココが割り込んできたことを知る。 父もココに惹かれていたように思えると言うスージーは、彼女は何かを企んでいる様子だったとヘルムに伝える。 ココとウォールは夫婦ではなく、長年組んでいる仲だと話したスージーは、彼が所有する沖合の島を指差す。 島には造船所も船もヨットもあることを知ったヘルムは、協力することをスージーに伝えて、家族のは話は誰にもしないようにと指示する。 そこにビリーが現れ、ヘルムはスージーのことを任せてその場を去る。 翌日、港に向かったヘルムはウォールに捕らえられ、ドミニクの部屋の件とスージーの家に行ったことを訊かれる。 ヘルムを直ぐに殺すかを考えたウォールは、政府との関係を調べるべきだというココの意見を聞き入れる。 ホバークラフトにヘルムを乗せて部屋に監禁したウォールとココは、島に向かう。 ヘルムは、ハーモニカに隠された盗聴装置でウォールの話を聴き、自分を殺したと思っていることを知る。 ローガス博士(ロバート・テリー)に状況を尋ねたウォール、ソラリスが口を割らないことを知る。 ウォールは、鉱石は出荷し、到着し次第、攻撃する考えだったために、光線を入手するよう指示する。 ヘルムに酒を勧めたココは、冷たい飲み物がいいと言われたために、アイスガンでグラスを凍らせる。 それを飲んだヘルムは、眠らされてしまう。 島に到着したヘルムは意識が戻り、ウォールとココの元に連れて行かれる。 ワシントンD.C.からの連絡を受けたウォールは、”ジェームズ・A・ピーターズ”を調べた結果、本名は”ラッシュ・ペトローン”で、シカゴのギャングで殺し屋であることを知る。 前妻から慰謝料不払いで訴えられたヘルムが、刑務所送りから逃れるためにこの地に来たというICEに潜入しているスパイからの報告を受けたウォールは、マクドナルドが来るとことも知る。 一応ヘルムを信用したウォールは、スージーを殺すよう指示する。 レコード店で仕事をしていたスージーは、”ピーターズ”からブローチのプレゼントを受け取る。 タバコの武器で警備員を倒したヘルムは、脱出してホバークラフトに乗ろうとするものの、アイアンヘッドに襲われる。 ホバークラフトに乗り込んだ2人は格闘になり、ヘルムはアイアンヘッドを叩きのめす。 ディスコでビリーと踊っていたスージーは、付けていたブローチに爆弾が仕掛けられていることに気づかない。 ホバークラフトを操縦して上陸したヘルムは、そのまま街の中を進みディスコに着き、スージーの洋服を剥ぎ取り”フランク・シナトラ”のポスターに向かって投げる。 ブローチは爆発し、”シナトラ”に謝ったヘルムは、スージーを連れて店を出て、彼女の車に乗り走り去る。 警察車両に追われたヘルムは、ホテルに戻りサンダーバードに乗り換え、発砲されながらもまくことができる。 アイアンヘッドの車にも追われたヘルムは、パラシュートを使い追跡車を崖から転落させる。 アイアンヘッドは、転落寸前に車から放り出されて助かる。 車を止めたヘルムは怯えるスージーを抱きしめ、父親のソラリスが生きていることを知らせて、感謝する彼女にボートを手配してもらう。 スージーが用意したボートで島に向かうヘルムは、睡眠薬が仕掛けられたコインと10秒後に発砲される銃、そしてアイスガンも持って到着を待つ。 ヘルムからアメリカのエージェントだと言われたスージーは、それを信じなかった。 島に着いたヘルムは、スージーにキスして独りで上陸しする。 暫くしてスージーもヘルムの後を追う。 鉱石がエネルギー化され始めたことを知ったウォールは、それを各支部に伝える。 ロガースと話したウォールは、ソラリスから光線の屈折法を聞き出したことを知り、接合の数式を1時間以内に吐かせるよう命ずる。 施設内に侵入したヘルムは、2人の警備員をアイスガンで凍らせる。 捕らえられた者のインタビューをウォールに指示されたと警備員に伝えたスージーは通してもらい、凍った2人を目印に奥に進む。 時間差銃を使い警備員を倒したヘルムは、ソラリスを助けるためにコインで眠らせようとする。 そこに現われたスージーは、ヘルムが父を殺そうとしていると思い妨害してしまう。 捕らえられたヘルムは、ソラリスの娘であるスージーは、利用価値があると思って連れて来たことをウォールに伝える。 ソラリスから数式を聞き出そうとしたウォールは、ICEに送り込んだスパイからの連絡を受け、一緒に到着したマクドナルドが何かを掴んでいることを知り、全員を殺すよう命ずる。 連れて来られたスージーを拘束したウォールは、ソラリスを脅して数式を聞き出そうとする。 正体をバラしたヘルムは、ICEを裏切ったように見せかける。 スージーに非難されても気にしないヘルムは電話でマクドナルドと話し、バーボンのグラスを手にしていると言いながら、任務が成功したことを伝える。 部下らは喜ぶものの、ヘルムがバーボンを飲まないために怪しむマクドナルドは、ボルチモアが本部であるにも拘らずワシントンD.C.と言ったのは、そこが攻撃目標だからだと考える。 避難命令を出すうよう指示したマクドナルドは、マットの話をヒントに、部下のファーナスが敵に寝返った裏切り者だと見破る。 ファーナスは、窓を突き破ってビルから落下し、自ら命を絶つ。 ヘルムを信用したウォールだったが、死の直前にファーナスから連絡があり、ヘルムの会話がトリックだったことを知る。 ヘルムを殴り気絶させたアイアンヘッドは、ウォールから液体爆弾を受け取りヘルムを運び出す。 ウォールにスージーが殺されそうになったために、ソラリスは仕方なく攻撃方法の準備を整え、彼女は解放される。 装置を操作したソラリスは、それを作動させる。 ヘルムが殺されそうだと知ったスージーは、装置を壊して妨害する。 装置は停止してその場は混乱し、拘束を逃れたヘルムは、襲いかかるアイアンヘッドから爆弾を奪い、彼と格闘になる。 スージーが強力な磁石を近づけ、イアンヘッドはそれに吸いついてしまい、ヘルムは爆弾を使い彼を倒す。 スージーはボートを探し、ヘルムはソラリスを救出しようとする。 ソラリスを殺そうとしたウォールは、それに反対するココを射殺する。 ウォールはソラリスを殴り倒し、その場から脱出する。 現われたヘルムに、ウォールが船上から光線を操作できると伝えたソラリスは、彼と共にホバークラフトを追う。 スージーが小型のホバークラフトを用意し、ヘルムとソラリスはそれに乗り込む。 ウォールのホバークラフトを追うヘルムは、攻撃を受けながら近づき乗り移る。 ヘルムはウォールと格闘になり、スージーも乗り移り操縦士を倒す。 時間差銃を奪い引き金を引いたウォールは、発砲しないために銃口を確認する。 自分を撃ってしまったウォールは息絶え、爆弾をセットしたヘルムは、スージーと共に海に飛び込み、ホバークラフトは爆発する。 ビリーが操縦するヘリコプターで現場に着いたマクドナルドは、ヘルムとスージーを救出する。 数日後、パーティーを終えて帰宅したヘルムとスージーは、ベッドに向かう。 ヘルムは移動ボタンを押し、2人は浴槽に滑り落ちる。 ヘルムとスージーは、11人のモデル(2月~12月)に歓迎される。
...全てを見る(結末あり)
到着したヘルムは、用意されていた車(フォード・サンダーバード)でホテルに向かう。
参考:
・「サイレンサー/沈黙部隊」(1966)
・「サイレンサー/殺人部隊」(1966)
・「サイレンサー/待伏部隊」(1967)
・「サイレンサー/破壊部隊」(1968)
*(簡略ストー リー)
国際犯罪組織”ビッグO(オー)”のリーダー、ウォールは、太陽を利用した特殊な光線でワシントンD.C.を壊滅させることを考える。
アメリカの情報組織ICE(Intelligence and Counter Espionage)のエージェントであるマット・ヘルムは、敵の目を欺くために死亡したように見せかける。
上司のマクドナルドから、光線の材料となる鉱石の送り先と、そのカギを握る科学者ソラリス博士の所在を突き止めるよう指示され、”コート・ダジュール”に向かうのだが・・・。
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ドナルド・ハミルトンの小説を基に製作されたシリーズの第2作。
首都ワシントンD.C.を壊滅させようとする国際犯罪組織”ビッグO(オー)”の陰謀を阻止しようとする、アメリカの情報組織ICEのエージェント”マット・ヘルム”の活躍を描くスパイ・アクション・コメディ。
イマイチパンチが足りないヘンリー・レヴィンの演出が気になるが、お馴染みのお色気とユーモア満載の内容に加え、スケール感のあるアクションなども楽しめる作品には仕上がっている。
ハマリ役となったエージェント”マット・ヘルム”を演ずるディーン・マーティンは、様々な美女と接しながら任務を遂行する主人公を、個性を活かして熱演している。
主人公に協力する、陰謀に巻き込まれた科学者の娘役のアン=マーグレットは、キュートで魅力ある女性を好演し、ファンを大いに楽しませてくれる。
首都を壊滅させる計画を実行するビッグOのリーダー、カール・マルデン、そのパートナーである美しいカミラ・スパーヴ、主人公に指令を与える上司のジェームズ・グレゴリー、主人公の秘書ビヴァリー・アダムス、ヒロインの父親であるビッグOに利用される科学者リチャード・イーストハム、ビッグOの殺し屋トム・リース、ヒロインのボーイフレンド、デューク・ハワード、ビッグOの警備員テッド・ハートリー、ニース警察の警部のマルセル・ヒライヤー、主人公のモデル、コリンヌ・コール、ビッグOの科学者ロバート・テリー、本人役でディーン・マーティンの息子ディーン・ポール・マーティン、デジ・アーナズとルシル・ボールの息子デジ・アーナズJr.,ビリー・ヒンチなどが共演している。