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フィクサー Michael Clayton (2007)

大手弁護士事務所の裏工作担当者が巨額賠償訴訟の裏に潜む陰謀に巻き込まれる姿を描く、製作、出演シドニー・ポラック、製作総指揮スティーヴン・ソダーバーグ、監督、脚本トニー・ギルロイ、製作総指揮、主演ジョージ・クルーニートム・ウィルキンソンティルダ・スウィントン他共演のサスペンス。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)

ジョージ・クルーニー / George Clooney 作品一覧
スティーヴン・ソダーバーグ / Steven Soderbergh 作品一覧


スタッフ キャスト ■
監督:トニー・ギルロイ

製作
シドニー・ポラック

ジェニファー・フォックス
スティーヴン・サミュエルズ
ケリー・オレント
製作総指揮
スティーヴン・ソダーバーグ

ジョージ・クルーニー
ジェームズ・ホルト
アンソニー・ミンゲラ

脚本:トニー・ ギルロイ
撮影:ロバート・ エルスウィット
編集:ジョン・ギルロイ
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード

出演
ジョージ・クルーニー:マイケル・クレイトン
トム・ウィルキンソン:アーサー・イーデンス
ティルダ・スウィントン:カレン・クラウダー
シドニー・ポラック:マーティ・バック
マイケル・オキーフ:バリー・グリッソム
ケン・ハワード:ドン・ジェフリーズ
メリット・ウィーヴァー:アナ
ビル・レイモンド:ゲイブ・ザベル
ロバート・プレスコット:ヴァーン
ショーン・カレン:ジーン・クレイトン
デヴィッド・ランズバリー:ティミー・クレイトン
デイヴィッド・ザヤス:ダルベルト
デニス・オヘア:グリア

アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
2007年製作 119分
公開
北米:2007年10月5日
日本:2008年4月12日
製作費 $25,000,000
北米興行収入 $49,024,970
世界 $92,991,840


アカデミー賞 ■
第80回アカデミー賞

・受賞
助演女優賞(ティルダ・スウィントン
・ノミネート
作品・監督
主演男優(ジョージ・クルーニー
助演男優(トム・ウィルキンソン
脚本・作曲賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
ニューヨーク
大手弁護士事務所ケナー・バック&レディーン(KB&L)の裏工作専門担当マイケル・クレイトン(ジョージ・クルーニー)は、顧客から交通事故の揉み消しを依頼された帰り道、丘の上にいた馬を見つける。

車を降りたクレイトンは、馬に近寄り辺りを見回していると、突然、車が爆発する。
__________

4日前。
いとこのティミー(デヴィッド・ランズバリー)の借金7万5000ドルを肩代わりしていたクレイトンは、返済を迫られ、不安と苛立ちを抱えながら出社する。

世論を巻き込む大事件に発展した、巨大農薬会社U・ノースが抱える30億ドルの薬害訴訟は、会社側有利のうちに解決されようとしていた。

しかし、U・ノースの弁護を請け負う、KB&Lの担当弁護士アーサー・イーデンス(トム・ ウィルキンソン)は、証言録取の席で裸になってしまい、事態解決のために、クレイトンは急遽ミルウォーキーに向かう。
...全てを見る(結末あり)


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
ニューヨーク
大手弁護士事務所の裏工作専門担当マイケル・クレイトンは、世論を巻き込む大事件に発展した、巨大農薬会社U・ノースが抱える30億ドルの薬害訴訟の担当弁護士イーデンスが、証言録取の席で奇行を起こしたことを知り、事態解決のために急遽現場に向かう。
クレイトンは、連行されたイーデンスの元に向かい、鬱病が再発したと考えて彼に薬を飲ませようとる。
U・ノースの法律部のクラウダーは、イーデンスに接触したクレイトンの身元を調べ、彼に会い、担当者の不始末の責任を追及する。
イーデンスを引き取ったクレイトンは、U・ノースが腐りきった会社だということを聞かされ、翌朝、彼は”自分は正常だ・・”と壁に書き残して姿を消してしまう・・・。
__________

緊迫感を意図的に抑えているのか、淡々と進むストーリーにやや足りなさも感じる序盤だが、法廷が主の裁判劇ではなく、内容は非常に解りやすい。
冒頭の謎が徐々に解けて、友人の復讐を果たすクライマックスは、「ボーン・アイデンティティー」(2002)シリーズの脚本を担当した、トニー・ギルロイらしい切れ味鋭く見応え十分だ。

第80回アカデミー賞では作品賞以下7部門にノミネートされ、ティルダ・スウィントンが助演女優賞を受賞した。

訳あって、悶々とした日々を送る主人公の心情をイメージする、ジェームズ・ニュートン・ハワードの音楽も興味深い曲になっている。

揉み消し屋に嫌気が差し、訴訟担当に転属を望む、賭事と借金に追われる文なし弁護士という、ジョージ・クルーニーの、洒落っ気のない捨て身の演技がいい。

これは好みの問題だが、ジョージ・クルーニーに、どうも魅力を感じない自分は、この役がラッセル・クロウあたりだったらどうだろうかと思いながら観ていた。

スティーブン・ソダーバーグが製作に参加する作品だけに、盟友の彼の起用は仕方がないところだろうか・・・。

鬱病まで抱え、良心の呵責から半狂乱状態に陥るような人物に、あれほど大きな訴訟を任されることが、超一流の弁護士事務所にしては、やや不自然に思えるが、トム・ ウィルキンソンの狂気の熱演は印象に残り、アカデミー助演賞ノミネートは納得だ。

上辺はスマートに装い、会社や自分の利益のために殺人まで指示する、アカデミー助演賞受賞の、敏腕弁護士ティルダ・スウィントンの好演も光る。

また、偉大な監督としての実績は認めるシドニー・ ポラックが、あれほど画面に多く登場すると、あの風貌がくどく感じてしまう。

しかし、彼が翌年この世を去り、もともと俳優志望で業界入りしたことなどを考えると、役者として残したかったことがあったのかもしれない。
それほど、本作では存在感があったことは間違いない。

主人公の上司(S・ポラック)の右腕役のマイケル・オキーフ、U・ノース社長ケン・ハワード、原告の一人メリット・ウィーヴァー、借金の取立て屋役のビル・レイモンド、U・ノース側の工作員ロバート・プレスコット、警察官である主人公の弟ショーン・カレン、主人公のいとこデヴィッド・ランズバリー、クライアントのデニス・オヘアなどが共演している。


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