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生きる LIVING Living (2022)

1952年に公開された黒澤明、監督、脚本による”生きる”のリメイク。
余命短い男性が人生を見つめ直す姿を描く、監督オリヴァー・ハーマナス、脚本カズオ・イシグロ、主演ビル・ナイエイミー・ルー・ウッドアレックス・シャープトム・バーク他共演のドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(ヒューマン)


スタッフ キャスト
監督:オリヴァー・ハーマナス
製作
スティーヴン・ウーリー
エリザベス・カールセン
オリジナル脚本
生きる
黒澤明
橋本忍
小国英雄
脚本:カズオ・イシグロ
撮影:ジェイミー・D・ラムジー
編集:クリス・ワイアット
音楽:エミリー・ルヴィエネーズ=ファルーシュ

出演
ロドニー・ウィリアムズ:ビル・ナイ
マーガレット・ハリス:エイミー・ルー・ウッド
ピーター・ウェイクリング:アレックス・シャープ
サザーランド:トム・バーク
ミドルトン:エイドリアン・ローリンズ
ラスブリッジャー:ヒューバート・バートン
ハート:オリヴァー・クリス
ジェームズ卿:マイケル・コクラン
シン:アーナント・ヴァルマン
マクマスターズ夫人:ゾーイ・ボイル
スミス夫人:リア・ウィリアムズ
ポーター夫人:ジェシカ・フラッド
フィオナ・ウィリアムズ:パッツィ・フェラン
マイケル・ウィリアムズ:バーニー・フィッシュウィック
ブレイク夫人:ニコラ・マコーリフ

イギリス 映画
配給 Lionsgate UK
2022年製作 102分
公開
イギリス:2022年1月4日
北米:2023年1月6日
日本:2023年3月31日
北米興行収入 $3,038,110
世界 $12,377,310


アカデミー賞
第95回アカデミー賞
・ノミネート
主演男優(ビル・ナイ
脚色賞


ストーリー
1953年。
ロンドン郡議会の市民課に就職が決まったピーター・ウェイクリング(アレックス・シャープ)は、汽車を待つ駅のホームで、同じ課のミドルトン(エイドリアン・ローリンズ)に挨拶し、同僚となるハート(オリヴァー・クリス)とラスブリッジャー(ヒューバート・バートン)を紹介される。
ロンドンに着いたウェイクリングらは、堅物である課長ロドニー・ウィリアムズ(ビル・ナイ)に挨拶されて職場に向かう。
ウィリアムズは、ミドルトン、ラスブリッジャー、ハート、ウェイクリング、そしてマーガレット・ハリス(エイミー・ルー・ウッド)と共に、書類の山に囲まれたデスクで仕事に追われていた。
女性グループを代表するスミス夫人(リア・ウィリアムズ)の訪問を知ったウィリアムズは、ミドルトンに対応を任せ、ウェイクリングにそれを手伝わせる。
スミス夫人は、第二次世界大戦の爆撃跡地を、子供の遊び場としての再開発を市議会に陳情書を提出しようとしていたが、様々な課をたらい回しにされていた。
陳情書を受け取ったミドルトンは、それをウィリアムズに見せた後に、公園課に向かうようスミス夫人に伝えて、ウェイクリングを同行させる。
ウィリアムズは、早退することを部下に伝えて、転職することを考えているマーガレットに、その件を尋ねる。
検討中だと答えたマーガレットは、ライオンズ・コーナーハウスの面接は受けたことを伝える。
スミス夫人らは、新人のウェイクリングと共に、いくつもの課を回る。
ウェイクリングは出来る限りのことをするが、堅苦しい考えの役人たちに、スミス夫人らの陳情書は受け取ってもらえない。
結局、陳情書は市民課が受け付けることになり、ウェイクリングからそれを渡されたウィリアムズは、書類の山に置き預かることにする。
早退したウィリアムズは診療所に向かい、末期ガンであることを告げられる。
その後、自宅で考え込んでいたウィリアムズは、帰宅した息子マイケル(バーニー・フィッシュウィック)と妻フィオナ(パッツィ・フェラン)に、病気のことを話そうとする。
フィオナは義父を嫌い、家を出ることを考え、マイケルもそれに賛成していた。
ウィリアムズは、翌朝、早いので寝ると言うフィオナとマイケルに何も話すことができず、亡き妻やマイケルの子供時代のことなどを考えて涙する。
翌朝、ウィリアムズが無断で遅刻して出勤しないために、ミドルトンらは心配する。
海辺のリゾート地に滞在する作家のサザーランド(トム・バーク)は、カフェの経営者ブレイク夫人(ニコラ・マコーリフ)と不眠症のことなどを話していた。
その場にいたウィリアムズは、サザーランドに話しかけて同席し、購入してあった大量の睡眠薬を渡す。
ウィリアムズは、余命半年から9ヶ月だと医師に言われ、預金の半分を引き出し、致死量の睡眠薬を購入し、自殺を考えこの町に来たことをサザーランドに話す。
ウィリアムズの話に心を動かされたサザーランドは、彼と意気投合して、パブやカーニバルで楽しい時間を過ごす。
ウィリアムズは、売春婦に山高帽を盗まれてしまい、サザーランドの勧めでフェドーラ帽を手に入れる。
その後もウィリアムズとサザーランドは、パブで飲んで歌い、ストリップなどを楽しむ。
ロンドンに戻ったウィリアムズは、職場には向かわず、ライオンズ・コーナーハウスの採用が内定したマーガレットと出くわし、推薦状を書いてほしいと言われ、彼女とランチを共にすることになる。
楽しい時間を過ごしたウィリアムズは、職場の全員にあだ名をつけているマーガレットから、死んでも生きている”ミスター・ゾンビ”だという自分のあだ名を知らされて満足する。
フィオナは、義父と若い女性の様子を目撃した知人からその件を知らされ、それをマイケルに伝える。
ウィリアムズはマイケルに病気のことを話せず、マイケルも、今回の件がスキャンダルになることについて父に話せない。
その後も出勤せず健康状態が悪化したウィリアムズは、新しい職場で働き始めたマーガレットと時間を過ごそうとする。
ウィリアムズは、マーガレットを映画に誘い楽しい時間を過ごし、彼女の若さをうらやましく思う。
これが良くない関係だとウィリアムズに話したマーガレットは、ガンで余命短いことを彼から知らされてショックを受ける。
残された時間に価値あることをするのが最善だと考たウィリアムズは、翌日、職場に向かい、部下と共に子供の遊び場の建設の手助けをしようとするのだが・・・。


解説 評価 感想

1952年に公開された黒澤明、監督、脚本による”生きる”のリメイク。

南アフリカ出身のオリヴァー・ハーマナスが監督し、カズオ・イシグロが脚本を担当し、主演はビル・ナイエイミー・ルー・ウッドアレックス・シャープトム・バークなどが共演した作品。

余命短い男性が人生を見つめ直す姿を描くドラマ。

第95回アカデミー賞では、主演男優(ビル・ナイ)、脚色賞にノミネートされた。

死の宣告により、人生に対する考え方が一変する老紳士の苦悩が淡々と描かれる中、主人公が行動を開始した瞬間に、彼が亡くなった場面に切り替わる。
観客は一瞬、戸惑うが、その後の様々なシーンで、幸せを実感しながら亡くなった主人公の思いを丁寧に伝える、オリヴァー・ハーマナスの繊細な演出は素晴らしい。

主演のビル・ナイは、死の宣告で苦悩しながら人生を見つめ直す老紳士を見事に演じている。

主人公の元部下である若い女性で、彼の心の拠り所となるエイミー・ルー・ウッド、彼女と惹かれ合うようになる役所の新人アレックス・シャープ、主人公と出会い意気投合する作家のトム・バーク、主人公の部下エイドリアン・ローリンズヒューバート・バートンオリヴァー・クリス、主人公の上司マイケル・コクラン、役所の職員アーナント・ヴァルマン、爆撃跡地を子供の遊び場にする運動のリーダー、リア・ウィリアムズ、同じくゾーイ・ボイルとジェシカ・フラッド、主人公の息子バーニー・フィッシュウィック、その妻パッツィ・フェラン、海辺のカフェの経営者ニコラ・マコーリフなどが共演している。


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