1990年に発表された、マイケル・クライトンの同名小説を基に製作された作品。 DNAを利用しクローン技術で恐竜を復活させた自然施設の調査を依頼された学者達の恐怖体験を描く、監督スティーブン・スピルバーグ、主演サム・ニール、ローラ・ダーン、ジェフ・ゴールドブラム、リチャード・アッテンボロー、サミュエル・L・ジャクソン共演のアドベンチャー・アクション。 |
・スティーヴン・スピルバーグ / Steven Spielberg 作品一覧
■ スタッフ キャスト ■
監督:スティーブン・スピルバーグ
制作
キャスリーン・ケネディ
ジェラルド・R・モーレン
原作:マイケル・クライトン
脚本
マイケル・クライトン
デヴィッド・コープ
撮影:ディーン・カンディ
編集:マイケル・カーン
音楽:ジョン・ウィリアムズ
出演
アラン・グラント:サム・ニール
エリー・サトラー:ローラ・ダーン
イアン・マルコム:ジェフ・ゴールドブラム
ジョン・ハモンド:リチャード・アッテンボロー
ドナルド・ジェナーロ:マーティーン・フェレロ
デニス・ネドリー:ウェイン・ナイト
ロバート・マルドゥーン:ボブ・ペック
レイ・アーノルド:サミュエル・L・ジャクソン
レックス・マーフィー:アリアナ・リチャーズ
ティム・マーフィー:ジョゼフ・マゼロ
ヘンリー・ウー:B・D・ウォン
ルイス・ドジスン:キャメロン・ソア
パーク内音声ガイド:リチャード・カイリー
アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
1993年製作 127分
公開
北米:1993年6月11日
日本:1993年7月24日
製作費 $63,000,000
北米興行収入 $357,067,950
世界 $914,691,120
■ アカデミー賞 ■
第66回アカデミー賞
・受賞
録音・音響編集・視覚効果賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
コスタリカの西、イスラ島。
ある施設の監視員ロバート・マルドゥーン(ボブ・ペック)の目の前で、同僚が凶暴な生物に襲われて命を落とす。
ドミニカ共和国、マノ・デ・ディオス琥珀鉱。
弁護士ドナルド・ジェナーロ(マーティーン・フェレロ)がその地に到着すると、古代の蚊が閉じ込められた琥珀が見つかる。
モンタナ州、バッドランド。
ヴェロキラプトルの化石発掘を行っていた、古生物学者のアラン・グラント博士(サム・ニール)と、恋人の古生植物学者のエリー・サトラー博士(ローラ・ダーン)は、インジェン社及びハモンド財団の創設者ジョン・ハモンド(リチャード・アッテンボロー)の訪問を受ける。
グラントに資金援助をしてきたハモンドは、彼が所有するイスラ島の自然施設のオープンを前に、専門家の意見を聞きたいことを伝え、島の視察を要請する。 ヴェロキラプトルの化石を発見していたグラントは、それを断ろうとするが、3年間の資金援助を条件に、視察を承諾する。 コスタリカ、サン・ホセ。 数学者のイアン・マルコム博士(ジェフ・ゴールドブラム)、ハモンドとその顧問弁護士ジェナーロと共に、グラントとサトラーを乗せたヘリコプターは島に到着する。 グラントらは、早速、島の奥地に案内されるが、彼らの目の前に現れたのは、巨大なブラキオサウルス他、本物の恐竜達だった。 グラントとサトラーは驚くが、ティラノサウルス(Tレックス)までも生き返らせたとハモンドから聞いたグラントは、卒倒しそうになる。 投資家から、施設の安全性を問われていたジェナーロも、その光景を見て、これが、とてつもないビジネスになることを確信する。 島全体を称して”ジュラシック・パーク”と命名したハモンドは、巨額の資金を投じて研究を進め、琥珀の化石に入っていた太古の蚊から恐竜の血液を抽出し、そのDNAから、クローン技術で恐竜を創り出すことに成功していたのだ。 島で生まれる恐竜は、遺伝子操作により全て雌だということを、研究施設のヘンリー・ウー博士(B・D・ウォン)は説明する。 しかし、100%雌だけということに異論を唱えたマルコムは、雌だけだとしても、生命は繁殖のための探求をすることを説く。 グラントも、卵から孵ったヴェロキラプトルを見て不安を隠せなかった。 その後グラントらは、成長したヴェロキラプトルに生きた牛を餌として与えるところを見せられる。 監視員のマルドゥーンから、ヴェロキラプトルが8ヶ月で大人になり、知能が高く凶暴だということをグラントは知らされる。 マルコムは、自然と生命の力を侮ると、破壊が訪れると言って、ハモンドらが行おうとしている行為を、痛烈に非難する。 サトラーも、恐竜を自然に順応させるのは難しいと語り、グラントは、6500万年前の生物と人類が、突然、同じ世界で共存することで起きることは、想像できないと意見する。 島のツアーを準備していたハモンドは、その後、孫娘のレックス・マーフィー(アリアナ・リチャーズ)と弟のティム(ジョゼフ・マゼロ)が到着したことを知らされる。 二人はグラントらに同行し、コンピュータで完全制御された2台の車で、パーク内のツアーに出発する。 そして、チーフエンジニアのレイ・アーノルド(サミュエル・L・ジャクソン)がシステムを始動させる。 しかしアーノルドは、まだ不完全なシステムに愚痴をこぼし、ネドリーは、仕事に対する賃金の低さなどの不満をハモンドに訴え口論になる。 ティラノサウルス地区に入った一行の前に、餌として与えられるヤギが放たれるが、お目当ては姿を現さず、他の恐竜地区でもそれは同じだった。 恐竜が人間の思い通りに従わないことは明らかで、そこで”カオス理論”が生まれると、マルコムはグラントらに説明する。 途中、何かを感じたグラントが車を降りてしまい、彼らは病気のトリケラトプスを見つける。 子供の頃から一番好きな恐竜だったトリケラトプスに、実際に会えたグラントは感激する。 トリケラトプスは、毒素のあるものを食べた可能性があり、サトラーは排泄した糞を調べることにする。 その頃、センターでは島に嵐が近づいたため、ツアーを中止させようとしていた。 サトラーは、トリケラトプスの様子を見るためその場に残ることになる。 ドジスンに何種類かの恐竜の胚を届けるために、ネドリーは、出航する連絡船の停泊する桟橋に向かおうとする。 ネドリーは桟橋に向かうために、施設の一部の電源を切ってしまい、システムが停止する。 アーノルドがそれを復旧しようとするのだが、ネドリーがパスワードをかけていたために、プログラムに侵入できない。 グラントらの車は、ティラノサウルス地区で停止してしまい、ティムが餌のヤギが消えているのに気づく。 すると、ティムらの乗った車の上にヤギの足が落下し、高圧線を破ったティラノサウルスが姿を現す。 恐怖に怯えたジェナーロは、近くのトイレに逃げ込んでしまい、ティラノサウルスはレックスとティムの車を襲う。 それを見たグラントとマルコムは、子供達を助けようと発炎筒を点火し、マルコムは、ティラノサウルスに攻撃され傷を負い、ジェナーロは食い殺されてしまう。 グラントはレックスを助け出し、ティムは車に閉じ込められたまま、ティラノサウルスに恐竜の生息地区側に突き落とされてしまう。 センターでは、ハモンドがマルドゥーンに、子供達らの救出を命じ、戻っていたサトラーも同行する。 ネドリーは事故に遭い、その後ディロフォサウルスに襲われてしまい、胚は泥水の中に流されていく。 ティムの乗った車は大木の枝にひっかかり、その後、グラントに助けられる。 グラント達を捜しに来たサトラーとマルドゥーンは、重傷のマルコム発見し、グラントらが逃げ延びたことも確認する。 三人はティラノサウルスに追われるが、何とかそれを振り切りセンターに戻る。 設備やシステムの不備で落胆するハモンドは、今後の管理は万全にすることを断言するが、サトラーは生命の脅威を甘くみた結果の惨事だと嘆く。 木の枝の上で、その夜を過ごしたグラントと子供達は、ブラキオサウルスに起され、センターに向かおうとする。 途中グラントは恐竜の卵を見つけ、やはり恐竜が何らかの方法で繁殖していたことを知る。 ハモンドは、ネドリーのロックを解除するのは無理と判断し、システムを一度切り再起動させるよう、アーノルドに指示を出す。 センターに近づいたグラントらは、ティラノサウルスに追われるガリミムスの群れに遭遇する。 アーノルドが配電室に行ったまま戻らず、電力も復旧しなかったため、マルドゥーンとサトラーが様子を見に行く。 マルドゥーンは、ヴェロキラプトルがフェンスを破ったことを知り、警戒しながら配電室に向かう。 殺気を感じたマルドゥーンは、サトラーだけを配電室に向かわせる。 高圧線フェンスにたどり着いたグラントらは、まだ電流が通っていないフェンスをよじ登る。 その頃、サトラーが施設内の電力を回復しようとしていた。 ティムがフェンスに取り残され、飛び降りる寸前で電流が通り、吹き飛ばされた彼を、グラントが受け止める。 電力が復旧して喜ぶサトラーだったが、ヴェロキラプトルに襲われてしまう。 アーノルドが殺されたことを知ったサトラーは、配電室を飛び出すが、マルドゥーンはヴェロキラプトルに殺される。 ショック状態だったティムの意識も戻り、センターに着いたグラントは、サトラーと再会する。 檻から逃げた3頭のヴェロキラプトルの内、1頭はサトラーが配電室に閉じ込め、残り2頭が子供達を狙う。 1頭を冷凍庫に閉じ込めた子供達は、グラントとサトラーに合流する。 その後、レックスが得意のコンピューターを操り、パーク内のシステムを復旧させる。 尚もヴェロキラプトルに追われたグラントらは、ホールに逃れるもののついに追い詰められる。 そこにティラノサウルスが現れ、ヴェロキラプトルを食い殺し、その隙にグラントらはセンターを脱出し、ハモンドとマルコムを連れてその場を逃れる。 グラントは、ハモンドにパークの承認は出来ないと伝え、彼もそれを了承するものの、自らの夢が果たせなかったことで呆然とする。 しかし、グラントとサトラーには、つかの間の出来事でも、憧れの恐竜達と接することの出来た満足感があった。
...全てを見る(結末あり)
インジェン社のライバル会社の遺伝学者ルイス・ドジスン(キャメロン・ソア)は、インジェンのシステムエンジニアであるデニス・ネドリー(ウェイン・ナイト)に現金を渡し、ある生物の胚を入手しようとする。
参考:
・「ジュラシック・パーク」(1993)
・「ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク」(1997)
・「ジュラシック・パークIII」(2001)
・「ジュラシック・ワールド」(2015)
・「ジュラシック・ワールド/炎の王国」(2018)
・「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」(2022)
*(簡略ストー リー)
モンタナ州、バッドランド。
ヴェロキラプトルの化石発掘を行っていた、古生物学者アラン・グラント博士と恋人の古生植物学者のサトラー博士は、インジェン社及び財団の創設者であるジョン・ハモンドの訪問を受ける。
グラントに資金援助をしてきたハモンドは、所有する、コスタリカの西方のイスラ島内の、自然施設のオープンを前に、専門家の意見を聞きたいことを伝え、彼に島の視察を要請する。
発掘を優先したいグラントだったが、今後3年間の資金援助を条件に、グラントはそれを承諾する。
ハモンドと数学者のマルコム博士と共に、グラントとサトラーを乗せたヘリコプターはイスラ島に到着する。
グラントらは、早速、島の奥地に案内され、彼らの目の前に現れたのは、巨大なブラキオサウルス他、本物の恐竜達で、グラントやサトラーらは驚いてしまう。
二人は、ティラノサウルス(Tレックス)まで生き返らせたとハモンドから聞き、グラントは、卒倒しそうになる。
顧問弁護士ジェナーロも、その光景を見て、とてつもないビジネスになることを確信する。
ハモンドが、”ジュラシック・パーク”と命名した施設は、巨額の資金を投じて研究を進めたのだった。
それは、琥珀の化石に入っていた太古の蚊から、恐竜の血液を抽出してそのDNAを利用し、クローン技術で恐竜を創り出すことことで、ハモンドは、それに成功していたのだった・・・。
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格段に進歩したコンピューター技術を使い再現された、恐竜達の映像が実に見事な、アクション・アドベンチャーの超大作。
特に、ティラノサウルスが、最初に主人公達を襲うシーンは、作り物には思えないリアルさと迫力がある。
北米だけでも約3億5700万ドルの興行収入を記録し、全世界では約9億1500万ドルのメガ・ヒットとなった。
第66回アカデミー賞では、録音、音響編集、視覚効果賞を受賞した。
ジョン・ウィリアムズの、夢のある物語に相応しいテーマ曲も非常に印象に残る。
ブラキオサウルスが初めて画面に登場する場面では、思わず驚嘆の声を上げていまい、劇場がどよめいたのを思い出す。
遺伝子工学、カオス理論などの専門用語が飛び交い、難解な会話に戸惑いもあるが、恐竜再生のメカニズムを、わざわざアニメで解説してくれるシーンなども取り入れ、出来る限り解り易く解説しようとする配慮も見られる。
子供から大人まで、あらゆる人々が楽しめるように趣向を凝らすスピルバーグの演出は、見事としか言いようがない。
専門家の目で見ると、矛盾点なども多々あるようだが、それらを度外視して、十分に楽しむことが出来る。
主演のサム・ニールの、演技派らしい落ち着いた雰囲気の学者は、力強さはないものの会話に説得力があり、安心感を与えてくれる正に適役だ。
地味なローラ・ダーンも古生植物学者を好演し、カオス理論でパークと恐竜再生に苦言を呈するジェフ・ゴールドブラム、自分の信じた夢の実現を諦めて、失意の内に島を離れることになる、パーク創設者で大富豪のリチャード・アッテンボロー、あっけなくTレックスに食べられてしまう顧問弁護士マーティーン・フェレロ、強欲なシステム・エンジニア役のウェイン・ナイト、兵という感じだが、ヴェロキラプトルの敵ではなかった監視員のボブ・ペック、まだほんの脇役だったチーフ・エンジニアのサミュエル・L・ジャクソン、そして、活躍する子供達アリアナ・リチャーズとジョゼフ・マゼロ、研究員B・D・ウォン、ライバル会社の学者キャメロン・ソア、パーク内の音声ガイド、リチャード・カイリーなど、多くのキャラクターが登場するものの、巨大なパークを管理運営していく必要がある割には、そこで働く人々が異常に少ないことが気になった。