ウィリアム・シェイクスピアの戯曲”ジュリアス・シーザー”(1599年)を基に製作された作品。 ジュリアス・シーザーが独裁者になることを恐れた元老院議員達の暗殺計画とローマが帝政に向かう姿を描く、製作ジョン・ハウスマン、監督、脚本ジョセフ・L・マンキーウィッツ、主演マーロン・ブランド、ジェームズ・メイソン、ジョン・ギールグッド、ルイス・カルハーン、デボラ・カー、グリア・ガーソン、エドモンド・オブライエン他共演の歴史ドラマの秀作。 |
・マーロン・ブランド / Marlon Brando / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジョセフ・L・マンキーウィッツ
製作:ジョン・ハウスマン
原作:ウィリアム・シェイクスピア”ジュリアス・シーザー”
脚本:ジョセフ・L・マンキーウィッツ
撮影:ジョセフ・ルッテンバーグ
美術
セドリック・ギボンズ
エドワード・C・カーファグノ
エドウィン・B・ウィリス
ヒュー・ハント
編集:ジョン・ダニング
音楽:ミクロス・ローザ
出演
マーク・アントニー:マーロン・ブランド
マルクス・ユニウス・ブルータス:ジェームズ・メイソン
ガイウス・カッシウス・ロンギヌス:ジョン・ギールグッド
ガイウス・ジュリアス・シーザー:ルイス・カルハーン
ポーシャ:デボラ・カー
カルパーニア:グリア・ガーソン
サーヴィリウス・カスカ:エドモンド・オブライエン
ガイ・エピディウス・マララス:ジョージ・マクレディ
ルシウス・カエセティウス・フラヴィアス:マイケル・ペイト
占い師:リチャード・ヘイル
マルクス・トゥッリウス・キケロ:アラン・ネイピア
ディーシアス・ユニウス・ブルータス・アルビヌス:ジョン・ホイト
メテラス・シンバ:トム・パワーズ
オクタヴィアヌス:ダグラス・ワトソン
大工:ジョン・ドーセット
ルシウス・コーネリアス・シナ:ウィリアム・コットレル
パブリアス:ラムスデン・ヘイア
ルシウス:ジョン・ハーディ
トレボニウス:ジャック・レイン
カイアス・リガリウス:イアン・ウォルフ
アルテミドルス:モーガン・ファーレイ
ポピリウス・レナ:ヴィクター・ペリー
マルクス・アエミリウス・レピドゥス:ダグラス・ダンブリル
ルシリウス:リス・ウィリアムズ
マルクス・ウァレリウス・メッサッラ・コルウィヌス:デイトン・ルーミス
ヴォラムニアス:トーマス・ブラウン・ヘンリー
ストレイトー:エドマンド・パードム
ピンダラス:マイケル・アンサラ
ローマ市民:ローレンス・ドブキン
アントニーの家来:ウィリアム・ピップス
アメリカ 映画
配給 MGM
1953年製作 121分
公開
北米:1953年6月4日
日本:1953年12月6日
製作費 $2,070,000
北米興行収入 $3,920,000
■ アカデミー賞 ■
第26回アカデミー賞
・受賞
美術賞(白黒)
・ノミネート
作品
主演男優(マーロン・ブランド)
撮影・音楽賞(ドラマ・コメディ)
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ポンペイウスを倒しローマに戻ったはガイウス・ジュリアス・シーザー(ルイス・カルハーン)は、4度目の執政官に就任して、その後、終身独裁官に任命された。
これにより絶大な栄誉と権力を手にしたシーザーは、温和な人々からも憎しみを買うようになった。
紀元前44年、共和制ローマ。
ルシウス・カエセティウス・フラヴィアス(マイケル・ペイト)は、仕事もせずにシーザーを崇める大工(ジョン・ドーセット)らの行動を嘆かわしく思い、同じ考えのガイ・エピディウス・マララス(ジョージ・マクレディ)も厳しく批判する。
部下のマーク・アントニー(マーロン・ブランド)と共に競技場に向かうシーザーは、妻カルパーニア(グリア・ガーソン)に、勇者アントニーに触れていれば子宝に恵まれると伝える。
自分の名を呼ぶ何者かに気づいたシーザーは、”3月15日に注意を”と言う占い師だということを、マルクス・ユニウス・ブルータス(ジェームズ・メイソン)から知らされる。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
紀元前44年、共和制ローマ。
終身独裁官となり絶対権力を手に入れたジュリアス・シーザーが独裁者となることを恐れたカッシウスは、ブルータスらを説得して暗殺計画を実行する。
ブルータスは、怒りや憎しみではなく、ローマのために行った事であることをシーザーの部下アントニーに伝える。
納得したアントニーは、シーザーの遺体と共に市民の前で演壇に立つことを許される、
演壇でシーザーの死の理由を語ったブルータスは、市民の支持を受ける。
ところが、ブルータスを高潔の士と認めつつ、シーザーの死に哀悼の意を表さない市民に疑問を投げかけたアントニーは、人々が暗殺者への怒りを露にさせることに成功する・・・。
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ウィリアム・シェイクスピアの戯曲”ジュリアス・シーザー”の映画化で、当時は演劇界で活躍していたジョン・ハウスマンが製作を担当し、「三人の妻への手紙」(1949)、「イヴの総て」(1950)で2年連続アカデミー監督賞を受賞し、正に絶頂期を迎えていたジョセフ・L・マンキーウィッツの脚本を兼ねた監督作品であり、マーロン・ブランド、ジェームズ・メイソン、ジョン・ギールグッド他、米英の実力派スター豪華競演による、叙事詩的歴史ドラマの秀作。
前半は、ジュリアス・シーザーの暗殺を成功させるまでの首謀者らによる計画実行を描き、中盤は、演壇に立つブルータスとアントニーの市民に対する大演説、そして終盤は逃亡した首謀者達とローマ権力側との戦いを描く展開で進行し、ジョセフ・L・マンキーウィッツの繊細且つ力強い演出によりドラマチックな作品に仕上がっている。
第26回アカデミー賞では、当時の”フォロ・ロマーノ”などの雰囲気を再現した見事なセットなどが評価されて、美術賞(白黒)を受賞した。
*ノミネート
作品、主演男優(マーロン・ブランド)、撮影、音楽賞(ドラマ・コメディ)
ミクロス・ローザのダイナミックな音楽も印象に残る。
マーク・アントニーを演ずる主演のマーロン・ブランドは、中盤の大演説シーンが主な出演場面であり、その力感溢れる誰もを納得させる圧倒的な演技は秀逸だ。
物語全体の主人公と言える、ブルータスを演ずるジェームズ・メイソンと、彼を説得して暗殺計画に加えるカッシウス役のジョン・ギールグッドの名演に注目したい。
ジュリアス・シーザーを貫禄で演ずるルイス・カルハーン、その妻カルパーニアのグリア・ガーソン、ブルータスの妻ポーシャのデボラ・カー、暗殺に加わるカスカのエドモンド・オブライエン、冒頭でシーザーを批判して捕らえられるマララスのジョージ・マクレディとフラヴィアスのマイケル・ペイト、シーザーの死を予言する占い師のリチャード・ヘイル、シーザー派元老院議員キケロのアラン・ネイピア、同じくラムスデン・ヘイアとモーガン・ファーレイ、暗殺計画に加わるディーシアス・ブルータスのジョン・ホイト、同じくメテラスのトム・パワーズ、ジャック・レイン、イアン・ウォルフ、シナのウィリアム・コットレル、第二回三頭政治の一人レピドゥスのダグラス・ダンブリル、オクタヴィアヌスのダグラス・ワトソン、ローマ市民である大工のジョン・ドーセットとローレンス・ドブキン、ブルータスの召使の少年ジョン・ハーディ、ブルータスの部下リス・ウィリアムズ、同じくメッサッラのデイトン・ルーミス、マイケル・アンサラ、自害するブルータスに手を貸す部下エドマンド・パードム、ブルータスの旧友トーマス・ブラウン・ヘンリー、アントニーの家来ウィリアム・ピップスなどが共演している。