1978年に公開されたイタリア映画「地獄のバスターズ」をヒントにした異色の戦争アクション。 監督、脚本クエンティン・タランティーノ、主演ブラッド・ピット、メラニー・ロラン、クリストフ・ヴァルツ、マイケル・ファスベンダー、ハーヴェイ・カイテル、マイク・マイヤーズ、サミュエル・L・ジャクソン他共演。 |
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■ スタッフ キャスト ■
監督:クエンティン・タランティーノ
製作総指揮
ロイド・フィリップス
ボブ・ワインスタイン
ハーヴェイ・ワインスタイン
エリカ・スタインバーグ
製作:ローレンス・ベンダー
脚本:クエンティン・タランティーノ
撮影:ロバート・リチャードソン
編集:サリー・メンケ
出演
アルド・レイン中尉:ブラッド・ピット
ショシャナ・ドレフュス/エマニュエル・ ミミュー:メラニー・ロラン
ハンス・ランダ大佐:クリストフ・ヴァルツ
ドニー・ドノウィッツ:イーライ・ロス
アーチー・ヒコックス中尉:マイケル・ファスベンダー
ブリジット・フォン・ハマーシュマルク:ダイアン・クルーガー
フレデリック・ツォラー:ダニエル・ブリュール
ヒューゴ・スティーグリッツ:ティル・シュヴァイガー
ヴィルヘルム・ヴィッキ:ギデオン・ブルクハルト
スミッソン・ユティヴィッチ:B・J・ノヴァク
オマー・ウルマー:オマー・ドゥーム
ヒルシュベルク上等兵:サム・レヴァイン
マイケル・ジマーマン上等兵:マイケル・バコール
大佐:ボー・スヴェンソン
アメリカ軍司令官:ハーヴェイ・カイテル
エド・フェネク将軍:マイク・マイヤーズ
ウィンストン・チャーチル:ロッド・テイラー
マルセル:ジャッキー・イド
ペリエ・ラパディット:ドゥニ・メノーシェ
エリック:クリスチャン・ベルケル
バベット:ジャナ・パラスキー
ヘルシュトローム少佐:アウグスト・ディール
フランチェスカ・モンディーノ:ジュリー・ドレフュス
ヨーゼフ・ゲッベルス:シルヴェスター・グロート
アドルフ・ヒトラー:マルティン・ヴトケ
ラハトマン軍曹:リチャード・サメル
ブッツ二等兵:ソンケ・モーリング
ヴィルヘルム:アレクサンダー・フェリング
ウォルフガング大尉:ルドガー・ピストール
本人:エンツォ・G・カステラーリ
ナレーション:サミュエル・L・ジャクソン
アメリカ/ドイツ 映画
配給
ユニバーサル・ピクチャーズ
ザ・ワインスタイン・カンパニー
2009年製作 153分
公開
ドイツ:2009年8月20日
北米:2009年8月21日
日本:2009年11月20日
製作費 $70,000,000
北米興行収入 $120,523,070
世界 $313,600,640
■ アカデミー賞 ■
第82回アカデミー賞
・受賞
助演男優(クリストフ・ヴァルツ)
・ノミネート
作品・監督・脚本・撮影・編集・録音・音響編集賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1941年、フランス。
ナチス・ドイツの親衛隊大佐ハンス・ランダ(クリストフ・ヴァルツ)が、農夫ペリエ・ラパディット(ドゥニ・メノーシェ)の家を訪れる。
ラパディットに家に招き入れられたランダは、家族を紹介され、娘達を外に出し話を始める。
”ユダヤ・ハンター”の異名を持つランダは、消息不明のドレフュス一家を匿っている者がいることをラパディットに告げ、彼に探りを入れる。
英語を話し、言葉巧みに核心に触れていくランダは、ラパディットの家族の命を救う条件で、彼に情報提供を求める。
ラパディットは、床下に潜んでいるドレフュス一家を指差し、彼らが英語を理解していないことを確認したランダは、流暢なフランス語を話し始める。
ランダは部下を呼び寄せ床を銃撃させるが、ドレフュス一家の娘ショシャナ(メラニー・ロラン)が、家の外に飛び出し野原に走り去る。
そして、銃を構えたランダだったが、彼はショシャナを見逃す。
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アメリカ陸軍のアルド・レイン中尉(ブラッド・ピット)は、奇襲ゲリラ部隊を編成し、民間人に成りすまして敵地に乗り込もうとする。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
第二次大戦下。
ナチス・ドイツ占領下のフランスで、アメリカ陸軍のアルド・レイン中尉が率いる、ユダヤ人で組織されたゲリラ部隊”バスターズ”が暴れ回り、その行動にヒトラーは憤慨していた。
家族を、”ユダヤ・ハンター”の親衛隊ランダ大佐に殺されたショシャナは、彼の魔の手を逃れその後パリの映画館主になる。
ある日、ショシャナは、ドイツ軍の英雄でもあるツォラーと知り合い、宣伝相ゲッベルスを紹介される。
そして、ゲッベルスの計らいで、ツォラーの主演した映画のプレミアが、ショシャナの映画館で開催されることになる。
ショシャナは、家族の復讐を果たすべく、映画館に火を放ち、集結するナチス高官を抹殺する計画を立てる。
一方レインも、そのプレミア会場に乗り込み、女優である二重スパイのハマーシュマルクの協力を得て、ヒトラー他を暗殺する計画を実行しようとするのだが・・・。
___________
本作は、実在のナチス高官は登場するものの、その暗殺が成功し終戦に向うという、あくまでフィクションとして描かれている。
さらに、クエンティン・タランティーノは、「地獄のバスターズ」(1978)のリメイクでないことと、「戦略大作戦」(1970、「暁の7人」(1975)などから大きな影響を受けたという見解で作品を仕上げた。
また、数々の映画の音楽を取り入れ、通俗的でない描写とリアリズム、さらにユーモアも加えた斬新な作品にもなっている。
参考:
「地獄のバスターズ」の監督エンツォ・G・カステラーリと、主演のボー・スヴェンソンがカメオ出演している。
主演はブラッド・ピットなのだが、彼の出演は控えめで、多くの出演者の役割配分が絶妙であり、タランティーノの手抜きのない人物描写も冴える。
日本での受けは悪かったのだが、北米興行収入は約1億2000万ドル、全世界では約3億1400万ドルの大ヒットとなった。
第82回アカデミー賞では作品賞以下8部門でノミネートされ、クリストフ・ヴァルツが助演男優を受賞した。
・ノミネート
作品・監督・脚本・撮影・編集・録音音響編集賞
世界の各賞を総なめにした、親衛隊大佐を演じたクリストフ・ヴァルツの出色の演技は見もので、全く隙のない、頭脳明晰にして冷酷非情常な役は、各方面で絶賛された。
数ヶ国語に堪能な特技を生かした彼のセリフ回しは見事だ。
ナチス・ドイツ崩壊を予測し、条件付で敵に投降する、強かさの極みを見せる彼が、野蛮人に近い、問答無用のバスターズのリーダーの心理を読めないというオチと、そのラストの滑稽さもタランティーノらしい最高の演出だ。
出演者
”バスターズ”
ドニー・ドノウィッツ:イーライ・ロス
ヒューゴ・スティーグリッツ:ティル・シュヴァイガー
ヴィルヘルム・ヴィッキ:ギデオン・ブルクハルト
スミッソン・ユティヴィッチ:B・J・ノヴァク
オマー・ウルマー:オマー・ドゥーム
ヒルシュベルク上:サム・レヴァイン
マイケル・ジマーマン:マイケル・バコール
悲劇のヒロイン、驚きの結末を迎えるメラニー・ロラン、その恋人役ジャッキー・イド、こちらの最後も衝撃的な二重スパイ役のダイアン・クルーガー、クライマックスで好青年から変貌するドイツの英雄ダニエル・ブリュール、ゲシュタポ少佐アウグスト・ディール、ゲッベルス宣伝相シルヴェスター・グロート、ヒトラー総統マルティン・ヴトケ、イギリス陸軍のマイケル・ファスベンダー、将軍のマイク・マイヤーズ、そして、ウィンストン・チャーチルのメイクで、全く彼とは分からないロッド・テイラーなどが共演している。
アメリカ軍司令官の声でハーヴェイ・カイテル、ナレーションでサミュエル・L・ジャクソンも登場する。