2013年に発表された、ダン・ブラウンの小説”インフェルノ”を基に製作された作品で映画化シリーズの3作目。 人口を減らし人類を救う目的のウィルス拡散を阻止しようとする宗教象徴学者ロバート・ラングドンの活躍を描く、製作ブライアン・グレイザー、監督ロン・ハワード、主演トム・ハンクス、フェリシティ・ジョーンズ、オマール・シー、ベン・フォスター、イルファーン・カーン、シセ・バベット・クヌッセン他共演のサスペンス。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ロン・ハワード
製作
ブライアン・グレイザー
マイケル・デ・ルカ
製作総指揮
ダン・ブラウン
ウィリアム・M・コナー
アンナ・カルプ
デヴィッド・B・ハウスホルター
原作:ダン・ブラウン”インフェルノ”
脚本:デヴィッド・コープ
撮影:サルヴァトーレ・トティーノ
編集
トム・エルキンズ
ダニエル・P・ハンリー
音楽:ハンス・ジマー
出演
ロバート・ラングドン:トム・ハンクス
シエナ・ブルックス:フェリシティ・ジョーンズ
クリストフ・ブシャール:オマール・シー
バートランド・ゾブリスト:ベン・フォスター
ハリー・シムズ:イルファーン・カーン
エリザベス・シンスキー:シセ・バベット・クヌッセン
ヴァエンサ:アナ・ウラル
マルタ・アルヴァレス:アイダ・ダーヴィッシュ
リチャード:ジョン・ドナヒュー
アルボガスト:ポール・リッター
教授:フィリップ・アルディッティ
ミルサット:メフメット・エルゲン
セキュリティー・ディレクター:シモーヌ・マリアーニ
パルケル:ファウスト・マリア・シャラッパ
アントワーヌ:グザヴィエ・ローラン
アメリカ 映画
配給
Sony Pictures Releasing
コロンビア・ピクチャーズ
2016年製作 121分
公開
北米:2016年10月28日
日本:2016年10月28日
製作費 $75,000,000
北米興行収入 $34,343,570
世界 $220,021,260
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
アメリカの大富豪で”トランスヒューマニズムニスト”である生化学者バートランド・ゾブリスト(ベン・フォスター)は、地球の人口増加に歯止めをかけることができないため、”痛み”が解決策になるか考える。
イタリア、フィレンツェ。
ある人物にすべてを託したゾブリストは、”欧州疾病予防管理センター”のクリストフ・ブシャール(オマール・シー)らに塔の上で追い詰められ、ある物の場所を訊かれる。
それを教えると言うゾブリストは、塔から落下して死亡する。
瀕死の重傷を負い病院で目覚めた、ハーバード大学の宗教象徴学者のロバート・ラングドン(トム・ハンクス)は、”地獄”のような場所にいた悪夢を見たことで動揺する。 主治医のシエナ・ブルックス(フェリシティ・ジョーンズ)の診察と質問を受けたラングドンは、数日間の記憶がないために戸惑う。 部屋の明かりを消してもらったラングドンは、窓から見える”サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂”や”ヴェッキオ宮殿”を確認して、ここがフィレンツェだと気づく。 フィレンツェにいる理由が分からないラングドンは、女性と一緒にいたことしか思い出せない。 財布もIDもないのに自分だと分かった理由をシエナに尋ねたラングドンは、9歳の時にロンドンの大学での講演を聞きに行ったことがあると言われる。 軍警察の警官に扮したある組織の工作員ヴァエンサ(アナ・ウラル)は、ラングドンの病室に向かう。 側頭部の傷は弾丸によるものだとラングドンに伝えたシエナは、ヴァエンサが同僚医師を射殺する姿を見て驚き、ドアを閉めて鍵をかける。 ラングドンを連れて病院を出たシエナは、タクシーに乗り込む。 ヴァエンサに銃撃されながらも、シエナと共にその場から逃れるラングドンは幻覚を見る。 午前4時52分。 その理由を訊かれたラングドンは、何も分からないとシエナに伝えて、”黒死病”の治療をする医師が被る仮面の男や死体などが見える”地獄”のような幻覚のことを話す。 女性のことも話すラングドンは、なくした腕時計のことをシエナに確認し、両親のプレゼントだった大事なものだと伝える。 洋服があるというシエナがそれを用意してくれている間、ラングドンは、彼女が天才少女だったことを知る。 ラングドンは、その場にあったパソコンでメールのチェックをする。 ”イニャツィオ・ブゾーニ”という人物からのメールで、”会えなかったが、無事か?・・・我々が盗んだ物は隠した、「天国25」”という内容を確認したラングドンは、彼も逃げていることを知る。 イニャツィオの幻覚を見たラングドンは、友人のものだと言うシエナから服を渡されてバスルームで着替える。 ラングドンの肩から背中にかけて、湿疹ができていた。 汚れた自分の上着を確認したラングドンは、ポケットの中のバイオチューブに気づき、危険物を運ぶために使うことを説明するシエナから持っている理由を訊かれるものの、それを思い出せない。 政府の支給品で指紋認証装置が付いていると言われたラングドンは、領事館に電話をしようとするシエナを制止して、自分のものなら開けられると考える。 指紋認証した容器は開き、シエナから、中のカプセルのようなものが人間の骨だと言われたラングドンは、”黒死病”を現した絵柄だと指摘する。 ファラデー・ポインターに気づいたラングドンは、それを壁に映し、”ボッティチェリ”の描いた、ダンテの”インフェルノ/時獄篇”を絵にした”地獄の見取り図”であることを確認して、幻覚で見たことをシエナに話す。 領事館に電話をしてもらったラングドンは、相手から捜していたと言われ、チューブのことを訊かれる。 シエナが一旦、電話を切り、かかってきた非通知の番号を警戒しながらそれに出たラングドンは、場所を訊かれたために窓の外を見て、付近のホテル名を伝える。 ”WHO/世界保健機関”の指令軍のバンに乗るブシャールは、ラングドンがあるアパートから7分前にメールサーバーにアクセスしたことを知る。 その場に急行するブシャールは、ポインターを取り戻してラングドンを確保しようとする。 ”ボッティチェリ”の絵にオリジナルにはない文字が書かれていることを確認したラングドンとシエナは、”ゾブリスト”の言葉に気づく。 ネットでゾブリストのことを調べたラングドンとシエナは、彼の動画を見て、人口増加が及ぼす人類の滅亡を危惧する内容を確認し、彼には感染ウィルス生成の疑いがあることを知る。 ゾブリストが3日前に自殺したことを知ったラングドンは、絵が描き変えられていることに気づく。 病院に来た警官(ヴァエンサ)がホテルに現れたために警戒するシエナは、細菌兵器のことなども考えながら、絵の文字を気にするラングドンに”アナグラム”だと伝える。 ブシャールらも到着し、文字をメモしたラングドンは、ポインターを持ったシエナと共にその場を去る。 ホテルにラングドンがいないことを確認したヴァエンサは、アパートに向かう男達が気になる。 シエナの車で建物から出たラングドンは、文字を解読しようとして苦労するが、彼女から”CERCA TROVA/尋ねて、見出せ”だと言われたために、フィレンツェに来た理由が分かる。 その場には、”WHO”の指揮官エリザベス・シンスキー(シセ・バベット・クヌッセン)らも到着する。 ラングドンは、”ヴェッキオ宮殿”に向かうようシエナに指示する。 ラングドンもポインターも消えていることを知ったシンスキーは、しくじった部下を非難しながらブシャールの様子を気にする。 周囲を監視していたヴァエンサは、ラングドンとシエナがカーシェアリングを利用して車を替えたことに気づき本部に連絡する。 アドリア海、午前7時12分。 ゾブリストからのメッセージを託されていた危機管理会社”CRC”のハリー・シムズ(イルファーン・カーン)は、トラブルが起きたことをアルボガストから知らされる。 現地の主導権を”WHO”に奪われたことを知ったシムズは、ラングドンの抹殺をアルボガストに指示するものの、彼はポインターと共に姿を消したと言われる。 ゾブリストの映像を確認したいことをアルボガストに伝えたシムズは、契約違反だと言われるものの意見を聞く気はなかった。 午前8時36分、マキャヴェリ大通り。 ゾブリストのウィルスが事実だとしたら、”地獄の見取り図”は、それを探すために誰かに残した手がかりなのかもしれないと考えたラングドンは、その誰かが協力者の可能性があるとシエナに伝える。 検問の前で車を降りたラングドンとシエナは、ヴェッキオ宮殿に向かう。 付近に到着したブシャールは、シエナが使ったカードで車が特定できたことを知り、地元警察に協力を求めてドローンで捜索を始める。 ドローンに発見されたラングドンとシエナは、それから逃れて建物の内部に入る。 その場に到着したヴァエンサは、ラングドンを消せというシムズの命令をアルボガストから受ける。 午前9時13分、ヴェッキオ宮殿、五百人広間。 注射をされたことを思いだしたラングドンは、そのことをシエナに尋ね、していないと言われる。 車の後部座席で注射されたのが細菌だった可能性を考えるラングドンは、自分がキャリアであることも考えられた。 シエナから、それならば自分も感染すると言われたラングドンは、スタッフのマルタ・アルヴァレス(アイダ・ダーヴィッシュ)から声をかけられるものの、彼女が誰か分からなかった。 イニャツィオのことを訊かれたラングドンはメールの相手だということを思い出し、自分が何をしに来たか分かるはずだとマルタに伝えて、彼女にある場所に連れて行ってもらう。 現場に到着したシンスキーは、ポインターの件などについてブシャールから責められ、ラングドンが姿を消す前にいた場所を訊かれて”五百人広間”だと答える。 ”ダンテ”のデスマスクの展示場に案内されたラングドンとシエナは、それがないことをマルタに伝える。 その場は閉鎖され、警備室に案内されたラングドンとシエナは、監視カメラの映像を見せられる。 自分とマルタと共にマスクの前にいるイニャツィオが”ダンテ”研究の第一人者だとシエナに伝えたラングドンは、マスクがコレクターに売却されていたことを知る。 マスクの所有者がゾブリストだと知ったラングドンは、マルタが電話を受けてその場から離れた隙に、自分とイニャツィオがマスクを奪った映像を見て驚く。 その時、警報が鳴り、軍警察や政府関係者が建物内に押し入ったことを知ったラングドンは、マスクは捜し出して必ず戻すとマルタに伝える。 ラングドンは、マルタの携帯電話を奪ったシエナと共に、騒ぎの隙にその場から逃げる。 ラングドンが正しい側の人間であることを確認したシエナは、マスクを捜すために協力しようとする。 イニャツィオのメールにあった”天国の25”が、”ダンテ”の”神曲”の”天国編”、”第25の歌”だと言うラングドンは、そのことを調べるために秘密の部屋に向かう。 携帯電話を使いネットで”第25の歌”について調べたシエナは、”ダンテ”が洗礼を受けた”サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂”に手がかりがあると思い、ラングドンは、イニャツィオの仕事場であるそこにマスクを隠してあると考える。 ”五百人広間”の屋根裏に向かい、降りられる階段に向かおうとしたラングドンだったが、シエナが梁から足を踏み外してしまう。 二人を捜していたヴァエンサは物音に気づき、屋根裏に向かう。 ラングドンを銃撃するヴァエンサはシエナに突き落とされ、”五百人広間”の天井を突き破り落下死する。 天井の穴からラングドンを確認したブシャールは、建物の見取り図をチェックして部下を向かわせる。 違う場所に向かったブシャールは、建物から出てきたラングドンとシエナを追い、無線機を捨てる。 ”6月21日 再生”と書かれた封筒を手にしながらゾブリストの映像を見たシムズは、ウィルスが世界中に拡散されることを知る。 ウィルスは、放出から6日以内に全世界の人々の体内で増殖して人口は半減し、生存者が見る地獄絵は想像を絶するというゾブリストの説明を聞いたシムズは、これ以上の失敗は許されないとアルボガストに伝える。 シムズは、ラングドンが姿を消し、ヴァエンサとの連絡が取れなくなったことを知る。 ヴァエンサの死体を確認したシンスキーは、感染を調べて現場を隔離するよう指示し、ラングドンを見つけなければ、更に死者が増えると考える。 ヴァエンサを殺してしまったことで動揺するシエナに、正当防衛だと言って落ち着かせたラングドンは、自分を救ったことで十分に役目は果たしたと伝える。 ”サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂”に付属する”サン・ジョヴァンニ洗礼堂”に向かったラングドンとシエナは、洗礼盤の中にあった”ダンテ”のデスマスクを取り出す。 水溶性の塗料を落とした二人は、”裏切り者のヴェネツィアの総督を捜せ、彼は馬の道を断ち切った・・・”、”英知に満ちた黄金のミュージアムでひざまずき、静かに流れる水の音に耳を澄ませ、水に沈んだ宮殿で地底の怪物が待っている・・・”という文字を確認し、ウィルスが水に沈んでいることを知る。 ”血で赤く染まった水の中に沈み、その場に星が映ることはない・・・”という言葉を確認したラングドンは、その場に現れたブシャールから、”WHO”の局員であり2日前に会ったと言われる。 シエナから、頭部の傷により、ラングドンは48時間の記憶が確かでないという説明を受けたブシャールは、大学に迎えに行きポインターを渡したことをラングドンに伝える。 それを思い出したラングドンは、最後の記憶を訊かれて、女性と通りにいて注射をされてと答える。 女性が”WHO”のエリザベス・シンスキーだと知ったラングドンは、知人だが何年も会っていないと話し、ブシャールから、別行動の彼女は、ウィルスを外国に売ろうとしていると言われる。 それを信じないラングドンに、人は変わると伝えたブシャールは、自分はゾブリストを追っていたが、常に妨害されたと話す。 ラングドンにウィルスがある場所を訊いたブシャールは、シエナから身分証の提示を求められる。 身分証をシエナに見せたブシャールは、ラングドンから、場所はヴェネツィアだと言われたために列車で向かおうとする。 自分達がジュネーブへ行くと見せかけたブシャールは、駅に向かう。 空港に向かったシンスキーは、ジュネーブ行きの便を調べようとするが、そこにシムズが現れ、ラングドンらが乗っていないことを知らされる。 午後1時57分。 その後ラングドンは拉致され、その場にはシンスキーがいたと話すブシャールは、彼女からウィルスを追う者の名を聞いたか尋ねる。 質問に答えられないラングドンに苛立つブシャールは、シエナに制止される。 ヴェネツィアの”サン・マルコ寺院”が目的地だと言うラングドンの、手首の湿疹が気になるブシャールは、トンネル内で彼に異変が起きたために驚く。 記憶が甦ったラングドンは、大学で話しかけてきたのはシンスキーで、”ダンテ”ンに関係したことであるために、”WHO”への協力を求められたことを思い出す。 具合が悪い振りをしたラングドンは、シエナに頼まれたブシャールが何かを買いに行った間に、大学に来たのは彼ではないことをシエナに話す。 ラングドンが倒れたと言ってブシャールを呼びに行ったシエナは、彼をトイレに連れて行く。 ドアを開けたブシャールはラングドンに殴られ、シエナに催涙スプレーをかけられて苦しむ。 その隙に”パドヴァ”で停車した電車から降りたラングドンとシエナは駅を離れる。 シムズの組織が2年間も自分達の邪魔をして、彼がゾブリストを保護して研究を守っていたことを知ったシンスキーは、後悔する彼に、今さら信じられないと伝える。 自分達は民間の危機管理会社だと言うシムズは、姿を消したブシャールがラングドンを追っていると話し、ウィルスを高額で売るつもりだということを知らせる。 残り8時間しかないことを伝えたシンスキーは、その場を去ろうとするものの、自分達ならラングドンの行方を捜せると言うシムズは協力を申し出る。 午後2時49分、ヴェネツィア、”サン・マルコ広場”。 その場にいたガイドの話をヒントに、”ヴェネツィア共和国”の第41代元首”エンリコ・ダンドロ”が手がかりだと気づいたラングドンは、彼が埋葬された”コンスタンティノープル”(イスタンブール)にウィルスがあることに気づく。 追ってきたブシャールを目撃したラングドンとシエナは、出口を探して地下に向かい、道路に面した鉄の格子扉から出ようとする。 物売りの女性に声をかけて金を払ったシエナは、扉を開けてもらい外に出る。 扉を閉めたシエナはゾブリストを”救済者”と呼び、彼女が協力者だと知ったラングドンはショックを受ける。 ゾブリストが謎解きとポインターをシエナに託したことを知ったラングドンは、彼女からゾブリストを愛していたと言われる。 服がゾブリストのものだと知ったラングドンは、感謝しながらその場を去るシエナを呼び止めるものの、足を踏み外して転げ落ちてしまう。 シエナは、二人で考えた計画にも拘らず、ゾブリストから場所を教えてもらえなかったことを思い出す。 ヒントを与えたゾブリストは、終点は”インフェルノ/地獄”であり、自分に何かあったら最初の手がかりが届く、”尋ねて、見出せ”と伝えて別れた。 ブシャールに連れ去られ、ある場所で目覚めたラングドンは、ウィルスを売ろうとしているのはシンスキーではないと伝える。 銃を手にするブシャールから、いいように利用されたと言われたラングドンは、ウィルスの場所を訊かれ、何者かがその場に侵入したことに気づく。 背後からブシャールに襲い掛かり剣で刺殺したシムズは、ラングドンから誰だと言われる。 シムズから、頭部に傷を負ったように見せかけ、記憶喪失は投与した”ベンゾジアゼピン”によるもので、そのため湿疹が出るが数日で消えると言われたラングドンは、すべてがでっち上げだったことに気づく。 自部を拉致して新しいシナリオに従い計画を進め、味方になるように仕向けたとシムズから知らされたラングドンは、自分がいた病院のことを思いだし、病室には普通、鍵がないことにも気づく。 女性警官(ヴァエンサ)と、銃撃は空砲で、撃たれた医師やタクシーの運転手も部下だと言われたラングドンは、”ヴェッキオ宮殿”では実弾を撃ってきたとシムズに伝える。 それは自分の命令だったと言うシムズは、計画が乱れた場合は変更されることもあるとラングドンに伝える。 自分を殺す命令を出したシムズから謝罪されたラングドンは、協力を求めに来たシエナとの関係を知らされる。 ブシャールから入手したポインターの内容の解読をシンスキーがラングドンに依頼したため、拉致するしかなかったことをシムズは話す。 シエナは病院で信頼されるような行動をして、彼女が領事館に電話した相手は自分の部下(アルボガスト)だと話すシムズは、シエナと共に姿を消したために計画が狂ったとラングドンに伝える。 シムズは、ウィルスを拡散しようとしていると思われるシエナの考えが理解できない。 そこにシンスキーが現れ、ウィルスの場所を訊かれたラングドンは、彼女とシムズと共にイスタンブールに向かう。 午後5時32分、”WHO”専用ジェット。 2年前に訪ねてきたゾブリストを相手にせず、言動が気になり監視リストに載せたことを話すシンスキーは、その後、彼がシムズを雇ったのだろうとラングドンに伝える。 ゾブリストに対する対処方法がまずかったことを後悔するシンスキーを気遣うラングドンは、共に歩む道もあった彼女との関係を考える。 2日前の夜、雨の中、シンスキーと話していたラングドンは、拉致されて車に乗せられ注射を打たれ・シンスキーと別れたことを思い出す。 午後6時39分、トルコ、イスタンブール。 邪魔が入ることを教授に伝えたシエナは、その前にウィルスを見つけて爆薬で放出すると話し、協力を約束される。 現地に到着したシンスキーは、ウィルスが放出されれば、わずか4~7日で世界の人口の95%が感染するとラングドンに伝える。 午後7時53分、”アヤソフィア”。 ラングドンらは、地下に流れる水が貯水池に向かい、それが東ローマ帝国時代の大貯水槽である地下宮殿”イェレバタン・サラユ”だと知る。 教授から、ウィルスの場所が”イェレバタン・サラユ”だと知らされたシエナは、爆弾の操作方法を教わる。 ”黒死病”は多大な被害を与えたが、それにより世界の人口は減り”ルネサンス”が誕生したと話していたゾブリストのことを思い出しながら、シエナは教授と共に現地に向かう。 ”イェレバタン・サラユ”に向かったシンスキーらは、サマー・コンサートが開催されるために世界中から人が集まっていることをミルサットから知らされる。 シムズから退避を提案されたシンスキーは、それを拒み、電波を遮断して交信不能にするよう部下に指示する。 内部に入ったシンスキーらは、コンサートが始まっている中でウィルスを探す。 その場にいたシエナは、ラングドンらに気づく。 地底の怪物と呼ばれる”メドゥーサ”像を探すラングドンの指示に従ったシンスキーは、その場の周辺をチェックさせる。 地上では警戒態勢が敷かれ、ウィルス処理班も内部に到着する。 観客などは避難させられ、シンスキーがウィルスの袋を発見する。 シエナの協力者と格闘になったシムズは、襲い掛かってきた教授を倒す。 傷ついたシムズはシエナに止めを刺され、それに気づいたラングドンは彼女を追う。 爆弾を水の中に投げ入れたシエナは、起爆装置を手にしながら、大勢の死者が出ても滅亡は免れるとラングドンに伝える。 大量殺人だと言われたシエナは、正しい選択だと伝えてスイッチを押すものの圏外だった。 水中に飛び込んだシエナは爆弾を爆破し、ラングドンは吹き飛ばされる。 もう一つの爆弾も爆発して、その場は大混乱となる。 隔離ボックスに入れられたウィルスの袋は破裂し、それを回収しようとしたシンスキーだったが男に襲われる。 シンスキーを助けたラングドンは、男と格闘になる。 男は特殊部隊員に射殺され、ラングドンはシンスキーの無事を確認する。 隔離ボックスのロックを確認したシンスキーは、漏れていないことをラングドンに伝える。 ボックスは処理班により回収され、ラングドンはシンスキーと抱き合う。 その後ラングドンは、死体袋に入れられたシエナのことを思いながら、世界を救おうとした彼女の気持ちを考える。 今後のことをラングドンから訊かれたシンスキーは、ウィルスを遺伝子学的に分類して、ゲノム配列を構築して正体を突き止めると答える。 ラングドンが大学に戻ることを確認したシンスキーは、また別れるこのになると伝える。 ”ダンテ”と”ベアトリーチェ”だと伝えたラングドンは、拉致されたと時に落とした言うシンスキーから、”ミッキーマウス”の腕時計を渡される。 自分達の愛は叶ったと考えたことがあるかとラングドンから訊かれたシンスキーは、もちろんあるが、人生にはミステリーが必要だと答えて、彼にキスしてその場を去る。 午前9時、フィレンツェ、ヴェッキオ宮殿。 ”ダンテ”のデスマスクの照明が消えていることを伝えたラングドンは、マスクは盗まれたために展示されていないと言われる。 今見てきたと言われたスタッフは展示場に向かい、マスクが戻っていたために驚く。 ラングドンは微笑みながらその場を去り、”ダンテ”のデスマスクには照明が当てられる。
...全てを見る(結末あり)
シエナのアパートで目覚めたラングドンは、病院に運び込まれた際にしきりに自分が言っていた”ヴェリー・ソーリー/すまない”と思われる録音の言葉を聴かされる。
ヴァエンサからの連絡を受けたアルボガスト(ポール・リッター)は、1時間以内にラングドンを捕らえポインターを手に入れるよう指示する。
”ヴァザーリ”の”マルチャーノ・デッラ・キアーナの戦い”の上部に、美術史上で有名な謎の言葉が書かれていると言うラングドンは、それが”CERCA TROVA”であり、病院での自分のうわごとは、”ヴェリー・ソーリー”ではなく”ヴァザーリ”だったのかもしれないと考える。
”ヴァザーリ”の”マルチャーノ・デッラ・キアーナの戦い”の前に向かったラングドンは、”CERCA TROVA”という文字を確認する。
3日前に、2年間追っていたゾブリストを追い詰めたものの自殺してしまい、ポケットの中のポインターを見つけたと話すブシャールは、謎解きの手がかりになると考えて、それを渡したとラングドンに伝える。
多くの人が集まるこの場がウィルス拡散の場に相応しいと考えながら、ラングドンとシエナは”サン・マルコ寺院”に向かう。
ゾブリストの映像を見せられたラングドンは、トラブルに巻き込んでしまったことをシンスキーから謝罪される。
”イスタンブール大学”である教授(フィリップ・アルディッティ)に会ったシエナは、ゾブリストの信者である彼に協力を求める。
責任者のミルサット(メフメット・エルゲン)に迎えられたシンスキーとラングドン、そしてシムズは、”エンリコ・ダンドロ”の墓に向かう。
マルタを捜していたラングドンは、その場にいたスタッフから、子供が生まれた彼女は産休中だと言われる。
参考:
・「ダ・ヴィンチ・コード」(2006)
・「天使と悪魔」(2009)
・「インフェルノ」(2016)
*(簡略ストー リー)
アメリカの大富豪である生化学者ゾブリストは、地球の人口増加に歯止めをかけるために、開発したウィルスの拡散計画を実行しようとする。
イタリア、フィレンツェの病院で、記憶を失った状態で目覚めたハーバード大学の宗教象徴学者のロバート・ラングドンは、主治医のシエナと共に女性警官に扮したある組織の工作員ヴァエンサに襲われ、その場から逃走する。
その後、所持していたファラデー・ポインターに気づいたラングドンは、”ボッティチェリ”の描いた、ダンテの”インフェルノ/時獄篇”を絵にした”地獄の見取り図”を手掛かりにして、ゾブリストがウィルス拡散により人口を減少させて人類を救おうと考える計画を知る。
”欧州疾病予防管理センター”のブシャールとWHO/世界保健機関のシンスキーに追われるラングドンは、シエナの協力を得て、ウィルスを見つけて拡散を阻止しようとするのだが・・・。
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宗教象徴学者”ロバート・ラングドン”を主人公にした、ダン・ブラウンの小説”インフェルノ”を基に製作された作品。
ブライアン・グレイザーとロン・ハワードのコンビによるシリーズの三作目。
人口増加が人類を破滅させることを恐れた生化学者が、かつて、伝染病により莫大な死者を出した後に人類の発展があったことを参考にして開発した、ウィルス拡散計画が描かれた作品。
わずか数日で人類の95%が感染することが予想されるにも拘らず、それで人類を救おうとする首謀者と信者の考えは荒唐無稽であり、その計画が関わる陰謀に巻き込まれ、ウィルス拡散を阻止しようとする主人公”ロバート・ラングドン”の行動も陳腐に思えてしまう。
大ヒット・シリーズの三作目ということで大いに話題になった作品ではあるが、最悪と言っていいほど酷評され、北米興行収入はなんと約3400万ドルに終わってしまった。
全世界では約2億2000万ドルの成績を残し、製作費が前作より半減しているために(1億5000万ドルから7500ま万ドル)、トータルでは成功したと言えるが、作品の内容、仕上がり共にファンの期待を裏切ったのは確かだ。
知識豊富ではあるものの、単なる普通の中年男性にしか見えない主人公を演ずるトム・ハンクス、計画の首謀者である大富豪で生化学者のベン・フォスターの恋人だったという設定で、話を盛り上げる存在ではあるものの空振り気味のフェリシティ・ジョーンズ、ウィルスを奪い売却しようとして主人公を追う”欧州疾病予防管理センター”の局員オマール・シー、危機管理会社”CRC”を運営して計画に加わってしまうものの、後悔してウィルス拡散阻止に協力するイルファーン・カーン、主人公と深い関係だった”WHO/世界保健機関”の指揮官シセ・バベット・クヌッセン、”CRC”の工作員アナ・ウラル、ヴェッキオ宮殿のスタッフ、アイダ・ダーヴィッシュ、シムズ(イルファーン・カーン)の部下ポール・リッター、ヒロインに協力する”イスタンブール大学”の教授フィリップ・アルディッティ、”アヤソフィア”の責任者メフメット・エルゲン、他シモーヌ・マリアーニ、パルケル:ファウスト・マリア・シャラッパ、などが共演している。