大恐慌時代のハーレムで繰り広げられた実在のギャングの抗争を描く、製作総指揮、監督ビル・デューク、製作総指揮、主演ローレンス・フィッシュバーン、ティム・ロス、アンディ・ガルシア、ヴァネッサ・ウィリアムズ、シシリー・タイソン、クイーン・ラティファ他共演の犯罪ドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ビル・デューク
製作総指揮
ビル・デューク
ローレンス・フィッシュバーン他
製作:フランク・マンキューソJr.
脚本:クリス・ブランケイト
撮影:フランク・ティディ
編集:ハリー・ケラマイダス
音楽:エルマー・バーンスタイン
出演
エルスワース“バンピー”ジョンソン:ローレンス・フィッシュバーン
ダッチ・シュルツ/アーサー・フレゲンハイマー:ティム・ロス
チャールズ”ラッキー”ルチアーノ:アンディ・ガルシア
フランシーン・ヒューズ:ヴァネッサ・ウィリアムズ
ステファニー・セント・クレア/マダム・クイーン:シシリー・タイソン
イリノイ・ゴードン:チー・マクブライド
バブ・ヒューレット:クラレンス・ウィリアムズ3世
ジャック・フォリー警部:リチャード・ブラッドフォード
トーマス・E・デューイ:ウィリアム・アザートン
ルル・ローゼンクランツ:エド・オロス
サリー:クイーン・ラティファ
アメリカ 映画
配給 MGM
1997年製作 130分
公開
北米:1997年8月27日
日本:未公開
北米興行収入 $23,461,010
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1934年、ニューヨーク。
ステファニー・セント・クレア/マダム・クイーン(シシリー・タイソン)がハーレムのナンバーズ賭博を影で仕切っていたが、ユダヤ系のギャングであるダッチ・シュルツ(ティム・ロス)は、イタリア系のラッキー・ルチアーノ(アンディ・ガルシア)の意に反し、その支配を画策していた。
だがそれを阻もうとする、一人の男、アフリカ系のエルスワース“バンピー”ジョンソン(ローレンス・フィッシュバーン)がいた。
__________
”シンシン刑務所”を出所したジョンソンは、シュルツがハーレムのナンバーズを仕切ろうとしていることを知る。
シュルツは、ルチアーノが、検事トーマス・E・デューイ(ウィリアム・アザートン)に渡す賄賂を取りに、わざわざハーレムに出向いたことで警戒する。
ジョンソンは、クイーンの下で働くいとこのイリノイス・ゴードン(チー・マクブライド)を訪ねて再会を喜ぶ。
ルチアーノから金を受け取ったデューイは、自分がシュルツに脅されていることを伝え、彼らとの関与を”ビジネス”だと言い切る。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
ハーレムのナンバーズ賭博を仕切っていたマダム・クイーンの縄張りを、ユダヤ系ギャングのダッチ・シュルツが奪おうとする。
組織を統括して仕切る大物のラッキー・ルチアーノの意見を無視し、暴れ回るシュルツだったが、出所したバンピー・ジョンソンが、尊敬するクイーンに手を貸しシュルツを締め出そうとする。
その後、組織同士の抗争が激化して、ジョンソンの行動はエスカレートしていき、同胞が犠牲になる戦いにクイーンは心を痛める・・・。
__________
実際に起きたギャング間の抗争を描いた、俳優でもあるビル・デュークの意欲作で、犯罪組織の荒っぽい手口や、警察、権力との癒着、冷静な目で全てを操ろうとする暗黒街の超大物のラッキー・ルチアーノの、合理的な行動などが実にリアルに描写されている。
リドリー・スコットの「アメリカン・ギャングスター」(2007)の序盤で、主人公のフランク・ルーカスのボスとして登場する、バンピー・ジョンソンが台頭していく物語なのだが、そのジョンソン役を演ずるクラレンス・ウィリアムズ3世が、本作では、アフリカ系でありながらもシュルツの右腕を演じ、クライマックスではジョンソン側に寝返りし握手までする場面は、両作品を観ているとなかなか興味深い。
魅力的なキャストに加えて、音楽はエルマー・バーンスタインが担当し、重厚な仕上がりを狙っている努力は窺えるのだが、セットや美術などにやや物足りなさを感じ、意気込みが空回りしている感じは否めない。
主人公のバンピー・ジョンソンをクールに演ずるローレンス・フィッシュバーン、異端児的な役がよく似合うダッチ・シュルツ役のティム・ロス、超大物のラッキー・ルチアーノを淡々と演ずる
アンディ・ガルシア、主人公の恋人ヴァネッサ・ウィリアムズ、ハーレムを実質支配するマダム・クイーンのシシリー・タイソン、主人公のいとこを好演するチー・マクブライド、シュルツの右腕、終盤でアフリカ系の誇りを取り戻すクラレンス・ウィリアムズ3世、悪徳警官リチャード・ブラッドフォード、賄賂を要求する悪人として描かれている、後の州知事で大統領候補のトーマス・E・デューイのウィリアム・アザートン、シュルツを殺す手下エド・オロス、そしてクイーン・ラティファも出演している。