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ヒズ・ガール・フライデー His Girl Friday (1940)

1928年にブロードウェイで上演された、ベン・ヘクトチャールズ・マッカーサーの戯曲”The Front Page”の映画化「犯罪都市」(1931)のリメイク。
敏腕記者だった元妻の結婚を阻止し現場に復帰させようとする編集長が彼女と共に巻き起こす騒動を描く、製作、監督ハワード・ホークス、主演ケーリー・グラントロザリンド・ラッセルラルフ・ベラミー他共演によるスクリューボール・コメディの代表作にして映画史に残る傑作。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


コメディ

ケイリー・グラント / Cary Grant / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:ハワード・ホークス
製作:ハワード・ホークス
戯曲
ベン・ヘクト

チャールズ・マッカーサー
The Front Page
脚本:チャールズ・レデラー
撮影:ジョセフ・ウォーカー
編集:ジーン・ハヴリック
音楽:モリス・ストロフ

出演
ケーリー・グラント:ウォルター・バーンズ
ロザリンド・ラッセル:ヒルデガルド”ヒルディ”ジョンソン
ラルフ・ベラミー:ブルース・ボールドウィン
アルマ・クルーガー:ボールドウィン夫人
ジーン・ロックハート: ピーター・B・ハートウェル保安官
クレランス・コルブ:フレッド市長
アブナー・ビバーマン:’ダイアモンド”ルイ”パルトソー
ジョン・クォーレン:アール・ウィリアムス
ヘレン・マック:モリー・マロイ
ポーター・ホール:マーフィー
アーネスト・トルエックス:ロイ・V・ベンシンガー
クリフ・エドワーズ:エンディコット
ロスコー・カーンズ:マッキュー
フランク・ジェンクス:ウィルソン
レジス・トゥーメイ:サンダース
フランク・オース:ダフィー
ビリー・ギルバート:ジョー・ペティボーン
パット・ウェスト:クーリー刑務所長
エドウィン・マクスウェル:マックス・J・エッゲルホッファー博士

アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
1940年製作 92分
公開
北米:1940年1月11日
日本:1986年9月6日


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
ニューヨークの新聞社モーニング・ポストの辣腕編集長ウォルター・バーンズ(ケーリー・グラント)を、元妻で、同社のトップ記者だったヒルデガルド”ヒルディ”ジョンソン(ロザリンド・ラッセル)が訪ねてくる。

ヒルディに未練のあるウォルターは、復縁と自社への復帰を迫るが彼女はそれを拒む。

記者生活に嫌気が差したヒルディは、保険会社勤務の堅実なサラリーマンであるブルース・ボールドウィン(ラルフ・ベラミー)と再婚することをウォルターに告げる。

その結婚を、何とか阻止しようとするウォルターは、ブルースを伴い3人でランチに出かける。

ヒルディが、オールバニーでブルースの母親と暮らすと聞いたウォルターは、乗車する汽車を止めてでも彼女を引きとめようとする。
...全てを見る(結末あり)

ウォルターが、ブルースから保険に入ることを条件に、ヒルディは仕方なく取材を引き受ける。

ブルースはウォルターを気に入るが、ヒルディは彼を信用しないよう彼に警告する。

ウォルターと保険の契約をしたブルースは、保険金の受取人を、あえてヒルディにしようとする彼に同情してしまい、策略にはまってしまう。

死刑囚アール・ウィリアムス(ジョン・クォーレン)に面会に行ったヒルディは、彼の温厚な人柄に接する。

さらにアールの恋人モリー・マロイ(ヘレン・マック)から、アールが凶悪な人間でないことを聞かされる。

そんな時、ブルースが時計泥棒の濡れ衣を着せられて逮捕されてしまい、ヒルディが彼を保釈させるが、予定の汽車の時間に間に合わなくなってしまう。

犯人がウォルターだと分かっているヒルディは憤慨し、アールの記事を破り捨て、記者達に別れを告げて旅立とうとする。

しかし、アールが処刑を明日に控えて脱獄してしまい、ヒルディは彼を追い、出発を延期させる。

事件に関する大げさな取材が飛び交う中、ヒルディは、アールの脱獄に関するスクープをものにし、ウォルターに連絡を入れる。

ブルースと現場を離れようとするヒルディを引き止めるために、ウォルターは、彼が”ラルフ・ベラミー”に似ていると言って女を派遣し、いちゃついていたという罪で、再びブルースは逮捕されてしまう。

アールの処刑を、選挙の人気取りに利用しようとするフレッド市長(クレランス・コルブ)とハートウェル保安官(ジーン・ロックハート)は、何とか死刑執行を行おうと、居場所のわかったアールを捕らえようとする。

しかし、アールが病気だということで州知事が処刑を延期しようとしていることを知り、市長と保安官は賄賂を使い、伝達係のペティボーン(ビリー・ギルバート)を口止めする。

駅に向かおうとしたヒルディだったが、刑務所の記者控え室にアールが現れる。

疲れ果てて、死刑になってもいいと言い出すアールを、ヒルディは匿いモーニング・ポストに引き渡そうとする。

そこにモリーが現れアールと再会するが、運悪く記者達が戻ってきてしまう。

アールを机の中に隠したヒルディとモリーだったが、そこに、ブルースの母(アルマ・クルーガー)も現れる。

そしたヒルディは、アールを見つけたことをブルースから聞いたと口走ってしまう。

モリーは、アールを助けようと窓から飛び降りてしまい、記者達は彼女の元に向かい、ウォルターが駆けつけ、ヒルディに記事を書くよう説得する。

世論を動かし、市長や保安官をニューヨークから追い出して、新風を巻き起こそうと考えるウォルターの思いが通じ、ついにヒルディの記者魂に火がついてしまう。

ウォルターは社に連絡を入れ、”フロント・ページ”を差し替える指示を出す。

そこにブルースが現れるが、もはやヒルディは彼のことは眼中になく、ブルースは呆れて駅に向かってしまう。

ウォルターが、ルイ(アブナー・ビバーマン)に連れて行かせたブルースの母が事故に遭い、病院に運ばれてしまう。

ウォルターとヒルディは、保安官や記者達に怪しまれる。

ブルースの母も現れ、彼女はウォルターに誘拐されたと彼を非難し、そして机に隠れていたアールが、ついに見つかってしまう。

市長と保安官は喜び、ウォルターとヒルディは窮地に立たされるが、そこに、州知事のメッセージを持ったペティボーンが現れ、アールの死刑が延期されたことを知らせる。

さらにペティボーンは、一度目のメッセージを隠すよう市長から買収されたことをウォルターの前で暴露してしまい、市長は手のひらを返したように、知事の意向に従おうとする。

逮捕されかけたウォルターらは釈放され、彼はヒルディをブルースの元に向かわせようとする。

しかし、ブルースが再び逮捕されたという連絡が入る。

ヒルディは、またしてもブルースを助けなければならなくなったが、一方ウォルターが引き止めてくれなかったのを悲しく思う。

ウォルターは社に連絡を入れ、ヒルディが記事を書くことを伝え、彼女と共にナイアガラの滝へハネムーンに出発することになる。

しかし、オールバニーで大規模なストが起き、行き先が変更され、二人は仲良く現場に向かう。


解説 評価 感想 ■

参考:
・「犯罪都市」(1931)
・「ヒズ・ガール・フライデー」(1940)
・「フロント・ページ」(1974)
・「スイッチング・チャンネル」(1988)

*(簡略ストー リー)
ニューヨーク
新聞社”モーニング・ポスト”の辣腕編集長ウォルター・バーンズを、元妻である同社のトップ記者だったヒルディが訪ねてくる。
ヒルディに未練のあるウォルターは、復縁と自社への復帰を迫るが、彼女は保険会社のブルースと再婚することを告げてそれを断る。
ウォルターは、それを何とか阻止しようとして、何とかヒルディを引き止めることに成功する。
仕方なく取材を始めたヒルディは、死刑囚のアールと面会し、彼が凶悪な人間でないことを知る。
その後も、ウォルターのヒルディ引き止め工作は続いていたが、そんな時、死刑を翌日に控えたアールが脱獄してしまう・・・。
__________

1931年にルイス・マイルストンが「犯罪都市」として製作、監督した作品のリメイクで、1974年にもビリー・ワイルダーが監督してリメイクされている。
*「フロント・ページ」(1974)

1993年、アメリカ議会図書館が、国立フィルム登録簿に登録した作品でもある。

今後、円熟期を迎えるハワード・ホークスの快心作で、その軽快で切れ味の良い、変幻自在の演出には圧倒される。

中でも、主演のケーリー・グラントと元妻役のロザリンド・ラッセルのマシンガン・トーク合戦の凄まじさは驚くばかりで、英語が理解できなくても、その迫力は十分伝わってくる。

作品の公開は、ヨーロッパ第二次大戦が勃発して間もない時期で、それを皮肉るセリフや世の中の情勢などの描写も実に巧みであり、見事な仕上がりを見せている。

当時の劇場で、爆笑が起こったであろうその雰囲気を想像しただけでも楽しくなる、後のコメディにも大いに影響を与えた作品。

辣腕と言うよりも、”策士”に近いケーリー・グラントの軽妙な演技と物腰、そしてセリフ回しも実に魅力的だ。
でしゃばり過ぎず、中盤はロザリンド・ラッセルに主役を譲っているような展開も、余計クライマックスの彼の活躍を期待させる、心憎い演出となっている。

ケーリー・グラントに一歩も引けを取らない、ロザリンド・ラッセルが、終盤記者魂を復活させるシーンでは、思わずガッツポーズが出てしまうほど痛快だ。

人の好い、ヒルディ(R・ラッセル)の婚約者役ラルフ・ベラミー、その母アルマ・クルーガー、悪徳とまではいかないが、市長再選のため死刑執行を急ぐ保安官ジーン・ロックハートと市長役のクレランス・コルブ、ウォルター(C・グラント)に都合よく使われてしまうアブナー・ビバーマン、悪人に見えないところがはまり役の死刑囚ジョン・クォーレン、その恋人ヘレン・マック、市長らに買収される知事の伝達人役ビリー・ギルバートなどが共演している。


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