手相を見る患者のアンジャリ(ヴェロニカ・フェレ)から、遠い場所に旅に出て幸せを見つけ、愛情深い人になると言われたヘクターは、来生でだろうと伝える。
今があなたの来生であり、犬が泣いて少年が泣いていると話すアンジャリから、一人っ子で寂しかった・・・、海岸に若い娘が・・・などと言われたために、ヘクターは彼女を部屋から出す。
ドアの外から、アンジャリに”アグネス”とは誰?と言われたヘクターは驚く。
その後も患者達の悩みを聞いたヘクター、ジェーンと話していて興奮してしまい、彼女を追い出してしまう。
悩むヘクターは、幸せについて調査するため旅に出ることをクララに伝える。
当初は寂しく思うクララだったが、徹底的にやるべきだと言って、中国に旅立つヘクターを励ます。
フライトの予約ミスでビジネスクラスに変更されたヘクターは、銀行家のエドワード(ステラン・スカルスガルド)の隣の席になる。
床に落ちたクララからのプレゼントをエドワードに拾ってもらったヘクターは、それが、旅の記録をする手帳だったために喜ぶ。
ファーストクラスに乗れずに機嫌が悪いエドワードは、ヘクターを迷惑に思いながらもペンを貸す。
アグネスとマイケルの写真を持参していたヘクターは、エドワードから妻かっと訊かれ、学生時代の恋人だと答える。
中国に行く目的を訊かれたヘクターは、精神科医なので、幸せとは何かを調査するためだと伝える。
上海。
ターミナルでエドワードと別れたヘクターだったが、ペンを返すのを忘れたことに気づく。
それを返したヘクターは、エドワードの迎えの車に乗せてもらい市街に向かう。
幸せを教えると言うエドワードは、ヘクターを連れて市内を案内し、高級料理を食べながら、幸せは金で買えるものであり、目標を決めて突き進むようにと助言する。
あるクラブに連れて行かれたヘクターは、学生だというイン・リーから話しかけられ、意気投合して大いに楽しむ。
クラブを出たヘクターとイン・リーは、同じホテルだったために、そのまま愛し合おうとする。
しかし、疲れたヘクターは眠ってしまい、翌朝、イン・リーに感謝した彼は、ランチの約束をして別れる。
市内見物をしてイン・リーに会ったヘクターは、彼女がエドワードから金を受け取り自分の相手をしたことを、現れたクラブの男から知らされる。
ショックを受けたヘクターはイン・リーを責めるが、彼女は男に連れて行かれる。
その後、山岳地帯に向かったヘクターは、ある寺院で僧侶(伊川東吾)に歓迎される。
僧侶から、何を探すかより何を避けているかを考えることが大事だと言われたヘクターは、不幸を避けるのが幸福への道でないことを理解する。
”Skype”でクララと話したヘクターは、今までの旅の報告などをするものの、衛星アンテナが落下して回線が切れてしまう。
上海に戻ったヘクターは、空港で出くわしたエドワードに、アフリカに向かうことを伝えて別れを告げる。
最悪の飛行機で飛び立ったヘクターは、大学時代の恩師であるコアマン教授(クリストファー・プラマー)の著書”幸福という副作用”を持参していた、隣の席のマリー・ルイーズからそれを譲ってもらう。
自分は家族に幸せを感じると言うマリー・ルイーズは、サツマイモのシチューを御馳走するので、無事に着陸出来たら、母親の家の集会に来てほしいとヘクターに伝える。
アフリカに着いたヘクターは、地元の診療所の医師であるマイケルに迎えられ、護衛のマーセルを紹介される。
街に案内されてホテルに向かったヘクターは、その後バーで、農業をしていると言うディエゴ・バレスコ(ジャン・レノ)と話す。
幸せの研究をしていると話したヘクターは、ディエゴから”ニューヨーク・タイムズ”の記者かと訊かれ、隠しマイクがあることを疑われる。
マイクがないことを確認したディエゴは謝罪し、精神科医だと伝えたヘクターは、彼が銃を持っていることに気づき、普通の”農業”ではなくドラッグを商売にしていることを知る。
自分の収穫の方が人を幸せにすると言うディエゴに、その幸せで人が不幸になったらとどうするとヘクターは問う。
供給するのが自分の仕事だと言ってヘクターに襲い掛かったディエゴは、幸せは自らの手でつかめと助言する。
ヘクターから幸せかと訊かれたディエゴはそれを否定し、妻が不幸なので子供も同じであり、自分が幸せなわけがないと答える。
精神科医から処方された薬を飲む妻の症状は悪化していると言われたヘクターは、処方箋を見れば力になれると伝えるものの、それを信じないディエゴはその場を去る。
翌日、ディエゴから処方箋を渡されたヘクターは、量が不適切で2つの薬はダブっていると指摘する。
ディエゴからペンを借りて医師を紹介しようとするヘクターは、妻の悪化は薬の過剰摂取だろうと言って、具合を知らせてほしいと伝えて電話番号も教える。
その様子を見ていたマイケルは、ディエゴはこの国の諸悪の根源だとヘクターに伝える。
ヘクターは、ディエゴのペンを返し忘れたことに気づく。
その後ヘクターは、マイケルの診療所で手伝いをする。
マイケルから、自分が幸せに見えるとしたらマーセルに愛されているからだと言われたヘクターは、彼がゲイであることを知る。
クララと”Skype”で話したヘクターだったが、出かける支度をする彼女は忙しそうで直ぐに切ってしまう。
自分も外出する気になったヘクターは、招待を受けていたマリー・ルイーズの母親の家に向かい歓迎される。
サツマイモのシチューを食べて大いに楽しんだヘクターは、タクシーで町に戻る途中、過激派に拉致されてしまう。
何日も監禁されたヘクターはボスの元に連れて行かれ、手帳の内容を読んだ彼にからかわれる。
友人の妻を助けているため、自分がいなくなればその友人が捜し始めると言うヘクターは、敵にしたくない相手だとボスに伝える。
それが”ディエゴ・バレスコ”だと知ったボスは、証明できないヘクターを痛めつけようとする。
そんな時に、ボスに幸せについてを訊いたヘクターは、欲しければ奪えと言われたため、それを手帳に書き留めようとする。
奪われていたペンを渡されたヘクターは、それがディエゴのものだったことを思い出し、このペンを友人に返してほしいとボスに伝えながら刻まれた名前を見せる。
ボスはヘクターを解放して、街道に置き去りにするよう部下に命ずる。
ヘクターは喜びながらマリー・ルイーズの村に戻り、彼女のいとこに迫られる。
それを断ったヘクターは、皆と共に踊り楽しい時を過ごす。
翌日、街に戻ったヘクターはクララと”Skype”で話し、拉致されて死にかけたことを伝える。
恋しいと伝えたヘクターだったが、身勝手な行動を非難し苛立つクララから、好きなようにすればいいと言われ、次の目的地を訊かれる。
分からないと答えたヘクターは、切られてしまう。
マイケルに傷の手当てをしてもらったヘクターは、ロサンゼルスに行くことを伝え、アグネスかと訊かれたため、仕事とけじめをつけに行くつもりだと答える。
ファーストクラスでアメリカに向かったヘクターは、機長がドクターを探していることを知る。
3か月前に脳腫瘍摘出手術をした女性ジャミラが苦しんでいることを知ったヘクターは、急性の膨張を起こしているため、高度を下げてほしいと機長に伝える。
管制に連絡して許可が出たために機長は高度を下げ、ヘクターは、ジャミラをファーストクラスの自分の席に連れて行き楽にさせる。
自分の幸福について語るジャミラの話を聞きながら、ヘクターは彼女を励まし、無事にロサンゼルスに到着する。
ジャミラを見送るヘクターは、”自分は怖くない、死を恐れる人は人生を恐れると言われる。
名医だと言われるものの分野が違うと伝えたヘクターは、それは問題ではなく、話を聞くことは愛だと信じる彼女と別れる。
海岸に着いたヘクターは、アグネスとマイケルとで写真を撮った場所に向かう。
現れたアグネスが妊娠していることを知ったヘクターは、娘と息子を紹介される。
アグネスの家に車で向かうヘクターは、明日、コアマン教授に会えると言われ、ノーベル賞候補で著書もベストセラーだと知らされる。
アフリカでマイケルに会ったことを話したヘクターは、彼はゲイであり、自分は恋人のクララがいることを伝える。
アグネスの家に着いたヘクターは、彼女の夫アランに歓迎される。
翌日、クララに電話をしてロサンゼルスにいることを知らせたヘクターは、靴下入れの写真のスカンク女に会いに行ったと言われ、彼女は心理学者で二児の母であり妊娠もしている、自分の最も古い友人だと伝える。
口論になり電話を切られたヘクターは、携帯電話を茂みに投げてしまう。
電話が鳴ったためにクララだと思いそれに出たヘクターは、相手がディエゴだと分かり、ペンはどこだと言われる。
ペンで命を救われたと伝ええたヘクターは、ディエゴから、妻は元気になり元の生活に戻ったと言われる。
自分を嫌っている医師(マイケル)の診療所に匿名で寄付するとつもりのディエゴは、いい奴だと言われて電話を切る。
ケアマン教授に会いに”UCLA”に向かったヘクターは、車の中でアグネスから、幸せ過ぎてそれを失うのが怖いと言われる。
夫とは離婚しない自信があると言うアグネスは、だから自分は幸せだと伝える。
”もし自分達が・・・”と言われて気分を害したアグネスは、キャンパスに着き車を降りる。
現実を見て幻想を追うのやめるようにと言うアグネスだったが、かつては本気で愛していたとヘクターに伝える。
でも今は夫がいると伝えたアグネスは、あなたが今、愛しているのは自分ではないと言って校内に向かう。
コアマン教授の講義を聞いたヘクターとアグネスは、研究室に向かう。
ブースに入ったアグネスは、コアマンから、悲しみ、恐怖、幸福が順に感じとれたと言われる。
ヘクターにブースに入るよう指示したコアマンは、感情を特定するために、脳を色分けできるようにして分かりやすくしたことをアグネスに伝える。
ヘルメットを被ったヘクターの脳を調べたコアマンは、解析できないために疑問に思う。
幸せを思い浮かべることができないヘクターは、クララからかかってきた電話に出て、子供が欲しいが自分の子は嫌だと言われる。
コアマンに少し待ってもらったヘクターは、旅のことを何も伝えなかったことをクララに謝罪する。
幸せや不幸については多くを学び、最大の不幸は君を失うことであり、最大の幸福は、君が一生、一緒にいたい男になることだと、ヘクターはクララに伝える。
互いに会いたいと言う二人は涙し、ヘクターはいい感じだと言うアグネスに励まされる。
アグネスの声が聴こえたクララは気にするが、ヘクターと共に幸福の電話であることを確認する。
幸せだったことしか思い浮かばなくなったヘクターの脳の状態を見たコアマンは驚き、初めての体験だとアグネスに伝える。
脳の全てが幸福感に包まれているという信じ難い状況に、コアマンは興奮する。
幸せを実感しながら、愛を確認したヘクターとクララは電話を切る。
コアマンに称えられたヘクターは、空港に向かうことをアグネスに伝えてタクシーに乗り、荷物は送ると言われる。
空港に着いたヘクターは”Skype”で僧侶と話し、素晴らしい旅だったと言って、自信をもって家に戻ることを伝える。
恋人や患者に、人は皆、幸せになれると話せることが楽しみだと言うヘクターは、”幸せになる義務がある”と僧侶に訂正される。
ロンドン。
クララの元に戻ったヘクターは、幸せを実感しつつ、それを皆に語り続ける。
そして、本当の愛を知ったヘクターはクララと結婚する。