銀行家の令嬢と保安官になったカウボーイそして教師から無法者になった男の三角関係を描く、製作ソル・C・シーゲル、監督ラオール・ウォルシュ、主演クレア・トレヴァー、ジョン・ウェイン、ウォルター・ピジョン、ロイ・ロジャース、ジョージ”ギャビー”ヘイズ他共演の西部劇。 |
・西部劇
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■ スタッフ キャスト ■
監督:ラオール・ウォルシュ
製作:ソル・C・シーゲル
原作:W・R・バーネット”The Dark Command”
脚本
グローヴァー・ジョーンズ
ライオネル・ハウザー
F・ヒュー・ハーバート
ジャン・フォーチュン
撮影:ジャック・マータ
編集:ウィリアム・モーガン
音楽:ヴィクター・ヤング
出演
メアリー・マクラウド:クレア・トレヴァー
ボブ・シートン:ジョン・ウェイン
ウィリアム”ウィル”クァントリル:ウォルター・ピジョン
フレッチャー”フレッチ”マクラウド:ロイ・ロジャース
アンドリュー”ドク”グランチ:ジョージ”ギャビー”ヘイズ
アンガス・マクラウド:ポーター・ホール
クァントリル夫人/アダムス夫人:マージョリー・メイン
バックナー判事:レイモンド・ウォルバーン
ブッシュロップ:ジョー・ソーヤー
ヘイル夫人:ヘレン・マッケラー
デイヴ:J・ファレル・マクドナルド
ヘイル:トレヴァー・バーデット
アメリカ 映画
配給 リパブリック・ピクチャーズ
1940年製作 94分
公開
北米:1940年4月15日
日本:1952年4月3日
製作費 $1,000,000
■ アカデミー賞 ■
第13回アカデミー賞
・ノミネート
美術(白黒)・作曲賞
■ ストーリー ■
南北戦争前。
テキサス出身のカウボーイ、ボブ・シートン(ジョン・ウェイン)は、殴った男の歯の治療を、アンドリュー”ドク”グランチ(ジョージ”ギャビー”ヘイズ)にさせながら稼ぎ旅をして、カンザス準州のローレンスに到着する。
学校の傍に馬車を止めようとしたボブは、子供たちの歌声を聴いていた。
ボブは、その場に現れたメアリー・マクラウド(クレア・トレヴァー)から、馬車をどかすようにと言われて苛立つ。
教師のウィリアム”ウィル”クァントリル(ウォルター・ピジョン)は、その様子を見てボブを教室に誘う。
それを断ったボブとドクは去り、ウィルは、惹かれているメアリーを口説く。
ボブもメアリーに惹かれてしまい、町に滞在するつもりだとドクに伝える。
屋敷に戻ったメアリーは、銀行を経営する父親アンガス(ポーター・ホール)と、カウボーイに憧れる弟フレッチャー”フレッチ”(ロイ・ロジャース)が揉めていたために、それを鎮める。
アンガスは、メアリーとウィルの結婚を望んでいた。
その後、店を開いたドクは、歯の治療と共に散髪などもして稼いだ。
町の治安が悪化し、アンガスやバックナー判事(レイモンド・ウォルバーン)が相談して、保安官を決めることになる。
ボブは、殴り合いに加勢してくれたフレッチと仲良くなり、メアリーと結婚するつもりだと彼に話す。
フレッチは、メアリーの弟だとは言わずに、銀行にいた彼女をボブの元に連れて行く。
ボブは、フレッチがメアリーの弟だと知り驚き、身の上話をして結婚を申し込むものの、相手にされなかった。
無職では結婚もできないと考えたボブは、保安官選挙があることを知り、ドクに立候補を勧められる。
読み書きもできないボブはウィルの元に向かい、彼に個人的に教えてもらえることになる。
ボブが保安官に立候補することを知ったウィルは、自分もアンガスに推薦されていたために、それをボブに伝える。
選挙当日、純朴で無学を恥じないボブは人々の心を捉え、保安官に当選する。
マクラウド家に向かったボブはメアリーと話し、愛を告げてキスしその場を去る。
ショックを受けたウィルは、正しいふるまいをしていることにウンザリし、実は悪党だった過去を思い出し、その道で大物になろうとする。
母親(マージョリー・メイン)に制止されたウィルだったが、それを聞き入れようとせず、仲間を集めて各地を荒らしまわるのだが・・・。
■ 解説 評価 感想 ■
1938年に発表された、W・R・バーネットの小説”The Dark Command”を基に製作された作品。
製作ソル・C・シーゲル、ラオール・ウォルシュが監督し、主演はクレア・トレヴァー、ジョン・ウェイン、ウォルター・ピジョン、ロイ・ロジャース、ジョージ”ギャビー”ヘイズなどが共演した作品。
銀行家の令嬢と保安官になったカウボーイ、そして教師から無法者になった男の三角関係を描く西部劇。
南北戦争時にゲリラ部隊”クァントリル・レイダーズ”を率いた、”ウィリアム・クァントリル”の行動を基にして描かれた作品でもある。
”ジョン・ウェイン”の芸名の名付け親であるラオール・ウォルシュとジョン・ウェインにとっては、「ビッグ・トレイル」(1930)以来で組んだ唯一の作品。
第13回アカデミー賞では、美術(白黒)、作曲賞にノミネートされた。
オスカーにノミネートされただけあり、クライマックスで町が焼かれる迫力ある映像は見ものであり、ヴィクター・ヤングの軽快で勇ましい音楽も印象に残る。
銀行家の令嬢を演ずる主演のクレア・トレヴァーは、2人の男の狭間で揺れ動く女心を見事に演じ、前年「駅馬車」(1939)で彼女と組んだジョン・ウェインは、軽いノリのカウボーイ役で登場するものの、保安官となり使命を果たす勇敢な青年を熱演している。
また、紳士、牧師、科学者など誠実な男性の象徴のような存在であるウォルター・ピジョンが、教師から無法者に変貌する役柄を演ずるのは注目だ。
ボブ(ジョン・ウェイン)と親しくなるヒロインの弟ロイ・ロジャース、ボブの相棒を愉快に演ずるジョージ”ギャビー”ヘイズ、ヒロインの父親である銀行家ポーター・ホール、ウィル(ウォルター・ピジョン)の母親マージョリー・メイン、判事のレイモンド・ウォルバーン、無法者のジョー・ソーヤー、夫(トレヴァー・バーデット)をフレッチ(ロイ・ロジャース)に殺される女性ヘレン・マッケラー、銃の密輸人J・ファレル・マクドナルドなどが共演している。