片田舎の貧しい少女からアメリカの代表的歌手に上り詰めたロレッタ・リンの苦難の道と夫婦愛を描く、監督マイケル・アプテッド、主演シシー・スペイセク、トミー・リー・ジョーンズ、ビヴァリー・ダンジェロ他共演によるヒューマン・ドラマの秀作。 |
・トミー・リー・ジョーンズ / Tommy Lee Jones / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:マイケル・アプテッド
製作総指揮:ボブ・ラーソン
製作:バーナード・シュワルツ
原作:ジョージ・ヴェクシー
脚本:トム・リックマン
撮影:ラルフ・D・ボート
編集:アーサー・シュミット
美術・装置
ジョン・W・コルソ
ジョン・M・ドワイヤー
音楽:オーウェン・ブラッドレイ
出演
ロレッタ・リン:シシー・スペイセク
ドゥーリトル“ムーニー”リン:トミー・リー・ジョーンズ
パッツィ・クライン:ビヴァリー・ダンジェロ
テッド・ウェッブ:レヴォン・ヘルム
クララ・ウェッブ:フィリス・ボーエンズ
リー・ドラーハイド:ウィリアム・サンダーソン
本人:アーネスト・タブ
アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
1980年製作 125分
公開
北米:1980年3月7日
日本:1981年6月
北米興行収入 $67,182,790
■ アカデミー賞 ■
第53回アカデミー賞
・受賞
主演女優賞(シシー・スペイセク)
・ノミネート
作品・脚色・編集・撮影・録音・美術賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1947年、ケンタッキー州、ジョンソン郡、ヴァン・リア。
炭鉱夫のテッド・ウェッブ(レヴォン・ヘルム)は、一日の仕事を終え、娘ロレッタ(シシー・スペイセク)に迎えられる。
13歳のロレッタは、軍隊上がりの快活な青年ドゥーリトル“ムーニー”リン(トミー・リー・ジョーンズ)を見かけ、気になる存在になる。
テッドとクララ(フィリス・ボーエンズ)夫妻は子沢山だったため、ロレッタは弟や妹の面倒を見る毎日を送っていた。
ある日、ロレッタはパイの競売会に参加し、彼女のパイをムーニーが落札する。
塩辛いパイに驚いたムーニーは、ロレッタを家まで送り届け、キスをして再会を約束する。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
炭鉱夫の貧しい家庭に生まれたロレッタは、13歳で元軍人の遊び人ムーニーと結婚する。
二人は、即トラブルを抱える間柄になってしまうが、ロレッタは、主婦業の傍ら夫から贈られたギターを手にして歌の才能を発揮し始める。
その後、ムーニーはロレッタのために不休で宣伝活動を始め、ついにチャンスを掴む。
そして、ロレッタは大歌手への道を歩み始め、想像もしなかった富と栄光を手にする。
しかしロレッタは、その過程で失っていくものに気づく・・・。
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1976年に発表された、ジョージ・ヴェクシーによるカントリー・ミュージック・シンガー、ロレッタ・リンの自伝小説を基に製作された作品。
*カントリー歌手クリスタル・ゲイルは、ロレッタ・リンの実の妹。
第53回アカデミー賞では作品賞をはじめ7部門にノミネートされ、シシー・スペイセクが主演女優賞を受賞した。
・ノミネート
作品・脚色・編集・撮影・録音・美術賞
アメリカの国民的歌手ロレッタ・リンや、それに関る音楽の世界と文化、そして気候風土やアメリカ社会の風習などを、マイケル・アプテッドは、イギリス人でありながらそれらを実にリアルに描写している。
ロレッタが生まれ育ち子供時代を過ごした”Butcher Hollow”の家なども見事に再現されている。
”グランド・オール・オプリ”の会場”ライマン公会堂の登場なども、カントリー・ミュージック・ファンにとっては興味深いだろう。
「キャリー」(1976)の演技で一躍注目を集めた主演のシシー・スペイセクは、少女から大歌手に成長するまでのロレッタ・リンを見事に演じ早くもアカデミー主演賞を受賞し、演技派女優としての地位を不動のものにした。
彼女を上回る演技を見せてくれる、若きトミー・リー・ジョーンズの熱演も素晴らしく、アカデミー賞の候補は逃したものの、ゴールデングローブ賞の主演賞にノミネートされた。
しかし、高い評価は受けたものの、製作者側からは、年齢の割に”どぎつい”イメージを指摘され、それが災いしたのか、彼のキャリアが花開くには、更に10年ほどかかることになる。
若くして事故死するスター歌手パッツィ・クライン役のビヴァリー・ダンジェロ、ロレッタの父レヴォン・ヘルム、母のフィリス・ボーエンズ、シンガー・ソングライターのアーネスト・タブも本人役で特別出演している。