F・スコット・フィッツジェラルドとの恋が当時ハリウッドで話題になったコラムニストのシーラ・グレアムがジェロルド・フランクと1958年に共同で発表したロマンス小説を基に製作された作品。 監督ヘンリー・キング、グレゴリー・ペック、デボラ・カー共演の恋愛ドラマ。 |
・グレゴリー・ペック / Gregory Peck / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:ヘンリー・キング
製作:ジェリー・ウォルド
原作
シーラ・グレアム
ジェロルド・フランク
脚本:サイ・バートレット
撮影:レオン・シャムロイ
編集:ウィリアム・H・レイノルズ
音楽:フランツ・ワックスマン
出演
グレゴリー・ペック:F・スコット・フィッツジェラルド
デボラ・カー:シーラ・グレアム
エディ・アルバート:ボブ・カーター
フィリップ・オバー:ジョン・ウィーラー
ハーバート・ラドリー:スタン・ハリス
ジョン・サットン:ロード・ドネガル
カリン・ブース:ジャネット・ピアース
ケン・スコット:ロビンソン
アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
1959年製作 123分
公開
北米:1959年11月17日
日本:1960年4月
■ ストーリー ■
1936年。
孤児院育ちで、コーラスガールから新聞のコラムニストになったシーラ・グレアム(デボラ・カー)は、後見人ウィーラー(フィリップ・オバー)の紹介でデイリーミ・ラー紙のハリウッド担当映画記者になる。
辛口で攻撃的なシーラの記事は話題になるものの、ウィーラーは、その行き過ぎた言動を心配する。
評論家カーター(エディ・アルバート)のパーティーで、シーラは小説家のスコット・フィッツジェラルド(グレゴリー・ペック)に出会い、二人は急速に親しくなる。
しかしシーラは、スコットには、精神障害の妻と13歳になる娘がいることをカーターから知らされる。
その後、スコットはシーラの全てを知りたがり、彼女は、恵まれない生い立ちを告白し、自分を曝け出して、二人は愛を深めるのだが・・・。
ヘンリー・キング自身による、ロマンス作品「慕情」(1955)が、やや過激な登場人物になったような、雰囲気のよく似ている作品で、なんとなく終盤からクライマックスにかけての展開やシーン、さらにはフランツ・ワックスマンの音楽までもが同作を思い起こさせる。
主演のグレゴリー・ペックの役柄は、「スタア誕生」(1954)のジェームズ・メイスン演ずる”ノーマン・メイン”に似ているため、やや新鮮味に欠けているようにも思うし、酒に溺れ堕落してしまう演技も今一しっくりこない。
相変わらず美しいデボラ・カーは、やり手のコラムニストを熱演して、メロドラマのヒロインを見事に演じている。
この役柄については好き嫌いはあるが、清潔感のある、気品ある美貌が全てを許してしまう、そんな雰囲気を持った素晴しい女優だ。
意外に影が薄かったのが残念な評論家のエディ・アルバート、シーラのアメリカでの後見人フィリップ・オバーなどが共演しているが、ほとんど2大スターの描写で占められた作品でもある。