米ソ冷戦下、薬物催眠を施されてアメリカに送り込まれた工作員のテロを阻止しようとするKGBの活動を描く、監督ドン・シーゲル、主演チャールズ・ブロンソン、リー・レミック、ドナルド・プレザンス、タイン・デイリー他共演のサスペンス・アクション。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ドン・シーゲル
製作:ジェームズ・B・ハリス
原作:ウォルター・ウェイジャー”Telefon”
脚本
ピーター・ハイアムズ
スターリング・シリファント
撮影:マイケル・C・バトラー
編集:ダグラス・スチュワート
音楽:ラロ・シフリン
出演
グリゴーリ・ボルゾフ少佐:チャールズ・ブロンソン
バーバラ:リー・レミック
ニコライ・ダルチムスキー:ドナルド・プレザンス
ドロシー・パターマン:タイン・デイリー
マルチェンコ大佐:アラン・バデル
ストレルスキー将軍:パトリック・マギー
マリー・ウィルス:シャーリー・ノース
ハーレー・サンドバーグ:フランク・マース
ハリー・バスコム:ジョン・ミッチャム
アメリカ 映画
配給 ユナイテッド・アーティスツ
1977年製作 102分
公開
北米:1977年12月16日
日本:1978年4月8日
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1月10日、モスクワ。
KGBのストレルスキー将軍(パトリック・マギー)と副官のマルチェンコ大佐(アラン・バデル)は、自宅にいるはずのニコライ・ダルチムスキー(ドナルド・プレザンス)を逮捕しようとするが、彼の姿はなかった。
1月17日、コロラド州、デンバー。
自動車修理工のハリー・バスコム(ジョン・ミッチャム)は、電話を受けて、”ロバート・フロスト”の詩”雪の降る夕方森に寄って”の一節”森は美しく、暗く、深い・・しかし約束がある、眠るまでの道は数十マイルあり・・・”を聞き行動を開始する。
バスコムは、鍵がかかった部屋から箱を持ち出して、トラックのフロント部に据え付けて車を出す。
米軍基地に到着したバスコムは、兵士を射殺し本部に突入して爆死する。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
ソ連の過去の計画であった、薬物催眠による破壊工作がアメリカ国内で起きる。
KGB機密文書局員ダルチムスキーが、工作員の名簿を盗みアメリカに向かい、”テレフォン”計画を実行したのだった。
ダルチムスキーから電話を受けて、”ロバート・フロスト”の詩を聞いた工作員は、米軍基地や施設を破壊した。
KGBのストレルスキー将軍とマルチェンコ大佐は、グリゴーリ・ボルゾフ少佐をアメリカに派遣し、ダルチムスキーを殺害し計画を阻止する極秘任務を命ずる。
カナダに向かったボルゾフは、KGBのスパイ、バーバラに迎えられ、夫婦を装いアメリカに入国する。
そして、情報収集を始めダルチムスキーの行方を追うボルゾフは、計画を阻止しようとするのだが・・・。
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1975年に発表された、ウォルター・ウェイジャーの小説”Telefon”を基に製作された作品。
米ソ冷戦下で、共存を探ろうとする両国間の考えに反する分子による過激な行動、それが過去の計画ではあるものの、第三次大戦を起こしかねないという筋立てが面白い。
計画名”Telefon”というロシア語読みのタイトルがキーポイントで、それほど緻密ではないが、捻りを効かせたスパイ戦を楽しめるピーター・ハイアムズとスターリング・シリファントの脚本、そして、ドン・シーゲルのシャープな演出と要所要所で展開するアクションも見応えあり。
ドン・シーゲル作品の常連ラロ・シフリンの音楽も、「ダーティハリー」(1971)などを意識させない新鮮なものになっているが、ファンとしては、やや物足りない感じもする。
公開当時の1970年代を知る者にとっては、その雰囲気が伝わる映像が何とも懐かしい。
当時の最先端コンピューターの、古めかしい映像さえ興味深い。
リトアニア系移民のチャールズ・ブロンソンは正に適役で、スペシャリストというイメージのKGB局員を寡黙に演じ、その体全体から発する独特の雰囲気で周囲を圧倒する。
主人公に手玉に取られるかと思いきや、強かに女の魅力で彼の心を捉えるラストもいい、二重スパイである現地協力者を好演するリー・レミック、穏健派に対抗して過激な行動に出るKGB機密文書局員のドナルド・プレザンス、CIAのコンピューター・プログラマー役タイン・デイリー、副長官フランク・マース、KGB幹部パトリック・マギーとアラン・バデル、薬物催眠を施される工作員のシャーリー・ノース、同じくジョン・ミッチャム(ロバート・ミッチャムの弟)などが共演している。