娘の交際相手が死亡したことである男に脅される母親の行動を描く、製作ウォルター・ウェンジャー、監督マックス・オフュルス、主演ジェームズ・メイソン、ジョーン・ベネット、ジェラルディン・ブルックス、ヘンリー・オニール他共演のフィルム・ノワール。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:マックス・オフュルス
製作:ウォルター・ウェンジャー
原作:エリザベス・サンゼイ・ホールディング”he Blank Wall”
脚本
メル・ディネリ
ヘンリー・ガーソン
ロバート・E・ケント
ロバート・ソダーバーグ
撮影:バーネット・ガフィ
編集:ジーン・ハヴリック
音楽:ハンス・J・サルター
出演
マーティン・ドネリー:ジェームズ・メイソン
ルシア・ハーパー:ジョーン・ベネット
ベアトリス”ビー”ハーパー:ジェラルディン・ブルックス
トム・ハーパー:ヘンリー・オニール
テッド・ダービー:シェパード・ストラドウィック
デイヴィッド・ハーパー:デイヴィッド・ベア
ネイゲル:ロイ・ロバーツ
シビル:フランシス・E・ウィリアムズ(クレジットなし)
警部補:ウィリアム・シャラート(クレジットなし)
ローン処理担当者:キャサリン・カード(クレジットなし)
アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
1949年製作 82分
公開
北米:1949年12月29日
日本:不明
製作費 $882,650
■ ストーリー ■
カリフォルニア州、バルボア島、クリスマス・シーズン。
夫トムが出張中のルシア・ハーパー(ジョーン・ベネット)は、17歳の娘ベアトリス”ビー”(ジェラルディン・ブルックス)、息子のデヴィッド(デイヴィッド・ベア)、義父のトム(ヘンリー・オニール)と暮らしていた。
ルシアは車でロサンゼルスに向かい、元美術商テッド・ダービー(シェパード・ストラドウィック)に会い、ビーと会うのをやめるよう要求する。
ルシアは、それに同意する条件としてテッドに金を要求されたため、この件を伝えればビーが状況を理解すると言ってその場を去る。
帰宅したルシアは、テッドの件をビーに話すが、テッドから電話を受けていたビーは、彼が金を要求したことを信じない。
ルシアは、テッドと会う気なら美術学校には通わせないとビーに伝える。
その夜、ビーはテッドに会うためにボートハウスに向かう。
トムに手紙を書いていたルシアは、ビーがいないことに気づく。
ビーは、ルシアが話したことをテッドに確認する。
テッドから金が必要だと言われてショックを受けたビーは、彼を殴ってその場から逃げ去る。
起き上がったテッドはビーを追うが、ふらついて転落してしまう。
ビーを捜していたルシアは、取り乱して戻った彼女から、ボートハウスでテッドを殴ったことを知らされる。
ボートハウスに向かったルシアは何も見つけられなかったが、翌朝、テッドがボートハウスのそばで死んでいるのを見つける。
ルシアは、遺体をボートに乗せて運び沼地に捨てる。
その後、遺体は発見され、殺人事件の捜査が始まる。
それを街で知ったルシアは帰宅し、訪ねて来たマーティン・ドネリー(ジェームズ・メイソン)と話す。
ドネリーは高利貸しのネイゲル(ロイ・ロバーツ)の仲間で、ビーがテッドに書いた手紙をルシアに見せ、警察沙汰になると言って、5000ドルでそれを売ることを彼女に伝える。
テッドの借金のかたに手紙を預かっていると言われたルシアは、翌日、会うことをドネリーに約束して、5000ドルを用意しようとするのだが・・・。
■ 解説 評価 感想 ■
1947年に”Ladies’ Home Journal”に掲載された、エリザベス・サンゼイ・ホールディングの小説”he Blank Wall”を基に製作された作品。
製作ウォルター・ウェンジャー、ドイツ出身でフランスでも活躍したマックス・オフュルスが監督し、主演はジェームズ・メイソン、ジョーン・ベネット、ジェラルディン・ブルックス、ヘンリー・オニールなどが共演した作品。
娘の交際相手が死亡したことで、ある男に脅される母親の行動を描くフィルム・ノワール。
2001年に公開された、ティルダ・スウィントン主演の「ディープ・エンド」は本作のリメイク。
ファーストクレジットは、娘の手紙を利用して母親を脅すものの、彼女に惹かれてしまう男を好演するジェームズ・メイソンではあるが、主人公は、娘を必死に守ろうとする母親を演じたジョーン・ベネットで、突然、現れた男に強請られながら、様々なことに対処する母親を熱演している。
緊迫感溢れる展開の中で、高利貸しの仲間で金を脅し取ろうとする男と、彼に強請られる母親が、次第に互いを思いやる関係になる内容が興味深い。
ルシア(ジョーン・ベネット)の娘ジェラルディン・ブルックス、その祖父ヘンリー・オニール、その孫デイヴィッド・ベア、ビー(ジェラルディン・ブルックス)と付き合い事故死する元美術商のシェパード・ストラドウィック、主人公の仲間である高利貸しロイ・ロバーツ、ルシアの家のメイド、フランシス・E・ウィリアムズ、事件を捜査する警部補のウィリアム・シャラート、ローン処理担当者のキャサリン・カードなどが共演している。