1944年にブロードウェイで上演されピューリッツァー賞を受賞したメアリー・チェイスの同名戯曲の映画化。 親友の巨大ウサギ”ハーヴェイ”が見えるという純朴な気のいい男性の周囲で起きる騒動を描く、監督ヘンリー・コスター、主演ジェームズ・スチュワート、ジョセフィン・ハル、ペギー・ダウ、セシル・ケラウェイ共演によるヒューマン・コメディの秀作。 |
・ジェームズ・スチュアート / James Stewart / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:ヘンリー・コスター
製作:ジョン・ベック
原作:メアリー・チェイス
脚本
メアリー・チェイス
オスカー・ブロドニー
撮影:ウィリアム・H・ダニエルズ
編集:ラルフ・ドーソン
音楽:フランク・スキナー
出演
エルウッド・P・ダウド:ジェームズ・スチュワート
ヴィタ・ルイス・シモンズ:ジョセフィン・ハル
ケリー:ペギー・ダウ
ライマン・サンダーソン医師:チャールズ・ドレイク
ウィリー・チャムリー医師:セシル・ケラウェイ
ギャフリー判事:ウィリアム・H・リン
マートル・メエ・シモンズ:ヴィクトリア・ホーン
マーヴィン・ウィルソン:ジェシー・ホワイト
タクシー・ドライバー:ウォーレス・フォード
マグリフ夫人:アイダ・ムーア
チャムリー夫人:ナナ・ブライアント
ショーヴェネ夫人:グレイス・マイルズ
アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
1950年製作 104分
公開
北米:1950年10月13日
日本:1952年2月22日
■ アカデミー賞 ■
第23回アカデミー賞
・受賞
助演女優賞(ジョセフィン・ハル)
・ノミネート
主演男優賞(ジェームズ・スチュワート)
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
気のいい中年男性で、名家の主人エルウッド・P・ダウド(ジェームズ・スチュワート)は、いつも6フィート3インチ半(192cm)の白兎”ハーヴェイ”と行動を共にしていた。
と言っても、ハーヴェイが見えるのはエルウッドだけで、同居人の姉ヴィタ・ルイス・シモンズ(ジョセフィン・ハル)と娘のマートル(ヴィクトリア・ホーン)は、彼の奇異な振る舞いに困り果てていた。
ヴィタは、その日も、エルウッドが毎日通うバーに出かけた隙に、お客を招きマートルの婿探しのパーティーを開く予定でいた。
そのためヴィタは、エルウッドが帰らないようにするため、ギャフリー判事(ウィリアム・H・リン)に連絡して手を打つ。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
名家の主人エルウッド・P・ダウドは、彼自身にしか見えない190cmを超す巨大ウサギ”ハーヴェイ”といつも行動していた。
エルウッドと同居する姉ヴィタは、弟の奇行に困り果て、娘のマートルの婿探しもできずに悩む日々が続いていた。
そんなことも気にせず、人に好かれることをモットーとするエルウッドは、誰にでも気軽に声をかけ、ハーヴェイを紹介しようとする。
そのせいで、マートルの婿探しパーティーも失敗に終わり、仕方なくヴィタはエルウッドを療養所に入れようとする。
ところが、ヴィタの話を聞いたサンダーソン医師は、エルウッドとハーヴェイの話などをする、彼女を異常者だと思い入院させてしまう・・・。
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アメリカの良心、至宝とも言える人気スター、ジェームズ・スチュワートの個性を生かした実に楽しい作品。
ドタバタ喜劇とヒューマン・ドラマを融合させた、ファンタジックな雰囲気も楽しめるヘンリー・コスターの小気味よい演出も光る味わい深い快作である。
第23回アカデミー賞では、舞台のオリジナル・キャストのジョセフィン・ハルが、出色の”怪演”を見せ、見事に助演女優賞を受賞した。
・ノミネート
主演男優賞(ジェームズ・スチュワート)
主人公が、ハーヴェイの存在を信じているだけでなく、アル中気味に描かれているところがなかなか面白い設定で、おっとりとした性格と物腰は、ジェームズ・スチュワートそのものという雰囲気で、穏やかな彼の表情や笑顔は心和ませてくれる。
医師の見解ではないが、かなり支離滅裂で慌しい主人公の姉ジョセフィン・ハルが、誰の目から見ても異常者に見えるのがまた可笑しい。
その母親と共に、結婚適齢期を過ぎて焦るヴィクトリア・ホーン、療養所の若くて美しい受付係ペギー・ダウ、主人公のお陰で彼女と心触れ合うようになる医師のチャールズ・ドレイク、主人公に感化される療養所院長セシル・ケラウェイ、判事ウィリアム・H・リン、看護師役のジェシー・ホワイト、タクシー・ドライバー、ウォーレス・フォード、院長夫人ナナ・ブライアントなどが共演している。