2009年に発表された、トマス・ピンチョンの小説”LAヴァイス”を基に製作された作品。 元恋人から仕事の依頼を受けた私立探偵が陰謀に巻き込まれながら調査を進める姿を描く、製作、監督、脚本ポール・トーマス・アンダーソン、主演ホアキン・フェニックス、ジョシュ・ブローリン、オーウェン・ウィルソン、キャサリン・ウォーターストン、リース・ウィザースプーン、ベニチオ・デル・トロ、ジェナ・マローン、ジョアンナ・ニューサム、マーヤ・ルドルフ、マーティン・ショート、エリック・ロバーツ他共演のネオ・ノアール犯罪ドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ポール・トーマス・アンダーソン
製作
ジョアン・セラー
ダニエル・ルピ
ポール・トーマス・アンダーソン
製作総指揮
スコット・ルーディン
アダム・ソムナー
原作:トマス・ピンチョン”LAヴァイス”
脚本:ポール・トーマス・アンダーソン
撮影:ロバート・エルスウィット
衣裳デザイン:マーク・ブリッジス
編集:レスリー・ジョーンズ
音楽:ジョニー・グリーンウッド
出演
ラリー”ドック”スポーテッロ:ホアキン・フェニックス
クリスチャン・F”ビッグフット”ビョルンセン警部補:ジョシュ・ブローリン
コーイ・ハーリンゲン:オーウェン・ウィルソン
シャスタ・フェイ・ヘップワース:キャサリン・ウォーターストン
ペニー・キンボル地方検事補:リース・ウィザースプーン
ソンチョ・スマイラックス弁護士:ベニチオ・デル・トロ
ホープ・ハーリンゲン:ジェナ・マローン
ソルティレージュ/ナレーター:ジョアンナ・ニューサム
デニス:ジョーダン・クリスチャン・ハーン
ジェイド:ホン・チャウ
リート:ジーニー・バーリン
ペチュニア・リーウェイ:マーヤ・ルドルフ
タリク・カリール:マイケル・ケネス・ウィリアムズ
クランシー・チャーロック:ミシェル・シンクレア
ルディ・ブラットノイド医師:マーティン・ショート
ジャポニカ・フェンウェイ:サーシャ・ピーターズ
クロッカー・フェンウェイ:マーティン・ドノヴァン
マイケル・Z”ミッキー”ウルフマン:エリック・ロバーツ
スローン・ウルフマン:セレナ・スコット・トーマス
ルズ:イベット・イェーツ
リッグス・ワーブリング:アンドリュー・シンプソン
スリープリー医師:ジェファーソン・メイズ
パック・ビーバートン:キース・ジャーディン
エイドリアン・プロシア:ピーター・マクロビー
フラットウィードFBI捜査官:サム・イェーガー
ボーダーラインFBI捜査官:ティモシー・サイモンズ
黄金の牙の母親:サマンサ・ルモール
黄金の牙の娘:マディソン・レイズル
黄金の牙の父親:マット・ドイル
黄金の牙の息子:リアム・ファン・ジューステン
アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
2014年製作 149分
公開
北米:2014年12月12日
日本:2015年4月18日
製作費 $20,000,000
北米興行収入 $8,110,980
世界 $14,710,980
■ アカデミー賞 ■
第87回アカデミー賞
・ノミネート
脚色・衣裳デザイン賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1970年、カリフォルニア州、ゴルディータ・ビーチ。
私立探偵でヒッピーのラリー”ドック”スポーテッロ(ホアキン・フェニックス)は、元恋人のシャスタ・フェイ・ヘップワース(キャサリン・ウォーターストン)が現れたために驚き話を聞く。
シャスタは、付き合っている男の妻と浮気相手から、夫を精神病院に入れる計画に加担することを強要されているとドックに伝える。
恋人で地方検事補のペニー・キンボル(リース・ウィザースプーン)のことを訊かれたドックは、彼女とこの件を話してみるとシャスタに伝える。
シャスタが付き合っている相手が不動産王のマイケル・Z”ミッキー”ウルフマン(エリック・ロバーツ)だと知ったドックは、シャスタを車まで送り別れる。
友人デニス(ジョーダン・クリスチャン・ハーン)やソルティレージュ(ジョアンナ・ニューサム)と共に食事をして家に戻ったドックは、伯母のリート(ジーニー・バーリン)に電話をする。
ドックは、ユダヤ人であるにも拘らずナチが好きなウルフマンが”アーリアン・ブラザーフッド”と付き合っていることなどの情報を入手する。
ドックは、自分と揉めているクリスチャン・F”ビッグフット”ビョルンセン警部補(ジョシュ・ブローリン)が出演する、ウルフマンが経営するチャンネル・ビューの奇妙な不動産CMを見る。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
1970年、カリフォルニア州、ゴルディータ・ビーチ。
私立探偵でヒッピーのラリー”ドック”スポーテッロは、元恋人のシャスタから、付き合っている不動産王ウルフマンの妻と浮気相手にワナにハメられそうになっていると言われ、調査することを約束する。
行動を開始したドックは、自分を敵視する警部補ビッグフットに牽制されながら、謎の船”黄金の牙”が関係する組織のことを突き止めるのだが・・・。
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ノーベル文学賞候補者で覆面作家として知られる、トマス・ピンチョンの小説”LAヴァイス”を基に製作された作品。
トマス・ピンチョンの原作らしい、混沌とした内容の難解な作品ではあるが、脚本を兼ねるポール・トーマス・アンダーソンの密度が濃い演出と、実力派スターの見事な演技により非常に見応えのある作品に仕上がっている。
好評価を受けた本作は、第87回アカデミー賞で脚色・衣裳デザイン賞にノミネートされた。
1970年代初頭の雰囲気を伝えるセットや小道具、衣裳などに加え、当時を思い起こさせる音楽も素晴らしい。
原題の”Inherent Vice”については、主人公の友人として登場するソルティレージュ(ジョアンナ・ニューサム)のナレーションで説明されている。
”インヒアレント・ヴァイス/内在する欠陥”とは海上保険の用語で、”避けられない危険”という意味である・・・。”
ポール・トーマス・アンダーソンとは「ザ・マスター」(2012)に続くコンビとなる主演のホアキン・フェニックスは、自堕落なヒッピー探偵として、陰謀に巻き込まれながら調査を続ける人間味のある男性を見事に演じている。
主人公を敵視する警部補を怪演するジョシュ・ブローリン、様々な組織に潜入する情報屋のオーウェン・ウィルソン、主人公の元恋人を印象的に演じ、本作で注目されたキャサリン・ウォーターストン、主人公と付き合う地方検事補リース・ウィザースプーン、主人公の弁護士を地味に演ずるベニチオ・デル・トロ、主人公に夫(オーウェン・ウィルソン)の捜索を依頼する元ヘロイン中毒の女性ジェナ・マローン、主人公の友人であり良き相談相手であるナレーターも担当するジョアンナ・ニューサム、主人公と行動を共にする青年ジョーダン・クリスチャン・ハーン、主人公に協力するマッサージ・パーラーの女性ホン・チャウ、主人公の伯母ジーニー・バーリン、主人公がオフィスを借りているクリニックの受付マーヤ・ルドルフ、主人公に仕事を依頼するギャングのマイケル・ケネス・ウィリアムズ、同じく仕事を依頼するミシェル・シンクレア、主人公が探りを入れる変態歯科医マーティン・ショート、彼に堕落させられる少女のサーシャ・ピーターズ、その父親である大物弁護士のマーティン・ドノヴァン、事件のキーマンである姿を消した不動産王のエリック・ロバーツ、その妻セレナ・スコット・トーマス、その浮気相手アンドリュー・シンプソン、黄金の牙が関係するカルト教団施設の医師ジェファーソン・メイズ、ウルフマン(エリック・ロバーツ)の用心棒キース・ジャーディン、警察に雇われている殺し屋のピーター・マクロビー、FBI捜査官のサム・イェーガーとティモシー・サイモンズ、クライマックスで主人公からヘロインを受け取る黄金の牙の家族サマンサ・ルモール、マディソン・レイズル、マット・ドイル、リアム・ファン・ジューステンなどが共演している。