新聞社の堅物社会部長とジャーナリズムを教える女性教授との大人のラブ・コメディ。 監督ジョージ・シートン、主演クラーク・ゲイブル、ドリス・デイ、ギグ・ヤング共演。 |
・クラーク・ゲーブル / Clark Gable / Pinterest
・ドリス・デイ / Doris Day / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジョージ・シートン
製作:ウィリアム・パールバーグ
脚本
フェイ・ケニン
マイケル・ケニン
撮影:ハスケル・ボッグス
編集:アルマ・マクローリー
音楽:ロイ・ウェッブ
出演
クラーク・ゲイブル:ジェームズ・ギャノン/ジェームズ・ギャラガー
ドリス・デイ:エリカ・ストーン
ギグ・ヤング:ヒューゴ・パイン
マミー・ヴァン・ドーレン:ペギー・デフォー
ニック・アダムス:バーニー・コヴァック
チャールズ・レイン:ロイ
ハリー・アントリム:ロイド・クロウリー
ピーター・ボールドウィン:ハロルド・ミラー
ジャック・アルバートソン:新聞社見学ガイド
ヴィヴィアン・ネーサン:コヴァック夫人
アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
1958年製作 120分
公開
北米:1958年4月1日
日本:1958年7月15日
北米興行収入 $6,491,970
■ アカデミー賞 ■
第31回アカデミー賞
・ノミネート
助演男優(ギグ・ヤング)
脚本賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ニューヨーク。
”ニューヨーク・イブニング・クロニクル”の社会部長ジェームズ・ギャノン(クラーク・ゲイブル)は、中卒のたたき上げで現在の職に至る、自論を曲げない堅物だった。
ある日、雑用係のバーニー・コヴァック(ニック・アダムス)の母親(ヴィヴィアン・ネーサン)は、社の見学ツアーに参加してギャノンに会いに来る。
コヴァック夫人は、学業を諦めて新聞社に入った、息子バーニーを復学させたいとの意向をギャノンに伝える。
ギャノンは、一人前になるのに学業はいらないことを、自分が中卒であることを例にとり力説する。
しかし夫人は、親として大切に育て上げた子供に教育は受けさせたいと譲らず、ギャノンは、仕方なくバーニーに話をすることを彼女に伝えて安心させる。
当然クビだと思ったバーニーだったが、ギャノンは、記事を書く心得を彼に伝授し、いずれ話をする考えを伝えて仕事を続けさせる。
その後ギャノンは、編集長のロイド・クロウリー(ハリー・アントリム)に呼び出される。
大学の夜間講座の、講師の依頼を断り続けていたギャノンだったが、社長がその大学の理事で名誉学位までもらっていることから、講師の依頼を受けることを編集長から命令される。
仕方なく、大学に出向いたギャノンは、魅力的な女性教授エリカ・ストーン(ドリス・デイ)と対面することになる。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
中卒のたたき上げが自慢の、新聞社の社会部長ジェームズ・ギャノンは、大学の夜間講師として招かれるが、それを拒否し続ける。
しかし、ギャノンは、編集長の命令で仕方なくそれを受けることになる。
ギャノンは、講義を担当する魅力的な教授エリカ・ストーンに惹かれてしまう。
成り行きで学生になってしまったギャノンは、プロの立場を隠してエリカをからかうが、罪悪感も感じてしまう。
その後も、ギャノンはエリカのことが気になり、恋人らしき心理学者パインの存在を知り嫉妬してしまう。
そんな時、ギャノンは、エリカの父親が高名な地方新聞社の社主だったことを知り、ジャーナリズムを利用し、彼女をからかった自分を恥じてしまう・・・。
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監督がジョージ・シートンということもあり、単なるラブ・コメディに終わらず、随所に見られる人情味溢れるシーンや、男の生き様をストレートに描く、彼の演出の真骨頂が、十分に生かされている快作だ。
第31回アカデミー賞では、助演男優(ギグ・ヤング)、脚本賞にノミネートされた。
個人的には、クラーク・ゲイブルの晩年の作品としてはベストにあげたい。
自信に満ち溢れる、彼特有の無駄のない身のこなしや演技は、いつもと同じようにも見える。
しかし、茶目っ気もあり仕事はできるものの、どちらかというと、傲慢なだけで冴えない中年役だけに、彼のイメージを覆しているとも言える。
ハンフリー・ボガートの場合も同様、お決まりの、クールでダンディな役柄よりも、本人達は、意外にこのような役を好んだのかもしれない。
とにかく、本作のゲーブルは”粋”なのだ。
心理学者のギグ・ヤングに、エリカ(D・デイ)の心理分析をしてもらいながら、マティーニを作る時の、ゲーブルの手際の良さや仕草は、とても演技には見えない、惚れ惚れしてしまう。
個人的には、お気に入り女優ベスト5には入るドリス・デイのインテリ教授ぶりも最高だ。
今回は挿入歌で歌を披露してくれるが、作品中では、一瞬、主人公の恋人の歌手(マミー・ヴァン・ドーレン)の歌を皮肉りおどける場面はあるが、ほぼ演技に専念している。
インテリを演じても、素朴な人柄がにじみ出ている、清潔感溢れる彼女の演技は、いつ見ても心が和む。
その上を行く超インテリ役、アカデミー助演賞にノミネートされたギグ・ヤングも、嫌味なところが全くない、実にいい味を出している。
地味な役だが、社会部デスク役のベテラン俳優チャールズ・レインの、いかにも・・・というような初老の部下役も印象に残る。
*実はクラーク・ゲイブルの方が年上。
彼のような実力のある脇役に支えられて、名作が出来上がることを思いなが観ると、一層本作が素晴らしく思える。
クラブ歌手で、主人公の恋人マミー・ヴァン・ドーレン、社会部見習いの雑用係ニック・アダムス、その母ヴィヴィアン・ネーサン、編集長のハリー・アントリム、当初は主人公に嫌われるインテリ社員ピーター・ボールドウィン、冒頭のツアー・ガイド、ジャック・アルバートソンなどが共演している。