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赤い河 Red River (1948)

テキサスからカンザスまでのキャトル・ドライブで”チザムの牛の道”を初めて切り開いた男達を豪快に描いた架空のドラマ。
監督ハワード・ホークス、主演ジョン・ウェインのコンビによる傑作西部劇。
共演モンゴメリー・クリフトジョーン・ドルーウォルター・ブレナンハリー・ケリー、音楽ディミトリ・ティオムキン

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


西部劇

ジョン・ウェイン / John Wayne 作品一覧
ジョン・ウェイン / John Wayne/Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:ハワード・ホークス

製作:ハワード・ホークス
原作:チャールズ・スクニー”The Chisholm Trail.”
脚本:
ボーデン・チェイス
チャールズ・スクニー
撮影:ラッセル・ハーラン
編集:クリスティアン・ニービー
音楽:ディミトリ・ティオムキン

出演
ジョン・ウェイン:トム・ダンスン
モンゴメリー・クリフト:マシュー”マット”ガース
ジョーン・ドルー:テス・ミレイ
ウォルター・ブレナン:ネディーン・グルート
ハリー・ケリー: Mr.メルヴィル
ジョン・アイアランド:チェリー・ヴァランス
ハリー・ケリーJr.:ダン・ラティマー
コリーン・グレイ:フェン
ノア・ベリーJr.:バスター・マッギー
ハンク・ウォーデン:シムス・リーヴス
ポール・フィックス:ティーラー・イェーシー
アイヴァン・パリー:バンク・ケネリー
チーフ・ヨウラチ:クオ
リチャード・ファーンズワース:牧童
シェリー・ウィンターズ:幌馬車隊でダンスする女性

アメリカ 映画
配給 ユナイテッド・アーティスツ
1948年製作 132分
公開
北米:1948年9月30日
日本:1951年12月21日
製作費 $3,000,000


アカデミー賞 ■
第21回アカデミー賞

・ノミネート
編集・原作賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1851年。
トム・ダンスン(ジョン・ウェイン)と相棒ネディーン・グルート(ウォルター・ブレナン)は、幌馬車隊と共にテキサス近郊にたどり着く。

二人は、テキサスに大農場を作る夢をかなえるため、幌馬車隊と別行動をとることになる。

ダンスンは、同行を希望する恋人フェン(コリーン・グレイ)に別れを告げ、彼女に母親のブレスレットを渡す。

ダンスンとグルートは、テキサスとの境界線”赤い河”を目の前に、幌馬車隊がコマンチに襲われているのろしを見て警戒する。

その夜、二人はコマンチに襲われるものの、それを倒し、ダンスンは、殺した相手がフェンのブレスレットをしていることに気づく。
...全てを見る(結末あり)


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
テキサスに大牧場を持つ夢を抱くトム・ダンスンは、相棒グルートと共に”赤い河”を渡り南下する。
途中、コマンチに襲われた幌馬車隊の生き残り少年マットを連れ、 ダンスンは、ついに理想の牧草地にたどり着く。
時は流れ、1万頭の牛を保有する大牧場主になっていたダンスンだったが、財産もない彼は、牛をミズーリに運んで売りさばこうとする。
そしてダンスンは、マットやグルートと共に牧童を集め、誰も成し遂げたことのない苦難の旅に挑もうとする・・・。
__________

チャールズ・スクニーの原作である”The Chisholm Trail.”を基に製作された作品。

第21回アカデミー賞では、編集・原作賞にノミネートされた。

1990年、アメリカ議会図書館が、国立フィルム登録簿に登録した作品。

ウェインの特異なキャラクターや、多彩な出演陣を巧みに使い分け、キャトル・ドライブをテーマに置き、西部劇独特の醍醐味を見事にスクリーンに映し出している。
復讐撃でもあるが、後腐れない、潔い男らしさや生き様を描いた、ハワード・ホークスの演出手腕は冴え渡る。

勇ましく雄壮なディミトリ・ティオムキンの主題曲は、後に同じハワード・ホークスの「リオ・ブラボー」(1959)でも使われる。

1万頭のキャトルドライブを、迫力ある映像で見せるラッセル・ハーランの撮影も素晴らしい。

ウェインは、「勇気ある追跡」(1969)でアカデミー賞を獲得することになるが、本作や「捜索者」(1956)、または「静かなる男」(1952)あたりが、受賞に相応しかったとも思える。

大牧場を作ることだけを夢みて、自分の信念を貫き通そうとする男は、愛した女も捨て、形振り構わず突き進む。
ジョン・フォードの「捜索者」(1956)同様、作品中、ウェインは終始怒っている。
こういう役が許され、また演じられるのは彼くらいしかいない。

ウェインの物腰や、張りのあるバリトンの声は、40歳になったばかりとは思えない貫禄と迫力で圧倒的な存在感だ。

優男に見えがちなモンゴメリー・クリフトだが、デビュー2作目とは思えない。
ウェインの向こうを張り、小柄ながら精神的にも逞しく、堂々と牧童頭を演じている。

リオ・ブラボー」(1959)でもウェインとの絶妙のコンビ見せることになるウォルター・ブレナンは、ひょうきんな世話焼き老人役を、紅一点のジョーン・ドルーのじゃじゃ馬娘ぶりも、ドラマにアクセントを加えている。

ニヒルなジョン・アイアランドジョン・フォードの恩人で盟友ハリー・ケリーと息子ハリー・ケリーJr.ハンク・ウォーデンらの出演も、ファンには嬉しいどころか涙ものだ。

残念ながらハリー・ケリーは、本作の公開を待たずに他界し、それを忍んでジョン・フォードが製作した作品が、ウェインハリー・ケリーJr.出演で本作の直後に公開される「三人の名付親」(1948)だ。
こちらにもハンク・ウォーデンは出演している。

後に名バイプレイヤーとして活躍する牧童のポール・フィックスノア・ベリーJr.、アイヴァン・パリー、チーフ・ヨウラチリチャード・ファーンズワース、主人公の恋人でコマンチに殺されるコリーン・グレイ、「陽のあたる場所」(1951)でモンゴメリー・クリフトと共演するシェリー・ウィンターズも、終盤の幌馬車隊の一員で端役出演している。

テキサスの牧草地の場面とラストで登場する”Red River D”の焼印は、本作後にウェインが、ハワード・ホークス作品他で使用するベルトのバックルのデザインになる。
ジョン・フォード作品では、さすがに遠慮して付けていない。

*私も愛用しています。
(レプリカなのでオリジナルとは違う)

ピーター・ボグダノヴィッチの「ラスト・ショー」(1971)で、閉館間近の映画館で最後に上映されていたのが本作「赤い河」だった。
ジョン・フォードを敬愛するも、インタビュー等で彼に素っ気無く対応されたのが原因でもないだろうが、ビグダノヴィッチの西部劇への思い入れを、ハワード・ホークスの本作を使うことで表現したかったようにも思える。


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