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十字砲火 Crossfire (1947)

1945年に発表された、リチャード・ブルックスの小説”The Brick Foxhole”を基に製作された作品。
ユダヤ人殺害事件を解明しようとする刑事の執念の捜査を描く、監督エドワード・ドミトリク、主演ロバート・ヤングロバート・ミッチャムロバート・ライアングロリア・グレアム他共演によるフィルム・ノワールの名作。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト ■
監督:エドワード・ドミトリク

製作:エイドリアン・スコット
原作:リチャード・ブルックス”The Brick Foxhole”
脚本:ジョン・パクストン

撮影:J・ロイ・ハント
編集:ハリー・G・ガースタッド
音楽:ロイ・ウェッブ

出演
フィンレイ警部:ロバート・ヤング

ピーター・キーリー軍曹:ロバート・ミッチャム
モンゴメリー:ロバート・ライアン
ジニー・トレメイン:グロリア・グレアム
男:ポール・ケリー
ジョセフ・サミュエルズ:サム・レヴェン
フロイド・バウワー:スティーヴ・ブロディ
メアリー・ミッチェル:ジャクリーン・ホワイト
アーサー・ミッチェル伍長:ジョージ・クーパー
リロイ:ウィリアム・ピップス

ディック:トム・キーン
ルイス:マーロ・ドワイアー

アメリカ 映画
配給 RKO
1947年製作 86分
公開
北米:1947年7月22日
日本:1986年11月15日
製作費 $678,000
北米興行収入 $1,300,000


アカデミー賞 ■
第20回アカデミー賞
・ノミネート
作品・監督
助演男優(ロバート・ライアン
助演女優(グロリア・グレアム
脚色賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
第二次大戦終結直後、ワシントンD.C.
ある部屋で男が殴り倒される。

相手が意識不明だと確認した男はその場を去る。

事件現場に駆け付けたフィンレイ警部は、被害者ジョセフ・サミュエルズ(サム・レヴェン)の死を確認する。

サミュエルズの女友達ルイス(マーロ・ドワイアー)は、彼と食事に行く約束だったためその場で事件を知る。

ルイスは、サミュエルズがバーで3人の復員兵と一緒だったことをフィンレイに話し、動揺する彼女は帰ろうとする。

それを許可したフィンレイは、頭をテーブルで打ったものの、サミュエルズは殴られた傷の方が多いことを知る。

ルイスが部屋を出ようとすると、バーで会ったサミュエルズが気になり見来たと言う復員兵モンゴメリー(ロバート・ライアン)が入り口に立っていた。
...全てを見る(結末あり)


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
第二次大戦終結直後、ワシントンD.C.
ユダヤ人のサミュエルズが殺害され、事件を担当するフィンレイ警部は、被害者が三人の復員兵と一人の女性と行動していたことを知る。
その場に財布を落とし行方が分からないミッチェル伍長に疑いがかかり、被害者と関りを持ったモンゴメリーやその上官だったキーリーなどからフィンレイは話を聞く。
ホテルに戻ったミッチェルを連れ出し話を聞いたキーリーは、殺人犯には思えない彼を助けるために同僚達に協力を求める。
捜査は難航し、ミッチェルは人を殺すような人物ではないと言う周囲の意見とは裏腹に、彼の犯行の疑いは深まる。
殺人には必ず理由があるはずで、行動を共にした者達は被害者と深い関係がなかったことにフィンレイは注目し、単純な動機による犯行ではないかと考える・・・。
__________

リチャード・ブルックスの原作は同性愛を題材にしているが、本作はそれをユダヤ人他の人種問題などに置き換えている。

4か月後に公開される「紳士協定」(1947)でもユダヤ人差別問題が描かれ、本作がそれを本格的に扱った最初の作品とも言われている。

犯人は序盤でほぼ判明するのだが、人間心理の愚かさと単純な思想がその動機になったと気づく過程など、巧みに練られた脚本とエドワード・ドミトリクの細やかな人物描写と演出によりドラマに引き込まれていく。

人種問題が原因の犯行であることは観る者にとっては明らかなため、サスペンスとしては冷静に観ていられる内容で、クライマックスにはトリックまで仕組まれているサービス精神旺盛な演出も嬉しい。

第20回アカデミー賞では、作品、監督、助演男優(ロバート・ライアン)、助演女優(グロリア・グレアム)、脚色賞にノミネートされた。

警官の鏡のような冷静沈着な行動と捜査で犯行を解明する警部を好演するロバート・ヤング、兵士達を統率する立場で捜査に協力する軍曹ロバート・ミッチャム、ファンであれば、冒頭の影だけで犯人が彼であることは分かる、ユダヤ人他に偏見を持つ兵士を、オスカーにノミネートされただけあり熱演するロバート・ライアン、疑われる兵士ジョージ・クーパーに絡む女で、出番は少ないが印象深い演技を見せるオスカー候補のグロリア・グレアム、彼女に関係する男ポール・ケリー、被害者のユダヤ人サム・レヴェン、殺される兵士スティーヴ・ブロディ、疑われる兵士の妻ジャクリーン・ホワイト、兵士ウィリアム・ピップス、刑事トム・キーン、被害者の女友達マーロ・ドワイアーなどが共演している。


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