馬泥棒の罪で捕えられた流れ者と強引な手法で開拓地を統治する”判事”ロイ・ビーンの奇妙な友情を描く、製作サミュエル・ゴールドウィン、監督ウィリアム・ワイラー、主演ゲイリー・クーパー、ウォルター・ブレナン、ドリス・ダヴェンポート、フォレスト・タッカー他共演による西部劇の秀作。 |
・西部劇
■ スタッフ キャスト ■
監督:ウィリアム・ワイラー
製作:サミュエル・ゴールドウィン
原案:スチュアート・N・レイク
脚本
ニーヴン・ブッシュ
ジョー・スワーリング
W・R・バーネット
リリアン・ヘルマン
オリヴァー・ラファージ
撮影:グレッグ・トーランド
編集:ダニエル・マンデル
美術・装置:ジェームズ・バセヴィ
音楽
ディミトリ・ティオムキン
アルフレッド・ニューマン
出演
コール・ハーデン:ゲイリー・クーパー
ロイ・ビーン:ウォルター・ブレナン
ジェーン=エレン・マシューズ:ドリス・ダヴェンポート
キャリフェト・マシューズ:フレッド・ストーン
ウェイド・ハーパー:フォレスト・タッカー
チキンフット:ポール・ハースト
サウスウェスト:チル・ウィルス
リリー・ラングトリー:リリアン・ボンド
バート・コブル:ダナ・アンドリュース
モート・ボロー:チャールズ・ハルトン
シャド・ウィルキンス:トレヴァー・バーデット
キング・エヴァンス:トム・タイラー
ヘンリー・ウィリアムス:ジャック・ペニック
アメリカ 映画
配給 ユナイテッド・アーティスツ
1940年製作 100分
公開
北米:1940年9月20日
日本:1951年1月11日
製作費 $1,000,000
■ アカデミー賞 ■
第13回アカデミー賞
・受賞
助演男優賞(ウォルター・ブレナン)
・ノミネート
原案・美術賞(白黒)
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
南北戦争後、人々は西へと向かう。
判事ロイ・ビーン(ウォルター・ブレナン)は、独断で牛飼い達を統治していた。
入植者達は畑を耕し始め、そして両者は争い始める。
1882年、テキサス、フォート・デイヴィス。
土地を牛飼いに荒らされた入植者のシャド・ウィルキンス(トレヴァー・バーデット)が捕えられ、ビーンの元に連れて行かれる。
ヴィネガローン。
ビーンはシャドを牛殺しの罪で裁き、容赦なく絞首刑にする。
酒場の経営者でもあるビーンは、仲間達と共に店に向い、憧れのイギリス人女優”リリー・ラングトリー”のために乾杯する。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
1882年、テキサス。
強引な手法で土地を統治する判事ロイ・ビーンは、入植者を捕えて容赦なく絞首刑にする。
酒場の経営者でもあるビーンは、イギリス人女優”リリー・ラングトリー”に憧れその思いは異常だった。
そこに連行された、馬泥棒のコール・ハーデンを裁こうとしたビーンは、彼がリリーと会ったことがあり、髪の毛まで持っているというので刑を延期する。
ビーンと飲み明かし、翌日その場を去ったハーデンは、入植者ジェーンらが虐げられていることを知り、ビーンと彼女らの争いを友好的に解決する方法を探るのだが・・・。
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暴挙とも言える統率力で土地を統治するロイ・ビーンの圧倒的な個性を強調しながら、善悪の狭間をかいくぐる主人公を絡めた巧みに練られた脚本、ウィリアム・ワイラーの細部までこだわる緻密な映像描写と丁寧な演出が冴える西部劇の名作。
悪党の親玉にしか見えない法の番人の弱点を見抜き操る主人公が、入植者側に付きながら平和的に解決させようとするという、善と悪の単純な対決でない展開がなかなか面白い。
結局は主人公らの対決になるのだが、二人のほのかな友情も描かれるクライマックスがまたいい。
第13回アカデミー賞では、助演男優賞(ウォルター・ブレナン)を受賞し、原案、美術賞(白黒)にノミネートされた。
流れ者のガンマン風ではあるが、飄々とした雰囲気で判事ロイ・ビーンを翻弄するゲイリー・クーパーの好演は光る。
その主演ゲイリー・クーパーを完全に喰ってしまったと言えるウォルター・ブレナンは、極悪非道な男として登場しながら、憎めない愛すべきキャラクターで出色の名演を見せる。
彼は本作で3度目のアカデミー助演男優賞を受賞し、この記録は未だに破られていない。
前年の「風と共に去りぬ」(1939)の”スカーレット·オハラ”役を争った、勇気ある入植者の女性ドリス・ダヴェンポート、その父親フレッド・ストーン、入植者フォレスト・タッカー、ロイ・ビーンの手下で牛飼いのポール・ハースト、チル・ウィルス、ロイ・ビーンが憧れる女優リリー・ラングトリーのリリアン・ボンド、入植者ダナ・アンドリュース、トレヴァー・バーデット、ジャック・ペニック、葬儀屋チャールズ・ハルトン、馬泥棒トム・タイラーなどが共演している。