1993年に発表された、ジェームズ・リー・バークの”デイヴ・ロビショー・シリーズ”、”In the Electric Mist with Confederate Dead”を基に、アレック・ボールドウィンが主演した”Heaven’s Prisoners”に続く2度目の映画化。 女性殺人事件をきっかけにベテラン刑事が過去に目撃した事件との関係を探る執念の捜査を描く、監督ベルトラン・タヴェルニエ、主演トミー・リー・ジョーンズ、ジョン・グッドマン、ピーター・サースガード、ケリー・マクドナルド他共演のサスペンス。 |
・トミー・リー・ジョーンズ / Tommy Lee Jones / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:ベルトラン・タヴェルニエ
製作
マイケル・フィッツジェラルド
フレデリック・ブールボロン
製作総指揮
グルナラ・サルセノーヴァ
ペネロピー・グラス
原作:ジェームズ・リー・バーク
脚本
イエジー・クロモロウスキ
メアリー・オルソン=クロモロウスキ
撮影:ブリュノ・ド・ケイゼル
編集
ティエリー・デロクル(フランス版)
ロベルト・シルヴィ
ラリー・マダラス
音楽:マルコ・ベルトラミ
出演
デイヴ・ロビショー:トミー・リー・ジョーンズ
ジュリー”ベビー・フィート”バルボーニ:ジョン・グッドマン
エルロッド・サイクス:ピーター・サースガード
ブーツィー・ロビショー:メアリー・スティーンバージェン
ケリー・ドラモンド:ケリー・マクドナルド
ローザ”ロージー”ゴメス:ジャスティナ・マシャド
エベール”トゥインキー”レモイン:ネッド・ビーティ
ベン・ヘバート:ジェームズ・ギャモン
ルー・ジラド:プルイット・テイラー・ヴィンス
アラフェア・ロビショー:アラナ・ロック
ジョン・ベル・フッド:レヴォン・ヘルム
マーフィ・ドゥーセ:バーナード・ホック
サム”ホグマン”パティン:バディ・ガイ
マイケル・ゴールドマン:ジョン・セイルズ
アメリカ/フランス 映画
配給 Ithaca Pictures
2009年製作 117分
公開
北米:2009年2月18日
フランス:2009年4月15日
日本:未公開
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ルイジアナ州、アイビーリア郡。
ハリケーン・カトリーナの傷跡も残り復興途中であるこの地で、刑事デイヴ・ロビショー(トミー・リー・ジョーンズ)は、娼婦だったという19歳の女性の惨殺死体を確認して捜査を始める。
デイヴは、被害者が金持ちの白人と関係があったという情報を入手する。
そんな時デイヴは、付近にロケに来ているハリウッド・スター、エルロッド・サイクス(ピーター・サースガード)の車を、飲酒運転ということで止める。
同乗していた俳優ケリー・ドラモンド(ケリー・マクドナルド)を残し、デイヴはエルロッドを署に連行しようとする。
途中エルロッドは、南北戦争を舞台にした映画のロケ地の湿地帯で、鎖が巻かれていたという白骨化した死体を見つけたことをデイヴに話す。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
ルイジアナ州、アイビーリア郡。
女性殺害事件の捜査を始めた、地元の刑事デイヴ・ロビショーは、事件に金持ちの白人が関係していることを知る。
ハリケーン・カトリーナの傷跡も残り、復興途中の地元では、南北戦争を舞台にした映画のロケが行われていた。
そんな時デイヴは、その映画に出演するスター、エルロッドを飲酒運転で逮捕する。
デイヴは、一緒にいた恋人で女優のケリーを残し、エルロッドを署に連行しようとする。
途中デイヴは、エルロッドが、湿地帯で鎖をつけた白骨化した死体を見つけたと聞き、それに興味を示し、協力する条件で彼を解放する。
その死体は、40年前の少年時代、デイヴが目撃した痛ましい事件の証拠となる可能性があった。
デイヴは、その件と平行して、金持ちの白人の線で、映画製作に関っているというマフィアのボス、バルボーニらに探りを入れ始めるのだが・・・。
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「ノーカントリー」(2007)の保安官を思わせる登場も嬉しいトミー・リー・ジョーンズだが、それとは違い、手荒な手法で捜査を進めていくあたり、どちらのキャラクターにも興味が沸いてしまうというところが、彼の実力派としての証である。
酔ってばかりで、今一、冴えないハリウッドのスターや、その映画に絡むマフィア、犯罪の雰囲気が漂う湿地帯の周辺で起きる猟奇的な殺人、夢か現実か、主人公に、世の道を諭す南北戦争当時の将軍(亡霊、幻覚)・・・。
謎めいた事件を、一層、混迷へと導く展開は実に興味深い。
魅力的なキャスティングにも拘らず、北米でも公開されたとは言えない作品で、当然、日本では劇場未公開に終わった。
途中から、主人公自体が、幻覚に惑わされると言うよりも、存在していないのか?とも思いつつ、平穏な結末を迎えようとしながらの、ラストの謎の写真のなど、ベルトラン・タヴェルニエの工夫を凝らした演出も注目だ。
これだけのキャスティングで、ワンマン作品のようにも思える、圧倒的な存在感を見せるトミー・リー・ジョーンズの、貫禄の演技は見応え十分だ。
見た目の迫力では負けていないマフィアのボス、ジョン・グッドマン、平常な場面がほとんどない映画スター、ピーター・サースガード、その恋人で、同じく俳優のケリー・マクドナルド、主人公の妻を落ち着いた雰囲気で演ずるメアリー・スティーンバージェン、主人公に協力するFBI捜査官役のジャスティナ・マシャド、かつての事件にも関っていた黒幕のネッド・ビーティ、元看守である情報提供者で、本作が遺作のジェームズ・ギャモン、主人公の同僚役のプルイット・テイラー・ヴィンス、主人公の養女のアラナ・ロック、幻覚で現われるジョン・ベル・フッド将軍のレヴォン・ヘルム、殺人の実行犯バーナード・ホック、情報源で、ブルース・ギタリストでもあるバディ・ガイ、映画の製作者役ジョン・セイルズなどが共演している。