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秘密調査員 The Undercover Man (1949)

1947年に週刊誌”Collier’s Weekly ”に掲載された、1931年にアル・カポネを起訴に追い込んだ財務省の捜査官フランク・J・ウィルソンの自伝を基に映画化されたフィルム・ノワールの代表作品。
暗黒街の大物を脱税で起訴しようとする捜査官達の戦いを描く、製作ロバート・ロッセン、監督ジョゼフ・H・ルイス、主演グレン・フォードニナ・フォックジェームズ・ホイットモア他共演のサスペンス。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト ■
監督:ジョゼフ・H・ルイス

製作:ロバート・ロッセン
原作:フランク・J・ウィルソン
脚本
ジャック・ルービン
シドニー・ベーム

撮影:バーネット・ガフィ
編集:アル・クラーク
音楽:ジョージ・ダニング

出演
フランク・ウォーレン:グレン・フォード

ジュディス・ウォーレン:ニナ・フォック
ジョージ・パパス:ジェームズ・ホイットモア
エドワード・J・オローク:バリー・ケリー
スタンリー・ワインバーグ:デヴィッド・ウルフ
“ビッグ・フェロー”:ケン・ハーヴェイ
サルヴァトーレ・ロッコ:アンソニー・カルーソ

ローザ・ロッコ:ジョーン・レイザー
マリア・ロッコ:エスター・ミンチオッティ

シドニー・ゴードン:レオ・ペン

アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ

1949年製作 84分
公開
北米:1949年3月21日
日本:未公開


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
財務省の特別捜査官フランク・ウォーレン(グレン・フォード)は、実家に向かう妻ジュディス(ニナ・フォック)を連れ立って、新たな仕事のために、調査員ジョージ・パパス(ジェームズ・ホイットモアとスタンリー・ワインバーグ(デヴィッド・ウルフ)に合流する。

映画館で情報源と接触したウォーレンだったが、その男は彼と別れた後に殺されてしまう。

財務省は、ギャングの大物である”ビッグ・フェロー”(ケン・ハーヴェイ)を有罪にするための調査をウォーレンらに命じ、彼らは、殺された男から情報を受け取る予定だった。

街を牛耳るビッグ・フェローは、自分に不利になることには全て圧力をかけてきていた。

人々は報復を恐れてウォーレンに情報を流さず、警察も非協力的で調査は難航する。

ウォーレンらは令状を取り、ビッグ・フェローが関係する場所の帳簿を押収し、数字との格闘を始める。
...全てを見る(結末あり)


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
財務省の特別捜査官フランク・ウォーレンは、妻ジュディスを連れ、新たな仕事のため調査員パパスとワインバーグに合流する。
ギャングの大物”ビッグ・フェロー”を有罪にするための調査を命ぜられたウォーレンらだったが、情報を提供するはずの男が殺されてしまう。
さらにビッグ・フェローは、各方面に圧力をかけ、報復を恐れた人々は、ウォーレンに情報を流さなかった。
それでも、ウォーレンは手を緩めなかったが、妻ジュディスにまで危険が及ぶ。
やがて、組織の帳簿係であるロッコが隠していた手帳を手に入れたウォーレンは、ビッグ・フェローと組織を壊滅させるための証拠を掴む・・・。
__________

事実に基づいたストーリーのため、主人公や組織の幹部などの配役名が、実在の人物に似せているところなどが興味深い。

また、「アンタッチャブル」(1987)はリメイクではないが、同じ題材を扱った作品で、当然ではあるが共通点が多くあり、見比べると非常に面白い。

原題の通り、表舞台に出ない”秘密調査”を進める捜査官の物語だけに、サスペンスの醍醐味に加え、日々の地味な努力や苦悩も細かく描かれ、平凡な市民に励まされながら勇気を与えられる主人公の、人間味を感じさせる人物描写など、緊迫感溢れる展開に加え、ジョゼフ・H・ルイスの演出も見応えある。

行き詰まる捜査、家族の危険など、苦難の道を歩み、弱さを見せながらも正義を信じ、ターゲットを追い詰める捜査官グレン・フォードの、繊細な演技も光る。

夫を励まし、悪に怯まない気丈な妻を演ずる若きニナ・フォック、妻帯者の苦悩を理解する同僚捜査官ジェームズ・ホイットモアデヴィッド・ウルフ、保身のため組織を裏切る弁護士バリー・ケリー、そして息子ショーン・ペンに、顔の輪郭などが良く似ている会計士役レオ・ペンの登場などは、貴重な映像として必見だ。


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