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扉をたたく人 The Visitor (2008)

不自由ない生活を送る初老の教授の空虚な人生を描く、主演リチャード・ジェンキンスヒアム・アッバスハーズ・スレイマン他共演、監督トム・マッカーシーによる社会派ヒューマン・ドラマの秀作。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(ヒューマン)


スタッフ キャスト ■
監督:トム・マッカーシー

製作総指揮
オマール・アマナット

クリス・サルヴァテッラ
ジェフリー・スコール

リッキー・ストラウス
ジョン・ウォルデンバーグ
製作
マイケル・ロンドン

メアリー・ジェーン・スカルスキー
脚本:トム・マッカーシー
撮影:オリヴァー・ボーケルバーグ

編集:トム・マカードル
音楽:ヤン・A・P・カズマレック

出演
ウォルター・ヴェイル:リチャード・ジェンキンス

モーナ・ハリル:ヒアム・アッバス
タレク・ハリル:ハーズ・スレイマン
ゼイナブ:ダナイ・グリラ
バーバラ:マリアン・セルデス
ジェイコブ:リチャード・カインド
カレン:マギー・ムーア
チャールズ:マイケル・カンプステイ

アメリカ 映画
配給 Overture Films

2008年製作 103分
公開
北米:2008年4月11日
日本:2009年6月27日
製作費 $4,000,000
北米興行収入 $9,422,422
世界 $17,978,842


アカデミー賞 ■
第81回アカデミー賞

・ノミネート
主演男優賞(リチャード・ジェンキンス


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
コネティカット・カレッジ”の経済学教授ウォルター・ヴェイル(リチャード・ジェンキンス)は、妻を亡くして以来、心を閉ざし孤独な生活を送っていた。

そんなウォルターは、大学側からニューヨークの学会に行くよう指示される。

ニューヨークの別宅のアパートに向かったウォルターは、人の気配を感じ、そこに若いカップルが滞在していることに驚いてしまう。

青年タレク・ハリル(ハーズ・スレイマン)とその恋人ゼイナブ(ダナイ・グリラ)は、ウォルターを侵入者だと思い乱暴しようとする。

しかし、事情を知った二人は、自分達の誤りを認めてウォルターに謝罪しアパートから立ち去る。

二人が宿のないことを知ったウォルターは、アパートに彼らを呼び戻し滞在させることにする。
...全てを見る(結末あり)


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
地位や経済的に恵まれている大学教授ウォルター・ヴェイルは、妻を亡くし満たされない日々を送っていた。
そんな時、ウォルターの前に、二人の不法入国者のカップル、タレクとゼイナブが現れる。
宿のない2人を自分のアパートに滞在させて、交流を深めたウォルターだったが、タレクが入管拘置所に拘留されてしまう。
ウォルターは、音楽を通じ、自分に生きる喜びを感じさせてくれたタレクを、何とか救おうとする。
そしてウォルターは、タレクの母親モーナと親交を深めながら、彼の自由を勝ち取るために奔走するのだが・・・。
__________

不自由ない生活を送る初老の教授の空虚な人生と夢や希望を抱きながらもアラブ人というだけで人格を無視され虐げられた日々を送らざるを得ない貧しい青年の過酷な運命を象徴的に対比させて、アメリカ社会の抱える問題を浮き彫りにして描く秀作ドラマ。

北米では、わずか4館の限定公開で始まった低予算映画ながら、各映画賞などを受賞し高い評価を受けた作品。

大作嗜好のアメリカ映画界の中で、このような作品が発表され、また絶賛されることで、アメリカの、文化として映画を支えようとする姿勢、底力を痛感させてくれる作品でもある。

第81回アカデミー賞では、名バイプレイヤーとして、多くの作品でその存在感を示していたリチャード・ジェンキンスが、60歳を過ぎて初主演した作品で、惜しくも受賞は逃すものの主演男優賞にノミネートされた。

一般人から見ると、羨むような立場の人物が、その空虚な日々から人間味を感じさせない前半、カップルやその母親との交流で、新たな人生を掴もうとする主人公を演ずるリチャード・ジェンキンスの抑えた演技は秀逸だ。

厳しい生活環境の中、息子を愛し守ろうとする母親を、質素な美しさと共に好演するヒアム・アッバス、アメリカに夢を抱きながらも、結果的に裏切られて送還される青年ハーズ・スレイマン、その恋人ダナイ・グリラ、主人公のピアノ教師役マリアン・セルデス、同じアパートの住人リチャード・カインドなどが共演している。


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