老朽船の機関長に任命された大富豪の御曹司の恋や成長を描く、製作ダリル・F・ザナック、監督ジョン・フォード、主演リチャード・グリーン、ナンシー・ケリー、プレストン・フォスター、ジョージ・バンクロフト他共演のドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジョン・フォード
製作:ダリル・F・ザナック
原作:レイ・ミルホーランド
”The Splinter Fleet of the Otranto Barrage”
脚本
ウィリアム・フォークナー
ライアン・ジェームズ
ダーレル・ウェーア
ジャック・イェレン
撮影:アーサー・C・ミラー
編集:ロバート・L・シンプソン
音楽:アーサー・ラング
出演
ペリー・タウンゼント三世:リチャード・グリーン
スーザン・リーズ:ナンシー・ケリー
ジョン・C・ドレイク:プレストン・フォスター
リーズ船長:ジョージ・バンクロフト
エルスワース”スパッズ”フィケット:スリム・サマーヴィル
ラザフォード・デイヴィス・プラット:エリシャ・クックJr.
マックアリソン:ジョン・キャラダイン
オラフ・スワンソン:ウォード・ボンド
”セイルズ”クィンキャノン:J・ファレル・マクドナルド
スパークス:ロバート・ロウリー
ガンズ・マクピーク:ジャック・ペニック
ジョセフ・メイトランド提督:チャールズ・トローブリッジ
歩哨:ロン・チェイニーJr.
アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
1938年製作 95分
公開
北米:1938年11月25日
日本:1939年9月
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
第一次大戦下、ニューヨーク。
大富豪の御曹司でプレイボーイで有名なペリー・タウンゼント三世(リチャード・グリーン)は、ジョセフ・メイトランド提督(チャールズ・トローブリッジ)に呼ばれ、機械工学に長けた才能を買われ、駆潜艦599の機関長に任命される。
ペリーは帰り際に、貨物船船長の娘スーザン・リーズ(ナンシー・ケリー)の、故障した車を直してあげる。
入隊の日、スーザンに再会し、船まで車で乗せてもらったペリーだったが、乗船する駆潜艦599は、父のヨットより小さな老朽船だった。
それに驚気ながら乗船したペリーは、ラザフォード・デイヴィス・プラット(エリシャ・クックJr.)やオラフ・スワンソン(ウォード・ボンド)と顔を会わせる。
その夜、下船して酒場に出かけたペリーは、スージーと船員のマックアリソン/マック(ジョン・キャラダイン)に出くわす。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
プレイボーイで有名な、大富豪の御曹司ペリー・タウンゼント三世は、老朽駆潜艦599の機関長に任命される。
ごみためのような、船での生活を始めたペリーは、貨物船の船長リーズの娘スージーと出会い恋に落ちる。
しかし、リーズはスーザンが幸せになれないと判断し、ペリーを毛嫌いして交際を禁じてしまう。
そこに、リーズの船を含めた船団の護衛でSC599に出航命令が下る。
イタリアのブリンディジに到着したペリーは、何とかスーザンを呼び出して結婚を約束するが、リーズが現れて殴り倒される。
その後、SC599は任務のためアドリア海に向かうことになり、リーズは、ペリーのスーザンに対する真剣な気持ちを知り彼に謝罪しようとするのが・・・。
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レイ・ミルホーランドの著書、”The Splinter Fleet of the Otranto Barrage”を基に製作された作品。
ジョン・フォードが7ヶ月前の「四人の復讐」(1938)に続き監督、同作に出演した弱冠20歳のリチャード・グリーンを主演にした、スケールの感のある戦争をテーマにしたロマンス。
男臭い戦争映画としても十分に楽しめるが、そこに見事にロマンスを絡めて、ユーモアも交えた実に楽しい作品。
主人公や艦長と船上の男達との交流などは、いかにもフォードらしい演出が散りばめられ、ロマンスは完結しないものの、海の男、そして軍人として逞しく成長した主人公が次の任務に挑む姿で終わるラストも清々しい。
いかにもお坊ちゃまという風貌のリチャード・グリーンと、撮影当時17歳とは思えない,落ち着いた雰囲気のあるナンシー・ケリーの若々しいカップルも好感が持てる。
ヒロインの父で、頑固な貨物船船長を豪快に演ずるジョージ・バンクロフト、以下フォード一家の、艦長のプレストン・フォスター、炊事係スリム・サマーヴィル、甲板長役のジャック・ペニック、貨物船の船員ジョン・キャラダイン、提督役のチャールズ・トローブリッジ、水兵のウォード・ボンド、そしてフォード作品には25作も出演した駆潜艦副官J・ファレル・マクドナルド、インテリの水兵エリシャ・クックJr.、ロバート・ロウリー、歩哨ロン・チェイニーJr.などが共演している。