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帰郷 Coming Home (1978)

脚本家ナンシー・ダウドの原案を基に製作された反戦映画。
ベトナム戦争に夫を送り出し女性と心を閉ざす下半身不随の帰還兵との関係を描く、監督ハル・アシュビー、主演ジェーン・フォンダジョン・ヴォイトブルース・ダーン他共演のドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ


スタッフ キャスト ■
監督:ハル・アシュビー

製作:ジェローム・ヘルマン
原案:ナンシー・ダウド
脚本
ウォルド・ソルト

ロバート・C・ジョーンズ
撮影:ハスケル・ウェクスラー
編集:ドン・ジンマーマン

出演
サリー・ハイド:ジェーン・フォンダ

ルーク・マーティン:ジョン・ヴォイト
ボブ・ハイド:ブルース・ダーン
ビル・マンソン:ロバート・キャラダイン
ヴァイ・マンソン:ペネロープ・ミルフォード
ディンク・モーブリー:ロバート・ギンティ
ピー・ウィー:チャールズ・サイファーズ
コリーン:オリヴィア・コール
キャシー・デリース:キャスリーン・ミラー
アール・デリース:ビーソン・キャロル
リンカーン医師:ブルース・フレンチ
ヴァージル:ウィリー・タイラー

アメリカ 映画
配給 ユナイテッド・アーティスツ

1978年製作 126分
公開
北米:1978年2月15日
日本:1978年9月2日
製作費 $3,000,000
北米興行収入 $13,470,510


アカデミー賞 ■
第58回アカデミー賞

・受賞
主演男優(ジョン・ヴォイト
主演女優(ジェーン・フォンダ
脚本賞
・ノミネート
作品・監督
助演男優(ブルース・ダーン
助演女優(ペネロープ・ミルフォード
編集賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1968年、春、カリフォルニア
夫のアメリカ海兵隊大尉ボブ・ ハイド(ブルース・ダーン)をベトナムに送り出したサリー(ジェーン・フォンダ)は、同じく恋人のディンク・モーブリー(ロバート・ギンティ)に別れを告げたヴァイ・マンソン軍曹(ペネロープ・ミルフォード)に誘われ彼女の家に向かう。

サリーはヴァイから、弟のビル(ロバート・キャラダイン)が軍隊で精神を病み、入院生活を送っていることを聞かされる。

そんな話を聞いたサリーは、病院で働いているヴァイの紹介で、ボランティアの仕事をすることにする。

病院でサリーは、下半身不随の戦傷者でベトナム帰還兵のルーク・マーティン(ジョン・ヴォイト)が、不平を言い取り乱している場に遭遇する。
...全てを見る(結末あり)


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
ベトナム戦争に夫ボブを送り出したサリー・ハイドは、親友ヴァイの紹介で軍病院のボランティアを始める。
サリーはそこで、高校の同級生である、下半身不随になった帰還兵のルーク・マーティンに出会う。
心を閉ざして周囲に八つ当たりするルークだったが、サリーは彼と心触れ合うようにもなる。
ボブの休暇で香港に向かったサリーだったが、彼が、思い描いていたような戦争でないことで悩んでいるのを知る。
ルークは退院するが、ヴァイの弟で軍役で精神を病んでいたビルの死をきっかけに、反戦行動で問題を起こし、FBIに監視されるようになる。
帰国したサリーは、拘束されたルークの身柄を引き取り、そして二人は愛し合うようになるのだが、ボブが負傷して帰還するという連絡が入る・・・。
__________

戦争により、夫婦の愛、そして残された妻のもう一つの愛が破壊される姿を、ストレートな反戦映画として描いた、当時はかなり衝撃的な作品であった。

その後は、より過激な反戦映画が作られたために、今観ると、ハル・アシュビーの演出は、かなり”穏やかな”感じを受けることを再確認した。

第58回アカデミー賞では、主演男優賞(ジョン・ヴォイト)、主演女優賞(ジェーン・フォンダ)を受賞した。
脚本賞
・ノミネート
作品・監督
助演男優(ブルース・ダーン
助演女優(ペネロープ・ミルフォード
編集賞

ベトナム戦争当時、多くの若者に支持されたビートルズサイモン&ガーファンクルなどの名曲が随所に挿入され、効果的に使われている。

実際に、反戦運動の先頭に立ち活躍していたジェーン・フォンダの、過激な演技が見られるのかと思いきや、一歩も二歩も引いた間接的な傍観者として、物静かに戦争の悲惨さを見つめる役柄に徹する、その控えめな演技が素晴らしい。

同じく、戦争の直接の犠牲者で、とてつもない偏屈な患者として登場するジョン・ヴォイトの、人生や戦争について見つめ直し、精神的に成長していく傷病兵役の熱演も胸をうつ。

戦争、そして帰国した後の現実に絶望し自ら命を絶つブルース・ダーン、軍の体験で精神を病み絶命するロバート・キャラダイン、その姉ペネロープ・ミルフォード、その恋人ロバート・ギンティなどが共演している。


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