2002年に発表された、アリス・シーボルトのベストセラー同名小説の映画化。 惨殺された少女が自分の死が原因で崩壊しかけた家族を別世界で見守る姿を描く、製作総指揮スティーヴン・スピルバーグ、製作、監督ピーター・ジャクソン、主演シアーシャ・ローナン、マーク・ウォールバーグ、レイチェル・ワイズ、スタンリー・トゥッチ、スーザン・サランドン他共演のファンタジー・サスペンス。 |
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■ スタッフ キャスト ■
監督:ピーター・ジャクソン
製作総指揮
スティーヴン・スピルバーグ
テッサ・ロス他
製作
キャロリン・カニンガム
フラン・ウォルシュ
ピーター・ジャクソン他
原作:アリス・シーボルト
脚本
フラン・ウォルシュ
フィリッパ・ボウエン
ピーター・ジャクソン
撮影:アンドリュー・レスニー
編集:ジャベス・オルセン
音楽:ブライアン・イーノ
出演
スーザン”スージー”サーモン:シアーシャ・ローナン
ジャック・サーモン:マーク・ウォールバーグ
アビゲイル・サーモン:レイチェル・ワイズ
ジョージ・ハーヴィー:スタンリー・トゥッチ
リン:スーザン・サランドン
リンジー・サーモン:ローズ・マクアイヴァー
バックリー・サーモン:クリスチャン・トーマス・アシュデール
レン・フェナーマン:マイケル・インペリオリ
レイ・シン:リース・リッチー
ルース・コナーズ:キャロリン・ダンド
クラリッサ:アマンダ・ミシュルカ
ブライアン・ネルソン:ジェイク・アベル
デニース”ホリー”ル・アン:ニッキー・スーフー
ケイデン:トム・マッカーシー
アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
2009年製作 135分
公開
北米:2009年12月11日
日本:2010年1月29日
製作費 $65,000,000
北米興行収入 $43,818,840
世界 $93,621,300
■ アカデミー賞 ■
第82回アカデミー賞
・ノミネート
助演男優賞(スタンリー・トゥッチ)
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1973年。
14歳のスーザン”スージー”サーモン(シアーシャ・ローナン)は、父ジャック(マーク・ウォールバーグ)、母アビゲイル(レイチェル・ワイズ)、妹のリンジー(ローズ・マクアイヴァー)、そして弟バックリー(クリスチャン・トーマス・アシュデール)とで、幸せな生活を送っていた。
ある日、スージーは弟バックリーの呼吸が止まったのを知り、慌てて車を運転して、病院に運び彼の命を救う。
スージーは、祖母リン(スーザン・サランドン)から、弟を救った自分が長生きすると言われるのだが・・・。
クリスマスも近づく頃、ショッピングセンターに家族で買い物に行ったスージーは、同級生のレイ・シン(リース・リッチー)をみかけて心奪われてしまう。
1973年12月6日。
スージーは学校でレイに声をかけられ、彼が自分に好意を持っていることを知る。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
幸せなサーモン家の長女スーザン”スージー”が、隣人ハーヴィーに殺されてしまう。
スージーの遺体は見つからず、諦めきれない父ジャックは彼女を見つけ出そうとする。
しかし、現実を受け入れた母アビゲイルは精神的に不安定になり、家族の絆に亀裂が入り始める。
その頃スージーは、あまりにも早い自分の死を受け入れられずに、天国を前にした世界で家族にメッセージを送り続ける。
一方、犯人のハーヴィーは、自分を疑い始めたスージーの妹リンジーを襲う行動にでる。
そしてスージーのメッセージを感じたジャックは、ハーヴィーが犯人だと確信するのだが・・・。
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残忍な少女惨殺事件のサスペンスにファンタジーを絡めたピーター・ジャクソンの斬新な演出、そして期待のアイルランド人子役シアーシャ・ローナン他の魅力的な出演者なども話題になった作品。
おぞましい殺人が起きる現実とは余りにも対照的な、VFXポストプロダクション”WATデジタル”による、天国(の手前)の世界観など脅威の映像が楽しめる。
原作を読んでいないと解りにくい”ラブリーボーンが育つ(成長)していく・・・”というセリフの意味は、単純に、家族の絆がより強くなっていくという解釈であろう。
序盤から引き込まれるストーリーなのだが、中盤までに祖母の存在を強調して描く割には、後半に、期待していたほどの彼女の絡みや、スージーの存在を感じる弟の霊感などについての言及もなく、やや消化不良的な感じもする。
そのせいか、北米興行収入も前評判を下回り約4400万ドル弱、全世界でも1億ドルに達しない、ピーター・ジャクソン作品にしてはやや寂しい結果に終わってしまった。
「つぐない」(2007)でアカデミー助演賞候補になった、主演の大役を任されたシアーシャ・ローナンは、その直後の撮影でもあり、当時まだ13歳とは思えない、物語をリードする貫禄さえ感じる見事な演技を見せてくれる。
大物スターながら、主人公の娘を控えめな演技で支える両親役マーク・ウォールバーグとレイチェル・ワイズ、他の作品とは全く違う雰囲気で、平静を装う残虐な殺人鬼を好演するスタンリー・トゥッチ、上記のように、その存在を期待しただけに、地味な役柄に徹する祖母役のスーザン・サランドン、中盤から重要な役として活躍する、主人公の妹役ローズ・マクアイヴァー、弟クリスチャン・トーマス・アシュデール、刑事役のマイケル・インペリオリ、主人公が思いを寄せるリース・リッチー、霊感を持つ少女キャロリン・ダンド、主人公の友人アマンダ・ミシュルカ、その恋人のジェイク・アベル、殺人の犠牲者で別世界の案内役のニッキー・スーフー、校長トム・マッカーシーなどが共演している。