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普通の人々 Ordinary People (1980)

兄を事故で亡くした少年が自分の責任と考え苦悩する姿と家族との関係を描く、監督ロバート・レッドフォード、主演ドナルド・サザーランドメアリー・タイラー・ムーアジャド・ハーシュティモシー・ハットンエリザベス・マクガヴァン他共演のドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ


スタッフ キャスト ■
監督:ロバート・レッドフォード

製作:ロナルド・L・シュワリー
原作:ジュディス・ゲストOrdinary People
脚本
アルヴィン・サージェント

ナンシー・ダウド
撮影:ジョン・ベイリー
編集:ジェフ・カニュー
音楽:マーヴィン・ハムリッシュ

出演
カルヴィン・ジャレット:ドナルド・サザーランド

ベス・ジャレット:メアリー・タイラー・ムーア
タイロン・C・バーガー:ジャド・ハーシュ
コンラッド・ジャレット:ティモシー・ハットン
ジェニン・ブラット:エリザベス・マクガヴァン
カレン・オルドリッチ:ダイナ・マノフ
スティルマン:アダム・ボールドウィン
サイラン:M・エメット・ウォルシュ
ジョー・レーゼンビー:フレドリック・レーン
ジョーダン”バック”ジャレット:スコット・ドーブラー

アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ

1980年製作 124分
公開
北米:1980年9月19日
日本:1980年3月21日
製作費 $6,000,000
北米興行収入 $54,766,923


アカデミー賞 ■
第53回アカデミー賞

・受賞
作品・監督
助演男優(ティモシー・ハットン
脚色賞
・ノミネート
主演女優(メアリー・タイラー・ムーア
助演男優(ジャド・ハーシュ


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
シカゴ
弁護士カルヴィン・ジャレット(ドナルド・サザーランド)は、快活な妻ベス(メアリー・タイラー・ムーア)と高校生の息子コンラッド(ティモシー・ハットン)とで郊外に暮らしていた。

コンラッドは、ヨットの事故で兄ジョーダン”バック”(スコット・ドーブラー)を救えなかったことを自分の責任と考え、時々悪夢にうなされていた。

カルヴィンは、それが原因で自殺未遂を起こし、病院に入っていたコンラッドを気遣い、心の傷を癒すために彼を精神科に通わせようとしていた。

母ベスは、コンラッドと必要以上の会話を求めず余所余所しい態度で接する。

精神科医タイロン・C・バーガー(ジャド・ハーシュ)に会ったコンラッドは、4ヶ月施設にいた理由の自殺未遂について聞かれる。

難題だと判断したバーガーは、週二回来ることをコンラッドに伝え、彼はそれを両親に話す。
...全てを見る(結末あり)


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
シカゴ
弁護士カルヴィン・ジャレットは、妻ベスと息子コンラッドとで郊外に暮らしていた。
家族は、ヨットの事故で長男を亡くし、その心の傷を乗り越えようとしていた。
しかし、コンラッドは、兄の死を自分の責任と考えた末に自殺未遂を起こし、病院で療養生活を送り退院したばかりだった。
父カルヴィンは息子を気遣い、精神科医のバーガーに診せようとする。
しかし、長男を溺愛していたベスは、親子にも拘らず、コンラッドとは気まずい関係を続けていた。
バーガーのセラピーは受けるものの、感情を抑えようとするコンラッドは心を開かない。
そんなコンラッドは、放課後の水泳部の練習にも身が入らずにいたのだが、同じ高校に通うジェニンに心引かれるようになる。
そしてコンラッドは、ジェニンとの交流で心癒されるのだが・・・。
__________

1976年に発表された、ジュディス・ゲストの小説”Ordinary People”を基に製作された作品。

大スター、ロバート・レッドフォードが、心に傷を持つ少年と、その家族が崩壊していく様を繊細に描いた初監督作品。

本作は絶賛され、第53回アカデミー賞では作品、監督、助演男優(ティモシー・ハットン)、脚色賞を受賞した。
・ノミネート
主演女優(メアリー・タイラー・ムーア
助演男優(ジャド・ハーシュ

ロバート・レッドフォードは、演技賞にはノミネートされていたのの、初監督作品で監督賞を受賞するという快挙を成し遂げ、その才能を高く評価された。

家族やその愛の崩壊を、社会問題として根底のテーマで描いているが、それは言い尽くされたことと考えて、アメリカ映画に、派手な作品イメージしない方は、違う視点で本作などをじっくりご覧になることをお勧めします。

これぞアメリカ映画の底力と感じるような作品であり、登場人物各人の心理描写や感情表現の素晴らしさは際立ち、当然のごとく、映画を芸術文化と考える、プロの仕事振りを堪能できる作品でもある。

マーヴィン・ハムリッシュの美しい主題曲も印象に残り、その後、スタンダード・ナンバーとしてよく聴かれる曲となった。

主人公の家族、平凡な家庭に見える食卓に、真の”幸せ”が感じらないショットは、以後、同じような環境の家庭を映し出すのによく使われる構図となり、公開当時、斬新な感じを受けたことを思い出す。

現在でも活躍を続ける意気の長いスター、息子に気を使い過ぎた末に、夫婦の愛を失う夫役のドナルド・サザーランドと、実力派女優メアリー・タイラー・ムーアの、中盤からクライマックスにかけての夫婦間の問題を演ずる、二人の演技のぶつかり合いは見ものだ。

物語の中心人物であり、主演と言っていいほどの存在感で熱演する、オスカー受賞者(20歳227日で受賞)となったティモシー・ハットン、彼を冷静に見守る精神科医のジャド・ハーシュ、コンラッド(T・ハットン)の心の拠り所となり交流を深めるエリザベス・マクガヴァン、コンラッドの病院の友人ダイナ・マノフ、高校の友人アダム・ボールドウィンフレドリック・レーン、水泳部のコーチのM・エメット・ウォルシュ、主人公家族の長男スコット・ドーブラーなどが共演している。

公開から1年以上経った頃、ヨーロッパに向かった機内上映作品が本作で、映写機材の故障で鑑賞できず、非常に残念に思った記憶がある。


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