同じデパートで働く仮釈放中の男女の恋の行方を描く、製作、監督フリッツ・ラング、主演シルヴィア・シドニー、ジョージ・ラフト、バートン・マクレーン、ハリー・ケリー、ロバート・カミングス他共演のフィルム・ノワール。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:フリッツ・ラング
製作:フリッツ・ラング
原案:ノーマン・クラスナー
脚本:ヴァージニア・ヴァン・アップ
撮影:チャールズ・ラング
編集:ポール・ウェザーワックス
音楽:クルト・ヴァイル
出演
ヘレン・ロバーツ・デニス:シルヴィア・シドニー
ジョー・デニス:ジョージ・ラフト
ミッキー・ベイン:バートン・マクレーン
ジェローム・モリス:ハリー・ケリー
カフィ:ロスコー・カーンズ
パッツィ:ジョージ・E・ストーン
ギル・カーター/ギンピー:ウォーレン・ハイマー
ジム:ロバート・カミングス
ナックス:エイドリアン・モリス
バスハウス:ロジャー・グレイ
モリス夫人:セシル・カニンガム
レヴィンス夫人:ヴェラ・ゴードン
アンディ・レヴィンス:エゴン・ブレッチャー
デイトン:ウィラード・ロバートソン
テキスト:グイン・ウィリアムズ
ネリー:ベルナデーネ・ヘイズ
カーリー・ブロンド:ジョイス・コンプトン
ギャング:ジャック・ペニック
トーチシンガー:キャロル・ペイジュ
アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
1938年製作 94分
公開
北米:1938年6月1日
日本:1939年10月
製作費 $789,000
■ ストーリー ■
大手デパートのオーナーであるジェローム・モリス(ハリー・ケリー)は、仮釈放された犯罪者に更生の機会を与えるため、スタッフには知らせずに雇用していた。
店員のヘレン・ロバーツ(シルヴィア・シドニー)は、仮釈放中のジョー・デニス(ジョージ・ラフト)との親交を深め、愛し合う仲になった。
しかしジョーは、自分がまじめなヘレンに相応しくない男だと考え、カリフォルニアに旅立とうとする。
見送ってくれたヘレンから、結婚を申し込むならイエスだと言われたジョーは、バスを降りて彼女との愛を確かめ、その日のうちに結婚する。
ヘレンのアパートに向かったジョーは、大家のレヴィンス夫妻(エゴン・ブレッチャー/ヴェラ・ゴードン)に追い出されそうになるが、結婚したことを知った2人に祝福される。
ジョーとヘレンの結婚生活は始まるのだが、職場で従業員同士の結婚が認められないために、それを秘密にしておく。
実は自分も仮釈放中だったヘレンは、それをジョーに話すことができなかった。
ジョーは、かつての仲間で悪党のミッキー・ベイン(バートン・マクレーン)から声をかけられていたが、恩人であるモリスを裏切ることはできずに誘いを断っていた。
ジョーの刑務所仲間で同僚のギル・カーター/ギンピー(ウォーレン・ハイマー)やカフィ(ロスコー・カーンズ)、パッツィ(ジョージ・E・ストーン)、ジム(ロバート・カミングス)らは、ミッキーがデパートを襲う計画に乗る気になる。
ヘレンとの結婚生活を楽しむジョーは、彼女も仮釈放の身であることを知り裏切られてことでショックを受け、ミッキーの元に向かうのだが・・・。
同じデパートで働く仮釈放中の男女の恋の行方を描くフィルム・ノワール。
フリッツ・ラングが製作を兼ねて監督し、シルヴィア・シドニーとジョージ・ラフトの共演が話題になった。
犯罪者を主人公にした、フィルム・ノワールに分類される作品ではあるが、ヒューマン・ドラマとしてユーモラスなシーンが多く、ロマンチック・コメディと言っていい、フリッツ・ラングの無駄のないテンポの良い演出により大いに楽しめる内容に仕上がっている。
女性らしさの中に逞しさも感じさせるヒロインを魅力的に演ずるシルヴィア・シドニー、世話になったデパートの経営者のために何とか更生しようとするジョージ・ラフトの雰囲気のある演技も見逃せない。
ヒロインのシルヴィア・シドニーが、デパートに強盗に入った同僚らに、犯罪が割に合わないことを、黒板で細かに解説するシーンが印象的だ。
刑務所仲間たちに職場であるデパートを襲う計画を実行させる悪党のバートン・マクレーン、犯罪者を差別せず更生のチャンスを与えるデパートのオーナーを好演するハリー・ケリー、仮釈放中のデパートの店員と仲間ロスコー・カーンズ、ジョージ・E・ストーン、ウォーレン・ハイマー、ロバート・カミングス、エイドリアン・モリス、ロジャー・グレイ、ジャック・ペニック、デパートのオーナー夫人セシル・カニンガム、人情味のある、ヒロインのアパートの大家夫妻ヴェラ・ゴードンとエゴン・ブレッチャー、仮釈放中の店員の監視員ウィラード・ロバートソン、ダンスホールでジョー(ジョージ・ラフト)にからむ男グイン・ウィリアムズ、ヒロインの同僚ベルナデーネ・ヘイズ、デパートの客ジョイス・コンプトンなどが共演している。