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ニュースの真相 Truth (2015)

ジョージ・W・ブッシュ大統領の軍歴詐称疑惑”を追及した”CBS”の報道番組”60ミニッツⅡ”のプロデューサー、メアリー・メイプスとアンカーのダン・ラザーらの闘いを描く、製作、監督、脚本ジェームズ・ヴァンダービルト、主演ケイト・ブランシェットロバート・レッドフォードトファー・グレイスデニス・クエイドエリザベス・モスブルース・グリーンウッド他共演の社会派ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(社会派)


スタッフ キャスト
監督:ジェームズ・ヴァンダービルト
製作
ブラッドリー・J・フィッシャー
ウィリアム・シェラック
ジェームズ・ヴァンダービルト
ブレット・ラトナー
ダグ・マンコフ
アンドリュー・スポールディング
製作総指揮
ミケル・ボンドセン
ジェームズ・パッカー
ニール・タバツニック
スティーヴン・シルヴァー
原作:メアリー・メイプス”Truth and Duty”
脚本:ジェームズ・ヴァンダービルト
撮影:マンディ・ウォーカー
編集:リチャード・フランシス=ブルース
音楽:ブライアン・タイラー

出演
メアリー・メイプスケイト・ブランシェット
ダン・ラザーロバート・レッドフォード
マイク・スミス:トファー・グレイス
ロジャー・チャールズ中佐:デニス・クエイド
ルーシー・スコット:エリザベス・モス
アンドリュー・ヘイワードブルース・グリーンウッド
ジョシュ・ハワード:デヴィッド・ライオンズ
マーク・ロルスタッド:ジョン・ベンジャミン・ヒッキー
ビル・バーケット中佐:ステイシー・キーチ
ニッキー・バーケット:ノニ・ハズルハースト
ローレンス・ランファー:ダーモット・マローニー
ベッツィ・ウェスト:レイチェル・ブレイク
ディック・ハイビー:アンドリュー・マクファーレン
ホッジス将軍(電話の声):ウィリアム・ディヴェイン

アメリカ 映画
配給 ソニー・ピクチャーズ・クラシックス
2015年製作 125分
公開
北米:2015年10月16日
日本:2016年8月5日
製作費 $9,600,000
北米興行収入 $2,541,850
世界 $5,383,100


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
2004年10月、ワシントンD.C.
アメリカ合衆国大統領選挙で、ジョージ・W・ブッシュの再選賛成に国民の半数近くが賛成するものの、反対がわずかに上回る状況だった。

大統領の軍歴詐称疑惑を追及したことで、その後、窮地に立たされていた”CBS”のプロデューサー、メアリー・メイプスケイト・ブランシェット)は、弁護士のディック・ハイビー(アンドリュー・マクファーレン)に会い、経緯を話し始める。
__________

2004年4月、ニューヨーク
60ミニッツⅡ”のクルー、ロジャー・チャールズ中佐(デニス・クエイド)、らと共に番組(アブグレイブ報道)の準備をするメイプスは、表彰されるダン・ラザーロバート・レッドフォード)の元に向かう。
...全てを見る(結末あり)

CBS社長アンドリュー・ヘイワードブルース・グリーンウッド)に紹介されたラザーは、ステージに上がる。

その後メイプスは、パーティーの途中でラザーをホテルに連れて行き、キミット准将とのインタビューを始める。

番組は放送され、兵士による捕虜虐待で処分が決まったことが報道される。

ラザーやロジャーらとバーに向かったメイプスは、番組が放送できたことを喜ぶ。

ダラス
息子ロバートと久しぶりに楽しい時間を過ごしたメイプスは、夫のマーク・ロルスタッド(ジョン・ベンジャミン・ヒッキー)から、今回の報道は世間に衝撃を与えたと言われる。

2004年6月、CBS
60ミニッツⅡ”のプロデューサー、ジョシュ・ハワード(デヴィッド・ライオンズ)とメアリー・マーフィと話し合ったメイプスは、ブッシュ大統領に関するスクープを伝える。

取材を任されたメイプスは、ベトナムの退役軍人でペンタゴンに勤務しにロジャー、デスク担当のルーシー・スコット(エリザベス・モス)、調査担当のマイク・スミス(トファー・グレイス)でチームを組むことを二人に伝える。

CBSダラス支局。
再会したマイクが惨めな生活をしていることを知ったメイプスは、彼をロジャーとルーシーの元に連れて行く。

ロジャーは、ブッシュの空軍州兵での全記録を見せながら解説を始める。

ベトナム戦争の兵役を逃れるために空軍州兵となり、健康診断を拒み、無許可で兵役を1年も離れたブッシュを入隊させたのは誰なのか、それをどう調べるかをメイプスは考える。

メイプスからの電話を受けた元テキサス州副知事ベン・バーンズは、ブッシュを空軍州兵に入隊させたことを訊かれる。

番組出演の依頼を断ったバーンズは、選挙はジョン・ケリーが勝つので追及は無意味だとメイプスに伝えて電話を切る。

その後、ブッシュの元上官らはコネを否定し、彼が優秀なパイロットだったと言うだけで取材を拒む。

全員が同じような回答をすることを疑問に思うメイプスは、それをラザーに伝える。

2004年8月。
ブッシュ・サイトを公開するリンダと話したメイプスは、ハワードに連絡を入れて、ブッシュの消された記録を持っている中佐がいることを伝える。

ハワードは、それを確認して中佐の身元を調べるようメイプスに指示する。

情報源となるビル・バーケット中佐(ステイシー・キーチ)に会ったメイプスとマイクは、番組への出演を依頼するものの、以前、脅されたことがある妻ニッキー(ノニ・ハズルハースト)は反対する。

メイプスから、必ず身を守ると言われたニッキーは納得し、バーケットは文書を見せる。

パイロットとしての飛行訓練拒否、能力不足という内容のキリアン中佐の報告書を見せたバーケットは、渡されたのはコピーだけだと二人に伝える。
*”キリアン文書論争

ロジャーに電話をして、キリアンの上司ホッジス将軍(ウィリアム・ディヴェイン/声)がブッシュを守っていたと考えたメイプスは、本人に電話をしてメッセージを残す。

副知事時代に、バーンズブッシュを空軍州兵に入隊させたと話すネット上の映像を見つけたマイクは、それをメイプスに知らせて彼女を喜ばせる。

バーンズに電話をしたメイプスは、取材を受けることを承諾してもらえる。

9月4日、放送4日前。
ラザーダラスに迎えたメイプスは、元空軍州兵のインタビューを行いニューヨークに向かう。

機内でラザーから挨拶されたマイクは緊張し、仕事ぶりに感謝する彼からアドバイスを受けて励まされる。

今回の件がリークされなかったことを不思議に思うルーシーに、メイプスが2000年に報道する予定だったと話すロジャーは、彼女の母親の死でそれが中止になり、大統領選はブッシュが僅差で勝利したと伝える。

ルーシーから、メイプスの父について訊かれたロジャーは、酒飲みのろくでなしの父に質問すると殴られて育ったと答える。

そんな環境で育ちながら、いまでも質問をし続けるこんな仕事をするメイプスの気持ちが理解できないルーシーに、彼女とラザーに共通する考えだと言うロジャーは、それだから二人はうまくいき、互いを必要とする父娘のようだと伝える。

9月6日、放送2日前。
文書の鑑定を慎重に進めるメイプスは、その入手経路をバーケットに確認し、それを破棄したジョージ・コン大佐に電話をしてメッセージを残す。

ラザーから、メモの裏付けとなる証拠が必要だと言われたメイプスは、18回無視されたホッジス将軍に電話をかけて、ようやく話ができた彼に、キリアンのメモを読み上げる。

ホッジスはそのメモを覚えていることを認め、メイプスはそれをラザーに伝える。

9月7日、放送前日。
ラザーのインタビューを受けたバーンズは、ブッシュを空軍州兵に入隊させたことを認める。

9月8日、放送日、3:36PM。
プライムタイム担当執行役員ベッツィ・ウェスト(レイチェル・ブレイク)を含めた番組編集会議が開かれ、オンエアーの準備が進む。

番組は始まり、ジョージ・W・ブッシュベトナム兵役逃れについての報道がされる。

放送終了後、スタッフと共にバーに向かったメイプスは、友人と話していたラザーにサインを送る。

翌日、1970年代初頭のタイプライターではなく、メモが”Microsoft Word”で打たれたものだと指摘するブログがあることをベッツィから知らされたメイプスは、自分のパソコンでメモの内容を書いてみる。

まったく同じだということを確認したメイプスは、それをハワードに知らせる。

広報担当のシュワルツは、4人の文書鑑定士が偽造と認めなかったと言うメイプスらを追及する。

この件を”ABC”の”ナイトライン”が調査し、ラザーの追及を始めたと言うベッツィは、落ち度はないと反論するメイプスに再確認を指示する。

当時のタイプライターでは打てない肩文字の”th”が重要視され、スタッフは膨大な文書の確認を始める。

ラザーと話したメイプス、それほど気にしていない彼から、反撃材料を期待していると言われる。

メモの件で指示を出したと思われるスタウトが、当時、退役していたことが分かったハワードは、その件をメイプスらに追及する。

退役していても影響力はあったはずだと言うメイプスに、ハワードは、視聴者は納得しないと伝える。

ロジャーが”th”を見つけたため、ハワードを呼んだメイプスは、反撃を開始することをラザーに伝えるよう指示する。

ホワイトハウスによるブッシュの1968年の記録文書の中に、”th”が存在したことを番組で伝えたラザーは、本放送でカットした文書鑑定士マトリーのインタビューを流し、その場で彼と中継でつないで話し、真実の追及が語られる。

満足したラザーメイプスは、ホッジスからの電話を受けて、メモは偽物でありキリアンが書いたものではないと言われる。

9月6日にはメモに覚えがあると言ったことを認めたホッジスだったが、それを見ていないと二人に伝える。

キリアンの遺族がメモは偽物だと言っていると伝えたホッジスは、取材を申し込まれるものの、それを拒み電話を切る。

ヘイワードらと話したメイプスは、ホッジスの最初の発言を信じ、鑑定専門家もコピーでは判定を下せないと考え、ブッシュの軍歴詐称は明らかであり、メモは番組の核心ではないと伝える。

とにかく対策を考えるようにと言うヘイワードは、月曜までに鑑定士の確認を取るよう指示する。

ラザーからのメールで励まされたメイプスは、自分がネット上で誹謗中傷されていることを知り恐ろしくなる。

自宅に戻ったメイプスは、気遣うマークから休むようにと言われ散歩に誘われるものの、彼の話を聞かずに仕事をする。

ベッドで眠るマークに謝罪したメイプスは、父に殴られた時に絶対に屈服せず、いつか闘うと誓ったが、それが叶わなかったことを話す。

メイプスの考えを理解するマークは、今こそ闘う時だと伝える。

上層部が情報源と話をしたいと言っていることをハワードから知らされたメイプスは、ニッキーに電話をして、バーケットを説得しヘイワードと話しをしてほしいと説得する。

バーケットと電話で話したヘイワードは、文書を手に入れた経緯を尋ね、コンから受け取ったのは事実ではないとことを確認する。

ある女と男から連絡があり文書を渡されコピーしたと言うバーケットは、カメラの前で話すことを求められ、その場にいたラザーの意見を聞き、インタビューに応じることを伝える。

メイプスを残したヘイワードは、バーケットからウソをついた理由を聞きだすことを指示し、”攻撃”に備えるようにと伝える。

ラザーは会社の保身のためには動かないとヘイワードに伝えたメイプスは、自分のためにやると言われる。

セッティングされたホテルでのインタビューが始まり、バーケットに、メモを渡した時に真実を言わなかった理由を尋ねたラザーは、当時のことを明かそうとしている者を守ろうとしたと言われる。

内容は真実だと思うということをバーケットに確認したラザーは、度々渡されるベッツィの指示を拒み、もう十分だと伝えてインタビューを続ける。

終了後、忘れた上着を取りに来たニッキーは、カメラの前で侮辱された体調の悪い夫が気の毒だと言って、自分を見下しているように思えるメイプスを非難する。

メイプスらは何も答えられず、ニッキーはその場を去る。

ニューヨークに戻ったラザーは、待ち構えていたヘイワードと話す。

メイプスの部屋に向かったラザーは、独立調査委員会が番組の調査を始め、明日の放送で告知することを伝える。

ヘイワードに頼まれたのではないことを知ったメイプスは、降伏することになると伝える。

納得しないメイプスに、自分の心配はするなと伝えたラザーは、自分自身を守るようにと言って、弁護士ハイビーの名刺を置いてその場を去る。

翌日、ラザーは番組内で、ブッシュ大統領の兵役優遇問題で取り上げた文章の、信憑性を保証できなくったことを話す。

最初の仕事でこんな状況になったハワードを気の毒に思うメイプスは、現われたベッツィから、文書の見返りにケリーの選対本部にバーケットを紹介したか”USAトゥデイ”に訊かれたと言われる。

バーケットが選対に助言するために接触したがったので、ケリー側の確認を取るため、バーケットの電話番号を教えていいと考えたと話すメイプスは、ハワードにそれを確認する。

ハワードは、自分の話し方が悪かったか、完全に誤解しているとメイプスに伝える。

驚きながら、大変なことになったと言うベッツィは、今すぐ家に帰るようメイプスに指示する。

その後、ブッシュの影響下の巨大法律事務所や関係者が調査を初めたことを知らされたメイプスは動揺する。

ヘイワードからの電話で私立探偵の詳細な調査が始まると言われたメイプスは、余計な話を聞く気のない彼に電話を切られる。

マスコミに自宅を囲まれていることに気づいたメイプスは驚く。

内部調査は始まり、オフィスに向かおうとしたマイクに、ビルに入ることは禁じられると伝えたハワードは、権力に立ち向かおうとしないことを批判されるものの、警備員を呼び彼を追いだす。

CBS本社、”ブラック・ロック”。
弁護士と共に呼ばれたマイクは、一緒に待つラザーに、ジャーナリストになったきっかけを尋ねる。

好奇心だと言われたマイクは、自分のことを訊かれたために、あなただと答える。

インタビューを受ける父親が自分を批判する放送を見たメイプスは、ショックを受ける。

義父に電話をしたマークは、これ以上マスコミに何も話すなと言って彼を非難する。

それに気づいたメイプスは電話を代わり、涙しながらやめてほしいと父に伝える。

そう望むならこれ以上話さないと言われたメイプスは、受話器を置いてその場を去る。

苦悩するメイプスは取材したことを後悔し、ラザーの今後を考えると耐えられなかった。

このままでは、ロバートは母親の負ける姿を見るとメイプスに伝えたマークは、調査委員会と闘うべきだと言って彼女を励ます。

負けると分かっていても真実を伝えるべきだと言うマークは、メイプスからその理由を訊かれ、それが仕事だからだと答える。
__________

その結果この場に来たことをハイビーに話したメイプスは、これは裁判ではなくハンティングで、議論などすれば相手の思うツボだと言われる。

チャンスは1回だと言うハイビーは、委員の一人である、元AP通信社長ルイス・ボッカルディなら理解する可能性はあり、彼を説得できれば他の委員も考えを変えるが、闘えば必ず負けるとメイプスに伝える。

ハイビーと共に委員会に呼ばれたメイプスは、委員である弁護士ローレンス・ランファー(ダーモット・マローニー)に挨拶される。

始まる前にメイプスを連れて席を外したハイビーは、明らかに交戦モードの彼女を落ち着かせて、相手は動揺させようとしてくるので、冷静に対応するようにと伝える。

席に戻り質問を受けたメイプスは、マイクとのメールのやり取りについて、大統領に不利な情報を探していたかを訊かれ、知られていない空軍州兵時代の情報を探していたと答える。

文書の書式に関してのロジャーとのメールの件も訊かれたメイプスは、それを彼が疑っていたのではないかという問いに、この時点では信じていたのではないかと答える。

メモが本物だと証明できないにも拘わらず、本物だと考えた理由を訊かれたメイプスは、何度もメモを調べたと答えるものの、ランファーはその内容に納得できない。

鑑定専門家4人のうち2人が文書を疑ったと言われたメイプスは、書式や用語は当時のものと一致し、他にも確認したとと答える。

”OETR/将校能力訓練報告”という用語が、正しくは”OER/将校能力報告”であるのは、メモの間違った略語を説明するために作ったものだとランファーから指摘されたメイプスは、それを否定する。

証明することを求められたメイプスは、公式記録のあるページを示し、ランファーは、”OETR/将校能力訓練報告”と記されていることを確認して間違いを認める。

終了後にメイプスボッカルディの表情を確認し、ハイビーから、委員会の結果報告は大統領選後に延期されたことを知らされる。

その後ブッシュは再選され、ラザーからの電話を受けたメイプスは、大統領就任式後にアンカーを降りると言われる。

涙するメイプスは、文書が本物か聞かなかった理由をラザーに尋ね、聞く必要はなかった、委員会では堂々と対応するようにと言われる。

委員会に呼ばれたメイプスは、終了後に、自分の政治傾向を聞かないのかとランファーらに尋ねる。

ボッカルディから、仕事仲間は”リベラル”と見ているようだと言われたメイプスは、かつてなのか今かを尋ねる。

ランファーらは着席し、はっきり答えると言うメイプスは、番組に政治を持ち込んだ理由を訊かれ、それを否定する。

バーンズブッシュを入隊させたことを疑わず、ウソつきのバーケットの出所も調べず、文書鑑定専門家の4人のうち2人が疑っているにも拘らず放送し、大統領を嫌うバーケットの代理でケリー選対に連絡したことのどこが政治を持ち込まないのかと、ランファーはメイプスに尋ねる。

ハイビーの制止を聞かずに、メモの偽造には何が必要か話し始めたメイプスは、あらゆる方面から詳細に調査し時間をかけて完璧にものごとを行おうとする人物が、わざわざワードでメモを打つと思うかと逆に尋ねる。

取材の主旨はブッシュが兵役を務め上げたかどうかで、誰もそれに触れようとしないで、メモの偽造の話ばかりして騒ぎ、終わった後は何が主旨か誰も思い出せないとメイプスは語る。

司法長官である委員のソーンバーグから、バーンズブッシュを入隊させたことやメモが本物であることも証明できなかった立証責任はあると言われたメイプスは、”ペンタゴン・ペーパーズ”や”ディープ・スロート”のことを問う。

バーンズは違うと言うソーンバーグに、メイプスは、彼は権限を乱用したと告白していると伝える。

若くて有能な若者や名門の子息が空軍州兵に入隊できたのは、自身の力だとという可能性を考えないのかと訊かれたメイプスは、ソーンバーグに、そうは思えないと答える。

ビルを出たメイプスは、ハイビーから君らしい対応だったと言われ、結果は数週間後になるため連絡することを知らされて別れる。

メイプスを呼び止めたハイビーは、君を信じると伝える。

自宅でロバートとくつろいでいたメイプスは、ヘイワードからの電話で、非常に悪い結果が出たと言われ解雇される。

マーフィ、ベッツィ、ハワード、ルーシー、マイクは局を去る。

マイクを気遣うロジャーは、再会を約束して別れる。

最後の放送で視聴者やスタッフに感謝したラザーは、困難と闘っている人々、報道することでリスクを冒すジャーナリストに勇気を持つようにと伝えて締めくくる。

マークと放送を見ていたメイプスは涙する。

ラザーは、スタジオのスタッフやヘイワードに祝福される。
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調査委員会は、番組に政治的偏向はないという結論を出す。

ジョシュ・ハワード、メアリー・マーフィ、ベッツィ・ウェストは辞職し、メアリー・メイプスは解雇される。

ダン・ラザーCBSを去り、政権への配慮で番組を外されたことを主張して局を訴えたが、ニューヨーク控訴審で棄却された。
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テレビを消したメイプスは涙をぬぐい、マークと共に散歩に出かける。
__________

メアリー・メイプスの解雇後にCBSニュースは、彼女の”アブグレイブ報道”でピーボディ賞を受賞した。

それは、10年間で最も重要な報道の一つと考えられている。

2004年以来、メアリー・メイプスはテレビ・ニュースの仕事はしていない。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
2004年。
CBS”の報道番組”60ミニッツⅡ”のプロデューサー、メアリー・メイプスは、大統領選を控えるジョージ・W・ブッシュの、兵役優遇などの証拠となる文書の存在を知り、マイク、ロジャー、ルーシーらスタッフと共に取材を始める。
文書を受け取っていたバーケット中佐に会ったメイプスはそれを渡され、本物であるかなどと同時に周囲の調査を始める。
そして、アンカーのダン・ラザーにより、番組でブッシュの軍歴詐称疑惑が報道される。
ところが、文書は当時のタイプライターにはない文字が使われ、”Microsoft Word”で作成されたことなどが指摘される。
集中攻撃を浴びたCBS及びメイプスらは窮地に立たされ、対抗策を考えるのだが・・・。
__________

ジョージ・W・ブッシュ大統領の軍歴詐称疑惑”を追及した”CBS”の報道番組”60ミニッツⅡ”のプロデューサー、メアリー・メイプスが2005年に発表した回顧録”Truth and Duty”を基に製作された作品。

ゾディアック」(2007)「アメイジング・スパイダーマン」(2012)などの脚本家として知られるジェームズ・ヴァンダービルトが製作、脚本も兼ねた初監督作品。

当時この事件は、ダン・ラザーが”CBS”との契約を切られたことで話題になったのだが、本作では、”60ミニッツⅡ”のプロデューサー、メアリー・メイプスが中心となった報道の裏側が描かれている。

また、父親から虐待を受けてそれに耐え、反骨精神を身につけたメアリー・メイプスの、ダン・ラザーとの父娘のような信頼関係が大きなテーマとなっている。

序盤は、物語の進展と演出に深みを感じないものの、実力派スターの演技に支えられ終盤にかけてドラマは盛り上がる。

これだけのキャスト、スタッフにも拘らず興行的には失敗に終わった作品であり、内容的に評価は分かれ、政治的な偏りや説教じみているシーンが目立つのが気になる。

公開後の当事者の対応も様々で、ダン・ラザーらは好意的に受け止めているが、CBS側は総じて批判的な反応を示している。

主演のケイト・ブランシェットは、報道にすべての情熱を傾け、フェミニストと言われながら信念を貫く主人公メアリー・メイプスを熱演し、誰もが知るダン・ラザーに、似過ぎないことを意識しているように思えるロバート・レッドフォードの深い演技は注目だ。

主人公と共に”大統領の軍歴詐称疑惑”を報道するスタッフのトファー・グレイスデニス・クエイドエリザベス・モス、”CBS”社長アンドリュー・ヘイワードブルース・グリーンウッド、”60ミニッツⅡ”プロデューサー、ジョシュ・ハワードのデヴィッド・ライオンズ、主人公を支える夫マーク・ロルスタッドのジョン・ベンジャミン・ヒッキー、文書の提供者であるビル・バーケット中佐ステイシー・キーチ、病気の夫を気遣うその妻ノニ・ハズルハースト、報道に関する調査委員の弁護士ダーモット・マローニーCBSのプライムタイム担当執行役員ベッツィ・ウェストのレイチェル・ブレイク、主人公の弁護士アンドリュー・マクファーレン、主人公に情報提供をする将軍(電話の声)のウィリアム・ディヴェインなどが共演している


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