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サンダーボルト Thunderbolt And Lightfoot (1974)

1970年代最高のドル箱スター、クリント・イーストウッドの注目作。
仲間に追われる伝説の強盗が破天荒な青年と意気投合しながら企む現金強奪計画を描く、主演クリント・イーストウッド、監督、脚本マイケル・チミノジェフ・ブリッジスジョージ・ケネディジェフリー・ルイス他共演の犯罪アクション。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


アクション/アドベンチャー

クリント・イーストウッド / Clint Eastwood 作品一覧
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スタッフ キャスト
監督:マイケル・チミノ
製作:ロバート・デイリー
脚本:マイケル・チミノ
撮影:フランク・スタンレー
編集:フェリス・ウェブスター
音楽:ディー・バートン
主題歌:ポール・ウィリアムス”Where Do I Go from Here”

出演
クリント・イーストウッド:ジョン”サンダーボルト”ドアティー
ジェフ・ブリッジス:ライトフット
ジョージ・ケネディ:レッド・レアリー
ジェフリー・ルイス:エディ・グッディ
ビル・マッキニー:狂ったドライバー
グレゴリー・ウォルコット:中古車ディーラー
ゲイリー・ビジー:カーリー
ダブ・テイラー:ガソリンスタンド店員
ロイ・ジェンソン:ダンロップ
ジャック・ドッドソン:金庫の支店長
ベス・ハウランド:金庫の支店長の妻
キャサリン・バック:メロディ
ジューン・フェアチャイルド:グロリア
クラウディア・レニアー:事務員

アメリカ 映画
配給 ユナイテッド・アーティスツ
1974年製作 114分
公開
北米:1974年5月23日
日本:1974年9月
製作費 $4,000,000
北米興行収入 $25,000,000


アカデミー賞
第47回アカデミー賞

・ノミネート
助演男優賞(ジェフ・ブリッジス


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
アイダホ州。
教会の牧師ジョン・ドアティー(クリント・イーストウッド) は、ミサを始める。

障害者を装った若者ライトフット(ジェフ・ブリッジス)は、中古車ディーラーで1971年型”ポンティアック・ファイヤーバード”に目をつける。

オーナー(グレゴリー・ウォルコット)と話したライトフットは車に乗り、義足だと言って油断させて、そのまま走り去る。

実は悪党だったドアティーは、現れた自分を追う仲間のダンロップ(ロイ・ジェンソン)に発砲され、裏口から出て麦畑に逃げる。

そこに通りがかったライトフットは、車を止めようとしたドアティー避けたために、ダンロップを轢き殺してしまう。

ドアティーはライトフットの車にしがみつき、乗り込んだ際に肩を痛めてしまう。

山岳地帯に着いたドアティーは、ベルトを使って脱臼した肩を治し、ライトフットが車を盗んだことを知る。

ガソリンスタンドに向かった二人は、ある夫婦の車を奪う。

その後、ライトフットに別れを告げたドアティーは、車を降りてバスターミナルに向かう。

そこでドアティーは、自分を追う仲間のレッド・レアリー(ジョージ・ケネディ)の姿を見かけ、その場を離れて再びライトフットの車に乗り込む。

二人はモーテルに向かい、ライトフットは、他の車のナンバープレートを盗む。
...全てを見る(結末あり)

メロディ(キャサリン・バック)とグロリア(ジューン・フェアチャイルド)を連れて帰ったライトフットは、ドアティーを驚かせる。

グロリアと愛し合ったドアティーは、彼女を送ろうとしなかったために騒がれ、仕方なくタクシー代を払う。

翌朝、ダイナーで食事をしたドアティーとライトフットは、見張っていたレッドに銃撃される。

逃走するサンダーボルトとライトフットは、レッドの相棒エディ・グッディ(ジェフリー・ルイス)が運転する車に追われる。

何とかレッドとグッティの車を振り切り川にたどり着いたドアティーとライトフットは、壊れた車を捨てて郵便の配達船に乗せてもらう。

所持金がなくなったドアティーは、ライトフットから、銀行強盗の方法を教えて欲しいと言われたために、思わず笑ってしまう。

やる気になれば何でもできると言うライトフットは、”キャデラック”のコンバーチブルを手に入れるのが夢だと話す。

その後、街道でヒッチハイクをした二人は、男(ビル・マッキニー)が運転する車に乗り込む。

イカレタ男は暴走し始めて車は横転し、ドアティーは、トランクに入れていたウサギを撃ち始めた男を叩きのめす。

男の財布と車を奪ったドアティーとライトフットは、ある町に到着する。

銀行や金庫の構造などに詳しいドアティーは、モンタナ金庫を破った話をし始める。

20ミリ機関砲を使って金庫を破った男”サンダーボルト”のことを知っていたライトフットは、牧師を装っていたドアティーがそれを実行した本人だと気づく。

追ってきたレッドには朝鮮戦争で命を救われ、女を刺して服役した彼は囚人から金庫破りを教わり、電気のプロのダンロップと組み、グッディは運転手だと、サンダーボルトはライトフットに話す。

奪った50万ドルは、モンタナのワルソーの小学校の黒板の裏に隠したと言うサンダーボルトは、そのことを知らないレッドが、別の強盗で逮捕されたのを自分のせいにしたために、牧師になり身を隠したとライトフットに伝える。

ワルソー。
現地に向かい、小学校が新校舎になっていることを知ったサンダーボルトとライトフットは、レッドとグッディに捕まり山奥に連れて行かれる。

レッドは、生意気なライトフットの腹部を強打するが、サンダーボルトに叩きのめされ、グッディは銃を奪われる。

50万ドルは学校だとライトフットがレッドに話し、サンダーボルトも、黒板の裏にまだ隠されているはずだが校舎が移転したと言って信用させる。

校舎がどこにあるかが分からない4人は、ライトフットの提案で手を組み、再び同じ金庫を襲撃することを考えるものの、レッドは若造の話を聞こうとしない。

サンダーボルトは、同じ場所が狙われるとは誰も思わないと言う、ライトフットの言葉に一理あると考えグッディも賛成し、レッドも仕方なく話に乗る。

その後、金庫の建物を確認した4人は、作業員やアイスクリーム売りなどをしながら資金を稼ぎ、計画実行の準備を始める。

デパートの清掃員をするレッドは、同僚から、当直を食い殺したとという警備犬の話を聞く。

仕事仲間のカーリー(ゲイリー・ビジー)から作業車を借りたライトフットは、自分を嫌うレッドと共に20ミリ機関砲を運び、グッディの車に積み込む。

計画を話し合う4人は、金庫の支店長の寝室と電信局がつながっているため、警報を止める役目として、ライトフットが女装して局員を拘束することになっていた。

犯行当日、レッドと共に金庫の支店長の家に侵入したサンダーボルトは、夫妻(ジャック・ドッドソン/ベス・ハウランド)の寝室に押し入り銃を向けて脅す。

レッドは娘の部屋に向かい、ボーイフレンドと愛し合っていた彼女を拘束する。

サンダーボルトは、支店長からダイヤル錠の組み合わせを聞き出す。

トイレで女装するライトフットを降ろしたグッディは、サンダーボルトとレッドと共に金庫に向かう。

警備員に扮したサンダーボルトはレッドを連行したように見せかけ、入り口を開けた当直の警備員を殴り倒す。

サンダーボルトとレッドは、グッディの車から機関砲を下ろす。

女装したライトフットは、女好きの局員を誘惑して中に入れてもらう。

局員を殴り倒したライトフットは、サンダーボルトとレッドがダイヤル錠のドアを開けた瞬間に鳴った警報を止める。

局員を拘束してトイレに閉じ込めたライトフットは、迎えに来たグッディの車に乗る。

機関砲で壁をぶち抜いたサンダーボルトとレッドは、現金を奪う。

サンダーボルトとレッドは現金を運び出し、待機していたグッディの車に乗り込みその場を去る。

サンダーボルトの運転で4人はドライブイン・シアターに向かい、グッディとトランクに隠れていたレッドの花粉症のくしゃみと、彼のシャツがはみ出しているのをチケット係が気づく。

パトカーのサイレンが聴こえ、サンダーボルトは別の警報があったと考え、ライトフットは自分の努力が無駄だったと思う。

金庫に到着した警官は拘束された警備員を見つけ、支店長夫妻は、娘がボーイフレンドと裸で縛られていることを知り驚く。

チケット係が自分たちを捜していることに気づいたサンダーボルトは、パトカーが付近にいるために逃走する。

4人の車を追う警官は発砲し、トレンクのグッディは銃弾を受ける。

グッディが助からないと判断したレッドは、彼をトランクから放り出す。

サンダーボルトに銃を向けたレッドは、車を止めさせて彼を殴り倒す。

嫌っていたライトフットを叩きのめしたレッドは、車に乗り走りだすものの、警察に追われる。

意識が戻ったサンダーボルトは、ダメージを受けたライトフットを気遣い、パトカーが引き返すのを確認して、服を奪うためにグッディを捜そうとする。

町に向かい、追い詰められて銃弾を受けたレッドは、働いていたデパートに突っ込み、警備犬に噛み殺される。

その後、サンダーボルトとライトフットは、ヒッチハイクをしてワルソー付近にたどり着く。

その場で、偶然、例の小学校の校舎を見つけたサンダーボルトは驚く。

校舎は、モンタナの歴史的建造物として文化財に指定され、移設保管されていたのだ。

サンダーボルトとライトフットは校舎に入り、自分たちを悪党だと思う夫婦が去った後で、黒板の裏を調べる。

気分が悪そうなライトフットのことを心配するサンダーボルトは、二人で黒板を外し、そのままの状態で隠されていた50万ドルを手に入れる。

その後、キャデラックのコンバーチブルを購入したサンダーボルトは、ライトフットの元に向い、彼を乗せて旅立つ。

暫くしてライトフットは、サンダーボルトと葉巻を吸いながら、やり遂げたことに満足して自分たちをヒーローだと思う。

気分が悪そうなライトフットを気遣うサンダーボルトは、彼が意識を失ったために車を止める。

ライトフットが息を引き取ったことを知ったサンダーボルトはショックを受け、葉巻を折り車を出す。

サンダーボルトは、ようやく幸運を手に入れた矢先のライトフットの死について考えながら、呆然としながら宛てもなく車を走らせる。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
”サンダーボルト”の異名を誇る伝説の強盗ジョン・ドアティーは、ひょんなことから若者ライトフットと出会い意気投合する。
サンダーボルトは、かつての現金強奪で裏切り者と思われ、戦友でもある仲間のレッドとグッディに追われていた。
現金の隠し場所の小学校校舎が移転されたことを知ったサンダーボルトは、レッドにそれを説明し、ライトフットの提案で、かつて襲った金庫を再び襲撃することにする。
サンダーボルトら4人は準備を始め、金庫の破壊方法として20ミリ機関砲を用意し、実行の日を迎えるのだが・・・。
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本作がデビュー作となる、撮影当時、弱冠30歳のマイケル・チミノを起用し、自らメガホンをとることなく演技に徹したクリント・イーストウッドの意欲であり、当時の作品の中でも注目の一作。

4年後に「ディア・ハンター」(1978)でアカデミー監督賞を受賞することになるマイケル・チミノは、パワフルなイーストウッドジョージ・ケネディのキャラクターを活かしたスケール感と、それとは対照的な哀愁漂う描写など、メリハリのある演出は光る。

悪党達が度々身を寄せる山や川の大自然(モンタナ)の美しい映像は印象的で、機関砲を使った現金強盗のアイデアなども斬新だ。

第47回アカデミー賞では助演男優賞(ジェフ・ブリッジス)にノミネートされた。

考えさせられる悲しいラストに流れる、ポール・ウィリアムスの主題曲”Where Do I Go from Here”は心にしみる名曲だ。

個人的には、イーストウッド作品の中で上位に上げたい作品であり、いばらの道を歩んできた逞しい苦労人という役柄が彼に合い、甘いマスクの中に見せる凄みもある表情もなかなかいい。

奔放な若者ゆえにラストの死がショッキングな、撮影当時まだ23歳のジェフ・ブリッジスの好演は忘れ難い。

ラスト・ショー」(1971)で注目され、若手の注目株だった彼は、本作でアカデミー助演賞にノミネートされ、現在でも非常に高い人気を誇っている。

主人公を追うものの手を組む、イーストウッドとは翌年「アイガー・サンクション」(1975)でも共演する巨漢のジョージ・ケネディは、同じ長身のイーストウッドと同画面に登場すると、その迫力が倍増するところも注目で、2人の相性の良さを感じる。

気の弱い強盗仲間のジェフリー・ルイス、主人公を車に乗せる狂気の男ビル・マッキニー、騙される中古車ディーラーのグレゴリー・ウォルコット、冒頭で主人公を襲うロイ・ジェンソンなど、イーストウッド作品の常連の出演はファンには嬉しいばかりだ。

作業員ゲイリー・ビジー、ガソリン・スタンドの店員ダブ・テイラー、金庫の支店長ジャック・ドッドソン、その妻ベス・ハウランド、主人公とモーテルで愛し合うジューン・フェアチャイルドキャサリン・バック、主人公が働く工場の事務員クラウディア・レニアーなどが共演している。


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