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ボーイズ・ライフ This Boy’s Life (1993)

1989年に発表された、トバイアス・ウルフの小説”This Boy’s Life”を基に製作された作品。
奔放な母親と暴力的な義父と暮らす少年の苦悩と成長を描く、監督マイケル・ケイトン=ジョーンズ、主演ロバート・デ・ニーロエレン・バーキンレオナルド・ディカプリオ他共演のドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ

レオナルド・ディカプリオ / Leonardo DiCaprio 作品一覧


スタッフ キャスト
監督:マイケル・ケイトン=ジョーンズ

製作:アート・リンソン
製作総指揮
ピーター・グーバー
ジョン・ピータース
原作:トバイアス・ウルフThis Boy’s Life
脚本:ロバート・ゲッチェル
撮影:デイヴィッド・ワトキン
編集:ジム・クラーク
音楽:カーター・バーウェル

出演
ドワイト・ハンセン:ロバート・デ・ニーロ
キャロライン・ウルフ・ハンセン:エレン・バーキン
トバイアス“トビー”ウルフ:レオナルド・ディカプリオ
アーサー・ゲイル:ジョナ・ブレッチマン
パール・ハンセン:エリザ・ドゥシュク
ノーマ・ハンセン:カーラ・グギノ
スキッパー・ハンセン:ザック・アンズリー
ロイ:クリス・クーパー
チャック・ボルガー:トビー・マグワイア
キャシー:トレーシー・エリス
マリアン:キャシー・キニー
ハワード:ゲリット・グレアム
ジミー・ヴォーヒーズ:ショーン・マーレイ

アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1993年製作 114分
公開
北米:1993年4月9日
日本:1993年11月6日
北米興行収入 $4,104,960


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
1957年。
暴力的な恋人から逃れたキャロライン・ウルフ(エレン・バーキン)は、息子のトバイアス“トビー”(レオナルド・ディカプリオ)と共に、ウラン鉱を探して大金を稼ぐつもりで、フロリダからユタへ向かう。

10月15日、ソルトレイクシティ
ウランの話は当てが外れたキャロラインとトビーは、車も壊れたために捨てて、街で暮らすことにする。

問題児のトビーは思うような生活ができないことで不満が募り、兄を連れて家を出た父と別れなければよかった言われたキャロラインは気分を害する。

そんなキャロラインは、自分を追ってきた恋人のロイ(クリス・クーパー)からの電話を受ける。

訪ねて来たロイから銃をプレゼントされたトビーは喜ぶ。

ロイに迫られたキャロラインは、それを拒めずに愛し合う。

再びロイから逃げることにしたキャロラインは、トビーと共にバスで街を離れる。
...全てを見る(結末あり)

シアトル、6か月後。
キャロラインとトビーは、同居人のキャシー(トレーシー・エリス)とマリアン(キャシー・キニー)と暮らしていた。

作家”ジャック・ロンドン”の著書に影響されていたトビーは”ジャック”というあだ名で呼ばれ、不良仲間のテイラーやシルヴァーと行動を共にしていた。

そんな時キャロラインは、付き合い始めた修理工の中年男性ドワイト・ハンセン(ロバート・デ・ニーロ)を家に招き、キャシーとマリアン、そしてトビーを彼に紹介する。

紳士気取りのドワイトが好きになれないトビーは、七面鳥の射撃大会に登録したと言われたために興味を持つ。

数日後、キャロルやキャシーとマリアンの前でドワイトの真似をしてバカにするトビーは、感謝祭にドワイトの家に招待される。

コンクリート
家に着いたドワイトは、キャロラインとトビーを長男のスキッパー(ザック・アンズリー)、長女のノーマ(カーラ・グギノ)、次女のパール(エリザ・ドゥシュク)に紹介する。

ドワイトから、射撃大会で撃つのは七面鳥ではなく紙の的だと知らされたトビーは、子供は参加できないと言われてショックを受ける。

射撃場に現れたキャロラインも参加することになったために人々は驚き、大会は始りドワイトは24点しか取れなかった。

キャロラインの番になり、皆が注目する中、見事な射撃をする彼女は93点を取る。

参加することができずに不機嫌だったトビーは、ドワイトに恥をかかせたために喜ぶ。

優勝して家に戻ったキャロラインは、それを知ったノーマから、父は狩の名人だと思っていいるのでまずいことになると言われる。

気まずい雰囲気で食事をするドワイトだったが、キャロラインの優勝を称える。

その後、キャロラインとトビーは、ドワイトの家族と共に歌い楽しい時を過ごす。

週明けに学校でトラブルを起こしたトビーは、キャロラインと共に教頭に呼ばれて2週間の停学になる。

帰宅したキャロラインは、問題ばかり起こすトビーにこれからどうしたいのか尋ね、数か月ドワイトが預かると言っていることを伝える。

二人がうまくいけばドワイトと結婚するつもりのキャロラインは、他に方法がないとトビーに伝えて納得させる。

クリスマスを前に、トビーを迎えに行きコンクリートに向かったドワイトは、乱暴な運転をしながら、ウソばかりつき問題を起こすトビーを責めて、刃向かうとタダでは済まさないと言って脅す。

家に着き子供達と話をしたドワイトは、問題児のトビーに仕事を与え、ボーイスカウトにも入団し新聞配達もするよう指示する。

逆らう気のないトビーは、まともになりたいとドワイトに伝える。

ボーイスカウトの制服を新調するので頑張るようにと言われて楽しみにしていたトビーは、スキッパーのお古を着せられ不満を訴えるものの、ドワイトに聞き入れてもらえなかった。

その後、ドワイトとキャロラインは、家族に見守られながら結婚する。

ドワイトは、キャロラインに対しても高圧的な態度をとる。

話す言葉や歩き方が女のような同級生のアーサー・ゲイル(ジョナ・ブレッチマン)を”ホモ”と呼んでからかったトビーは喧嘩になる。

トビーを叩きのめしたアーサーは、ホモと言ったことを撤回させてその場を去る。

その夜、ドワイトに喧嘩のことを訊かれたトビーは、相手を痛めつけたと言うものの、戦い方を教わることになる。

イジメるような教え方に戸惑うトビーは、挑発するドワイトを油断させて殴り倒す。

新聞配達の給料を渡さないドワイトのことをキャロラインに話すトビーは、将来のために貯金していると言われるものの、せめて運動靴を買ってほしいと不満を伝える。

裸足ではバスケットボールの試合に出たくないと言われたキャロルだったが、父子の話に干渉する気はなかった。

この家を出たいと考えるトビーに、行き場はなくこれが最善だと伝えたキャロラインは、夫婦円満でいるために仲裁役にはならないと言って彼を説得する。

キャロラインから、ドワイトのいい面だけを見て我慢するようにと言われたトビーは、6週間で卒業して町を出られることを喜ぶノーマを羨ましく思いながら、仕方なく新聞配達に向かう。

運動靴がないトビーは、裸足で練習して革靴で試合に出たため、思うようにプレーができずに恥をかく。

ボーイスカウトの集会後にアーサーから声をかけられたトビーは、彼に誘われて散歩をして、町を出る夢などを語る。

その後も、しつけだと言うドワイトの嫌がらせのような言動に耐えるトビーは、我慢するしかなかった。

アーサーと親交を深めたトビーは、彼にキスされてしまうものの気にしなかった。

ある日、自分の銃を売ってブルドッグを買って来たドワイトを責めるトビーは、口答えを許されずに不満に思う。

ラナ・ターナーの娘シェリル・クレインが、母の恋人ジョニー・ストンパナートを刺殺した事件のニュースを見ながら、トビーはドワイトを見つめる。

夜中に車を乗り回したトビーを責めるドワイトは、彼を叩きのめす。

2年後。
スキッパーとノーマは家を出て、トビーは、相変わらず不良仲間のチャック・ボルガー(トビー・マグワイア)やジミー・ヴォーヒーズ(ショーン・マーレイ)らとつるんでいた。

大統領選に興味があるキャロラインは、ケネディの選挙事務所で働こうとするものの、ドワイトはそれを許さなかった。

町を出て兄と暮らし進学する考えがあるトビーは、成績が悪いし金もないと言うアーサーに腹を立てる。

兄とは連絡し合っていたトビーは助言され、大学進学適性試験を受ける。

願書をドワイトに捨てられたトビーは、苛立ちながらも諦めなかった。

成績証明書を手に入れるために、トビーは、職員室に出入りできるアーサーに協力を求める。

自分ではなくトビーだけが町を出られる可能性があることに納得できないアーサーだったが、盗んだ成績証明書の原紙を彼に渡す。

トビーはアーサーにも進学を勧めるが、結局は町を離れることはできないと言われる。

成績証明書を偽造したトビーは願書を出しすものの、不合格通知を受け取り絶望し、仕方なくスーパーで働き始める。

そんなトビーは、最後に願書を出したペンシルベニアポッツタウンにある進学準備校 ”ヒル・スクール”から、面接を受けたいという連絡を受ける。

カフェでヒル・スクールのハワード(ゲリット・グレアム)と話したトビーは、仲間達が入ってきたために動揺する。

ハワードには不良少年に怯えているように思われたため、トビーは安堵する。

店を出たトビーは、近寄ってきたドワイトに意味不明なことを言われるものの、相手にしない。

数日後、奨学金を受け取れることになったトビーは、それを知り言いがかりをつけるドワイトに反抗的な態度をしたために殴られる。

抵抗したトビーはドワイトと格闘になり、首を絞められるものの、キャロラインがドワイトをバットで殴り倒す。

トビーから、新聞配達をした金を返せと言われたドワイトは、生活費に充てたと伝える。

我慢の限界だと言うキャロラインは、選挙事務所のスタッフと浮気したことを疑うドワイトを見限り、出て行こうとする。

焦るドワイトは動揺し、家を飛び出したキャロラインとトビーを追うものの無駄だった。

その後、旅立つキャロラインに別れを告げたトビーは、走り去るバスを見送る。
__________

ドワイトはコンクリートに残り、1992年に死去した。

アーサーはイタリアに向かい、ビジネスマンとして成功した。

キャロラインは再婚してフロリダに住んでいる。

トバイアス・ウルフはヒル・スクールを退学後、陸軍に入隊してベトナム戦争に従軍した。
その後、トバイアスは作家として数々の賞を受賞し、ニューヨーク州で家族と暮らし、”シラキュース大学”で文学教授を務めている。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
暴力的な恋人から逃げるためにフロリダからユタソルトレイクシティに移り住んだキャロラインと息子のトビーは、その後シアトルで暮らすことになる。
修理工のドワイト・ハンセンと知り合い付き合うようになったキャロラインは、彼にトビーを預けることを考える。
二人がうまくいけば結婚する考えのキャロルから、他に方法がないと言われたトビーは、仕方なくしそれに従う。
自分に刃向かうことは許さないと言って、威圧的な態度でトビーを脅すドワイトは、しつけのつもりで彼に接する。
そんなドワイトの仕打ちに耐えながら苦悩するトビーは、いつか町を出ることを夢見る日々を送るのだが・・・。
__________

作家トバイアス・ウルフの少年期の体験を基にした原作を、「メンフィスベル」(1990)や「ドク・ハリウッド」(1991)などの話題作を手掛けたイギリス人のマイケル・ケイトン=ジョーンズが監督した作品。

問題児であり不良少年だったトバイアス・ウルフが、いかにして自分の生きる道筋を見つけたか、その多感な少年期に受けた辛い体験を苦悩と共に描くドラマ。

1950年代末の良きアメリカ、激動する世の中のなかで、田舎町に閉じ込められているような日々を送る少年の複雑な思いを切実に描いた作品。

その少年を演ずるレオナルド・ディカプリオが大スターとなったために、今では主演のように表記されるものの、偏屈な義父を怪演するロバート・デ・ニーロが主演であり、彼と結婚するエレン・バーキンが、奔放で楽天的な女性をいい雰囲気で好演している。

ファーストクレジットではないが、主人公と言える少年を熱演して各方面から高い評価を得たレオナルド・ディカプリオは、同年末に公開される「ギルバート・グレイプ」(1993)の演技が絶賛され、アカデミー助演賞にノミネートされた。

評価もまずまずで魅力的なキャスティングであったにも拘わらず、興行的には成功しなかった作品。

当初はトビー(レオナルド・ディカプリオ)と対立するものの、友情が芽生える同級生のジョナ・ブレッチマン、ドワイト(ロバート・デ・ニーロ)の娘エリザ・ドゥシュクカーラ・グギノ、息子のザック・アンズリー、キャロライン(エレン・バーキン)の恋人クリス・クーパー、トビーの不良仲間トビー・マグワイアショーン・マーレイ、キャロルとトビーの同居人トレーシー・エリスキャシー・キニー、トビーと面接をする”ヒル・スクール”の職員ゲリット・グレアムなどが共演している。


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