政府の研究施設で働く平凡な女性と実験材料にされる生物との愛を描く、製作、監督、原案、脚本ギレルモ・デル・トロ、主演サリー・ホーキンス、マイケル・シャノン、リチャード・ジェンキンス、ダグ・ジョーンズ、マイケル・スタールバーグ、オクタヴィア・スペンサー他共演のロマンチック・ファンタジー。 |
・サリー・ホーキンス / Sally Hawkins / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:ギレルモ・デル・トロ
製作
ギレルモ・デル・トロ
J・マイルズ・デイル
原案:ギレルモ・デル・トロ
脚本
ギレルモ・デル・トロ
ヴァネッサ・テイラー
撮影:ダン・ローストセン
編集:シドニー・ウォリンスキー
音楽:アレクサンドル・デスプラ
出演
イライザ・エスポジート:サリー・ホーキンス
リチャード・ストリックランド:マイケル・シャノン
ジャイルズ:リチャード・ジェンキンス
両生類の男:ダグ・ジョーンズ
ロバート・ホフステトラー博士/ディミトリ・モセンコフ:マイケル・スタールバーグ
ゼルダ・デライラ・フラー:オクタヴィア・スペンサー
フランク・ホイト空軍元帥:ニック・サーシー
フレミング:デヴィッド・ヒューレット
ミハルコフ:ナイジェル・ベネット ロシア
バーナード:スチュワート・アーノット
エレイン・ストリックランド:ローレン・リー・スミス
ブリュースター・フラー:マーティン・ローチ
アルズマニアン:ジョン・カペロス
パイ・ガイ:モーガン・ケリー
サリー:ウェンディ・ライオン
アメリカ/メキシコ 映画
配給 フォックス・サーチライト・ピクチャーズ
2017年製作 123分
公開
北米:2017年12月1日
日本:2018年3月1日
製作費 $19,400,000
北米興行収入 $63,859,440
世界 $195,243,460
■ アカデミー賞 ■
第90回アカデミー賞
・受賞
作品・監督・作曲・美術賞
・ノミネート
主演女優(サリー・ホーキンス)
助演男優(リチャード・ジェンキンス)
助演女優(オクタヴィア・スペンサー)
脚本・音響編集・録音・撮影・衣裳デザイン・編集賞
■ ストーリー ■
1962年、冷戦下、メリーランド州、ボルチモア。
イライザ・エスポジート(サリー・ホーキンス)は、幼児期に首に傷を負った状態で川で発見され、それ以来、口がきけず、養護施設で育ち、手話でコミュニケーションをとっていた。
映画館の上のアパートで平凡に暮らすイライザは、売れない初老の広告イラストレーターである、ゲイの隣人ジャイルズ(リチャード・ジェンキンス)と親しくしていた。
イライザは、政府の秘密研究施設で掃除婦として働き、友人は同僚のゼルダ・デライラ・フラー(オクタヴィア・スペンサー)だけだった。
リチャード・ストリックランド大佐(マイケル・シャノン)は、南米の川で謎の生物(ダグ・ジョーンズ)を捕獲し、それを施設に搬送する。
生物は、ロバート・ホフステトラー博士(マイケル・スタールバーグ)のチームにより、詳細に調査されることになる。
ゼルダと共にその場を掃除していたイライザは、運び込まれたカプセルが気になる。
ある日、ストリックランドが、運び込まれた生物に指を嚙み切られる事件が起きる。
ゼルダとその場を掃除することになったイライザは、嚙み切られたストリックランドの2本の指を見つける。
イライザは、運び込まれて調べられている生物が”半漁人”であることを知る。
好奇心旺盛なイライザは、密かに生物の元に向かい、ゆで卵を渡してコミュニケーションをとる。
ストリックランドは、ゼルダとイライザを呼び、掃除後は直ちに研究室を出るよう2人に指示する。
イライザは、警棒を持ち高圧的はストリックランドが、生物に危害を加えていると考え、彼を警戒していた。
その後もイライザは、ゆで卵やレコードプレーヤーを持って生物の元に向かい親交を深め、やがて2人は絆を築く。
ホフステトラーは、イライザと生物の交流に気づく。
実はロシアのスパイ、ディミトリ・モセンコフだったホフステトラーは、科学者として施設に潜入し、生物の情報を入手していたのだった。
いつものように生物を痛めつけるストリックランドは、その場にゆで卵が落ちていることに気づく。
そこに、ホフステトラーと共にフランク・ホイト空軍元帥(ニック・サーシー)が現れる。
宇宙開発競争でソ連をリードすることを目的として生物を利用しようとしていたホイトは、ストリックランドから生物の生体解剖を提案される。
それに反対するホステトラーは、研究のために生物を生かすことを主張するが、ホイトはそれを聞き入れずその場を去る。
その様子を見ていたイライザは動揺し、ホフステトラーだけが生物を救えると考える。
ホイトは、その後もホフステトラーの意見を退け、ストリックランドに生体解剖を実行すよう命ずる。
その会話を聞いてしまったイライザは、生物を逃がすために、ジャイルズに協力を求めるのだが・・・。
ギレルモ・デル・トロが製作、原案、脚本を兼ねて監督し、主演はサリー・ホーキンス、マイケル・シャノン、リチャード・ジェンキンス、ダグ・ジョーンズ、マイケル・スタールバーグ、オクタヴィア・スペンサーなどが共演した作品。
政府の研究施設で働く平凡な女性と実験材料にされる生物との愛を描くロマンチック・ファンタジー。
冷戦下の米ソの対立を背景に、ギレルモ・デル・トロの独特な世界観でノスタルジックに描く内容と共に、実力派スターの各個性も見事に活かされた秀作に仕上がっている。
1940万ドルで製作された本作は、北米興行収入は約6400万ドル、全世界では約1億9500万ドルという結果だった。
主人公は障害を持つ女性で、愛が芽生える生物が、ややグロテスクな半漁人であるため、障害者は普通の恋ができないようなイメージを感じさせる内容には批判もあった。
とは言え、言葉は発せないものの、好奇心旺盛で幸せに暮らす女性を見事に演じたサリー・ホーキンスの演技など、本作は批評家からは絶賛された。
第90回アカデミー賞では最多の13部門にノミネートされ、作品、監督、作曲、美術賞を受賞し、主演女優(サリー・ホーキンス)、助演男優(リチャード・ジェンキンス)、助演女優(オクタヴィア・スペンサー)、脚本、音響編集、録音、撮影、衣裳デザイン、編集賞にノミネートされた。
生物を解剖しようとする非情な大佐マイケル・シャノン、主人公の友人で良き協力者である初老の広告イラストレーターをいい味で演ずるリチャード・ジェンキンス、主人公と愛し合うようになる生物ダグ・ジョーンズ、研究施設に潜入するロシアのスパイで、生物を逃がそうとする主人公に協力するマイケル・スタールバーグ、主人公の友人である同僚のオクタヴィア・スペンサー、宇宙開発に生物を利用しようとする空軍元帥のニック・サーシー、ストリックランド(マイケル・シャノン)の部下デヴィッド・ヒューレット、ロシアの連絡員ナイジェル・ベネット、ストリックランドの妻ローレン・リー・スミス、ゼルダ(オクタヴィア・スペンサー)の夫マーティン・ローチ、主人公のアパートの管理人ジョン・カペロス、カフェの店員モーガン・ケリー、ストリックランドの秘書ウェンディ・ライオンなどが共演している。