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地球最後の男 The Last Man on Earth (1964)

1954年に発表された、リチャード・マシスンのホラー小説”地球最後の男/I Am Legend”を基に製作された作品。
疫病により世界で唯一人生き残った科学者の運命を描く、監督シドニー・サルコウウバルド・ラゴーナ、主演ヴィンセント・プライスフランカ・ベットーヤエマ・ダニエリジャコモ・ロッシ・スチュアート他共演のホラー。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


スリラー/ホラー

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スタッフ キャスト
監督

シドニー・サルコウ
ウバルド・ラゴーナ
製作:ロバート・L・リッパート
原作:リチャード・マシスン地球最後の男
脚本
ウィリアム・F・レイセスター
フリオ・M・メノッティ
ローガン・スワンソン(リチャード・マシスン
撮影:フランコ・デリ・コリ
編集:ジーン・ルッジェロ
音楽
ポール・ソーテル
バート・シェフター

出演
ロバート・モーガン:ヴィンセント・プライス
ルース・コリンズ:フランカ・ベットーヤキャロリン・デ・フォンセカ/英語吹替)
ヴァージニア・モーガン:エマ・ダニエリ
ベン・コートマン:ジャコモ・ロッシ・スチュアート
マーサー博士:ウンベルト・ラオ
キャシー・モーガン:クリスティ・コートランド
知事:アントニオ・コレヴィ
テレビ・リポーター:エットーレ・リボッタ
テレビ・リポーター:ロランド・デ・ロッシ
生存者のリーダー:ジュゼッペ・マッテイ

アメリカ/イタリア 映画
配給
アメリカン・インターナショナル・ピクチャーズ(北米)
20世紀FOX(世界)
1964年製作 86分
公開
北米:1964年3月8日
日本:未公開
製作費 $300,000


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
1968年9月。
科学者のロバート・モーガン博士(ヴィンセント・プライス)は、疫病に感染した人間がアンデッドになってしまった世界で、一人生き残っていた。

アンデッドは、日光とニンニクを嫌い、鏡を恐れる吸血鬼のような生き物だった。

夜の間に争い死んだ者を集めて葬るのが日課であるモーガンは、国際周波数を使い無線連絡を試みるものの応答はなかった。

感染が始まってから3年、定めた地域を回るモーガンは、アンデッドを葬るために木の杭を作っていた。

死んでいるアンデッド二体を車に乗せて出かけたモーガンは、処分場に向かい、遺体を捨てて焼却する。

無人のスーパーマーケットと商店に寄ったモーガンは、ニンニクと鏡を持ち去る。
...全てを見る(結末あり)

その後モーガンは、アンデッドを見つけて杭で殺して処分し、日没前に家に戻る。

夜になり、アンデッドは活動を始め、その仲間でモーガンの友人で同僚だったベン・コートマン(ジャコモ・ロッシ・スチュアート)が、家に侵入しようとする。

翌日、教会に向かったモーガンは、亡き妻ヴァージニア(エマ・ダニエリ)のことを想いながら眠ってしまう。

目覚めたモーガンは夜だと気づき、アンデッドに襲われながらも家に戻る。

待ち構えていたベンに鏡を見せて撃退したモーガンは家に入り、家族の記録映像を見る。

ヴァージニアと娘のキャシー(クリスティ・コートランド)のことを思い出すモーガンは、3年前の事件について考える。
__________

ヴァージニアと共にキャシーの誕生日を祝っていたモーガンは、現れたベンから、伝染病の犠牲者が数百人に達し、ウイルスが風で飛散している可能性があるという新聞記事を見せられる。

それを信じないモーガンは、自分や世界中の科学者が対策を考えていることをヴァージニアに伝えて安心させる。

その後、強風と共にキャシーとヴァージニアの体に異変が起きる。

研究所に向かったモーガンは、所長のマーサー博士(ウンベルト・ラオ)から、ウイルスが増殖している原因の解明を指示される。

モーガンはベンと共に研究を続けるが、人は死んで生き返り、感染者はヴァンパイアのようだという話を信じなかった。

その夜モーガンは、非常事態を伝える知事(アントニオ・コレヴィ)の会見放送を見て心配になる。

翌日、キャシーの目が見えなくなり、モーガンは、心配するヴァージニアに、医者は呼ぶなと指示してベンの家に向かう。

モーガンは、様子がおかしいベンに追い払われる。

研究所に誰もいないことを知ったモーガンは、マーサーから、人類が滅びることはないと言われるものの不安になる。

帰宅したモーガンは、軍のトラックが何かを運び出したことが気になり、ヴァージニアから、キャシーが亡くなったことを知らされる。

トラックを追ったモーガンは処理場に向かい、キャシーの遺体を捜すものの処理されてしまう。

家に戻ったモーガンは、目が見えなくなったと叫びながら、ヴァージニアが亡くなったためにショックを受ける。

ヴァージニアを処理場に運びたくないモーガンは、郊外に向かい遺体を埋める。

しかし、アンデッドとなったヴァージニアは、家に戻ってきてしまう・・・。
__________
翌朝モーガンは、ベンらに車を壊されたために、ディーラーに向かい新車のステーションワゴンを手に入れる。

帰宅したモーガンは、生きている犬を見つけて追いかけ、アンデッドが鉄の杭で殺されていることを知る。

自分以外に生存者がいると考えたモーガンは、無線で話しかけるものの、応答はなかった。

その後モーガンは、家の前に怪我をした犬がいることに気づき手当てをする。

犬が感染していることを知ったモーガンは、杭で殺して埋める。

その場に現れた女性ルース・コリンズ(フランカ・ベットーヤ/キャロリン・デ・フォンセカ/英語吹替)を追ったモーガンは、自分が正常な人間だということを伝えて、彼女を信用させて家に連れて行く。

ルースと話しをしたモーガンは、伝染病で夫を亡くしたと言う彼女に、妻子がいたことを伝える。

ニンニクを嫌うルースを疑ったモーガンは、感染者ではなく、病気だと言って動揺する彼女を落ちつかせる。

モーガンは外にいるベンのことを話し、ルースから自分だけが正常である理由を訊かれる。

モーガンは、かつてパナマでコウモリに噛まれ、それが弱った吸血ウイルスを持っていたために、免疫ができて感染しなかった可能性があると話す。

調べる方法はあり、感染していても増殖を防ぐことはできると言うモーガンは、ルースが注射を打とうとしたために感染者だと気づく。

それを認めたルースは、注射は脱線維血液とワクチンで、ウイルスの増殖を防ぎ、皆がこれを使っているとモーガンに伝える。

ルースは、他にも仲間がいて、モーガンが研究していたことを探ろうとしていると伝える。

アンデッドを殺し新しい社会を築いていると言うルースは、モーガンが日々、殺しているのはアンデッドではなく、自分の仲間だったことを伝える。

それを知らなかったモーガンは、ルースから、仲間が来るために、ここに留めておくのが目的だったと言われて銃を向けられる。

気分が悪くなったルースは意識を失い、モーガンは、自分の血液を彼女に輸血する。

モーガンは、意識が戻り鏡を見ても問題ないルースに、抗体がウイルスを退治したことを伝えて、皆を救えると考える。

ニンニクもきにならないことを確認したルースは、仲間を説得するために外に出ようとするものの、モーガンに制止される。

入り口の鏡を割って家の中に入ったベンはルースに襲い掛かり、モーガンが彼女を助ける。

そこにルースの仲間が現れ、アンデッドを鉄杭で殺す。

ベンも殺され、ルースから逃げるようにと言われたモーガンは、その場を離れる。

ある建物で催涙弾を手に入れたモーガンは、それを使いながら教会に向かい銃弾を受ける。

追い詰められたモーガンは、投げられた鉄杭を受けて、自分は人間であり、地球最後の男だと言って倒れる。

モーガンに寄り添うルースは、自分を恐れるかと訊かれる。

恐れないと答えたルースは、息を引き取ったモーガンを抱き寄せる。

その場を去るルースは、泣いてる赤ん坊に近づき、もう安心だと伝える。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
1968年9月。
科学者のロバート・モーガン博士は、疫病に感染した人間がアンデッドになってしまった世界で唯一人生き残っていた。
アンデッドは、日光とニンニクを嫌い、鏡を恐れる吸血鬼のような生き物だった。
モーガンは、最愛の妻ヴァージニアと娘のキャシーを感染により亡くし、計画的にアンデッドを殺し処理する日々を送っていたのだが・・・。
__________

リチャード・マシスンのホラー小説”地球最後の男/I Am Legend”を原作にした最初の映画化作品。

参考:同じ原作を基にした作品。
・「地球最後の男 オメガマン」(1971)
・「アイ・アム・レジェンド」(2007)

公開当時は話題にならなかったものの、その後に評価が高まった作品である。

尚、原作者のリチャード・マシスンは、作品の出来に満足できず、”ローガン・スワンソン”の名で脚本に参加している。

イタリア、アメリカ合作作品であり、撮影はローマで行われ、第二次大戦により中止された、幻の”ローマ万博”のために作られた新都市”エウローパ”の建造物などが、近未来の設定である作品に効果的に使われている。

主演のヴィンセント・プライスは、彼のベスト作と言う声もある中で、唯一人生き残った科学者を、雰囲気ある演技で好演している。

感染者であるがワクチンで生き延びている女性で、主人公の研究を利用しようとする仲間のために彼に接近するフランカ・ベットーヤキャロリン・デ・フォンセカ/英語吹替)、主人公の妻エマ・ダニエリ、その娘クリスティ・コートランド、主人公の同僚である友人のジャコモ・ロッシ・スチュアート、その上司ウンベルト・ラオ、州知事のアントニオ・コレヴィ、テレビ・リポーターのエットーレ・リボッタとロランド・デ・ロッシ、生存者のリーダージュゼッペ・マッテイなどが共演している。


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